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ボートレース特集 > 2006全日本選手権(ダービー)
この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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 ボートレース特集

全日本選手権 優勝戦回顧

2006_1029__248① 松井 繁 (大阪)
② 吉川 元浩(兵庫)
③ 魚谷 智之(兵庫)
④ 中村 有裕(滋賀)
⑤ 重野 哲之(静岡)
⑥ 坪井 康晴(静岡)

「48年ぶりの次は、46年ぶりか」
 記者席からポツリ、ポツリと声が漏れた。水面では、魚谷がウイニングランをしている。スタンドから声援が飛び、拍手が起きる。手を振る魚谷の表情は、満面の笑み。左手から差す夕日が、水面と魚谷を白く映した。

0011  スリット。1コースの松井繁が、他艇よりも1艇身遅れる。優勝戦出場者インタビューで、「スタートはコンマ01!…………プラス09くらい」 と場内を盛り上げたというのに、本番では「コンマ01プラス35」のスタートをして、悪い意味で場内を盛り上げてしまう。優勝戦メンバーで唯一複数SGタイトルを持つベテランは、自らの手で守るべき牙城を崩してしまった。

 出遅れるベテランを後目に、トップスタートを決めたのは5コースの重野哲之。連日書いているように、SG初出場初優出のフレッシュな若者だ。節一モーターの32号機はダテじゃない。内4艇に襲い掛かかるタイミングを虎視眈々と狙っている。

 スタート順位は2番手だったが、4カド中村有裕の出足も良かった。スリット通過後にグイッと伸びる足は、MB記念の準優戦を彷彿させた。「これがカドの役目」とばかりに、一気に内の艇をまくりにいこうとする。
 が、カド受け3コースの魚谷智之も伸びている。絞ろうとする中村を許さず、ターンマーク手前でガッチリと受け止めた。

2006_1029__144    絶好の展開になったのが、2コースの吉川元浩。インが出遅れていて、3コース・同県の魚谷がカベになっているのだから、1マークを正確にターンすれば、おのずとタイトルが転がり込んでくる。
 そして1マーク。吉川は、しっかりと松井をまくり切った。内に差し場はない。外を回すと届かない。
 唯一のスペースは、松井と吉川の間の狭い隙間だけ。ここを突いたのが、魚谷。ズバッという音が聞こえてきそうなマクリ差しは、綺麗に入った。この瞬間、34歳の後輩が手にいれかけていたタイトルを、30歳の先輩が奪い去った。

2006_1029__155  原田幸哉、瓜生正義、横西奏恵などを排出した、当たり期・76期出身の魚谷。本栖時代から将来を嘱望されている選手だったという。しかし、出世には思いのほか時間がかかった。デビュー3年目からGⅠには斡旋されていたが、制したのはデビュー10年目の地区選手権だった。04年の浜名湖グラチャンでSG初優出を果たした。しかしフライングに散った。遠回りはした。だが魚谷は、いままさに水を得た。

「地元じゃないのに、なんでこんなに沸いているんだろう?」
 隣にいた記者がいった。たしかに、ウイニングラン時にスタンドから聞こえてくた拍手と声援は、地元選手が優勝したように凄かった。並ばずに払い戻しができるくらいの超大穴だったというのに。
2006_1029__173  私の結論は「新興勢力が素晴らしい競走をしたからこその拍手であり声援ではないか」である。
 狭いスペースを一気に突き抜け栄冠を掴んだ魚谷だけではない。重野のダンプを凌ぎ切り2着を死守した吉川。SG初優出のプレッシャーに負けずトップスタートを決めた重野。カドがやるべき仕事を果たした中村。冷静な競走を展開して3着になった坪井――。

 ベテランが作ってきた時代を、若手が打ち壊し、新たなる時代を作る。そうやって歴史は動いてきた。
 私見だが、どんな競技も若手が台頭してくる時期がもっとも面白い。

 競艇は、やはり、今がその季節のようだ。

《Photo:池上一摩(2枚目) 中尾茂幸(残り全部) Text :姫園淀仁》 


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新たなヒーローが放つ「強烈なオーラ」――優勝戦、後半のピット

1img_5555  ゴール後、反り返るようにして「よっしゃ!」とガッツポーズを決めたのは魚谷智之である。
 表彰式で、「山あり谷ありでしたね」と振られたときには「ちょっと遠回りしたんですけど」と笑って返していたが、グラチャン優勝戦における痛恨のフライングから2年以上が経っている。そのあいだ、「辛抱の時」を過ごして、努力を続けていたことが、ここに結実したわけである。こみ上げてくるものがどれほど大きなものだったかがよくわかる渾身のガッツポーズだった。

2r0010913  今日一日の魚谷は、「いい時間」の過ごし方をできていたように思う。
 昨日のピットでも、魚谷にはオーラを感じていたが、SGなどのピットではこうした選手が発見されることが少なくないし、それがそのまま結果につなげることは意外と多い(私事でいえば、舟券にはつながらないのだが……)。
 そして、今日の魚谷は、昨日以上のオーラを発散していたのである。
 朝のペラ叩きに始まって、その後もずっと作業を続けていた。同じ兵庫支部の吉川元浩と並んで作業をしていることも多かったが、その顔には常に、気持ちのいい笑顔が見られていたものだった。
 そして、展示航走を終えたあと、魚谷は選手控室の前で入念なストレッチを開始した。先のMB記念で優勝した中村有裕ともイメージが重なるが、このように「それぞれの儀式」を持っている選手は少なくない。
 ストレッチを開始するとともに、それまで笑顔を振りまいていたのが嘘のように、魚谷の表情はぐっと引き締まっていったのだ。
 その場面は一枚だけ写真を撮ったが、カメラを向け続けているのは気が引けて、あとは遠目で様子を見ていた。MB記念の中村有裕もそうだったが、この瞬間、魚谷が放つオーラは頂点に達したようだった。

3img_6825_01  レースについては別記事に譲るが、「見事」のひと言に尽きるものだったといえるだろう。
 ウイニングランのあと、引き上げてきた魚谷を迎えたのは、2着の吉川である。「やられたわ」と言ったのか、あるいは「やったな」と言ったのか、そんなひと言を発して、固い握手を交わすと、ひしりと抱き合った。
 期のうえでは後輩だが、3歳年上で、SG優出回数でも魚谷にまさる吉川からすれば(これまで魚谷はSG優出1回、吉川はSG優出5回)、先を越されたかたちになったわけだが、これまで何度か見てきた祝福の抱擁にくらべても、とても力強いもので、感動的な一幕だった。

4yoshikawa  その吉川は、優出メンバーのなかでもとくに熱心に作業を続けていた一人といえる。朝のインタビューにおける「やることは全部やろうと思います」との言葉に偽りはなく、魚谷と話しているときを除けば、常に厳しい表情をしながらペラやモーターと向き合いつづけていたのだ。優勝こそ逃してしまったものの、その成果が2着という結果に出たとはいえるのだろう。
 兵庫支部にとっては46年ぶりのSG制覇となったが、2着までが兵庫支部だったのだから、昨日感じられた「連鎖」はここまで続いていたわけである。

5img_6836  もう一人、動きが気になっていたのは、SG初出場で初優出を果たしていた重野哲之だ。今日は一日、作業に追われていたかたちで、昨日のように、一人で水面を眺めているような場面は見かけられなかった。
 それでも、レース前には選手控室の外で、水面とスタンドを見るようにしながら、ゆっくりゆっくりとカポックを着ていた。そのときの表情からは、魚谷に劣らないほど高い強い集中力が感じられたものだ。結果は4着とはいえ、いいかたちでレースに臨めていたのだろう。
 レース後の重野は、各選手に礼を言いながら、笑顔を爆発させていた。この優勝戦を無事に終えたことでホッとした部分も大きかったに違いない。その気持ちがよく伝わる最高の笑顔であったのだ。
 関係者と思われる男性から「上出来、上出来」と声を掛けられると、「まだまだ若いですね」と、やはり重野は笑顔で答えた。
 このシリーズを通しての経験が、今後の大きな糧になるのは疑いようもない。見た目よりもおとなしい部分があるという重野だが、これからも注目していき、「次」を期待したい。

6img_6833  1号艇で人気を背負った松井繁は6着に敗れた。レース直後、ほかの選手たちに囲まれているあいだは、ボートの揚降装置のポールにぶら下がるなどして、おどけていたものの、その悔しさは相当に大きかったのだろう。
 ほかの選手たちが離れていって、一人になった途端に、唇を噛みしめ、肩を落としたようにも見えていた。それがまた、弱々しい姿などには映らず、不思議なほどカッコいいのだから、こんなところにも「王者の矜持」は窺える。
 このレースに限らず、勝敗は常に紙一重のものともいえるはずだ。賞金王への道は、王者の前にしっかりと開かれているのは間違いない。
(PHOTO/山田愼二、池上一摩=吉川、内池久貴=魚谷2枚目 TEXT/内池久貴)


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本日の水神祭! SG初制覇、魚谷智之!

 第53回全日本選手権は、魚谷智之選手の優勝で幕を閉じました! 魚谷選手、53代ダービーチャンプの称号を手に入れたわけです。おめでとうございます!

 魚谷選手は、これがSG初優勝。となれば、もちろん! 水神祭であります!
 SG覇者のレース後は大忙し。表彰式(イベントホール)→共同記者会見(東スタンド4F会議室)→JLC番組出演(ピット内競技棟ミーティングルーム特設スタジオ)と、休む間もなく駆けずり回ります。すべてのスケジュールを終えたら、もう17時40分。あたりは薄闇に包まれておりました。
Photo_15  ボートリフトに移動した魚谷、いざ水神祭! 参加したのは近畿地区の面々――吉川元浩、太田和美、湯川浩司、守田俊介、中村有裕。松井繁も、少し離れたところで見守っています。おぉ、優勝戦でともに戦ったライバルが3人も! 近畿勢がめっちゃ幅を利かせていたダービーだったんですねえ。
 その輪の中でニッコニコの魚谷智之。もともと笑顔が印象的な選手ですが、今日はさらに輝く笑顔であります。そんな魚谷を、仲間はワッショイスタイルに担ぎ上げて、せーのでドッボーン! 魚谷は、まるでムーンサルトを演じるように一回転して、足から水面に吸い込まれていったのでした。魚谷が浮き上がって顔を出すと、一斉に拍手、拍手、拍手! おめでとうございます! ずぶ濡れの魚谷、夕闇のなかでフラッシュを浴びながら、きらきら光る笑顔を見せたのでありました。

 魚谷選手、SG初制覇おめでとうございます。ダービーチャンプに恥じない走りで、今後のSGも暴れまくってくださいね。期待しています!(PHOTO/池上一摩 TEXT/黒須田守)


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それぞれの笑み――優勝戦、前半のピット

1r0010801_1 優勝戦の朝にしては珍しく、優出選手全員が熱心に作業に励んでいる姿が見かけられた。
 公開インタビューのあとにピットに行くと、まず目についたのが重野哲之だ。
 装着場でボートの各所をチェックしていたところだが、多くのカメラマンたちに囲まれていたため、その表情は少し硬いようにも思われた。だ が、取材の声をかけられると、作業の手は止めないままに丁寧に回答していた。そして、満面の笑みを浮かべているところも見かけられたのだから、一人で水面を見つめていることが多かった昨日とは、雰囲気がちょっと違う。
 朝のインタビューでは「エンジンは600点」とも答えていたが、やるだけのことはやって、午後になってから静かな時間を過ごすことになるのかもしれない。昨日と同様に、この後に水面を見つめているような姿が見かけられたなら、600点以上のモーターと精神状態でレースを迎えられることだろう。

2r0010789_1   筆者がピットに着いたときからずっと、ペラ小屋に閉じこもって、ペラと向かい合っていたのは魚谷智之である。
 こちらには背中を向けていたかたちだったので、その表情や作業の様子はわからなかったものの、とにかく作業時間は長かった。ボートの引き上げに出てくるとき以外は、ずっとペラ小屋にいたままだったのだ。それでも、ボートの引き上げで吉川元浩と一緒になったときなどは、顔をくしゃくしゃとゆるめて、しばらく談笑していた。とにかく笑顔がよく似合う男である。

 相手の吉川も、公開インタビュー直後からずっと作業をしていた一人だった。インタビューでは「やることは全部やります」と答えていただけのことはある。
 ギアケースを外しての整備などをしていたあとに2R後には早くも水面に出て行き、試運転を行なった。ちょうど他の選手は出ていない時間帯だったので、水面を独占するかたちでスタート勘などを確かめていた。そして、引き上げてくると、すぐにプロペラを外してペラ小屋に向かったのだから、今日は一日、とことん作業を続けるものと予想される。

3r0010822  松井は1R後にちょっとプロペラを叩いていたあと、装着場でボートの各所をチェック。取材の声をかけられたときには、やはり重野同様、笑顔を弾けさせていた。
「今日は暑い?」などと記者に尋ねていたりしていた松井だが、そのいでたちはTシャツ一枚である。そして、その背中に書かれている文字は「やるしかないねん」。
 今日の優勝戦では、人気を集める立場にある松井は、まさにそうした気持ちでレースを迎えるのだろう。

 坪井康晴は、2R後にボートごと整備室に引き入れて、モーターを熱心に磨いていた。
 また、優出メンバーのなかでは、公開インタビュー後の動き出しがもっとも遅かった中村有裕も、3R前に整備室に行って、モーターの整備を開始していた。
 この二人にしても、なかなかいいムードを醸し出していたのはいうまでもない。

4r0010812  優出メンバー以外で目に付いたのは、田村隆信と植木通彦だ。
 田村は装着場の隅のペラ作業場で、とにかく真摯な表情でペラと向き合っていた。ボートにはペラが付いたままだったので、昨日の失格にもめげずに、その目はしっかり明日に向けられているのだろう。
 植木もまた、かなり長い時間、ペラ小屋に閉じこもっていた。2R後には日高逸子のボートの引き上げを手伝っていたが、それが済むと駆け足でペラ小屋に戻っていったのには驚かされた。優勝戦進出はかなわなかったといっても、今日の特別選抜A戦では地元のスターとしての意地とプライドを見せてくれるに違いない。
(TEXT&PHOTO/内池久貴)


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優勝戦! 本日の特注選手

おはようございます! 優勝戦の朝がやってまいりました。フレッシュなメンバーで行なわれる優勝戦、王者の意地が爆発するのか、新星が誕生するのか、おおいに楽しみですね。福岡は天気もいいっすよ!

2006_1027__164 さて、本日の特注選手は、三嶌誠司選手。残念ながら優出は逃してしまいましたが、積極果敢にコースを取りにいった準優勝戦は、闘志を感じさせられました。何しろ、三嶌選手はこの次のSG・競艇王チャレンジカップは、地元での開催となるだけに、なんとしても出場したいところ。今日は特選がありますから、おそらくもう大丈夫のはずですが、勢いをつけるためにも、今日は頑張っておきたいところ。ガッツあふれる走りに、期待しましょう!

それでは、優勝戦、熱く熱く盛り上がりましょう! 舟券も頑張りましょうねー!


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連鎖する喜びと焦燥――準優勝戦、後半のピット

 ふうっ。
 10R。レースから引き上げてきた植木通彦は、大きく息を吐き出した。勝負に出ての3着だった。
「おとなしく2着を走っていればよかったかな」。そんなコメントも残していたが、確かにそういうレースをしていたならば、優勝戦に残れていたには違いなかった。
 それでも、自分で口にしているほどには、艇王の表情に、悔恨の色は見られなかった。地元SGだからこそ、勝負に出たのだし、結果については仕方がないと割り切れていたのかもしれない。
 SG優勝戦に乗る植木の姿はやはり見たかったが、このレースでは「いいものを見せてもらった」という思いが強く残った。こういう勝負が見られてこその競艇だからである――。

1img_4945  レースの詳細については、レース回顧の記事に譲るが、植木が1着をもぎ取りにいったことで生まれた隙に飛び込んだのが魚谷智之(1着)である。
 本人は「ビックリしました。笑いながら入っていきました」と語っているが、もちろん、そんな余裕があったはずはないだろう。前半戦のピット原稿でも「オーラに近いものが感じられた」と書いているが、自然体でレースに臨めていたからこそ、一瞬のチャンスを逃さず優出を決められたのである。
 魚谷は、その後も、同期の横西奏恵と笑い合ったりしながら過ごしていたが、明日も、今日と同じような表情で過ごすことができたなら、もうひとつ上の大きな仕事を果たしてくれるかもしれない。

 このレース、2着の坪井康晴は、レース後しばらく複雑な表情をしていたように思われた。
 共同会見が終わりかけていた頃、モニターにレースのリプレイが映し出されると、「どんなレースか見たいですね。それで反省します(笑)」と言って、本当にモニターに見入ってしまった。
 そして、はっきりとは聞き取れなかったが、「やっぱり反省ですね」というようなことをぼそりと言って、苦笑いを浮かべながら、会見場を去っている。
 優出の権利を獲得しても、納得できないところは素直に悔やむ。あくまでも貪欲なSG覇者の姿勢がそこに窺えた。

3r0010758  11R。こちらもまた波乱のレースとなってしまい(やはり詳細は、レース回顧記事を参考にしてほしい)、仲口博崇(転覆)と接触して失格になった田村隆信がレース中に引き上げてくると、レースをそっちのけにして田村のもとに走った。
 田村の引き上げを手伝っていたのは、同期の井口佳典と森高一真だったが、こうしたときには声をかけないのが一番というように無言で作業を手伝っていった。もちろん、レースが終了して、田村が他の選手たち全員に謝罪を終えたあとには、再び井口や森高が田村のもとへと寄ってくる。そうやって、田村がある程度の冷静さを取り戻した頃合いを見計らって慰めの言葉をかけていたのだ。
 結果論といわれるかもしれないが、実はこのレースの直前、筆者は黒須田記者に対して「なにか田村に落ち着きがない気がする」ということを話していた。
 これはあくまで想像に過ぎないが、85期の3人が3つのレースに分かれて準優勝戦に臨んでいたのだ。そのことで心に期するものがあったのではないのだろうか。そこで、10Rの井口が躓いてしまったために(4着)、「自分こそが!」という気持ちが強く出たのではないかとも思われるのだ。
 先走りになるが、12Rの85期・湯川浩司も、やはりレース前には緊張の表情を浮かべていた気がするし、そして結局、6着に敗れているのだ。単なる勘繰りと言われればそれまでのことだが、85期3人の結果には、「負の連鎖」のようなものを感じずにはいられなかった。
 ちなみに、接触の当事者である仲口は、問題のシーンを振り返って「いちばんスピードが出ていたときなんで、一生懸命やっても、人間の力ではどうしようもなかった」と語っている。その言葉には憤りに近いものが感じられるわけだが、それを引きずったりはしないところが競艇選手の素晴らしいところだ。
 12R前になると、長い間、田村と話しているところが見かけられた。ひたすら申し訳なさそうにしていた田村に対して、笑みも見せていた仲口は、やっぱり男なのである。

4img_6323  85期に感じたのが「焦燥の連鎖」であったなら、「喜びの連鎖」を感じさせられたのが、兵庫支部と静岡支部だった。
 11Rでは、兵庫・吉川元浩が1着、静岡・重野哲之が2着となり、それぞれ10Rに続くかたちで各支部2人目となる優出を果たしているのだ。
 この日の吉川は、朝から誰よりも熱心にペラを叩いていた一人だった。レース後の共同会見では、表情が重いようにも見えたが、「一走入魂で、魚ちゃんと一緒にがんばりたいと思います」と、笑顔で会見を締めくくっている。同期のつながりだけではなく、同支部のつながりだって、やっぱり強いわけである。
 一方、SG初出場初優出のプレッシャーはないかと記者陣から訊かれたときに「(同支部の)坪井さんがいるんで」と笑っていたのが重野だ。
 この日の重野は、あまり作業をしているところを見かけられなかったが、他の選手たちとは離れた場所に腰掛けて、長い時間、静かに水面を見つめている姿が2度、3度と見かけられた。そうやって、自分なりに精神統一していたのだろう。一日中厳しい表情をしていた重野が、レース後になって爆発させていた笑顔がとても印象的だった。
「(こんなことは)最初で最後なんで」とも口にしていたものの、明日の重野が「もうひとつ上の欲」を出す気になるかが注目される。

5img_6521  12R。こちらはとりたてて連鎖と強調するほどのことはなかったけれども、勝った松井繁のもとに駆けつけた魚谷智之が、ピットに響き渡るような大きな声で笑っていたのは新鮮だった。
 その松井はレース直後、横西奏恵の拍手で迎えられると、昇降機の手前でウィリー風に、ボートをウィ~ン。
「おお! 決めてくれるなあ」と見ていたら、ボートを降りてヘルメットを脱いだ瞬間には、口を真一文字に結んで厳しい表情になっていた。そんなところでは、王者の風格を見せつけられた気がしたもののだ。
 初日、2日目と躓いた松井は、4日目の勝負駆けを見事に決めて、さらにはこの勝利で優勝戦1号艇をゲットしたのだ。こうした足取りと、プライドあふれる表情を見ている限り、明日の「銘柄一人旅」も現実味を帯びてくる。

6r0010762  このレース、2着は中村有裕だった。レース前にはお得意のストレッチを行なっているところも見かけられたが、「大一番に向けての理想の精神状態のつくり方」はすでに掴みきってといえるのかもしれない。
 レース後はすぐにインタビューには向かわず、自分のボートを洗い続けているのも彼らしいところだった。同支部の先輩・守田俊介にそれを手伝ってもらい、気持ちもほぐれていたのだろう。共同会見の最後には「インコース以外でSGを獲れるチャンスが巡ってきたので、楽しみにしてます」と口にしたのだから、こちらも楽しみになってきた。
 こと「名前」でいうならば、松井が抜けているには違いないものの、勢いに乗る男たち5人が、どんなレースで松井に挑むのか――。優勝戦のピットの様子と本番の熱闘が楽しみになってきた。
(PHOTO/山田愼二、内池 TEXT/内池久貴)


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優勝戦共同会見ダイジェスト

 準優勝戦は、すべて6コースが1着、ですか……。波乱の連続だった激戦を乗り越えて、優出を果たした6選手。ここでは、レース後の共同会見ダイジェストをお送りいたします。(優出回数は、MB記念までのもので、今回は含みません)

1号艇 松井繁(大阪) SG5V 優出34回
Sr0010771 「今日のレースぶりは、悪くはないでしょう。エンジンはまあまあです。どこがいいか? わからないですけど、自分でレースできる足はあります。どこがいいとかはわからないんですよ。自分がレースをできる足だと思っているから、負けたら自分のテクニックで負けたと思っている。今回はレースができる足ということです。スタートはそこそこ勘通り。1号艇? いつも通りで」
 終始、淡々と応えていた王者。推測ですが、「エンジンはどこがいいかはわからない」というのは、実際はそうではない、と。敗戦はすべて自分の責任と、覚悟を決めているということではないか、と思う次第であります。てめえのケツはてめえで拭くという、最高にプロフェッショナルらしい覚悟を松井は抱いている。やっぱり、王者はすげえよ。この男、技術だけでなく、メンタルも凄すぎるのだ。

2号艇 吉川元浩(兵庫) SG0V 優出5回
Sr0010756 「昨日よりはだいぶマシだったけど今日は伸びが弱い気がした。出足と回り足も、もうちょっとですね。(準優の)バックでは重野にずいぶん伸びられた。今日はピット離れが悪かったんで、元に戻して。枠番は主張します。Sは行こうと思えば行けるので、大丈夫」
 これまた松井と同様、非常に淡々としていました。面構えが非常に男っぽいこともあわせて、風格みたいなものも感じます。会見の時点では枠順が判明していませんでしたが、12Rで松井が勝って2号艇。ということは、2コースからでしょう。

3号艇 魚谷智之(兵庫) SG0V 優出1回
Sr0010743 「(2周1マークで先行する植木と坪井が大競りで内が開く)びっくりしました。笑いながら入りました(笑)。足は伸び型で満足しています。ええほうの部類じゃないですか。乗りやすさもあります。Sは今日は消極的で悔しかったけど、S練習などではいい雰囲気でした。ピット出は多少は悪いけど、締め上げられるほどではないです」
 笑いながら、ぽっかり開いた内に入りましたか。そりゃ、そうだよなあ。笑いが止まらない展開だったもの。ピット出が悪いとのことですが、12R終了後、「ラインを固めます(笑)」と競輪に喩えて言っていた。もちろん吉川との兵庫ラインですね。3コース死守でしょう。

4号艇 中村有裕(滋賀) SG1V 優出1回
Sr0010776 「2着は残念だけど、めちゃくちゃ嬉しいです。足は、バランス取れていい足ですね。(どこが特にいいか、と聞かれて)バランスが取れているところです(笑)。桐生のときと比べるとちょっと劣るけど、ご満悦な足です。コースは4カドが理想ですね。インコース以外でSGを獲れるチャンスが巡ってきたので、めちゃくちゃ楽しみです
 出た、ご満悦な足! MB記念のときほどではないが、納得のいく足色に仕上がったようだ。それにしても、この勢いはどうだ。準優を勝てば1号艇だっただけに、悔しくないはずはないが、明るく「めちゃくちゃ楽しみ」といえる強心臓も敬服。連覇、あるかもよ。

5号艇 重野哲之(静岡) SG0V 優出0回
Sr0010752 「インから行くことは、昨日が終わった時点で決めてました。Fができないので(F2になるため)慎重でしたけど、今日はスタート練習で、100mからしかやってないので、本番では思ったよりも浅くなった分、遅くなったんだと思います。足は、レースを見ていただければおわかりだと思いますが、伸びがすごいです。行き足がいいから、伸びていくんですね。出足、回り足もいいです。僕が「いやぁ(そんなに出てません)」と言っても、みんなが認めてくれないですよね(笑)。ピット離れは、ペラとギアケースのマッチングで直りました。優勝戦は、内寄りに欲を見せつつ、枠なり。(SG初出場で初優出については)僕はよくやったと思うけど、みなさんはできすぎって言うでしょう(笑)。優勝戦1号艇ならバクバクになったと思いますが、坪井さんも乗ったんで。今日? プレッシャーがないことはなかったです(ニコッ)。(質問者が『他に質問ありますか』と報道陣に問う)最初で最後なんで、何でもお願いします(笑)」
 明るい! そしてハキハキとしていて気持ちいい! ついでに、優出という事態にまったく怯んでない! 大仕事の予感を漂わせているのは間違いない。とにかく、自他共に認める超抜エンジン。5号艇でも、もちろん怖い存在になりそうだ。

6号艇 坪井康晴(静岡) SG1V 優出1回
Sr0010741 「(大競りになった2周1マークは)ちょっとミスってしまって。判断のミスですね。1周1コーナーは、抜群のターンができたと思います。エンジンは、昨日と一昨日と失敗した成果が出ました。ペラを調整して、力強さが出ましたね。回ったあとの二の足が気に入っています。上位はあると思います。コースは、メンバーにもよるが枠主張(この時点では、もちろん枠順は判明していません)」
 坪井、まさか6号艇になってしまうとは。予選4位だもんなあ。でも、枠順が決まった後、「準優、全部6コースが勝ちましたからね」。苦笑もしてましたけど。それにしても、落ち着き払った様子は、さすがのSGウィナー。明日は気楽にいける分、自分のレースができるはずだ。
(PHOTO/内池久貴 TEXT/黒須田守)


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優勝戦メンバー確定!

 準優勝戦は、すべて6コースが勝利という大波乱で終了、優勝戦の6ピットが確定しました!

① 松井繁(大阪)
② 吉川元浩(兵庫)
③ 魚谷智之(兵庫)
④ 中村有裕(滋賀)
⑤ 重野哲之(静岡)
⑥ 坪井康晴(静岡)

※念のため、主催者発表をご確認ください。


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静かな朝のオーラ――準優勝戦、前半のピット

R0010702b_1   晴天の福岡。1R後にピットに行くと、ちょうど試運転後の作業が終わりかけようとしている頃だった。装着場にはずらりとボートが並び、作業をしている選手の姿はあまり見かけられない。そんな中で準優メンバーが作業に出てくれば、その選手のもとに取材陣がどっと押し寄せる……。いつもと変わらない準優勝戦の朝のピットの光景といえるだろう。
 もちろん、そんな中でも気になる選手は何人か発見された。
 装着場に設置されているペラ作業場で熱心にペラを叩いていたのは大場敏で、ペラ小屋では、吉川元浩、坪井康晴らが作業をしていた。とくに長い時間、作業をしていたのは吉川で、3R前まで作業を続け、3R終了後に試運転に出て行った。
 準優メンバー以外では、濱野谷憲吾、白井英治らが熱心にペラを叩いていた選手だ。毎度のことながら、準優進出がならなくても、いつもこうした姿が見かけられる濱野谷には頭が下がる。

R0010660b  多くのカメラマンに囲まれていたのは中村有裕で、装着場でボートの各所を入念にチェックしていた。モーターやペラに関しては、すでに納得できるところまで仕上がっているからこそ、やり残しがないかを確認していたのだろう。
 MB記念の優勝で、勢いに乗っているだけではなく、ピットにおける立ち居振る舞いにまで変化があらわれてきた気がする。作業をしている様子を近くで見ていると、決してピリピリはしていない「静かな闘志」が伝わってくるようで、SG2連覇も夢ではないように思われてくるほどだ。
 その中村の傍で、モーターの汚れを丁寧に拭いていたのが魚谷智之だ。その落ち着いた佇まいと、何かを射るような鋭い目つきには「オーラ」に近いものが感じられた。こういう選手は伏兵という以上に怖い気がする。

R0010680b  2R後、何人かのカメラマンが固まっていたのでそちらに駆けつけると、平田忠則のボートの傍で、植木通彦と上瀧和則の2ショットが実現していた。小声で話していたので、話の内容まではわからなかったが、二人ともいい感じの笑顔を見せていたのだから、なんだか嬉しくなったものだ。
 その2ショットを撮影しそこなったのは残念だが、引き上げていく際の姿だけはギリギリおさえられたのでご容赦いただきたい。
 その後、植木はペラ小屋に行って、作業を再開。そのときにはまだ、吉川らの姿も見られたが、他の選手が誰もいなくなったあと、植木は一人で黙々と作業を続けていた。
 整備室の奥にあるペラ小屋なので、遠目にしか作業を見ることはできなかったが、張り詰めてはいない空気の中にも真摯さが伝わり、ここに賭けている気持ちの強さが感じられたものだ。もちろん、こちらもオーラはビンビンである。

R0010696b  もう1組の2ショットはお馴染みのもので、田村隆信と井口佳典だ。こちらは2R後に同時に試運転に出て行き、やはり一緒に引き上げてきたあとは、そのまま装着場のペラ作業場へ向かう。
 そこへ着くと同時に、すぐに作業を始めたのは井口のほうだが、しばらくすると田村は、テーブルの上にまで乗ってペラを叩き始めた。
 仲良し85期とはいえ、作業をする姿は当然、真剣そのもの! 『本日の特注選手』でも取り上げているように、10R・井口、11R・田村と、それぞれ3号艇に乗ることになるのだが、ともに怖い存在といえるだろう。

R0010677b  そして、もう一人の85期は、12R3号艇に乗る湯川浩司だ。こちらは、筆者がピットにいた範囲では、作業をしている様子は見かけられず、レース後のボート引き上げの際などにその姿が見かけられただけだった。だが、いつもとはちょっと雰囲気が違い、この時間帯からすでに、緊張感と集中力が前面にみなぎらせているようだったのが印象的だ。
 85期3号艇3人衆……、侮りがたし!なのである。
(TEXT&PHOTO/内池久貴)


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準優勝戦! 本日の特注選手

おはようございます。秋晴れに恵まれた本日の福岡競艇場、準優日和でございます! 現在のところ、風はほぼございません。果たして、優勝戦に駒を進めるのは!? それでは本日の特注選手。

2006_1026__029 まずは10R。井口佳典に注目します。チャレンジカップに出場できない彼は、ここが賞金王勝負駆け。なんとしても優出は果たしておきたいところです。

2006_1026__033 11Rは田村隆信。約2年ぶりのSG制覇に全力投球、賞金王決定戦への足がかりを作っておきたいところでしょう。ピットでの雰囲気もいいです。

2006_1027__202 12Rは湯川浩司。前半はややもたつきましたが、3日目以降は素晴らしい成績。足は完全に仕上がったとみます。総理杯のリベンジを果たすためにも優出を!

というわけで、準優3個レース、すべて3号艇、そしてすべて85期であります! 銀河系軍団、優勝戦で揃い踏みとなるか。この3名の走りに注目しましょう!


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今日のベストパフォーマンス改め今日の勝負駆けパフォーマンス

あまりに激しすぎた勝負駆け。この推移を伝えるべく「今日のベストパフォーマンス」を「今日の勝負駆けパフォーマンス」に変更してお伝えします。(ボーダー6・17を基準にします)

1R/新美のまくりで波乱の決着
2006_1026__547  準優へ1号艇でピンが欲しかった①奏恵は②田中とともにドカ遅れ。勢い3コースから③新美がまくったが、このまくりに便乗したピンピン条件の④大場がまくり差しで突き抜けた。SGでの大場のまくり差し、ちょっと記憶にないなあ。でもって奏恵ちゃん、お疲れ様!
◎当確選手…なし☆次走に望み…大場1着、新美1着

2R/西村、イン強奪が裏目に
 1着条件⑥西村が捨て身の前付けでイン奪取。が、Sがまったく合わせきれずにコンマ57!の超ドカ遅れ。インを奪われた①笠原もお付き合いで遅れ、3コースの②藤丸は楽にまくりきった。空振りに終わったが、こうした西村の気合いこそが競艇の醍醐味だと思うぞ。
◎当確選手…なし☆次走に望み…藤丸3着

3R/銀河系軍団の明暗くっきり
2006_1026__470  ④池田以外は全員チャンスがある大激戦レース。それだけにコンマ10前後の電撃戦になったが、①井口が②魚谷を壁にして冷静に逃げきった。これで2走目を待たずに完走当確ランプ。井口と同じ銀河系軍団のひとり⑤森高は1着条件もややSで後手を踏み、行き場がなくて全速のぶん回し。これは届かず、逆に振り込んで水面上をくるくる2回転するという珍プレーを見せて万事休した。3着条件だった⑥石渡は惜しくも4着。
◎当確選手…井口、魚谷☆次走に望み…中澤2着

4R/想像を絶する1マークのダンプ!
 ①守田②山室以外は勝負駆け。内2艇が終戦だけに進入からもつれて並びは423156。気合い満点にインを奪った④白井(2走で16点)はスリットもコンマ02と張りこんだが、行き過ぎてアジャスト。勝負駆けは捨て身で攻める⑤幸哉(2走で16点)が5カドから一気にまくる態勢に入った。 このまくりに内から飛びついたのが3着条件の③智也。見た目には「大競り」で、幸哉&智也ともに流れるか、という態勢。だが、ここからの智也が凄い。コツンと幸哉の艇に軽く艇を当てて、その反動を利用しつつインの白井までまくりきってしまった。1周1マークの究極ダンプ!ほとんど影響のなかった幸哉もすぐに追撃して3着。アウトから展開を突いた⑥湯川が2着をキープして準優へ大きく前進した。
◎当確選手…智也☆次走に望み…幸哉1着、湯川4着

5R/田村、冷静なさばきで望みをつなぐ
2006_1026__035  ②暢孝はすでに完走当確の身。1Rで奏恵も終戦を迎え、勝負駆けは⑤田村(2走で9点)のみ。モチベーションの差は明らかで、スリット同体から2コースの暢孝が差し、3コースの田村が冷静に外の深川をブロックしてから追走してともにポイントを伸ばした。

◎当確選手…暢孝、田村

6R/残酷なまでのパワー差
 やや厳しい勝負駆けは⑤仲口(2走9点)。1着で6・00になる今村豊がコンマ08と珍しくトップSで攻めたが、上位級とのパワー差は歴然。逃げる①作間とセンター速攻の④ユーユーが簡単に1、2番手を取りきり、あっさりと押しきってしまった。5コースから展開がなかった仲口はよもやの6着。

◎当確選手…作間、ユーユー☆次走に望み…仲口2着

7R/王者・松井、アウトから貫禄の2着
 これぞ勝負駆け!という激戦区。1着条件が⑤新美で2着条件が①吉川、④中澤。さらに⑥松井が2走で16点……下手すると3人ほどが落選してしまう。これだけ条件が厳しいと開き直りもしやすいわけで、インの吉川がコンマ05の快ショットを決めた。他艇が08~17なので、「これは楽勝か」と見ていたのだが、枠なりの6コースに悠然と構えた松井が巨大な弧を描いてぶん回し。おそらく「1、2着条件が多いので展開はもつれる。下手に艇を突っ込むより大外をぶん回した方が得策」と考えたのだろう。実際、その通りの展開になったわけだ。松井は2周1マークで驚異のイン変わりで2着に浮上したあと、最後まで吉川を苦しめ、最後は0・4秒差。王者の余裕と貫禄と執念と度胸をいっぺんに実感させる勝負駆けだった。
◎当確選手…吉川☆次走に望み…松井2着

8R/大場、奇跡の連勝リカバリー!
2006_1026__723  このレースも誰かが残って誰かが消え去るという究極のサバイバル戦。1着条件が①大場と②幸哉、2着条件が④川﨑、⑤西島も2走で10点が必要なので手抜きなどできない。西島が2コースに入ってのスリットは07~14。この07がインの大場で、気合い一閃そのまま逃げきってしまった。差した西島は振り込んで転覆しそうなほどのアクシデント。
 幸哉がその上を叩いて、大場に迫る。同じ東海地区ではあっても、両者ともに1着条件!幸哉が執拗につけ回り、大場がギリギリで振り払う。3周丸ごとそんな展開で、最後は大場が3艇身の差を付けてゴールした。片や4000万円への花道、片や敗者戦回り……ザッツ・オール・勝負駆けだったな。19
位の幸哉君、残念でした、そしてお疲れ様でした。
◎当確選手…大場、井口☆次走に望み…西島1着

9R/藤丸、執念丸出しの絞りまくり!
 ②植木がすでに当確。勝負駆けは⑤藤丸と⑥江口の2艇で、ともに3着条件。枠順、条件、どちらも微妙なレースだ。もちろん、勝負駆けの2艇が動いた。進入はゴッチャゴチャの団子状態になり、「こりゃたまらん!」という感じで⑤藤丸が回り直し。「単騎ガマシか」と思いきや④後藤も回り直して126354。
 スリットはほぼ横一線。ダッシュの利を生かして藤丸が絞りまくりに出る。カド受けの③池田がこれに抵抗して、あわや心中かという危険な展開に。が、ゴリゴリと内の艇を押さえ込みながら、そのまま強引にまくりきって藤丸の勝ちが決まった。大場に続く、鮮やかな連勝劇。もうひとりの3着勝負駆け・江口はこのまくりの影響をモロに受けて5着……ここでも明暗が分かれたし、選手班長・藤丸の執念が際立った絞りまくりだった。
◎当確選手…植木、藤丸

10R/あわや大惨事!?の1マーク
2006_1026__553  すでに③ユーユーと⑥暢孝は当確を決めて、焦点は1着条件の①淺田千亜希と4着条件の⑤上瀧に。F2持ちの千亜希がスタート展示からしっかりインを主張したため、本番ではすんなり枠なり進入になった。が、やはりF2の負荷は重すぎたが、千亜希はコンマ35のドカ遅れ。コンマ18のユーユーが悠々とこれを叩く。
 で、あまりに楽なハコまくりだったため、千亜希は捨て身でイン代わりのように1マークに突っ込んでしまった。「イン選手のイン変わり」という妙な展開。そして、この無謀な突っ込みは、6コースから差した暢孝にドンピシャの追突。暢孝の艇は舳先を上にしてほぼ直角に浮き上がり、水面で激しくバウンドした。よく転覆も落水もしなかったと思うが、これも勝負駆けの綾といえるだろう。
 さて、もうひとりの勝負駆け・上瀧はといえば、これもコンマ37のドカ遅れ。ただ珍しく5コースで辛抱したためユーユーまくりの影響を受けずに、ラッキーな2着になった。今節の上瀧は妙にツイてるぞ。
◎当確選手…ユーユー、上瀧、暢孝

11R/松井、文句なしの当確逃げ
 すでに3人の当確者がいて、勝負駆けは2着条件の①松井と4着条件の⑤三嶌。松井以外は穏やかな条件だったためか、スリットは松井だけがしっかり踏み込んだコンマ11。王者にトップSを決められては、他は何の仕事もできない。仁王立ちの逃げで、松井が当確。さらに三嶌もなんとか4着を取りきって、唯一このレースのみ勝負駆けでの落選者は出なかった。
◎当確選手…松井、坪井、田村、三嶌、作間

12R/湯川、怒涛のインモンキー
2006_1026__171  最後の勝負駆けは深刻なサバイバル戦。1着条件②西島、2着条件③仲口、3着条件④憲吾、4着条件①湯川。この条件通りの着順で決まればボーダーも変わるわけだが、もっとも微妙な勝負駆けレースといえるだろう。そして、枠なり進入からトップSで押しきったのがインの湯川。仲口が2番手を確保して、この両者は安全圏に。逆に差して流れた西島と、アウト重野の強襲を浴びた憲吾はまさかの予選落ちを喫した。2人が笑い、2人が泣く……最後の最後まで厳しい勝負駆けデーだった。
◎当確選手…湯川、仲口、魚谷、重野
(Photo/中尾茂幸、Text/畠山)


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ダービーはチャレンジカップの勝負駆け! 4日目

ダービーは予選を終了。明日は準優勝戦です。競艇王チャレンジカップのメンバーもかなり固まってきたわけで、残り少ないイスを争う状況になってきました。

2006_1026__614そんななか、明日からがまさにチャレンジカップ勝負駆けになりそうなのが、倉谷和信。今回は、何としても準優に乗っておきたいところでしたが、残念ながら予選落ち。現時点では、やや苦しい状況に立たされています。ただし、倉谷は最終的に予選27位。5日目の成績次第では、最終日の選抜戦に乗れる可能性があります。まだ高額賞金レースに出走する望みがあるわけです! ここは一発、闘魂をたぎらせて、明日を戦ってほしいものです。出走は4Rと9R。4Rは1号艇ですから、ここは確勝を! そして6号艇の9Rはがっちりコースを取って、渾身の走りを見せてください! 応援してます!


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みんな素敵だ――4日目、後半のピット

2006_1026__295   ボーダー6・17、ハイレベルの戦いとなった福岡ダービー。壮絶なレースあり、緊張感がピットを支配した瞬間あり、これぞ勝負駆けといったギリギリのバトル、駆け引き、闘志が見られた。
 だが、しかし。なぜだか後半のピットは、ほのぼのというか、にこやかというか、そんな穏やかなシーンがやけに目についたのだった。それぞれが、結果はともあれ、ひとつの勝負を終えた安堵感からなのだろうか。
 たとえば、10R。2着で予選突破を確実にした上瀧和則が、明るい顔でピットに引き上げると、そこにツツツツッと駆け寄ったのは金子良昭。笑顔で、「ごっめーん!」と上瀧に謝った。すると、上瀧はパーッと笑顔が弾けて、「びしょ濡れになったわー!」。待機行動の際、金子の作った水しぶきが上瀧にかかってしまったらしい。顔を見合わせてガハハと笑い飛ばし、それぞれの片付けに向かった二人。上瀧、濡れさせちゃってごめんよ。いやいや、金子さん、どうってことないっすよ、びしょ濡れだけど。なんだか、見ているこちらも楽しくなってしまうシーンだった。

Nu2r0159  その10数分後、着替えを追えた上瀧は、今節けっこう一緒にいるところを見かける池田浩二と、水際で談笑していた。そこに現われたのは今村暢孝。気づいた上瀧は、悪戯っ子みたいな顔になって、今村を指差して「アーッハッハッハッハッハッハ!」と大爆笑。今村もつられて大爆笑だ。10R、今村は淺田の突進を受けてボートが浮き上がり、あわや転覆という危険な目に遭っていた。なんとか持ちこたえて再発進したのは幸いだったが、もちろん6着。無事故完走で準優当確だったから、その点では問題はなかったのも何よりではあった(得点を落としてしまったのは痛かっただろうが)。で、そんな今村に、上瀧は「アーッハッハッハ」なのである。指差して。だが、今村の表情が一気に緩んだところを見ると、上瀧が大笑いしたおかげで、今村も救われたのだろう。これが上瀧流の優しさ、ということだ。その後、二人は水面を眺めながら、にこやかに談笑していた。なんだか、粋な二人だった。

2006_1026__504  11R、松井繁が見事なイン逃げを決めて、勝負駆けをクリアした。ピットに戻ってきた松井は、嬉しそうな表情というよりは、ホッとしたという感じ。特に笑顔も見せなかった。ヘルプに来た吉川元浩と顔を合わせると、やっと目が笑う。それもどちらかといえば、なんとか予選を突破することができたことへの安堵感のように見えた。
 だが、次の瞬間、松井の笑顔が爆発した。坪井康晴のヘルプに出てきた金子良昭が、ツツツツッと松井に近寄ったのだ。おぉ、また金子さん! なぜか深々とお辞儀して、「ありがとうございました!」。????? 何が? そして、「さすが王者!」。実際は言ってなかったけど、「さすが王者!」の前に「よっ!」とくっつきそうな口調で、松井を激賞したのであった。松井も、笑わずにはおれませんわなあ。ったく、もう、金子さんったら、ひょうきんっすね。松井の笑顔も、実に素敵でした。

2006_1026__117_1  その松井、レース後は実に明るかった。JLC展望番組の準優選手進出インタビューを受けたると、それをやや離れたところから見守っていた顔見知りの女性キャスターたちに「何? (オレの)取材か?」と笑いかける。そして、右手を挙げて、空気を払うような仕草をしながら、「取材拒否やぁ!」。ダハハ、もちろんギャグっす。陽気な王者、魅力的やなあ。女性キャスターたちとしばし談笑したあと、モーターの格納作業のため、整備室に戻っていった松井であった。
 で、12R後、カポック脱ぎ場で着替えていた湯川浩司のもとに、松井がにっこにこで現われた。そして、なんと湯川に平謝り! な、なんじゃ? どうやら、格納作業が長引いて、湯川のボート片付けに駆けつけられなかったようである。競艇の麗しい点である、一丸となっての作業は、先輩後輩、実績などによっての例外はいっさいない。王者であっても、後輩の手助けをするわけだ。それができなかったことに対して、松井のこの姿勢。ちょっと感動した。もちろん、湯川はかえって恐縮してましたが。

Cimg1590 「今村ぁ~」。帰宿バスの第一便でピットを後にしようとしていた今村豊を、長嶺豊さんが呼び止める声が聞こえた。にこにこっと足を止めた今村、そこから笑顔満開のトークが始まった。勝負駆け失敗は残念だったけれども、レース後はいつもの陽気な今村豊。というか、今節は初めて、こんな今村を見たような気がするなあ。今村が笑っていると、なぜか嬉しい。明日からも、頑張ってくださいね!

2006_1026__635  さて、予選第1位は、得点率8・50の中村有裕となった。11Rの1着が効いたのだ。12R後、控室に戻ろうとするユーユーに「中村さん、予選1位っすよ!」と話しかけると、「ええっ、ホンマですか?」。まさか自分が予選トップだとは、まったく想像もしていなかったようである。心から驚いた顔を見せたユーユー、僕が状況を簡単に説明すると、もういちど「ホンマに?」と目を丸くした。
 たぶん、これが中村有裕らしさなのだと思う。MB記念でSGウィナーとなっても、何も変わらない。その表彰式でも口にしていた「ガムシャラ」は、どんな立場に置かれようとも、彼の心に根ざす基本スタンスなのだ。だから、予選順位に関係なくガムシャラに走る。SGウィナーだから予選1位も当然、なんてもちろん思わない。11Rの1着だって、予選順位1位を意識してもぎ取ったのではなく、ただただ目の前のレースで勝つことだけを考えて、ガムシャラに走った結果なのだ。11R終了後も、整備室で一心不乱にモーターを磨き上げていたが、これもデビュー以来変わらない、相棒へのいたわりなのだろう。
「まあ、頑張ります!」、そう言って控え室へと戻っていったユーユー。明日も、優出がどうとか意識することなく、ガムシャラに勝ちにいくだろう。

2006_1026__721  さてさて、見事に予選突破してみせて気になる山崎智也。勝利者インタビューでは、「10年ぶりくらいに、レース後も試運転します」と言っていたが、残念ながら更新作業や別の仕事を片付けてなければならなかったため、それを確認することはできなかった。僕がピットを訪れたときは、マイペースに時を過ごし、ピットには仲間のボート片付けに出てくるくらいしか、顔を見せなかった。で、10R後だったか、原田幸哉と肩を組んで、控室に戻るシーンを発見。おぉ、相変わらずの仲良しコンビです。なにやら内緒話でもするかのように、声を潜めて話す原田に、智也は静かに笑いながら耳を傾けていました。でもね、智也が第一便バスで帰宿したあと、幸哉が魚谷と同じように肩を組んでいるのを見ちゃいましたよ、智也選手。あー、浮気だ、浮気……って、違いますね、はい。仲良きことは美しき哉。原田は無念のボーダー次点だったが、明日は智也(と魚谷)を応援してやってください。智也も、優出めざして頑張れ!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田守)


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準優勝戦確定!

 準優勝戦の18ピットが確定しました。

10R
① 植木通彦(福岡)
② 坪井康晴(静岡)
③ 井口佳典(三重)
④ 藤丸光一(福岡)
⑤ 大場敏(静岡)
⑥ 魚谷智之(兵庫)

11R
① 重野哲之(静岡)
② 今村暢孝(福岡)
③ 田村隆信(徳島)
④ 上瀧和則(佐賀)
⑤ 吉川元浩(兵庫)
⑥ 仲口博崇(愛知)

12R
① 中村有裕(滋賀)
② 作間章(千葉)
③ 湯川浩司(大阪)
④ 山崎智也(群馬)
⑤ 松井繁(大阪)
⑥ 三嶌誠司(香川)

※念のため、主催者発表をご確認ください。


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静かに勝負駆け――4日目、前半のピット

2006_1025_01_231  朝イチでピットに行ってみると、不思議にも静かな静かな勝負駆けの朝。試運転係留所を覗いてみても、この時間帯にしては珍しく空きがある。そういえば、装着場にボートの数が多いような……。始動には早い時間帯ということもないのに(1R出走選手はすでに控室に待機していましたから)、選手の姿もほとんど見えない。さすがにペラ室を覗いたら、何人かの選手が木槌を握り締めていたが、それにしても穏やかな空気が降りている勝負駆けデーなのである。ちなみに、試運転係留所には中村有裕がいました。でも、ユーユーだけでした。そして、ピットで最初に顔を合わせて挨拶を交わしたのは守田俊介。朝イチ、滋賀支部。どうでもいいことだけど。

Cimg1576  ん? この白い物体は何だ? 近づいてみると、2R1号艇の笠原亮がストレッチをしていたのでした。展示控室の前で、身体をほぐす笠原。彼がボートに乗る前に行なっている、ルーティンである。ほんと、身体がくにゃくにゃと柔らかい笠原は、レース前などにいつも、こうして運動をしている。スポーツマンは柔軟なほうがいいに決まっているし、レースで思うように身体を動かすためにも準備運動は欠かせない。競艇選手もアスリートなのだと、こういうときに改めて実感する。笠原は勝負駆けには関係ない成績ではあるけれども、レース前の儀式を欠かすことはないのだ。

Cimg1577  1Rは大場敏が1着。派手さはないけれども実力派の大場、これが今節2勝目で、後半に予選突破の望みを残すこととなった。ピンピン勝負の今日、まずは幸先のいい1走目である。ピットに引き上げてきた大場は、相好を崩すこともなく、淡々としていた。彼は静かに燃えるタイプなのだ。カポック脱ぎ場では、2着の太田和美とレースを振り返っていたが、太田はニコニコとしているのに、大場の顔つきはやはり淡々。ピンピン勝負の1走目で1着を獲ったら、僕だったらガオオオオとか吼えたくなるだろうけどなあ。昨日の日本シリーズ、三振を奪ったダルビッシュのように、ね。でも、大場は淡々と次走に思いを馳せる。なかなかできないたたずまいである。

Cimg1582  人気の少ないピットをうろうろしていると、原田幸哉がモーターをボートに装着したまま、チェックを始めた。すると、報道陣やテレビカメラがさささっと原田を取り囲む。わかる、わかるよなあ。勝負駆けの原田を取り囲みたくなる気持ち。こういう局面での原田が虎のように獰猛な迫力を見せることは、よく知られている。ここ一番に圧倒的に強いのである。やっぱりみなさん、原田に注目してるんだなあ。で、僕が装着場の隅で取材メモの確認をしていると、「おはようございます!」。原田だった。実にリラックスしていて、ものすごく柔らかい雰囲気。バネは、縮めば縮むほど、弾ける。原田の強烈な闘志は、こうした溜めの時間があるからこそ生まれるのだろうか。

Cimg1580_1  予選トップで一躍注目を浴びる存在になった重野哲之が、ピットをゆっくりゆっくりとした足取りで歩き回っていた。なんというか、こう、手持ち無沙汰、って感じなんですよ、これが。ゆっくり歩いているのは、「なんか仕事ないかなあ」てな風情にも見える。というのも、キョロキョロしながら歩いているからで、若手である彼にとっては雑用も大事な仕事であろう。では、自分のための仕事は?というと、何しろオール連対の快パワー。もはや時間をかけていじるところはないのであろう。だから、手持ち無沙汰というふうに見えてしまう。もちろん、この手持ち無沙汰は、勝負駆けの今日においては、最高にポジティブな余裕と言える。このまま、一気にブレイクなるか。

2006_1024_01_224  さて、3着勝負の勝負駆けだから気になる山崎智也。今日の智也は、珍しく4R1回乗り。ということで、朝の智也はレースの準備もあり、ひたすら真剣な表情でありました。そして、4Rは見事に1着。勝負駆け成功! いやはや、すごいレースでした。原田のマクリを止めて、そのままマクっていく超絶テクニックは、智也ならではであります。ともかく、準優進出はめでたい限り。午後、どんな表情を見せてくれるかも楽しみだ。(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田守)


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4日目! 本日の特注選手

おはようございます。今日はいい天気! 陽射しが強く、ポカポカしている福岡です。予選最終日となる4日目、勝負駆けを堪能しましょう。

2006_1025_01_386 本日の特注は淺田千亜希。昨日は、水神祭を果たし、気分よく4日目を迎えました。勝負駆けは2着条件、しかも出走する10Rはメンバーがヒッジョーーーーーに濃いのですが、1号艇の利を生かして、なんとか勝負駆けを成功させてもらいたい。SG初準優に向けて、闘志ある走りを期待です。

福岡ダービーも折り返し地点を過ぎました。まだまだ盛り上がりはこれからですぞ!


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今日のベストパフォーマンス・3日目

 1日早い勝負駆けが相次いで、今日の1マークも凄まじい火花が飛び交いました。2着1着で一気に得点3位まで跳ね上げた艇王・植木、昨日の水神祭の勢いのまま連勝した重野哲之(節間トップ!)、道中逆転で得点2位になった地元の今村暢孝……この3名は明日を待たずに、ほぼ準優確定。まずは一安心といったところでしょう。
 一方、転覆~頚椎捻挫で即日帰郷となった村田修次。今日もリズムに乗れずに戦線離脱した守田俊介……明暗が色濃く水面に反映されましたね。
 さて、今日の第3位は明日につながるワンツー決着で場内を沸かせた、徳島のなでしこ2名に贈ります。

2R/W準優進出へ首皮1枚のワンツー!

2006_1026__556  女は強い。特に徳島の女は強い。この艇界の「常識」をまざまざと実感させるレースでした。
 2レースはすべての選手が1日早い勝負駆けで、スリットもコンマ07~15の電撃戦。特に内3艇は、
①池田浩二07
②淺田千亜希08
③横西奏恵09
 とギリギリまで踏み込みましたね。1マーク、トップSのイン池田が握って回ったところを千亜希が俊敏な差しハンドル。池田が流れている間に、今村豊と奏恵が追走します。バック直線で千亜希は独走態勢に持ち込み、注目は2着争いへ。圧巻は2周1マークでしたね。内でわずかに先行するミスター競艇・今村に対して、奏恵は昨日に続く全速のぶん回し。届くも届かないも、回り終わったときにはミスターを2艇身ほどチギッておりました!
 あとは女子レーサー2艇が、悠々と男4人を先導してゴールイン。今年の女子王座で激しい優勝争いを演じた2人の、SGでのワンツー決着です。女子王座決定戦では満面に笑みを湛えた奏恵、ピットで泣き崩れて動けなかった千亜希……残酷なまでに明暗が分かれましたが、この福岡の水面では同志。ピットに戻るときに「やったね」「えへへ」という感じでふたりが見合っていたのが印象的でした。
 もちろん、このワンツー決着で準優のチケットを手にしたわけではありません。明日は千亜希が2着、奏恵は2・2着条件と、ギリギリの勝負駆けが続きます。しかし、互いに励まし合い、気合いを入れあって今日と同じような集中力で臨めば、この難関を揃って突破できるはず。史上はじめてSGの優勝戦に乗った寺田千恵は、こう述懐しています。
「あのときは女ひとりというのが本当につらかった。誰かに泣き言を言いたいけど、誰もいない。男のレーサーには嫌味になるから言えないし……誰かひとりでも女子レーサーがいて、他愛のない話をしたかった」
 今節は女子レーサーが3人もいます。大将格だったグレート逸子ママは絶望的な状況になりましたが、この頼れる姐御がいるだけで千亜希、奏恵の心の落ち着きも違うはず。しかも、ふたりは気心の知れた同支部ですからね。他愛のない話で互いの緊張をほぐしあって、明日の勝負駆けに臨むことでしょう。
 あ、遅ればせながら、千亜希ちゃん、水神祭おめでとさんです!!

 第2位は差し&まくりの連勝で、ぐっと準優を引き寄せた男に捧げます。

4&9R/他力・自力・気力フル活用の連勝劇

2006_1026__245  やはり、この男が肩で風を切ってやってまいりました。上瀧和則。惨敗すれば終戦か、という状況でのピンピン連勝です。
 まず、4レースは実力というより展開一本でしたね。4コースの原田幸哉が強引にまくってインの金子良昭とガチンコしたところを、2コースから「ごっつあんで~す!」の楽な差し抜け。幸哉さまさまだったわけですが、SGを勝ち抜くにはこうした強運も必要なのです。
 そして、返す刀で9レース。4号艇の上瀧はもちろん凄まじいスピードで前付けに出ました。
「上瀧が怒涛の前付け!」
 実況も力が入りましたが、インまではガメずに2コースで折り合います。そして、今度はスリットでほぼ勝利を決定付けましたね。上瀧の艇だけが、ニョキッと突き出したスリット。いちばん遅れたのがインの太田和美ですから、ジョー兄ィとしてはただ先マイするだけでナチュラルまくりになっていました。文句なしの自力決着。あとは差して追いすがる今村豊を振り払って、悠々のひとり旅です。
 他力(運気)あり、自力(度胸)ありの連勝劇。これで昨日までの勝率4・67から一気に6・80の11位で、一気に準優圏内に突入しました。気力は元からパンパンの選手ですから、最後の課題は機力でしょうか。私の見立てではまだ中堅に毛が生えた程度なのですが、日に日に出足はアップしているようです。
 明日は5号艇の1回走り。最低でも5着が必要な上瀧は、ファンファーレから一目散に小回り防止ブイを回ることでしょう。あ、1号艇は淺田千亜希ですか……2着条件でF2持ちの千亜希にとっては「わ、上瀧さんがいる~!」と悲鳴を上げたくなるような番組ですが、このヤンチャなイン屋の進軍を止めるか、許すか。実に興味の尽きない第10レースではあります。

 そして今日のベストパフォーマンス賞は、やはり大敗が許されない状況で超絶のテクを決めた天才レーサーに。

11R/明日へのミラクルターン

2006_1026__362  このレースは進入からもつれましたね。何をやらかすか予測できない45歳・山室展弘が、5号艇からあっと驚く2コース進入。あ、それほど驚きませんか、予測不能なんですから。今節の智也はコース取りは不思議なくらい淡白だし。山室のそこのけそこのけ前付けを見た智也は、「はいどうぞ」という風情で3コースを選択しました。
 そしてスリット。予測不能の山室が起こしからビュンビュン飛ばして他の艇よりも1艇身近く覗いていたのですが、スリット直前で「ふにゃにゃ~」という感じで失速しました。もう、この人ときたら漫画チックというか遊び心がありすぎるというか、以前、平和島の賞金王で繰り上がりになったとき……あ、智也の話でしたね。これはまた、いずれ。
 で、山室が「ふにゃにゃ~」という感じで失速したのを見た智也は、すかさず仕掛けました。山室を叩いて、逃げる濱野谷憲吾に迫ります。私の目には「ちょっと仕掛けが早すぎるんじゃないか」という風に映りました。ほぼ一直線に憲吾の艇に迫ったために、「まくっても流れるし、差すにはマイシロがなさすぎる」という仕掛けだったのです。しかも相手は憲吾ですから。
 私の凡庸な脳みそは、その後の智也の航跡を勝手に描いておりました。もう差すには憲吾の艇に近すぎるし角度もないから、憲吾の艇の外をかすめるようにしてツケマイを敢行し、流れながら体勢を立て直す。それで、2着か3着か。それしか想像できなかった。
 でも、その脳内航跡は一瞬にして、否定されたのです。憲吾の艇に接触しそうなほど近づいた智也は、そこでおもむろにハンドルを切りました。智也の舳先と憲吾の艇尾はどれほどだったか。私には、フルスイングしたバッターがフォークボールで空振りするくらいの、ほんのわずかな間隔しかないように思えました。とにかく、無謀にも近い超鋭角の差しだったはずなのです。
 それが……ズッポ~ン!!と入っておりました。あるいは、憲吾の引き波をブレーキ代わりにして「掛かり」に変えたのではないか。そんな差しでした。智也のモーターは中堅下位レベルだと思います。鋭角の差しに耐えられるパワーはないはずなんです。でも、このレーサーは常識外れの重心移動で、不可能を可能にしてしまった。そうとしか思えません。
 智也の勝負駆けは続きます。この勝利でやっとボーダーの18位まで押し上げ、明日は3号艇で3着条件。そして、2号艇にはまたしても予測不能な山室が……今度はどんなテクを使ってこの難敵を出し抜くのか。ただただ見守ることにいたしましょう。(Photo/中尾茂幸、Text/畠山)


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ダービーはチャレンジカップの勝負駆け! 3日目

予選3日目を終えて、佳境を迎えている全日本選手権。明日は勝負駆け、予選突破に懸けるファイターたちの激突が見られる一日であります。チャレンジカップのためにも、高額賞金レース(賞典レース)に出られる権利を得たい選手もいるわけで、こちらの意味でも盛り上がる一日になりそうですね。

2006_1025_01_190 さて、そんな輪からは少し遠ざからなければならなくなってしまったのが、平田忠則。今日の時点で83位だった平田は、何としても準優に乗っておきたかったのですが、うーむ、残念、4走17点、明日は1走。ほぼ絶望的な得点状況になってしまいました。しかし、まだ諦めるな、平田! 少しでも賞金を上積みし、また得点も上積みして奇跡を待つ。そのためにも、明日からの戦いは一戦たりともおろそかにできません。今日は2着を獲って、尻上がりに成績は上がってきただけに、意地の大駆けを期待します。チャレンジカップに少しでも望みをつなぐためにも!


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勝負駆けを前に――3日目、後半のピット

2006_1025_01_262  8R後、淺田千亜希の水神祭の取材のためピットを訪れると、もっとも歓んでいたのは、やはりというか何というか、横西奏恵だった。同県の女子選手を祝う儀式なのだから、そりゃあ横西がいなければお話にならない。そして、笑顔が爆発していて当然である。やっぱり、奏恵の笑顔って、ええなあ……。そんな横西は、明日2着2本条件の勝負駆けである。MB記念では予選最終日を待たずして、準優への望みは絶たれていたが、今回はやや厳しい条件とはいえ、ベスト18に十分届く位置にいる。しかも明日は1R1号艇、チャンス! 明日は、総理杯で落としてきたものを拾いに行く機会を得ることができるのか。足は悪くない、頑張れ!

2006_1025_01_361  この人は、いつだって静かに闘志を燃やしている。新美恵一だ。ピットでの表情は一見、極限のクールさをたたえているように見える。いつだって冷静に、いつだってマイペースに、物事を運んでいるとしか思えなかったりもする。しかし、新美は時として燃え盛る炎をレースで見せる。おそらく、魂を内に秘めて粛然と見せるタイプなのだろう。だからこそ、乗ったとき、あるいはここ一番の新美は怖い。明日は2・3着の勝負駆け。水面に彼の魂が立ち上るだろうか。

2006_1025_01_166  西村勝は、仲間とともいるときは輝く笑顔を見せるが、レース前などの気合がこもる場面では、獣を射るような鋭い視線を見せることもある。目が合わなくても、そんな表情を垣間見せる西村には震えるほどの迫力を感じる。イメージには合わないかもしれないが、闘将としての一面を持っていると思えるのだ。そんな西村がもっとも出現する局面は、やはり勝負駆けなどの「ここ一番」であろう。4日目、西村は1着勝負! 登場は2R。6号艇である。たしかに不利な枠だが、だからこそ狙ってみたい魅力に、西村は溢れている。

2006_1025_01_420  まさかこの男が、後のない戦いを強いられることになろうとは。松井繁である。ピットで見る限り、雰囲気はオーシャンカップやMB記念とそう変わるわけではない。今日も整備に没頭する姿を見かけてはいて、足にはまだ不満がたくさんあるのだろうが、オーラ自体は王者のそれを今節も発散しているのだ。それだけに、予選28位、明日は2・3着の勝負駆けというのが、やや意外な気がしてならない。明日は7R6号艇と11R1号艇。長嶺豊師匠によると、「勝負駆けで1号艇と6号艇をもらう場合、1走目が1号艇のほうが走りやすいんや。2走目に向けて、計算が立ちやすいからな」とのこと。その伝でいえば、松井は厳しい順番を与えられてしまったわけだが、それを何としてでも跳ね返そうとするのが王者の王者たるゆえんのはず。明日は、ギラギラした王者の魂が見られるものと信じる。

2006_1025_01_238  一方で、今日、1日早い終戦を迎えてしまった者もいる。12R前、ピットの片隅にたたずんでいると、菊地孝平が笑みと渋面をミックスしたような表情で現われた。苦笑いといったら軽すぎる。苦悩といったら重すぎる。悔しさを滲ませながら、しかし笑顔を作ろうとする、そんな顔つき。「ダメでした」、菊地はそう小さい声で言って、また同じように笑った。最近、この稿には菊地が頻繁に登場しているが、彼はいつも声をかけてくれるので、出てくる回数が増えるのも仕方ないのである。そして、どんなときでも、まずは笑顔を作る。今節のように不調なときでも。優勝戦を控えているときでも。僕は、それを心からの笑顔だとは思っていない。さまざまにうごめく感情を、菊地は笑顔で包み込むことのできる男だと思うのだ。だから、きっと今日の彼の心は悔しさばかりが支配していたはずだ。それでも笑った菊地に「明日からも!」と返したら、その後に続く言葉を理解してくれたのか、すーっと優しい表情になって、菊地はうなずいた。まだ戦いが終わったわけではない、そう思い直して明日を見据えたかのような表情だった。

2006_1026__490  太田和美も、準優への望みをつなぐことができなかった一人である。それでも彼は、ペラを叩く。飽くことなく、ペラを叩き続ける。予選突破は厳しかろうと、あと3日間のレースで勝つために、ペラを仕上げようとしているのだ。これが、SG4Vの強者の姿である。で、太田、かなり熱心にペラ叩きをしていて、ガツンガツンと強烈に木槌を振るっていた。隣で調整していた江口晃生が、そんな太田を見て「そんなに叩くのは、家でやれよ」だって(笑)。もちろん江口はニコニコ顔です。たしかに、レース場での調整というには、かなり激しいペラ叩きでした。そのやり取りを見ていた金子良昭が、太田を指差してガハハと笑う。厳しい仕事場のなかにある、微笑ましいワンシーンでした。

2006_1026__347  さて、前半で6着に敗れてしまい、すわ、総理杯以来の予選落ちか……と気になる山崎智也。後半11Rは見事に1着! 明日は3着条件の勝負駆けとなり、希望をつないでいる。長嶺師匠によると「何が何でも(アタマを)獲るつもりだった、って言うてたで」と、レース後に語っていたそうである。「それでしっかり決めてみせるんやから、カッコええよなあ」。はい、長嶺師匠、僕もそう思います。明日も長嶺師匠(と僕)を唸らせるレースを見せてくれると信じます。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田守) 


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明日は勝負駆け! 本日までの得点状況!

 3日目が終わりました。明日はいよいよ勝負駆け、激しいバトルが……いや、もう今日からすでに始まっていましたね。やはり予選後半はホット、予選最終日はよりホット! 明日も目を離せない一日になるのは間違いありません。
 そんななか予選第一位は、SG初出場の重野哲之! 素晴らしい! ここまでオール2連対、しかも尻上がりに連勝でこのポジションですから、このまま勢いに乗ってぶっ飛ばす可能性もある。一気に大ブレイクすることも期待できる走りっぷりで、明日も快パワーにモノを言わせて、突っ走るでしょう。

 その重野も含めて、準優当確は4名。
1位 重野哲之
2位 今村暢孝
3位 植木通彦
5位 坪井康晴
 福岡が2人と、地元には嬉しい当確状況。あ、静岡も二人だ。やはりこの支部は、勢いがあります。

 以下、勝負駆けを記しましょう。ボーダーラインは6・00と想定します。
4位 中村有裕  5・6着
6位 作間章   5・5着
7位 魚谷智之  4・4着
8位 仲口博崇  4・4着
9位 田村隆信  4・4着
10位 西島義則  4・4着
11位 上瀧和則  5着
12位 井口佳典  3・6着
13位 三嶌誠司  4着
14位 湯川浩司  3・4着
15位 濱野谷憲吾 4着
16位 江口晃生  4着
17位 石渡鉄兵  3着
18位 山崎智也  3着
19位 中澤和志  3・3着
20位 川﨑智幸  2着
21位 吉川元浩  2着
22位 淺田千亜希 2着
23位 白井英治  2・3着
24位 原田幸哉  2・3着
25位 森高一真  2着
26位 新美恵一  2・3着
27位 藤丸光一  2・3着
28位 松井繁   2・3着
29位 倉谷和信  1着
30位 西村勝   1着
31位 横西奏恵  2・2着
32位 金子良昭  1着
33位 今村豊   1着
35位 大場敏   1・1着
 このほか、日高逸子と池田浩二は連勝なら1点足らずの相手待ち、ボーダーが下がれば滑り込む可能性があります。

 中村、作間、上瀧などは、それほど条件が厳しくないので、ほぼ大丈夫でしょうか。4着という条件を持っている選手がなかなか微妙ですね。というのも、当たり前のことですが、4着を狙って走る選手などおらず、またそのあたりを走っていれば引き波にハマって、交代する可能性も残されているため、4着条件であろうとも上位を狙う勝負駆けになるからです。下位からの大逆転も十分ありうる予選最終日。迫力の勝負駆けを刮目しましょう!


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本日の水神祭! 淺田千亜希!

本日も水神祭! 2Rで見事SG初1着をあげた淺田千亜希の水神祭が、2走目の8R後に行なわれました。

Cimg1559 淺田が着替え終えるのをボートリフトで待ち構えるのは、同県の横西奏恵をはじめとする四国勢。おっと、西島義則がボートを着水しようと、すでにリフトに乗り込んでいるではありませんか?「何?」「水神祭です」「お前の?」と横西に話しかけて、爆笑の西島でありました。そこに登場の淺田千亜希。あらら、西島がボートをリフトからいったん装着場に戻しています。おめでたい儀式だから、お先にどうぞ。西島さん、粋なはからいっす。

Cimg1563 ということで、水神祭本番! 横西、田村隆信、山﨑昭生、三嶌誠司、森高一真、日高逸子らにウルトラマンスタイルで担ぎ上げられた淺田。せーの!で勢いよく、水面にドボーン! その迫力たるや、これまで見てきたどの水神祭よりもものすごいもので、水面に一直線に吸い込まれていきました。「人間魚雷みたいや」という声があがったほどの、美しい弧を描いてのドッボーン。なんでも、淺田は学生時代、飛び込みの選手だったのだそうです。なるほど、納得のダイブですね。

Cimg1567 優雅に泳いでリフトに辿り着いた淺田は、山﨑と横西に引き上げられてニッコリ。祝ってくれた選手仲間、集まった報道陣にお礼を言うと、さらに笑顔が弾ける淺田でした。うむ、水もしたたるいい女とは、千亜希、君のことだ! 淺田選手、おめでとうございます。今後もSGを賑わしてください。もっともっと、強い女になってください!(黒須田)

Cimg1568


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同期の桜――3日目、前半のピット

Cimg1532  今日はいつもより少し早いご出勤。朝のピットは意外と静かで、ペラを叩く音がカンカンときれいに響くのが心地いい。装着場に選手はあまり見られず、整備室の中にも、おぉ、昨日に引き続き松井繁の姿があるくらい。ペラを叩いている選手は何人もいて、だから響くのはその音のみ。清涼な空気の3日目である。

Cimg1539  1Rで銀河系軍団85期の一人、森高一真が今節初1着をあげた。ピットで出迎えたのは、おぉ、田村隆信に井口佳典、湯川浩司の同期勢。同じレースに同県の先輩・木村光宏が出ていたから、香川勢はそちらを出迎えたようである。リフトで引き上げられたボートを、装着場に運んで、後半レースの艇番艇旗をつけたのも、85期の仲間たち。うむ、まさに同期の桜、ですね。

Cimg1537  1Rのボート片付けが一段落つくと、ショッキングピンクのレーサースーツ、レモンイエローのレーサースーツが並んで話し込んでいた。ピンクは白井英治、イエローは平田忠則。おぉ、こちらは80期の同期ではないか。平田は久しぶりのSGだが、ここに辿り着くまでに平田を励まし続けたのが白井だという。やはり同期の桜っていいよなあ。かく言う白井も、昨年の総理杯優勝戦FでSGを長く棒に振ってしまっていた。2連勝でリベンジの態勢は整った。二人とも頑張れ!

Cimg1540  装着場ペラ小屋で、一人ペラを叩いているのは菊地孝平。そこに作間章が近寄って、穏やかな顔つきで会話を始めた。うわ、これまた82期の同期生ではありませんか。今日はよく同期の桜たちを見かけるものです。菊地は熱心にペラを叩きながら、作間の言葉に耳を傾ける。作間は、優しい顔つきで言葉をかける。同期だからこその光景、こうして支え合いながら頂点を目指す競艇選手の姿は素敵である。

Cimg1543  2R、同期ではないけれども、同県で女子レーサー同士の淺田千亜希と横西奏恵がワンツーフィニッシュ! 淺田は嬉しいSG初勝利だ。昨日、淺田が悔しさを露わにした表情を見た。鋭く真っ直ぐな瞳で、長嶺豊さんのアドバイスに聞き入る姿も見た。その思いが報われたかのような、見事な勝利。ピットに戻ってきた淺田、今日はとびっきりの笑顔! 駆け寄った横西と笑い合うシーンは、チャーミングですらありました。おめでとう、淺田千亜希。これは胸を張って誇ってもいい1勝だ!

 さて、同期とかそんなことは関係ないけど、気になる山崎智也。今日は特に大きな動きはなく、それほど姿を見かけることはありませんでした。というわけで、写真がないのはご容赦ください。(黒須田守)


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3日目です! 本日の特注選手

おはようございます。福岡ダービー、3日目です。今日は穏やかな好天、今のところは風もわずかに向かい風が吹いているのみと、絶好のコンディションで朝を迎えています。早くも予選後半戦。明日の勝負駆けに向けて、選手たちも得点を計算しながら戦う、重要な1日であります。

2006_1024_01_138_1 本日の特注選手は、田村隆信! 今節も仲良し軍団85期勢で一緒に行動をともにするのをよく目にします。その絆こそ、彼らの武器。それぞれがSG戦線に欠かせない存在になってきた今、心強い友がそばにいてくれることは、レースにも必ずや好影響を与えているはずです。そんな85期を牽引するのが田村。2年ぶりの賞金王出場を見据えて、一戦一戦が大事な戦いです。今日も仲間ともども全力疾走。天才の技を見せつけてくれるものと期待します。

それでは、本日もよろしくお願いします!


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今日のベストパフォーマンス・2日目

 いやはや、福岡水面はこれだから面白い! うねりがほとんどなかった今日は逃げ3、差し2、まくり3、まくり差し3、抜き1本と、「何でもアリアリ、技の百貨店」のような水面でした。もう、どのレースも見せ場たっぷりで、とてもベスト3に絞りきれないっすよ。今日は特別バージョンとして、独断ベスト10位までをダイジェストで報告することにします!!

次点☆2R/泣くな俊介、明日があるさ!ver2
 コンマ08のトップSから絞りまくり。惜しくもインの深川真二には届きませんでしたが、道中しぶとく追走して徐々に差を詰めた守田俊介。こんなに気迫溢れる俊介を見たのは何年ぶりかわかりません。そして3周1マーク、キャビッた深川の内を鋭くえぐって「逆転トップか!?」と思った瞬間、俊介は特攻隊よろしくブイに突っ込んでおりました。気合い入りすぎだってば! 昨日に続く大差の6着。これで予選突破は厳しくなりましたが、1・1・2着で乗れるはず。今節の俊介なら、奇跡を起こせるはずです!!

第10位☆6R/仲口、鋭角モンキーで「差し」第1号。

2006_1025_06r_193  6選手の中でいちばんスタートが遅かった2コースの仲口博崇。菊地が全速インモンキーで回った内を差したら、バックでは先頭に立っていました。やや展開にも恵まれましたが、昨日~今日の5レースまで「差し」の決まり手はゼロ。機力の裏付けは十分だし、ターンも俊敏。さらに昨日からSG制覇には不可欠な運も引き付けており、無冠の貴公子に春の到来を告げる貴重な「差し」でありました。

第9位☆4R/SG覇者の貫禄か。豪快4カドまくり!

2006_1025_04r_014  前検から、さほどパワーがあるとは思えない中村ユーユー。整備でも苦しんでいるようですが、「ならば、これっきゃない!」とばかりにコンマ11の全速スリットから一気に内3艇をまくりきっちゃいました。まくり決着自体は珍しくない今節ですが、「安心して見ていられるまくり」というか、動いた瞬間に「決まっちゃうな~」と思ったものです。MB記念制覇からわずか2カ月にして、この貫禄。威風堂々のS一撃に、ただただ脱帽するしかありませんでした。(お~い、俊介~~~~~!)

第8位☆11R/艇王の意地! コンマ01のドッキリS

2006_1025_11r_060  植木の本気ぶりがひしひしと伝わってきました。4カドに構えた植木通彦は内3艇の起こしなんぞは歯牙にもかけずにコンマ01のタッチスタート。本来Sは慎重なタイプなんですけどね。しかも内の3艇がコンマ16~33ですから、それほど無理しなくてもまくれる態勢だったはずなんです。でも、地元のプライド&賞金王への意欲を見せて、ギリギリまで突っ込みました。さすが、艇王!!
 ただ、これだけ楽な隊形でまくりながら、重野のまくり差しに屈したのは不安でもありますな。相変わらずパワーは一息。今後の機力アップに期待しましょう。

第7位☆強烈ツケマイで1日遅れの誕生祝い。

2006_1025_03r_457   初日5着5着と出鼻をくじかれた原田幸哉。31歳の誕生日を白星で飾れなかった悔しさもあったことでしょう。今日の幸哉は、勝負の鬼と化しました。3コースからコンマ10で通過し、ほぼ同体だったインの平田忠則に体当たりをするほどの角度で絞りまくり。この強引にして猛烈な強ツケマイに、平田は「ふぎゅぅ」という感じで引き波に沈んでおりました。いつでも、これがあるんですよね幸哉は。「勝負駆けの時にメイチ舟券を買える選手は誰か?」と問われたら、私は真っ先に彼の名前を挙げるでしょう。敵にはしたくない、怖~い男なのであります。
 自力で掴み取った1日遅れのハッピーバースデー、おめでとうございます!!

第6位☆1R/直之もビックリ?の全速女豹ターン!

2006_1025_01r_027  もし1レースで横西奏恵が勝っていたら、ベストパフォーマンスに選んでいたかもしれません。それほど鮮烈な全速ブン回しでした。あの迫力は、いくら言葉で説明しても伝えきれない。いちばん近いのは、ターンマークなんか無視して半径10mほどの弧を描く秋山直之の全速ターンですかね。秋山は1周1マークではあまりやりませんけど、奏恵ちゃんはやっちゃいました。内の5艇が1マークに殺到するのを尻目に唯我独尊、異次元にぶっ飛んでいくような大旋回。それでいてぶっ飛ぶこともなく、インから逃げる魚谷智之の外にピッタリ貼りついたのですから仰天するしかありませんでした。
 桐生MB記念ではさっぱり伸びずに苦戦の連続だった奏恵ちゃん。今節は一味も二味も違いますよ。できれば不在の直之に代わって、握って握って握りまくるレースに徹してほしいものです。福岡は、それが可能な水面なんですから。

第5位☆1&5R/獲れたてのトビウオ、ピンピン跳ねる!

2006_1025_01r_035  1レースで奏恵ちゃんの強襲をしのぎきった魚谷智之。同期のワンツー決着で一気にリズムアップしたのでしょう。5レースではやや遅れめのスリットから、ぐんぐん伸びて内の艇間を切り裂きました。水面下からヒュンといきなり飛び出したような、一閃のまくり差し。おそらく、インから逃げる坪井も抜かれるまで気づかなかったのではないでしょうか。これぞまさしくトビウオターン!(古いっすか)
 ターンだけでなく、ビンビン連勝で一気に勝率も飛躍した魚谷。この選手は一度調子に乗ったら手が付けられない、という怖い男でもあります。明日以降もトビウオターンが炸裂するようなら、優勝戦までピョンピョンと……気を付けなけきゃいけないのは、フライングだけですな。

第4位☆10R/ミラクルパワー!? 驚異のアウト差し抜け。

2006_1025_10r_059  まるで夢を見ているようなバック直線でした。昨日から「差し」を決めたのは仲口だけ(既報)。それも、2コースからやや展開にも恵まれた差しでした。とにかく、自力勝負型の水面で、単純な差しは届かないんですよ。が、10レースの坪井康晴ときたら、スリット横一線の6コースから、脇目も振らずにブイを目指しました。イン水域では1、2コースが競っていましたが、3~5コースは「チャンス!」とばかりに差しに構えています。坪井は「4番差し」みたいなものです。ただでさえ差しの届かない水面での4番差し……これが、伸びるわ伸びるわ!! スルスルスルスル他艇を追い抜いて、2マークは堂々の先マイ攻撃。「ここって平和島だっけ!?」と叫びたくなるほどのミラクルパワーですよ。最後はブッチギリでゴールに飛び込んだ坪井クン。引き波を5本超えたというのに、走破タイムは今節2位の1分47秒3! このパワー、マジ、やばいっす!!

第3位☆11R/水神もひれ伏す怒涛のアウトまくり差し!

2006_1025_11r_077  やはりアウトから、坪井以上に仰天させてくれたのが重野哲之です。27歳にしてSG初勝利の水神祭です。それも艇王・植木を使ってのまくり差し。コンマ01でまくりを打った植木のおかげともいえるわけですが、重野自身もコンマ05の快スタート。予選で2着2着とポイントを稼ぐと、ついつい守りに入ってしまう新鋭がいたりもします。でも、この遅れてきた大物はまったく臆することなく踏み込んだ。そして、4コースからまくった植木とそれに連動した5コース仲口の動きをしっかり視野に入れながら、「ここしかない!」というポイントに艇を突っ込んだのですね。ケチの付けようのない、実力の水神祭でした。しかもしかも、アウトから何本も引き波を超えたというのに、勝ちタイムの1分46秒7はブッチギリの今節ナンバーワン時計! これはまいった。この若者は2日目にして「台風の目」どころか超大型の台風になってしまったのです。重野クン、水神祭おめでとさん!!

第2位☆8R/熟練のテク、3コースまくり差しに酔う!

2006_1025_03r_437_1  地元の大ベテランだからこそできた「神業」だったのかもしれません。8レースの今村暢孝は枠なりの3コース発進。コンマ08とSもしっかり張り込みましたが、すぐインのユーユー中村と2コースの三嶌誠司が伸び返します。1マークの手前では3艇同体。満を持して、三嶌が差しに構えました。ユーユーもターンマークをかすめるような絶妙のモンキー。さすがSGというハイテクの1マークです。私の目には、「暢さんはぶん回すしかないな」と映りました。が、レース後に今村暢はこう言いましたね。
「なんだか2艇の間が開きそうだから、突っ込んだら入ってました」
 開きそうだからって、あなた、暢さんが仕掛けた瞬間の1・2号艇は30cmくらいしか隙間がなかったはずなんです。で、暢さんが突っ込んだときにぴったり1艇身分くらいの隙間ができたのですよ。なんというか、目を瞑ったまま針の穴に糸を突き通すようなまくり差しだったんです!!
 2艇の引き波を超えて、そのど真ん中をぐんぐんと伸びていった3号艇。その背中を見送りながら、私はただただ鳥肌を立てるしかありませんでした。

第1位☆12R/一瞬の逆転、新たなる「憲吾スペシャル」か!?

2006_1025_12r_034  本当はマジックでも何でもないのですが、一瞬だけ奇術を見ているような気分になりました。6選手ともにSG覇者で、そのトータルは19V!という豪華メンバーが揃った12レースは、逃げる西島義則と差した江口晃生の一騎打ちに。差し場なく3コースからぶん回した濱野谷憲吾は、かなり離れた3番手で追走しています。西島か江口か、江口か西島か、観衆は手に汗を握って一騎打ちの決着を見守っていたはずです。内から艇を捻じ込もうとする江口。振り払おうとする西島。大競りというわけでもなく、2艇はよくあるバックの攻防に励んでいたのです。で、結局は伸びで上回る江口が2マークを先取りしました。「ま、伸び負けしたんじゃけ、しゃ~ないわな」という風情で西島が艇を開いて差しに回りました。1着は江口で2着は西島、という態勢。が、その瞬間にブイを吹き飛ばすようにして、赤いカポックが最内をシュルリと突き抜けていたのでした。江口にも西島にもミスらしいミスはなかったのに……!?
「あは、江口さんが引くかと思ってたら引かないんで、これはチャンスかな、と」
 憲吾は照れ笑いを浮かべてこう述懐しています。VTRで見ると、なるほど憲吾はバック直線のセンター付近で、先行2艇のはるか後方から両者の動きに目をやり、大きく外に艇を開いていたのです。そして、江口と西島が2マークを回る前から、憲吾の舳先は2マークに向いていました。「ハイエナ戦法」ともいえるわけですが、10秒ほど先に起きるであろう事態を的確に予測し、その予測に従って一撃逆転の準備態勢を整えていたのです。嗚呼、なんという機転、なんという度胸、そしてなんという余裕!! 将棋の羽生善治のように何手も先を読んで、勝つための布石を作った憲吾の強さをまざまざと見せつける逆転劇でありました。(Photo/中尾茂幸、Text/畠山)


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ダービーはチャレンジカップの勝負駆け!2日目

ダービーも予選折り返し地点、だんだんと機力の気配なども明らかになってきましたね。競艇王チャレンジカップの勝負駆けとなるこのダービー、賞金ランク下位の選手は、明日からはさらに気合のこもる戦いとなります。

2006_1024__057 明日の注目は、倉谷和信! 2日目は6着と足踏みしてしまいましたが(本日の特注選手にあげたのに……すみません)、初日の好成績が効いて、まだまだチャンスは十分。むしろ、気合を入れなおすであろう明日からが怖いと見ました。3日目は6Rと12Rの二回乗り。6Rは6号艇ですが、黙って6コースのわけがない。進入から気合の入ったレースを魅せてくれるでしょう。チャレンジカップ出場のためには、まずは準優進出。闘魂を水面に立ち上らせることに期待します!

倉谷よ、目指せ丸亀チャレンジカップ。明日はきっちりポイントアップを!


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強者たちの表情――2日目、後半のピット

2006_1023__060  豪華メンバーの12R、勝ったのは濱野谷憲吾だった。1周2マークで先行する西島義則と江口晃生を大逆転。2走2着1着だから、予選前半を最高に近い形で乗り切ったことになる。その濱野谷、レース後は決して嬉しさを爆発させていたわけではなかった。むしろ、頬を引き締め、瞳にグッと力を入れて、凛々しさをたたえているのである。この濱野谷の表情を現時点では読み切れていないが、確実にいつもと様子が違う。明日からの濱野谷には、さらに注目するべきだろう。
2006_1023__386  一方、敗れた西島と江口は、カポック脱ぎ場で苦笑が爆発。レース直後は悔しさを隠せなかった西島、サバサバした表情だった江口、顔を合わせた瞬間、目尻がくいくいっと下がったのだった。時に「ガハハハハ」と笑いながら、レースを振り返る二人。濱野谷もそこに加わったが、やはり濱野谷は二人ほどは笑っていない。西島の言葉がだんだんと愚痴みたいになってきたようで、江口はさらに笑っていて、カポック脱ぎ場を去るときにも柔和な顔つきは変わらなかった。悔しさは明日晴らせ! 激戦12Rの風景でした。

2006_1024_01_402  11R後、こちらも笑顔でレースを振り返っていたのは植木通彦。2着に敗れたが上々の走りで、それほど悔しさを感じさせない表情だ。ヘルメットをかぶったまま、ともに振り返り合ったのが仲口博崇。こちらは3着、重野哲之が突き抜けたあと、2着争いを繰り広げたのが仲口と植木だった。仲口の表情は確認できなかったが、1着2本3着1本ならばむしろ好調といっていい予選前半。植木の言葉にふんふんとうなずく雰囲気は、決して悪いものではなかった。それにしても、植木の笑顔は実に爽快。今節は、あの悠然たる植木が戻っている印象を受けるのだが、この肩の力の抜け具合がまさに復調ぶりを表わしているように思えてならない。ドリーム4着+今日の2着という結果を受けて迎える明日の植木がどんな表情でいるのか、ちょっと楽しみになってきた。

Cimg1511  その11Rで勝ったのは、水神祭の記事にあるように重野哲之。その重野を松井繁が祝福していた、ということも同記事内に記している。その決定的瞬間が、こちらの写真です。ピンボケですまん(黒須田撮影です)。ボートからモーターを外している重野の背後からススススーッと近づいた松井は、重野のケツをぽーんと軽く叩く。それに気づかなかったのか、重野が反応しないと見るや、もう少し強めにぽーんっ。ようやく気づいた重野がペコリ。いったん松井は、同地区の吉川元浩の片付けを手伝いに向かったが、それが終わるとボートのチェックをしていた重野にもう一度近寄っていって、しばし歓喜の会話を交わすのだった。
2006_1024_01_264  そんな松井の優しい姿をニタニタしながら見ていると、松井はくるりと踵を返して、整備室へ。えっ、整備室? 今度は僕がススススーッと整備室に近寄って、中を覗き込むと、松井はギアケースの整備を真剣な表情でしているではないか。そう、松井は必死の整備の間に、重野を祝福し、さらに水神祭にも参加して、笑顔を振り撒いていたのである。確かに松井は、やや不本意な成績で2日目までを終えている。10Rに出走し、その後は少ない時間しか残されていないにもかかわらず、整備に没頭し、そして笑顔で水神祭にも現われる。この時間の使い方の見事さ、緊張と弛緩のスイッチングの巧みさ……まさに王者のプロフェッショナルな部分を目の当たりに見せつけられたような気がした。強さというのは、単に水面のパフォーマンスのみに留まらない意味を持っている。松井を見ていれば、ハッキリとそう思い知らされる。松井にしてみれば自然体であろう、これらの所作は、たしかに彼が王者たる根拠を示していると思った。一言、尊敬です。(写真は昨日のものです)

2006_1023__627  午後の遅めの時間帯には、若手選手たちが翌日の艇番・艇旗を準備する、ということを昨日の「後半のピット」記事に記した。12R直前、僕の持っていた出走表を覗き込んだのは、平田忠則だ。もちろん、先輩たちの艇番・艇旗を準備するためである。今節、福岡支部からは日高逸子、今村暢孝、植木通彦、藤丸光一、吉田弘文、そして平田……6人! 同期の吉田弘文は帰宿バスの第一便で帰ってしまったのか、平田は一人で6人分の準備をしようとしているようだった。しかし、ですねえ……6人分の翌日一走目の艇番をきっちり覚えるのは大変っすよ、ハッキリ言って。平田も「えっと、2、2、4……あれ?」と必死で記憶。僕も一緒に覚えこもうとしましたが、まーったく覚え切れませんでした、ハイ。相当苦労して頭に叩き込んだ平田、そそくさと艇旗置き場に走っていきました。
 それにしても、簡単な会話を交わしただけですが、平田は実に気持ちのいい男でありました。僕は断然、彼のことを応援しちゃいます、ハイ。SG復帰戦、頑張れ!

Cimg1509  さて、はるか対角線に見えるピットを眺めながら、見えるわけないのに姿を探してしまう、気になる山崎智也。今日は9R6号艇で4着。智也としては不本意だったのだろう、レース後はペラ調整に懸命であった。装着場ペラ小屋が彼の指定席、そこでかなり長い時間ペラを叩いていた。しかも、細かいところの微調整ではなく、力強く木槌を振り下ろして、金属音を装着場内に響かせていたから、かなり大幅な調整を施していたのは間違いない。これが奏功して、明日の足色は変わるだろうか。あ、そうそう、12Rで勝った濱野谷が勝利者インタビューに向かう際、何か目配せしているところも目撃しました。関東二大スーパースターの競演でした。写真は撮れませんでしたが……。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田守)


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本日の水神祭! 重野哲之!

 本日、11Rで水神祭! このダービーがSG初出場となる重野哲之が、3戦目にして初1着。ここまでの2戦を2・2着とオール連対で来ていただけに、初勝利は時間の問題と思われていましたが、2日目に念願の時を迎えたのでありました! おめでとう!

Cimg1519  というわけで、水神祭! 勝利選手インタビューなどを終えて、ピットに戻った重野を取り囲んだ仲間たちは、静岡支部の坪井康晴、笠原亮、そして松井繁! レース直後にも重野を祝福する姿を見かけていましたが、水神祭にも王者が参加であります。というより、いちばんはしゃいでいたのが王者でありました。菊地孝平が12R出走を控えていながら駆けつけて、他には原田幸哉、中澤和志らも輪に加わって、いざボートリフトへ!
 坪井が要となってグイッと持ち上げられた重野、おぉ、これはウルトラマンスタイル! ボートリフトから水面まではけっこう高いため、「リフト少し下げよう」という提案が出ましたが、実際に下げられたのはほんのちょっと(笑)。仲間の腕の上から水面を見下ろした重野は、思わず「うおぉぉぉぅ!」と叫んでおりました。いやはや、たしかに怖そうです。
Cimg1530  それでも、せーのでドッボーンと投げ込まれた重野は、きれいに水面に吸い込まれていきました。それを見た松井、「おぉ、うまいなあ。レースもうまいけど、水に入るのもうまいなあ、お前」と重野を大絶賛(?)。そんな松井の言葉を合図にしたかのように、拍手が一斉に鳴り響いたのでした。Cimg1525 笠原の手によって水面から引き上げられた重野は、ずぶ濡れのまま直立不動で「ありがとうございました!」と祝ってくれた仲間たち、集まった関係者にお礼の挨拶。深々と頭を下げて、さらに万雷の拍手を受けました。重野哲之、本当におめでとうございます!

 これで今節は2・2・1着と絶好の得点状況。この勢いに乗って、最終日にもういちど水神祭ができるよう、頑張ってください!(黒須田)

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気合、闘志――2日目、前半のピット

2006_1024_01_145  3R。一時は2番手を走っていた淺田千亜希が、道中逆転されて、5番手にまで下がってしまった。ピットに戻ってきた淺田の表情は、明らかに苛立っていた。それはそうだろう。順位を4つも下げてしまって、穏やかでいられるわけがない。淺田の表情はひたすら硬く、目つきは厳しかった。
 ボートを片付けながら、白井英治と何かを話し合っていたが、カポックを脱いだ後も白井のもとに駆け寄って、何かを訴えるように話し続ける。そこにそーっと近寄ったのは長嶺豊さん。長嶺師匠が優しく励ますと、淺田はようやく笑顔を取り戻した。
 その数分後、出走選手控室のモニターに見入る姿があった。そこに、長嶺師匠が全力疾走でやって来る。二人は並んでモニターを見ながら、まるで反省会を開いてでもいるかのように、会話を重ねていた。長嶺さんがもろもろアドバイスしているようにも見えた。
Cimg1500 「僕はね、淺田選手とか横西選手は、いつSG勝ってもおかしくない力があると思ってる。だから、アドバイスをするんやね。彼女たちは、そういう話を理解することができるから」
 あとで長嶺さんが、そう言っていた。実力はもちろん、僕は淺田の姿勢に対して、「彼女はSGでも互角に戦える人だ」と思っていた。長嶺さんと話すとき、淺田の瞳は美しく輝いていた。ギラギラとも表現できるし、キラキラとも言えるし、ともかくあまりにも綺麗で真剣な瞳だったのだ。額から流れる玉のような汗をぬぐおうともせず、長嶺さんの話に瞳を向ける淺田は、SG戦士にふさわしいたたずまいをたたえていた。淺田の豪快なレースを、SGでもっともっと、見たくなった。

2006_1023__015  ぼけーっと突っ立っていると、後ろに選手の気配を感じた。振り向くと、菊地孝平。菊地も一見、ぼけーっと突っ立っているような感じだったが、そうではなく、一点を見つめてじっと思索にふけっているのだった。「おはようございます」と声をかけると、菊地はさっと笑顔になって「おはようございまっす!」。すぐに好青年の菊地が現われる。精神集中をしているようにも見えたので、僕は会釈をしてその場を離れたのだが、ふと振りかって見ると、菊地は再び何かに思いをめぐらせているのだった。強者のたたずまいだと思った。

2006_1023__459  またまたぼけーっと突っ立っていると、うわ、目の前に上瀧和則が現われた。近くで見ると、実にド迫力。僕はまるで軍隊の上官に出会ったかのように、「おはようございますっ」と最敬礼で頭を下げた。すると上瀧は、僕の目を見ながら「うぃっす!」と会釈を返した。男っぽい迫力とは、こういうことを言うのだろうと思った。そして、わけもなく感激してしまったのだった。
 基本的に、今節の上瀧は緊張と弛緩がバランスよく同居しているという感じがする。一人でいるときには、迫力ある顔つきで気合を溜めているように見える。そして、他の選手といるときには、笑顔を見ることが多い。今日も、山﨑昭生、深川真二、池田浩二あたりとにこやかに談笑していた。成績はなかなか思ったようには上がっていかないが、精神状態は悪くないように思える。今日は5R1回乗り、明日はさらに一段上の気合で、追撃を開始するだろう。

2006_1024_01_345  ちょっとした野暮用で、前検日に会話を交わす機会をもった作間章。礼儀正しい好青年で、真っ直ぐな眼差しをもった、きわめて真面目な男だと思った。顔つきは黙っているとなかなか迫力があるが、実際にしゃべってみると、穏やかな口調と柔らかい笑顔をもっている人でもあった。
 4R頃、装着場で彼の姿を見つけたので、近寄って一昨日のお礼をした。すると、作間の顔つきには明らかに気合が注入されていた。僕の姿を認めても、しばらくは闘魂モードを保ったままで、笑顔モードになったのは少し時間が経ってからだったのだ。昨日、森高一真の似たような一面を書いたが、勝負師とはこういうものだろう。戦いの場で、彼らはそれぞれに魂を荒ぶらせながら時間を過ごす。そんなヤツらの戦いだからこそ、競艇は面白い。

2006_1024_01_247  さて、風が緩くなろうが強く吹こうが気になる山崎智也。今日も昨日と同様に気合満点。3Rで勝った原田幸哉を祝福する姿も見かけた。6号艇での出走となる今日、果たして片目を開くことができるだろうか。(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田守)


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2日目です! 本日の特注選手

おはようございます! 2日目でございます! 今日の福岡は曇り空ですが、風は昨日に比べるとぐっと穏やか。ホーム向かい風は変わりませんが、多少は良い水面状態でレースが行なわれそうです。大荒れだった昨日、今日は果たして……。

2006_1024_01_185 本日の特注選手は倉谷和信! 昨日、いい笑顔で上瀧和則と話している姿を見かけました。けっこうコワモテの倉谷選手ですが、笑った顔は実に渋い! そして、レースも渋太い立ち回りで魅せてくれます。初日は3着1着と好調なスタート。今日は10レース1号艇、人気に応えてくれると信じます。

それでは、本日も盛り上がってまいりましょう!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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今日のベストパフォーマンス・初日

 風速6~10mの向かい風と博多湾から押し寄せる波が作る、福岡特有の巨大なうねり。選手にとっては大きな壁のように見えたかも知れません。特にイン選手はターンしにくそうで、万シューが8本も出るという大荒れの初日になりましたね。まあ傍観する側としては、まくり6本、まくり差し3本というダイナミックなレースが続いて、大いに楽しませてもらったわけですが。
 第3位は、そんな凄まじいうねりに巻き込まれた悲運のレーサーに捧げます。

7R/泣くな俊介、明日があるさ!

2006_1024_01_159  見せ場たっぷりのレースが続いた中で、6着に敗れた選手を取り上げる。実に恐縮千万なのですが、この選手のことだけは書かせてくださいまし。
 7レースの守田俊介は、昨日の前検からまるで気配が違いました。SGで40%を超えるモーターを引いたのは、何年ぶりのことか。整備下手で有名な俊介は、いつも足合わせからボコボコにやられることが多いのに、池田浩二とタメで競り合っていたのですよ。
 いや、単に機力だけの問題じゃないんです。気力が違うんです。
「ユーユーのMB記念は心の底から嬉しかったし祝福もしたけど、ウイニングランを見てたら『嗚呼、ええもんなんやな~』ってしみじみ思いました。ユーユーからペラを教わって(笑)、ボクももうちょっと頑張りますよ」
 先月、電話取材でこう話していた俊介。その言葉通りの気迫が、試運転から感じられて私は小躍りしたものです。まだ競艇の記事を書く前から、「ストーカーかよ」と馬鹿にされるほど俊介を追っかけ続けて10年。ついに、「その時」が来たのだ!! と私は確信したのです。
2006_1024_01_216  で、7Rの展示タイムは他艇と遜色のない6秒62。これまた驚きの数値です。俊介はいつも、0・1秒くらいは他艇より遅れますから。もちろん、私は全財産のほとんどを③の頭決め撃ちでブチ込みました。
 スリット。4コースの俊介はトップSからス~~~ッと伸びました。こんなにスリットから伸びる俊介を見たのは、6年ほど前の常滑周年の優勝戦以来です(+0・01秒のFでしたが……)。もう、こうなりゃ簡単なハコまくりですわ。内の3艇を楽々と飲み込んで、後はバックで突き抜けるだけです。温泉気分の私は、颯爽とまくる俊介を見ながら<ダービージャケットを羽織る俊介→黄金のヘルメットをかぶる俊介>まで思い浮かべていたものです。
 が、1マークのうねりが、私の妄想を一瞬にして吹き飛ばしました。本当に、私には俊介の周りだけいきなり2m級の渦潮になったように見えたのです。艇が浮き上がり、転覆を必死に防ぐ俊介……なんとか身体を踏ん張って艇を立て直したときには、他の5艇ははるか前方を駆けておりました。幻の一撃ハコまくり。10点のはずのポイントが、1点に。でもって私の財布もジャラ銭だけに……。
 で、でも今節の俊介はこのまま終わりはしませんぞ。モーターは上位級で気持ちも西島級(言いすぎですかね、はい)となれば、SGをいつ勝ってもおかしくない天才なんですから。2日目は4号艇の1回走り。明日こそ、持ち前の電撃スタートから一気にまくりきってしまうはず。そう信じて、私も今晩から資金集めに奔走します。
 諦めるな俊介、お前はダービーを獲れる逸材なのだよ!!!!!

 はい、すいません、つい興奮してしまいました。続いて第2位は、皇帝・智也と王者・松井を子ども扱いした44歳の「安芸の闘将」に贈りましょう。

12R/本番5日前のガッツポーズ!

2006_1023__259  見事なまくりでした。ドリーム戦の西島義則。今日はまくりが6本(&俊介の「幻のまくり」ね)も決まっているので、もう観衆も目が慣れていたことでしょう。
 それでも、このまくりは凄まじいものでした。なんたって相手が智也と松井ですから。2コースの松井がやや凹んだとはいえ、インの智也と3コースの西島はまったくの同体でした。智也は外からの攻撃を牽制してあえてターンマークを外し、開き気味にターンしようとしましたね。西島には、機敏にまくり差しに入る選択もあったはずなのです。
 が、一瞬の迷いもなかった。松井の艇を擦るようにしてツケマイで沈めた西島は、そのまま全速で智也の大外をぶん回しました。
「あそこで半端に動くとダメ。思いきって行きました」
 冷静な判断で大胆な行動。将たる者の資質を十二分に兼ね備えた45歳は、一気に独走態勢を築いておりました。
 それにしても、いったい何歳までこの驚嘆すべき闘魂は続くのでしょうか。3年前の夏、私はB1級に降格した西島をこの福岡で目撃しています。一般戦で当然のように前付けに出た西島は、そのたび外の艇にまくられていました。B級の選手にも叩かれていたのです。その悲惨な姿を見て、「西島、終わっちゃったのかな…」などと思ったものでした。今、この場で西島には謝罪しなければいけませんね。終わる人じゃないんです。終わらない歌を歌い続ける人なんです。
「レース前に山室が『1等取ったらガッツポーズしろ』って言うんで、やっちゃいました。もう二度とないでしょうね」
 が、初日のガッツポーズは、西島にとっては最終日の予行演習たったかも知れません。
「今回はちょっと気合いが入ってるんで、応援してください!」
 勝利者インタビューの最後に西島はこう言いましたが、このセリフ、もうSGでは3回ほど連続で言ってるはずです。気合いの入っていない西島義則が存在するなら、1度だけでも拝んでみたいものですな~。
 あ、このレースではもうひとつの素晴らしい見せ場がありましたね。2周のホーム、内の智也と外のユーユーが競り合うようにして1マークに向かいました。そのすぐ後方には王者・松井が控えています。うねりがある上に、2艇がやり合っている。松井としては、絶好の差し場を期待したことでしょう。
 ところが智也は競り合いながらも、ターンマークを1ミリたりとも外さずに「松井を差させない」超絶モンキーを繰り出したのです。当然隙間が開くものと想定していた松井は、驚いたように失速して艇を外に持ち出しました。なぜ、あのうねりで、なぜ、あの2着争いで、あんなターンができるのか……それは、山崎智也だから。そういうことなんでしょう。私はただただ唸ることしかできませんでした。

 さて、栄えあるベスト・パフォーマンス賞は、水面だけでなく番外でも“絶口調”ぶりを披露した45歳に授けるとしましょう。

11R/「ダービー」は俺のもんじゃい!!

2006_1024_01_089  今日の11レースには「全日本選手権覇者」という隠れタイトルが付いておりました。過去にダービージャケットを羽織った6選手が集結して、確かに「裏ドリーム戦」とも思えるほどの豪華&接戦カード。参加選手にしてみれば、光栄とは思いつつも「なんでこんなキッツイ面子と戦わなきゃならんじゃ~!」と番組さんを恨んだかもしれません。
 で、このレースを4コースからひとまくりして、「ダービー・オブ・ダービー」に輝いたのが、山室展弘でした。ここ1年半ほど一般戦回りで徹底的に弱い者イジメ(失礼!でも、本当に泣く子も黙るほどの強さでしたな)をしてきたヤンチャな中年レーサーが、等身大の力をSGで見せつけたのです。
 そして、迎えた勝利者インタビュー。記者席では10レースまで何人かの記者がのんびりとインタビューを眺めている程度だったのですが、このときばかりは黒山の人だかり。みんな山室の無口さと毒舌に苦しんできたはずなのに、目を爛々と輝かせています。もちろん、期待を裏切るような山室ではありませぬ。
――1マーク、思いきって行きましたが、このあたりは?
「無事故完走、それだけです」
――朝から凄いうねりでしたが。
「練習してないんで、わかりません。他の選手はつらそうだったね。可愛そうだった」
――あの、朝からいろいろ調整しているように見受けられましたが……(このあたりからインタビュアーの声が震えはじめる)
「してました。整備が好きですから」
――山室選手を応援しているファンもたくさんいます。
「いや、期待されると、やる気をなくする方なんで」
――最後にひとこと、お願いします。
「はあ、無事故完走だけで、いっぱいいっぱいです」
 嗚呼、なんと可愛そうなインタビュアー。手のひらにじっとりと脂汗をにじませていたかもしれません。私なら逃げ出してますって。モニターの前では爆笑、また爆笑でしたけどね。
2006_1024_01_100  山室展弘、45歳。不思議な男です。無愛想で鉄面皮に見える山室の口調には、どこか人間味溢れるユーモアが感じられるのですよ。マスコミやファンに対して非協力的だと批判する人もいるようですが、心の底からは憎めない。憎めないどころか「ホントはものすごく優しいんだろうな~」と思わせる、不思議な魅力を感じるのは私だけではないはずです。
 今日の6選手の中で、SGを1度しか獲っていないのは山室だけでした。唯一のSGがダービー。今日の「ダービー・オブ・ダービー競走」を勝った勢いで、そのまま優勝戦まで突っ走ってもらいたい。そして「ダービー男」として表彰台に立った山室の優勝インタビューを聞いてみたい。インタビュアーに同情しつつ、私はステージの下で笑い転げていることでしょう。(Photo/中尾茂幸、Text/畠山)


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ダービーはチャレンジカップの勝負駆け!

 ついに開幕した福岡ダービー。実力日本一を懸けた伝統の一戦、明日からも激しい戦いが繰り広げられるでしょう。
 ところで、このダービーには、もうひとつ意味があることをご存知でしょうか? そう、競艇王チャレンジカップの勝負駆け! 10月末日までの獲得賞金額で出場選手が決定するチャレンジカップは、まさにラストスパートの時期に差しかかっているわけです。なかでも、高額賞金レースであるSGダービーは、チャレンジカップを目指す選手にとって、非常に大切なレース。特にボーダー線上の選手にとっては、少しでも賞金額を上積みしておきたいところであります。

2006_1024__062  ダービー出場選手でボーダー近辺の選手は何人かいますが、たとえば新美恵一。今日は3着で、上々のスタート。賞金も11万2000円をプラスしています。そして、地元SGに何としても駒を進めたい三嶌誠司は、1着2着とオール連対! 約35万円を上積みしていますから、これだけでも非常にデカい! 三嶌選手はこのままいけばおそらく出場権利を得られるでしょうが、賞金の高い準優(優出できなくても、最終日選抜に出られるのは有利)に向けて好発進ということで、明日からも力が入るはずです。

 このダービーは、次のSGに向けての伏線であると考えれば、なお一層楽しめること間違いなし! 右の「最新のトラックバック」の下に、チャレンジカップ開催場である丸亀競艇場のバナーを貼りましたので、そちらから賞金ランキング状況をぜひチェックしてみてください! さあ、明日の勝負駆けはどうなる!?(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田守)


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本日の水神祭!?――初日後半のピット

Cimg1477  翌日の出走表が出るのは、だいたい11Rの前後である。まず報道陣がそれを入手するわけだが、選手たちにとっても大きな関心事だから、その時間帯には選手が報道陣の持つ出走表を覗き込むシーンがよく見られる(私もよく「見せて」と言われて、ドキドキしながらお見せしてます)。特に若手選手は、同県同地区の先輩の艇旗&艇番を準備する仕事があるので、関心事という以上に知っておかねばならぬこと。右のピンボケ写真は、静岡支部の仲間のレースを確認している菊地孝平と、そこにふらりと自分の出走を確かめに来た山崎智也である。
Cimg1470  こうした選手の行動パターンを熟知しているのが、元選手にして現在はJLC専属解説者の佐藤正子さん。出走表を入手し、近くの整備室で作業をしている85期の選手を見つけると、つかつかつかとガラスに近寄っていった。そして、出走表を窓越しにピターッ。これに気づいた作業中の森高一真と田村隆信が、おっ、という感じで出走表を覗き込んだ。それに気づいた私が、その様子を撮影した次第であるが、あら、森高と田村はちゃんと写ってないですね。ヘタクソでごめん。そんな僕の写真の腕を知ってか知らずか、佐藤さんは「なんか動物園みたいだけど、どっちが檻の中の動物か、わからないね」と爆笑。写真がヘタなおかげで、佐藤さんが覗き込んでるように見えますね、ハイ。陽気で心優しい佐藤さんの和み系ジョークでした。

2006_1023__018  菊地孝平は、BOATBoyで書評を連載してもらっている関係上、ピットで顔を合わせると爽やかな笑顔を向けてくれる。今日は、競技棟内の通路でバッタリ。「お疲れ様です」「お疲れ様です!」「今月も原稿、ありがとうございました!」「ああ、こちらこそ!」「あ、お子さん、おめでとうございます!(8月に娘さんがお生まれになったのです)」「ああ、ありがとうございます!」やっぱり、いちばん声が踊り、笑顔が弾けたのは、お子さんの話を振ったときでした。お父さんになった菊地孝平、思えば8月以降は絶好調である。ここは一発、SGウィナーとなった姿を娘さんに見せたいですね。頑張れ!

2006_1023__096  10レース、4着に終わってしまった木村光宏。ピットに引き上げてきた際には淡々とした表情だったが、その後は最後の最後まで、ペラ調整に励んでいた。思えば、あの松井繁がフライングをしてしまった桐生オーシャンカップ、王者とともにスリットオーバーしてしまったのが、この木村だった。松井と同様、SG出場権を失い、このダービーがSG復帰戦。おかえりなさい、木村光宏! 心に期するものがあるのかどうか、すっかり閑散となったピットにあって、一心不乱にペラを仕上げているのだった。木村のTシャツの背中には、「遊び人」と記されている。その意味するところは確認できなかったが、中尾カメラマンの「Tシャツは遊び人だけど、本人は働き者だよね」という言葉が、木村の何たるかをよく表わしていると思う。

2006_1024_01_066  11R、1号艇で出走した上瀧和則は3着。1マークで山室展弘にマクられ、道中では濱野谷憲吾の逆転を許してしまった。それでも、ピットに戻ってきた上瀧は、なんだかご機嫌に見えた。大声でレースを振り返る、というか、濱野谷に軽口を叩いているのだが(くそー、卑怯だぞー、とかいう声も聞こえた)、表情はもうニッコニコ。もちろん悔しさが目元ににじみ出てもいるのだが、いわゆるサバサバとした、いや、サバサバの笑顔バージョンといった感じだったのである。初日のこの段階で、その表情の裏読みをするのは速すぎると思う。悔しさを紛らしてるように見えなくもなかったが、その判断は明日からの上瀧を見て下したいように思う。ただひとつ、雰囲気は悪くないことだけは付け加えておこう。いいオーラが身体から出ているのは、間違いない。

Cimg1485  ドリーム戦を制したのは、西島義則だった。3コースからのマクリはお見事で、もちろん予選トップに立つ快勝であった。引き上げてきた西島は、やはり笑顔、笑顔、また笑顔。ボートから降りた瞬間、小さくグッと拳を握ったようにも見えた。ヘルメットを脱いでも、やっぱり笑顔。うーん、男っぽく、そして味わいのあるスマイルである。一言、カッコいい。実は昨日の共同会見で、4コースからのスタートをほのめかしていたのだが、作戦を聞かれて「ひとマクリ!」と力強く語っていた西島である。ただ、それがちょっと冗談めかしているように聞こえたため(だからインを狙うかもしれないと思った)、ついスルーしてしまっていたが、それを現実にしてしまったのだから、自分の不明を恥じるしかなかった。やっぱりサムライ西島、やるときゃやります。脱帽です。

Cimg1487  そのドリーム戦、3着争いがもつれた。3周1マークで中村有裕がキャビり、植木通彦がそのスキを捉えて接戦に持ち込んだのだ。結局、ユーユーがなんとか凌ぎ切ったのだが、ピットに引き上げてきたユーユー、すぐに出走選手控室のモニターに張り付いて、レースをチェックし始めた。そこに植木が現われて、競り合った二人が顔を合わせる。先輩を競り落としたユーユーは、植木に気づくとすぐに「すいません」と頭を下げた。すると植木、穏やかな顔つきでニコーッと笑い、「よかったねえ!」と先着したユーユーを祝福。まさかのキャビテーションで逆転されなくてよかったね、なのか、最後勝っていてよかったね、なのか、ともかくユーユーの心中を慮った植木(事故にならなくてよかったね、かもしれないが)。追っていたのが自分だとはいえ、選手の思いを知り尽くした男ならではの、気遣いである。その後は並んでリプレイに見入った二人。戦い済んでノーサイド。真剣勝負とは、そういうものである。 

2006_1023__336  そのユーユーに、「おいっ、ユウスケ! こっちっ!」と声がかかった。声の主は太田和美。けっこう大声だったから、一瞬、ユーユーが怒られたのかと思った。「タラタラとレース見てないで、さっさと片付けろ!」てな具合に。慌ててカポック脱ぎ場に駆け出すユーユー。ちょっと緊張感が走ったのだが……ユーユーが駆けつけると、そこには笑顔の太田が。森高一真、湯川浩司らの顔も見える。さらには守田俊介も駆けつけた。そして太田は、ユーユーをボートリフトに引っ張っていく。ん? 水神祭!?
Cimg1488 そうです、なんと水神祭が行なわれたのであります! もちろんMB記念制覇の水神祭。桐生での本チャン時にはすでに帰途に着いていた太田が、改めてユーユーの快挙を祝福したわけだ。おぉ、粋なはからいじゃないですか。ワッショイスタイルで持ち上げたユーユーを、せーのでドッボーン! けっこう高い位置から投げられたから(折りしも干潮でした)、ユーユーが水面に叩きつけられた瞬間、不気味なほどに高い音が響いた。「“モミジ”だよ、あの音は」と森高は大笑い。びしょ濡れで上がってきたユーユー、身体をねじって痛がっています。Cimg1494 「背中とわき腹が痛いっス!」。「こりゃあ、明日は欠場だな!」とジョークが飛んだところで拍手喝采。太田選手、ほんとに粋なはからいですよ、これは! ともかくユーユー、改めておめでとうございます。

2006_1024_01_073  さて、ドリーム2着とまずまずのスタートで気になる山崎智也。レース後、ボートリフトで出迎える村田修次に、ボートの上から手振りで小さく「セーフ」。マクられたけど、なんとか2着に凌ぎ切れた、というところだろうか。レース後の表情は悪くなく、手応えもある程度は得た様子。明日からの快走に、期待を寄せたいところであります。(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田守)


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難水面に立ち向かう――初日、前半のピット

Cimg1444  強い追い風(ホーム)が吹いていた昨日の前検日、今日は一転して強い向かい風が吹いている。福岡が難水面であることは今に始まったことではないが、レースを見ていると皆乗りづらそうにしているのがハッキリとわかる。SG初日は、常に慌しいもの。それでも今日の慌しさは、いつものSGとは趣が違うように見えた。レースが終わり、試運転開始の合図がかかると、先を争うように水面に飛び出していく選手たち。モーターの手応えプラス水面の手応えをつかむために、選手たちは忙しい午前中を過ごしていた。

Cimg1440  淺田千亜希が、田村隆信とかなり熱心に話し込んでいた。中身まではわからなかったが、表情からは仕事の話であるのは明らか。淺田が田村に質問するような形で、会話の主導権を握っているように見えた。淺田は今日、第1Rに出走、4着に敗れている。コーナーではバタつく場面もあり、そのあたりが話のテーマだったのだろうか。淺田のSG出場は、2002年総理杯以来2度目。その総理杯では3着を6本も取ったが、1着はなかった。水神祭を目指して、全速チャレンジは始まったばかりだ。

Cimg1452  田中豪、村田修次の東京支部ツーショットを発見。この二人は、BPクラブ(ペラグループ)の精鋭である。長岡茂一を頂点とするこのペラグループの、期待の若手だったのが田中と村田。二人ともすでに中堅的なポジションであるが、期待通りにSG戦線に定着している。今回のダービーは揃い踏みでの参戦、お互いに心強い味方がそばにいるわけだ。力を合わせて、予選突破を目指せ!

Cimg1459  心強い味方といえば、仲良し銀河系軍団85期は今回4人が参戦。「4人で優勝戦に乗れるように頑張ります」、開会式でそう言ったのは田村隆信である。4R終了後、5Rのスタート展示が始まると、水面を一人眺める田村がいた。スタ展をそんなに熱心に見てる選手は珍しいなあ……と思ったら、5Rには森高一真と湯川浩司、同期が2人出走していた。スタ展の段階から、仲間を気にかける田村の姿は、実に美しい。田村の願い――4人での優勝戦進出、かなえばいいなあ。あ、そういえば3Rあたりだったか、森高とばったり出くわしたんだった。挨拶をすると、森高は頬を引き締めたまま「おはようっす」と重厚に返した。森高は最近、僕の顔を見るとからかってばかりで、実は昨日も「クロちゃんです! クロちゃんです!」と繰り返しながら、ニッコニコで寄ってきたりもしていたのだ。しかし、レースが始まり、自分のレースが近づいてくると、こうして気合のこもった表情を見せる。森高一真、間違いなく勝負師である。

Cimg1449  昨日、福岡のピットは遠いよーと書きましたが、ピットから水面を撮影すると、ほら、スタンドが真正面に見えるのです。左上の青い壁のところに窓がずらーっと見えますよね? そのいちばん左端のあたりが、記者席であります。ね、遠いでしょ? あと、ペラたたきの場所が装着場にあるとも書きましたが、今日ピット探索をしてみたら、整備室の奥のほうでも選手がペラを叩いてました。もちろん、装着場ペラ小屋も健在で、今日は上瀧和則や池田浩二の姿を見かけています。気温が下がったら、寒いと思うんだけどなあ。

2006_1023__507   さて、ピットへの長い道のりを歩きつつも気になる山崎智也。今朝、ちょいと別件で話をしたのだが、いやあ、気合入ってると思います、今節の智也! というより、このところSGで見る智也は以前と明らかに違った闘志で臨んでいるように見える。今年の好調ぶりは、このメンタル面での変化にあると見たがどうか。とりあえず、今日のドリームを楽しみに待とう。(PHOTO/中尾茂幸=山崎 黒須田=その他 TEXT/黒須田守)


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ダービー開幕! 本日の特注選手

おはようございます! 全日本選手権、競艇ダービー! いよいよ開幕です! 福岡競艇場は、雲は多いですが、晴れております! ダービー日和! 競艇ファンの皆様、おおいに盛り上がってまいりましょう。あ、昨日から左に「競艇サポーターズ」のリンクコーナーができました。皆様、ぜひご覧くださいませ。

2006_1023__404 さて、本日の特注選手。初日は横西奏恵でいきましょう。昨日のピット情報でも書きましたが、福岡での横西は明らかにMB記念とは表情が違います。一発やってくれそうな雰囲気がプンプンと漂っているのです! 今日は4R5号艇、9R2号艇。配当的には、4Rのほうを特に狙ってみたい気がしますね。もちろん、4Rで激走すれば9Rも! 総理杯の再現、この福岡で期待するべく、幸先のいいスタートを切ってもらいたいものです。頑張れ、横西!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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ご機嫌――前検のピット

Cimg1437_1   福岡競艇場のピットは、ちょっと特殊な位置にある。2マークの奥にあるのが普通なのだが、福岡は2マーク寄りの対岸にあるのだ。コース取りも独特。バックストレッチ側からピットアウトするわけだから、一度2マークを旋回しなければならず、その後小回り防止ブイを回って、再びホーム側に出るという、他場では見られない待機行動。2マークの奥に敷地がないからなのだが(すぐ外が道路です)、えっと、要するに何が言いたいのかというと、遠いんです、福岡のピット! 記者席は1マークの真ん前。ピットは2マーク寄りの対岸。つまり、ちょうど対角線にあるわけで、ピットに向かうには競艇場をぐるりと半周するわけである。だから何だってわけじゃないけど、ピットから戻ってきたら息が切れていたので、つい書いてしまった次第である。今節、少しは痩せられそうだな……。

2006_1023__617  さて、前検。いつものSGと同様、選手たちは慌しく動き回っており、ピットの空気もかき回されたかのようにグルグル動いている。スタート練習と展示を終えた選手たちのなかには、早くもペラを調整している者も多数……って、あら、金子良昭が装着場でペラを叩いているじゃないか。隅っこのほうにテーブルが置かれていて、ペラゲージも山ほど置かれているから、どうやらここもペラ室(?)ということらしい。自然光にかざしてペラのゆがみなどをチェックする姿は、なかなか凛々しかったです、金子選手。引いたモーターはエース機、今年の好調ぶりをSGでも見せ付けてくれることを楽しみにしています。

2006_1023__429  横西奏恵が、元気一杯だ。MB記念では、モーターがいまひとつで、表情にやや翳りが見えることも多かったが、今日は明るい表情。そういえば、今朝競艇場入りする際、バッタリ顔を合わせると、満面の笑みで「おはようございます!」と挨拶してくれた横西。ハッキリ言って、胸キュン(←死語?)でした。ようするに、朝からご機嫌モードの奏恵ちゃんだったわけであります。前検でも笑顔を振り撒きながら、作間章や田村隆信と話し込んでいて、ムードは最高。総理杯で見せた大仕事の再現もあるかも!?という感じの、前検日である。今節は、同郷の淺田千亜希もともに参戦、いい精神状態で臨めるはず。激走を期待してますよ!

2006_1023__132  ご機嫌といえば、松井繁だ。陽気な王者を、ここのところのSGでは毎回目にしてきたが、今回も絶好調!の様子。ドリーム選手共同会見でも、特別強気な言葉は出なかったけれども、いい表情でハキハキと質問に答えていた。その後、装着場で太田和美と大声で談笑している姿も見かけたが、早くも王者モード全開か!? H記者によれば、足はかなりいい感じだそうだから、明日の初日から突っ走る可能性も十分。今節も強い松井を見ることができそうだぞ。

2006_1023__142  ドリーム戦共同会見が行なわれたのはピット内の記者室だが、足を踏み入れた瞬間に「うわ、さすがに多いですね」と呟いたのは徳増秀樹。今年絶好調の徳増だが、SGのドリーム戦はこれが初めてということもあって、記者席を埋め尽くしている報道陣に驚いたようだ。「ダービーに出るような選手じゃないと思ってた。総理杯タイプですよね」と自分を語った徳増、いやいや、今年の充実ぶりはダービー出場選手に、そしてドリーム戦出場選手に十分ふさわしいもの。「人気でSGに出られるような選手じゃないから、実力で出られるものはすべて出たい」と、自分を見つめ直し、やるべきことはすべてやって、このドリーム戦の切符をゲットしたのだから、選手の鑑である。会見が終わって記者席を出る際には、振り向いて直立不動で頭を下げた徳増の姿には、ほんと、こちらこそ頭が下がるというものだ。その好青年ぶりに、俄然、応援したくなったのでありました。

2006_1023__492  BOATBoy11月号でインタビューした原田幸哉が、僕の姿を見るや、声をかけてきた。彼もまた、好青年だ。
「大村は失敗しちゃったけど、宮島は決めましたよ!」
 F休み明けは素晴らしい戦歴で、大村GⅠも宮島GⅠも優出。そして、宮島では見事に優勝!「ダービーまでの3つ(のGⅠ)のうち、1つは決めましたから!」と、満足そうに言う原田。インタビューの際、「現役最多の19連勝はあくまで一般戦、記念でこそ」と語っていた原田だけに、記念で結果を出したことは満足できるものなのだろう。
「本番は今回ですよ!」と僕が返すと、原田は「そうですね!」と力強くニッコリ。今の勢いに乗る手は十分にあると見たぞ。

2006_1023__426 「クロちゃんがいるかと思った」
 僕の顔を見るなり、そう言った選手、果たして誰だと思いますか? 聞いて驚くなよ、皆の衆。山室展弘、である。このダービーが山室との初めての遭遇となる我々取材班、けっこう緊張していたのだが……まさか山室のほうから声をかけられるなんて! クロちゃんに似ていてよかった!「よく言われます!」と返したら、「ふーん、よく言われるんだ」と呟いて、控室に入っていったが、やっぱり独特の雰囲気がありますね。SGは久々の参戦ですが、1999年には堂々たるダービー王に輝いている山室。実力がトップクラスなのは、誰もが認めるところだろう。今節は、その存在感をぜひとも発揮してもらいたいなあ、と思った次第である。で、山室が全モ連の小林雅人氏と談笑しているところを見かけていたのだが、話が終わると小林氏が僕に近寄ってきて、「クロちゃんのこと、怖いって」。へ? ぼ、ぼ、僕が怖い? たしかに、昔はよくその筋の人に間違えられたけど……。

2006_1023__541  さて、ダービー2Vということで、やっぱり今節も気になる山崎智也。ドリーム戦共同会見では笑顔も見えていて、なかなか気分は上々のようである。作業を早々と終えて、あとは比較的のんびり過ごしているように見えた、今日の智也。機力のほうもそれなりに手応えは得ることができたということだろう。今村豊に並ぶ最多タイのダービー3Vを目指して、今節も我々をおおいに楽しませる走りを見せてください!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田守)


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H記者の「ダービー前検を斬る!」

2006_1023__242  Hです。「前検を斬る!」と威張ってはみたものの、今日は実になんとも斬りにくい1日でありました。大きな理由はふたつ。
①強いホーム追い風のせいで1マークが極端にうねっていて、ターンや直線での足色が把握しにくい。ちょっとでも艇がバウンドすると、もう足合わせにならないのですよ。
②記者席の位置がいつもより1マーク寄り(ファンとしては絶景なんですが…)で、直線の伸び加減が感覚的に掴みにくい。
 よって「なんとなく」という感じでしか判断できなかったのですよ。情けない限りではありますが、読者の皆さんは私の判断(推定)をあまり鵜呑みにせず、明日のレース検討をしてくださいまし。
 ではでは、なんとも頼りない独断と偏見のモーター番付をば。

    東      西
横綱 湯川浩司  松井 繁
大関 川﨑智幸  作間 章
関脇 平田忠則  吉田弘文
小結 坪井康晴  原田幸哉
前頭 西島義則  横西奏恵

 チッチキチ~湯川は回ってすぐは大したことがないのですが、中間速が抜群。セカンドギアで一気に相手を突き放す足は圧巻でした。

2006_1023__114  松井は2度ほど合わせただけですが、ターン回りの安定感が抜群でまったく艇にブレがなかった。王者の貫禄でありました。
 川﨑と作間は回ってすぐにキュ~ンと押していくパワー。伸びはどちらも並でしたので、イン逃げかスローからの差しが絶好の狙い目です。
 逆にやや不安に見えたのは、エース25号機の金子良昭。回り足と出足はかなり良さそうなのですが、回るたびに艇が暴れて抑えるのに必死という光景を何度も見かけました。いわゆる「乗りにくい」というヤツでしょうか。静水面なら問題ないと思われますが、今日のような荒れ水面では苦労するかもしれません。辻栄蔵も回った瞬間に艇が浮き上がり、大きく振り込んでましたね。あと、笠原亮が合わせるたびにボコボコにやられていたのが気になります。
 最後に私の愛する守田俊介は、池田浩二と同じような足色。コイツは素晴らしい! 直線で負けなかったのは、俊介にとっては珍事に近いことなのです。しかも、足合わせは池田との1度だけでしたが、その後ピットに引っ込んでから、もう1回水面に出てきたではありませんか!!(1周のんびり回っただけですけどね) と、とにかく、前検でこんなにヤル気を見せた俊介は何年ぶりでしょうか。後輩ユーユーのSG奪取に触発されて、今節は別人のようなバリバリ俊介が見られるはず。明日の7Rが、今から楽しみです!!
 と、いい夢を見たところで前検タイムが届きました。上位選手をアップしておきます。

2006_1023__001 ①松井 繁 6・67
①西村 勝 6・67
③横西奏恵 6・68
③吉川元浩 6・68
⑤金子良昭 6・69
⑥山室展弘 6・70
⑥仲口博崇 6・70
⑥木村光宏 6・70
⑥平田忠則 6・70
⑥坪井康晴 6・70
⑥森高一真 6・70

 松井が1位で奏恵ちゃんや平田も上位。な、なんとなく私の番付に近い結果が出て、ちょっと嬉しいです。東の横綱に指名した湯川浩司も6・72なら合格点といえるでしょう。不安を指摘した金子良昭は5位ですか……やはり素性はかなり良さそうですね。
 でもって、我が守田俊介は6・80(池田浩二も同タイム!)。この時計はケツから数えた方がはるかに早いほどの凡タイムですが、いつもの俊介に比べたら節イチ級の好タイムなんですよ。正直、東の正横綱に抜擢したいくらいです!! ま、あくまでもこっそりと応援しますけどね、こっそりと。
 ワースト級に見えた笠原亮は6・82ですか。やはり、初日から苦戦しそうですな~。(Photo/中尾茂幸)

2006_1023__553 ←節イチ候補と呼ばれる66号機をゲットした作間章。怖~い存在でっせ!


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平田、藤丸が怖いぞ~!!

Nu2r0031  23日、12時すぎから競技棟で注目のモーター抽選会が行われた。立会人は選手班長の藤丸光一。
「では、抽選をはじめま~す!」
“福岡天皇”の明るい気質が反映されて、室内のムードはいたって和やか。ガラポン抽選機を回したSG常連の選手たちは、さほど番号(モーターナンバー)を気にすることもなく談笑している。
 そんな中、やや緊張した顔で抽選に望んでいたのが平田忠則だ。トップ級の実力を持ちながら、いろいろとあってSGは3年ぶりの参戦。元々が童顔なだけに、はにかみながらガラポンする顔が実になんとも初々しい。そして、34という数字を見ると、その緊張した顔がほころんだ。
「34って、まあまあやったんやないすか?」
 地元の記者に笑いながら話しかける。そのとおり、複勝率は44%程度だが、前節で整備巧者の熊谷直樹が122511111①と後半6連勝で優勝しているゲンのいい上昇機なのだ。仕上がりに不安はないはず。昨日のダービー前夜祭では「皆さんに迷惑をおかけしたのに、皆さんの暖かいご声援のおかげでまたSGに戻ってこれました。これが最後のSGのつもりで戦います!」と熱く決意を語っていた平田。今節はこの天才レーサーから目を離せませんぞ!
Nu2r0034  その次にガラポン機を回した山室展弘も、SGは1年8カ月ぶり。全国の一般戦で苦行?(「弱い者イジメ」という声もあるが)を積んだその顔は、もはや解脱の境地を思わせ、坊主頭と相まって高僧の雰囲気さえ漂わせている。こちらも、要注意だぞ。
 選手間で評判の高かった66号機を引いたのは、いまや「伏兵」と呼べないほどの安定感を誇る作間章。この超抜機を引いた瞬間ニンマリ笑った作間は、親しい記者に向かって「いつも右手で失敗してるんで、左手で引いたんですよ~!!」と嬉しい悲鳴を挙げていた。 

Nu2r0077  勝率上位機を列挙すると
①25号機(57%)…金子良昭
②66号機(54%)…作間 章
③73号機(48%)…江口晃生
④18号機(47%)…太田和美
⑤60号機(47%)…藤丸光一
 選手班長の藤丸は、前夜祭で「9月の当地記念では多大な迷惑(優勝戦F)をかけたので、今節は期するものがある」と並々ならぬ決意を表明している。このモーターなら、地元での嬉しいSG初Vも、夢ではないな。(Photo/中尾茂幸、Text/畠山)


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おめでとうございます!――選手褒賞

選手に対しては、「褒賞懲戒規程」というものがあって、これに該当すると褒賞を受けることになります(もちろん、懲戒の場合も)。その規定の中に、「全日本選手権出場回数」によるものがあり、今回のダービーでこれに該当する6選手が褒賞を受けました。

植木通彦(15回出場)/江口晃生、後藤浩、太田和美(10回出場)/辻栄蔵、白井英治(5回出場)

Nu2r0002 おめでとうございます! 本日、モーター抽選に先駆けて、表彰が行なわれました。写真は、15回出場で褒賞を受けることになった植木通彦選手。15年にわたって、「実力日本一決定戦」とも言われるダービーに出場したのですから、並大抵のことではありません。地元でこの褒賞を受けることになって、植木選手としては忘れられないダービーですよね。

褒賞を受けた6選手、今後とも末永くご活躍されることを願っております。毎年毎年、ダービーでその姿を見せてくださいね!


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博多にダービー戦士が登場!

今日の福岡は、けっこう風が強い。しかし、秋の陽射しのなか吹く風は、なかなか心地いいものであります。そんな清涼な気候の中、ダービー出場選手が続々と福岡競艇場に登場です!

Cimg1395 福岡ダービーといえば、思い出すのは8年前。そう、濱野谷憲吾の初SG制覇の舞台が、福岡ダービーでした。その濱野谷、相変わらずファンに囲まれて、笑顔で写真撮影、サイン攻めに応えております。かなり長い時間をかけて、丁寧にファンと交流する濱野谷。うむ、今日も実に男前であります! 久々のSG制覇を、思い出の福岡ダービーで期待しましょう。

Cimg1396 昨年のダービーは地元開催でした。井口佳典、今年は津競艇場からダービー獲りにやってまいりました。あれから1年、すっかりSGの常連となった井口にとって、今回のダービーはけっこう重要。競艇王チャレンジカップにF休みで出場できないということで、これが賞金王レース最後のSGなのです。好位置につけている井口だけに、ここで賞金を上積みしておきたいところ。今朝の井口、気合満点の表情に見えたのは、気のせいでしょうか。

Cimg1404 史上最多ダービー制覇は、V3の今村豊。このタイトルに誰よりもこだわりを抱いている男であります。淡々とした表情で福岡に登場した今村は、タクシーを降りるや「今村さーーーーんっ!」と黄色い声援を浴びます。よっ、さすがの人気者! 落ち着いた足取りでファンの待つ通用門に向かうと、静かにサイン色紙にペンを走らせるのでした。うむ、渋いっす。

Cimg1406 今回、師弟で参戦は金子良昭&菊地孝平。他の静岡勢とは別便で、福岡にやって来ました。タクシーを降りると、「金子さーーーーーん!」。菊地も師匠の人気にビックリで、「よばれてますよっ!」。ま、直後に「菊地さーーーーーん!」と声がかかったのですが。で、同じタクシーから降りてきたのは、江口晃生。一瞬、意外な組み合わせに驚きましたが、金子とは同期ですね。菊地と江口がピットで親しげに話しているのをよく見かけますが、師匠とのつながりってことですかね。

Cimg1416 で、他の静岡勢=徳増秀樹、坪井康晴、笠原亮が、その3分後くらいに登場。写真にはうまく撮れなかったけど、徳増のサングラス姿、めっちゃクールっす。今節、注目したいのは、笠原亮。昨年の賞金王戦士、なんとA1勝負駆けなのです。一時はかなり厳しい状況だったのですが、なんとか6点台に勝率を引き上げてきました。強力メンバー相手に厳しい戦いになるでしょうが、A1キープの激走を見せてもらいたいものであります。

Cimg1400 地元勢も次々とやって来ました。グラサンにヒゲ……今村暢孝、すげえ迫力っす。昨日の前夜祭では、にこやかにジョークなども繰り出していましたが、今日は物静かな風情でタクシーを降ります。うむー、やっぱ迫力あるなあ。地元SGに、早くも気合充満ということでしょうか。巧みな走りで博多を熱くしてください。

Cimg1402 お子さんとともに登場は、吉田弘文。JLCスタッフや私が撮影をしていたら、「一緒に撮ってもらおう」ということで、抱き上げました。うーん、いいパパですな。ちなみに後ろに映り込んでいる奥様は元選手の住井真紀子さんです。相変わらずお綺麗でした。ご家族のためにも、吉田選手、頑張ってください!(黒須田)


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福岡です!

Cimg1390 おはようございます! 取材班、福岡競艇場にやってまいりました! 昨夜は雨降りでしたが、今朝は雨も上がって陽射しも出ています。ダービー日和!

というわけで、これより選手到着、モーター抽選、前検と取材、更新してまいります。最初の更新はおそらくお昼頃。お楽しみにお待ちください!

それでは、今節もよろしくお願いします!


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いよいよダービー!――前夜祭に行きました!

ダービーが目前に迫ってまいりました! あさって24日から福岡競艇場で開催される全日本選手権、明日の前検から取材、更新をしていきます……が、実は取材班、すでに福岡におります。というのも、今日の午後7時半から、福岡市内のホテルにおいて、「ダービー前夜祭」が開催されたからであります!

Cimg1353 飛行機の都合で、ちょいと遅れて会場に到着した取材班が、トビラを開けると……うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ! 小柳ゆきさんが競艇新CMのテーマ曲「誓い」を熱唱中ではありませんか! いやあ、曲も素晴らしいですが、その声量と歌唱力が素晴らしすぎる! 心震えるほどのスペシャルライブに、会場に到着するや否や、感動して涙を流す取材班なのでした。小柳さん、サイコー!

Cimg1364 小柳さんがステージを降りると、前夜祭はさらに熱狂加速! ファンの皆様と関係者あわせて350名、みな顔を上気させております。そう、続いては地元・福岡支部のダービー出場選手が登場! このダービー、福岡からは日高逸子、今村暢孝、植木通彦、藤丸光一、吉田弘文、平田忠則の6名が参戦します。今日、津で出走していた吉田は残念ながら間に合いませんでしたが、他の5名がステージに登場しました。お客さんはほとんどが地元・福岡の方ですから、声援もハンパじゃない! いやあ、地元ファンと地元SGに臨む選手たちとの絆がビンビンと感じられて、これまた感動したっ! 素晴らしい!

Cimg1371 さらに、福岡支部の4000番台若手選手たちで結成された「ペラボーイズ」も登場。噂の“ワンダー・ルーキー”岡崎恭裕もいましたぞ。彼らはこの前夜祭ではアテンド担当の役割もあり、ダービーに臨む大先輩たちを少しでも盛り上げようと、健気に動き回っておりました。いつかは君たちが、この舞台に臨む日が来る。楽しみに待っているぞ!

Cimg1369 トークショーの後は、各選手がステージを降りて、なんとお客さんたちと歓談! いやあ、こんなに選手とファンの距離が縮まっているイベント、初めて見たなあ。なかでもノリノリだったのは、福岡水面は純地元である“博多ん大将”藤丸光一。彼は9月の福岡周年優勝戦で痛恨のFを切ってしまっているのですが、だからこそ「今節はその分もお返しする!」の気合で臨みます。その壮行会的イベントですから、そりゃあ、張り切らないはずがない! プレゼント抽選会などでステージに上がると、ギャグなども飛ばしつつ、会場をおおいに盛り上げております。藤丸選手、Fは攻めた結果だから悔やむ必要はない。その落し物を拾うのは、まさにこのダービーです! 頑張ってください!

Cimg1386 その藤丸選手が、サプライズゲストをステージに呼び込みます。西島義則! さらに2年前の福岡ダービー覇者・田頭実! 思わぬゲストに会場はさらに大興奮! ダービー参戦の西島選手、「福岡の選手の邪魔をしないようにします」と笑ってましたが、ま、そんなわけないっすよね。地元のヒーローに加えて、艇界のスーパーヒーローも登場した前夜祭。ハッキリ言って、最高に濃密でクオリティの高いイベントでした! 関係者の皆様にも拍手!

Cimg1388 というわけで、明日より戦いは始まります! 我々取材班も取材、更新に全力投球しますので、今節もどうぞよろしくお願いします。皆さん、おおいに盛り上がりましょうね!(黒須田 写真、ピンボケばかりで申し訳ないっす

※取材班にお声をかけてくださった皆様、ありがとうございました。黒須田、畠山ともに感激し、元気付けられました。


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