この特集
ボートレース特集 > 2006賞金王シリーズ
この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
ライタープロフィール
カテゴリー
関連リンク
競艇サポーターズ
関連書籍

 ボートレース特集

“動”と“静”の死闘――シリーズ優勝戦、後半のピット

「動いた3人、動かぬ3人」――シリーズ優勝戦の朝、ペラ修正や試運転に“動いた3人”服部幸男、菊地孝平、中野次郎。そして関係者と笑顔で話していた赤岩善生、原田幸哉。姿を見せなかった江口晃生の“動かぬ3人”。
 決戦の舞台での死闘は“午後もっとも動いた1人”と、“午後もっとも動かなかった1人”によって繰り広げられた。
Sany0293  午後になり、思い思いにペラ修正室内に入っていた6選手。そのなかでもっとも遅くまで、もっとも動いていた選手が2号艇・服部だった。10Rに行われるシリーズ優勝戦。つまり9R発走の数分前までに、出場選手は展示控室に移動する。そのタイムリミットギリギリまで、ペラ室に籠もっていた服部。朝、試運転とペラ室を往復し続けた中野も、ペラ室で時間をかけて最後の最後まで調整をしていたが、それ以上に服部はペラ室の住人となっていた。朝から時間いっぱいまでのペラ調整。「まだ足りない、まだ足りない」とばかりに服部はペラにゲージを合わせ、叩いて、そして合わせを繰り返していた。
 
 そんな服部に対して、もっとも早くペラ室を出て、ペラをモーターに装着。そしてもっとも早くピット周辺に姿を見せなくなった選手が1号艇・赤岩だった。午前中、モーターを装着後から関係者と談笑を続けていた赤岩が、午後もイの一番に優勝戦の準備を終えた。
「1号艇だけに、インから逃げるだけ」。いうまでもなく、競艇はインコースがいちばん有利だ。しかし、これまでどんな強者が有利なインから逃げられなかったことだろうか。ましてや赤岩にとって初のSG制覇がかかる大一番。節イチの勢いの相棒(モーター)を信頼し、“気合いの男”赤岩が己に勝つべく精神集中をしているのではないか。徐々に10Rが迫るなか、朝と同じように談笑するでもなく、姿をまったく見せない赤岩に対し、勝手にそんなことを想像していた。

Sany0307 ←レース終了後、リプレイを見つめる原田、服部、菊地

 優勝戦。詳しいレース内容は回顧記事に譲るが、枠なり3対3のスタートで、赤岩は「スタートはちょっと放り」、しかも「(1マークでターンマークに)寄りすぎた」というちょっとしたミスをする。そしてその少々のスキをSG戦士たちは見逃さないことから、何人もの強者がインから敗れ去っているわけだが、今回もそのスキを見逃さなかった選手がいた。まず3号艇の菊地が襲いかかり、その攻撃こそ凌いだもののやや流れてしまった赤岩を差したのが、服部だった。
 バック、突き抜けたのは服部だった。しかし、赤岩は慌てることはなかった。「伸びるはず」の相棒は信頼どおりに伸びて服部に追いすがり、2マーク、最高のターンで服部の内側を貫いていた。最後の最後までペラ室に籠もった成果が、服部に降りてきたた瞬間は間違いなくあった。しかし、最後は最高の相棒とともに、ミスから十数秒で立ち直り、己に勝った赤岩に勝利の女神は微笑んだ。レース後、敗れた服部も笑顔で勝者を讃えていた。

Img_9355 「この大舞台で勝つことが“夢”から“目標”となり、そして勝つことができました。ただ、決定戦の12人に入るのは、まだまだすべてにおいて成長が必要だと思います」。レース後の記者会見でそう語った赤岩。
 SG覇者4人が揃い、しかも服部幸男を撃破した赤岩善生は、充分に強いと正直思う。しかし、それでも「まだまだ成長しなければならない」と、勝者は上を見続けている。
 記者会見が終わった後、ピットの空気は決定戦へのものにあっという間に変わっていた。“前座”であることは否定しない。しかし、きっと来年の福岡・賞金王で決定戦12戦士の中にいるだろう勝者が誕生した、大きな大きな賞金王シリーズの優勝戦だった。(PHOTO/赤岩=山田愼二 ペラ室の服部、リプレイを観る3選手=松本 TEXT/松本)


| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

賞金王シリーズ優勝戦 私的回顧

白と黒のバトル、赤岩が制す!

2006_1224__024  賞金王シリーズは総理大臣杯への勝負駆け。とはいえ、賞金王シリーズに出場する選手は総理杯へのキップをすでに持っている者も多い。
 シリーズ優勝戦1号艇の赤岩善生は、03年~06年まで4年連続で総理杯へ出場している。赤岩の選手プロフィールを確認すると、SGだけでなく、いまだGⅠ優勝すらないことがわかる。つまりいままでの総理杯出場は、すべて優勝回数規定をクリアして出場していたわけだ。
 しかし今年の赤岩には優勝がまだない。赤岩にとってこの優勝戦は、SGタイトルだけでなく、総理杯連続出場のキップもかかっていたのである。

 進入は123/456の枠なり。
「昨日と同じようなスタート(コンマ05 トップスタート)を決められれば」
 優勝戦出場選手インタビューで語っていた赤岩。
「前座なのであまり緊張しないで走れる」
 とも語っていた彼が、刻んだスタートタイミングはコンマ11。お手本のようなタイミングだ。
 しかし赤岩の外にいるSG優勝経験者たちが、『服部=コンマ09、江口=コンマ08 原田=コンマ06』とさらに速いスタートをブチ込んできた。
 賞金が安くても、前座レースといわれても、シリーズはSG。ここでFを切ると、来年は重い枷をはめられることになる。そして、服部も江口も原田も、総理杯のキップはすでに持っている。一般的な感覚でいくと、ここでスタートを踏み込むのは、リスクが大きいわりにリターンが少ないと思うのだが、彼らにはそんなことは関係ない。最善を尽くし目の前のレースを勝つ。それだけを常に追求しているからこそ、彼らはSGウィナーなのだろう。

2006_1224__035  1マーク。インから伸びて真っ先にターンマークを回り、総理杯へのキップとSGタイトルを掴もうとする赤岩。2コースから赤岩を差して、完全復活を目指す服部。握って回った菊地は届かず、2番差しを狙った原田は引き波を越えられずで、赤岩と服部以外は勝負圏外におかれる。
 バック水面からは白と黒が交じり合うマッチレース。まったくの併走状態で、両者の足もほとんど同じ。でも、ほんの少し優勢にみえるのは、服部だった。赤岩の内にいるので、2マークを先取りできる。マイシロもある。やはり挑戦者と経験者では、経験者に分があるものなのか。
 そして2マーク。服部は先マイを打つ。しかし赤岩は冷静に差した。波が残るゆえ乗りにくく、先に回ったほうが有利といわれる住之江の2マークで、赤岩は服部の攻撃を凌ぎきった。
 ホーム水面で重なり合うように走る2艇。でも今度は内にいる分だけ、赤岩が先に回れる。攻守交替だ。
 服部は、強引にツケマイを打って潰しにいくか、それとも冷静に差してバック水面の伸び勝負に持ち込むか、選択肢はふたつしかない。
2006_1224__070_1  2周2マーク。服部は後者を選択した。さっきと同じように刺さるか!? いや、刺さらない。丸1周にわたるマッチレースは挑戦者が粘り勝ちをおさめた。

 赤岩は勝負駆けに成功した。しかも今年初優勝、GⅠを飛び級して、SG初優出で初優勝で、だ。昨日もいったように、賞金王シリーズは来年にむけてのスプリングボードとなるSG。ここで大きく跳ねた赤岩は、来年のSG戦線で大暴れしてくれることだろう。(Photo/中尾茂幸、Text/姫園淀仁)


| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

本日の水神祭――賞金王シリーズ、赤岩善生がSG初V!

今節は、この「本日の水神祭」という記事をまったくアップすることができなかったわけですが、最終日についに! 水神祭が行なわれました。そう、SG初優勝を果たした赤岩善生です。おめでとうございます!

Cimg2051 優勝者共同会見を終えた赤岩が、記者室を出ると仲口博崇が待ち構えていました。にっこり笑った赤岩は、いったん控室に戻ります。すると、東海地区の面々が続々と登場。その様子を見て、湯川浩司が「水神祭ですか?」と仲口に問いかけると、「ああ、俺の水神祭」と仲口。ダハハハハ。すでに私服に着替えていた仲口、飛び込んじゃいますか!?……って、飛び込みませんね、ハイ。

Cimg2055 と、皆が集まったところで主役登場。赤岩、バツグンの笑顔で輪の中に入っていきます。祝福する選手たちのなかには、服部幸男や菊地孝平の、優勝戦をともに戦った選手の顔も見えます。彼らに持ち上げられた赤岩の態勢は……おっと、これはウルトラマンスタイル。しかも、持ち上げてる選手たちがグイッと手を伸ばして一段高く持ち上げる、スーパーウルトラマンスタイルであります! ま、赤岩はまったく怖がってる様子はありませんでしたが。さすが、男・赤岩! というわけで、せーのでドッボーン! 冷たい水の中に吸い込まれていきました。

Cimg2057 菊地の助けを得て、陸に上がった赤岩善生。笑顔が最高です! ずっと願い続けたSG制覇を果たしたわけですが、これからはさらにさらにビッグな存在になってくださいね! これからも応援しております!(PHOTO&TEXT/黒須田守)


| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

動く3人、動かぬ3人――賞金王シリーズ、優勝戦のピット

SGの最終日のピット。主にピットで存在感を放つのは、数時間後に優勝戦を控える選手や、賞典レースに出場するなかでも数名、だったりする。今日の一般戦で今節の走り修めという選手は、今日ばかりはのんびりとしている……と勝手に思いつつ、プロペラ調整室をのぞいて見ると、そんな思い込みは一気に消し飛んでしまった。1R発走前のペラ室には、15人ほどの選手がひしめいていた。今村暢孝、平石和男、徳増秀樹に田村隆信、井口佳典など、世代に関係なく懸命にプロペラを調整している。優勝戦という“大勝負”を逃してしまった選手たち、もっと言ってしまえば、“前座”と言われてしまう賞金王シリーズの選手たちであっても、まだ戦いは終わっていないのだ。これがSG出場戦士なのだと、頭が下がる思い。みなさん、頑張ってください!
Img_9055  多くの選手がいるそのペラ室に、シリーズ優勝戦組では服部幸男、菊地孝平、そして中野次郎の姿があった。
 ペラ室のいちばん隅っこに、空気を噴射してペラのバリなどを飛ばす「エア・サンダー・バフ」という設備がある。作業台は壁に覆われ、ひとり分しかスペースがない。そこの主のようになっていたのが服部幸男である。ときおり広いスペースに出てきてペラを叩いては、作業台に戻って空気を噴射する。1Rの発走前から3R直前まで、そこを動かない服部。ここ最近は絶好調、そして今日のSG制覇で完全復活へ――。物陰に潜みつつ、牙を研いでいる。そんな様子の服部だった。
 同県の後輩・菊地孝平がペラ室に入ってきたのは2Rの展示直後。朝、いのいちばんに水面に下ろし、渡邊英児と足合わせを消化。ピットに戻ってから渡邊とその感触を確かめ合い、「ありがとうございました!」と元気に挨拶してからペラ室へ。そして川﨑智幸となにやら相談しながら自分のペラを眺める菊地。忙しそうでありつつ、いつもどおり明るい表情で、本番を待っている。ここは来年の総理杯の権利がかかる菊地。大きな勝負駆けを前に、頼もしい雰囲気を漂わせていた。

Img_9075  正真正銘、忙しかったのが中野次郎だ。2R発売中、田村と井口、そして川﨑などと足合わせを行ない、上がってきたときから納得いかない表情を見せていたが、さらに井口から「オレのほうがいい(出ている)よなあ」とダメ押し。駆け足でペラ室とモーター整備室を行き来し、懸命にプロペラを調整していた。そして再びペラを装着、試運転へ……。途中、長嶺豊さんからも「急がしそうやのう。頑張れよ!」と激励されていた中野。終始、今日の天気のようにやや曇りがちの表情ではあったが、この忙しさが優勝戦で報われることを祈りたい。

 対照的になにも動きがなかったのが残る3人。特に愛知勢・赤岩善生、原田幸哉は終始“談笑モード”だった。モーターは仕上がり、1号艇から今日は逃げるだけ!という雰囲気の赤岩は、モーター装着を終えると内田和男アナウンサーとしばらく談笑を続け、最後は控室に去っていった。「決定戦の“前座”にはなってしまうけれども、盛り上がられるように頑張る」と言っていた赤岩。後はまさに優勝戦を迎えるのみの様子。SG初制覇がかかる赤岩に緊張の色は見られない。
 大して枠は5号艇と不利ながら、2R展示直後にモーターを装着後から、JLCリポーターの佐山夏子さん、長嶺さん、関係者……と、手を変え人を変え(?)、ずーっと談笑していたのが原田だ。内池久貴によると「きょうこの後はペラを叩くくらい」と言っていたそうで、この原田らしい余裕、とても脅威を感じる。お互い何もしなかった愛知勢。ピットを離れるときにはすっかり姿が見えなくなっていた赤岩と、まだまだ談笑を続けていた原田。勝利の女神はどちらかに微笑みそう……そんな気がしてきた。
 最後に、まったく姿を見せなかったのが江口晃生。2Rに出走した石渡鉄兵のエンジン吊りに出てきただけだった大ベテランは、「僕の最大の武器は“気合い”」と言うように、気合いを蓄えているのだろうか。愛知勢とはまた違う最年長者の余裕は、午後のピット、そして優勝戦でどんな形を結ぶのだろうか。
 約2時間半後に迫る優勝戦。午前中に込められた選手の思いは、はたして。(PHOTO/服部、中野=山田愼二、最後=松本 TEXT=松本)

Sany0287 ←小さいですが……自分のボート前で談笑する赤岩&原田


| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

賞金王シリーズ準優勝戦 私的回顧

8レース 追撃者

 追う者と追われる者、どっちが強いか? 一般論はいろいろあるだろうが、競艇に関しては圧倒的に追われる者が強い。たとえ1艇身でも、前にいるのと後ろにいるのでは、その差は雲と泥。

2006_1223_08r_124  賞金王シリーズ準優第一戦の8レース。偶然にも(ベスト18のなかで)SG優出経験がない4人が勢ぞろいした。さらに、1コースの赤岩善生、2コースの中野次郎、3コースの飯島昌弘と、スロー水域に陣取った3人すべてがSG優出経験のない選手だった。
 今シリーズはとにかくインが有利。SG準優1号艇に少しは緊張したという赤岩だが、スリットで他5艇を半艇身ほど突き放す抜群のスタートを決める。タイミングはコンマ05。緊張など微塵も感じさせない。大舞台で〝S速攻〟という己の武器をいかんなく発揮して、悠々とSG優勝戦に進出である。
 問題は2着争い。1周目バック水面で残るイスを争っているのは、1マークを握って回った3号艇の飯島昌弘、差した2号艇の中野次郎、そして2番差しを放った4号艇の星野政彦。3艇はそのまま2マークに突入し、先マイを打つ星野を飯島が差して、2番手に進出した。3番手が星野で、中野は4番手。

 できた~! と叫んで払い戻し機に向かったお客さんもいたのではないだろうか。それくらい①→③体勢は揺るぎないようにみえた。それ以外の舟券を持っていたファンは、なかば的中をあきらめただろう。
2006_1223_08r_127  でも、中野はあきらめていなかった。ホームストレートは4番手ながら、2周目1マークで渾身の差しハンドルを入れて、飯島の内懐に飛び込む。サイドもガッチリかかっている。差は詰まった。が、突き抜けない。
 追う者は2マークを見据えて走る。2周2マークは、中野がターンマークを先取り。しかし飯島はそれを見ながら冷静に差す。中野はまだ追いつくことができず、最終周回に突入。
 3周1マーク。中野の頑張りも虚しく、まだ飯島が先頭。バック水面に入って、今度こそ「①→③ できたぁ~!」のカタチだ。ターンマークはあとひとつ。俗にいう、僅差だが地の果てまで行ってもそのまま体勢。
 最終ターンマーク。それでも追撃者は手を緩めなかった。中野が捨て身の先マイに出る。追われる飯島は軽く追撃者をあしらって、2着でゴールインするはずだったのだが……。なんと、飯島がターンマークに激突!! で、中野が2番手に上がってフィニッシュ。ありえない大逆転が起こった。

 圧倒的に追われる者が強い競艇とはいえ、追う者にも武器がある。それは諦めない心。いつか抜ける、いつか抜ける、と諦めず執拗に追いかけていれば、追われる者は無形のプレッシャーを受ける。そして今回のような先行艇のターンミスも起きる。
 泥の中にいても、強い心で雲を目指して飛び上がれば、届くことだってあるのだ。

 

9レース 世界は二人のために

2006_1223_09r_115  準優第二戦は、SG優勝経験者が2人しかいなかった。1人は現役生活20年以上を誇るベテランで、SGを2勝している江口晃生。もうひとりは昨年の若松MB記念を制してSGウィナーの仲間入りをした菊地孝平である。
 そしてレースも、この2人だけのものだった。進入は枠なり。1コースの江口がスリットで少し出遅れる。タイミングはコンマ17。しかし1マークにたどり着くまでに江口の艇は伸び返して、ターンマークを先に回った。
 一方、トップタイスタートを切ったのは2コースの菊地。タイミングはコンマ10。一気にまくりに行くかに思われたが、内から江口が伸び返してくるので差しを選択する。
 1マークを回ってバック水面。やや菊地の差しが抜けたかに思われたが、外の江口も伸びている。どっちが先頭とは言いづらい併走状態。

 

2006_1223_09r_138  で、ここから2周は、ず~っと二人のマッチレース。
 際立ったのは菊地のターンスピード。トップクラスの選手である江口のターンが極端に遅いわけはないので、菊地のターンが本当に速かったのだろう。若さのままに思いっきり握って、しかもサイドをしっかりかけて、ターンマークごとに江口を追い詰める。
 しかし直線になると、江口の伸びが際立つ。おそらくベテランの経験と技で、エンジンが仕上がったいたのだろう。ターンマークごとに差を詰める菊地を、直線で引き離す。ふたりのマッチレースの決着は、3周1マークまで続き、菊地に軍配があがった。

 優勝戦行きのキップは2枚あるのだから、どっちかが引いてもいいのに――というニュアンスは、すでに黒須田がBOATBoyの「大競りとは何か?」で書いていたっけ。常に1等を目指して走る。あたりまえだが、それが勝負師の性。ワンツーフィニッシュを決めるだけでなく、レースの質でもSGウイナーの凄さを見せ付けて、菊地と江口が優勝戦に進出した。あのターンと伸びを見ていると、「優勝戦でSG初優出なんかに負けるワケがない」といっているようにも思えた。

10レース 復活!

 準優ラストの10レースは、8レースと正反対。1号艇から5号艇までにSG優勝経験がある豪華なメンバーが集った。そのなかから抜け出したのは、9年前にこの地で黄金のヘルメットを戴冠した男――服部幸男。
2006_1223_10r_118  レースは横綱相撲だった。1号艇でそのままインコースを確保して、コンマ11のトップスタートを切り、1マークを先に回って押し切り。まったく危なげないレースで、服部は優勝戦に駒を進めた。2着は2コースから差した原田幸哉。

 92年。服部は若干21歳で平和島・全日本選手権を制した。当時は競艇の天才と呼ばれていた。これからは服部幸男の時代が長く続くと誰もが信じて疑わなかった。しかし、97年賞金王決定戦を最後にSG優勝は途絶えた。03年の戸田・全日本選手権を最後に、SG戦への優出もなくなった。
 通算SG4Vの内容は、センター・アウトからの全速戦。決まり手は、まくりかまくり差し。でもいまは戦法が変り、内寄りを得意とする。テレビCFで「水の上では先輩も後輩もない」を言っていたのも、気づくと競艇王国静岡を束ねる大御所である。

 賞金王シリーズがSGであることの意義を問う声がある。トップ12が出場しない上に、優勝賞金も1600万円と通常SG賞金の4割しかない。そして優勝者に与えられるSG優先出場特典も来年から縮小される。SGである意味があるのか? という意見はよく理解できる。
 しかし、私は意義があると思っている。賞金王シリーズとは、雌伏している選手が、表舞台に出るためのスプリングボードとなるSGなのだ。
 たとえば将来の競艇界を背負って立つであろう赤岩や中野。無念の決定戦落ちを経験した菊地。本来は上のステージにいるべき、江口や原田。そして長き低迷から復活した服部。 明日のシリーズ優勝戦を制した選手は、来年には福岡のファイナリストになっていそうな気がする。シリーズ優勝戦は、ただの決定戦の前座などではない。

(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/姫園淀仁)
 


| 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (1)

H記者の「独断のパワー診断!」シリーズ優勝戦

2006_1223_01_531  シリーズの優勝戦には順当に準優1、2号艇の選手が進出。それだけに実力・パワーともに濃いいメンバーが揃いましたね。機力的には赤岩が抜けているのですが、②~⑤までずらり揃ったSGウイナーのプレッシャーに打ち勝つことができるでしょうか。その推理は明日にするとして、今日は6人のパワーを分析するとしましょう。

10R 賞金王シリーズ優勝戦

①赤岩善生(愛知)出足S伸びSレース足S総合S
 決定戦ファイナルに出ても威張れるパワー。松井との勝負を見たいほどだ。とにかく起こしからグングン伸びていき、多少アジャストしてもすぐに伸び返す脅威の出足。それがそのままターンマークを回った瞬間のレース足にも生きている。シリーズの節イチ。

②服部幸男(静岡)出足A伸びSレース足A総合A
 伸びは赤岩と同じかやや上かも。それでいて出足もしっかりしているのでスリットからの安定感は抜群だ。ただ同体の2コースから差しても赤岩には届かない。半艇身ほど覗いてまくるか、逆に少し遅れて誰かにまくらせたところを差すか。難しい枠だ。

③菊地孝平(静岡)出足A伸びBレース足A総合A
 初日より伸びは落ちたがその分出足が付いて好バランスに。展開ひとつで勝てる足だが、自力で赤岩、服部を超えるのは至難の業。江口を入れてカドを選択するなら、イチかバチか伸び型に戻してスリットからの一撃を狙ったほうが勝機があるかも。

④江口晃生(群馬)出足A伸びAレース足S総合A
 サイドの掛かりが抜群で、チルトを跳ねてもクルクル回れる。小回りが利くのでダッシュ戦よりスローのほうがよさそう。ただ、いくら前付けしても正攻法で差しただけでは赤岩には届かない。自力で勝てるとしたら、捨て身のイン奪取しかないだろう。

⑤原田幸哉(愛知)出足S伸びSレース足A総合S
 初日から赤岩と節イチを争ってきたハイパワー。出足がよくスローからでもスリットからキュンと覗くので、自力で勝つこともできる。ただ、競り合いになったときに追い上げがあまり利かない一面もあった。差しよりもS一撃に賭けるべきか。

⑥中野次郎(東京)出足A伸びCレース足S総合A
 回り足が抜群でサイドの掛かりが凄い。ただ、まったくといっていいほど伸びないのが致命的。ちょっとした整備ではすぐに伸びがくるとも思えず、6コースから最内を差したのでは歯がたたない。頼みの綱は強烈なピット離れで、少しでも内に潜り込みたい。

2006_1223_01_376 <総評>
 パワーの総合力は赤岩、幸哉、服部、江口、孝平、次郎の順。1号艇の赤岩はしっかりインを取ってSを決めれば逃げられます。この断然の本命を自力で競り潰しに行けるのは服部、菊地、幸哉の3人でしょうか。特に幸哉はスリットから伸びるので、強引にまくりに行くかも。ただ、内から伸び返す赤岩のパワーは壮絶で、よくて相討ち共倒れでしょうね。そんな展開になれば他の4選手にも勝機は生まれるのですが……。
 とにかく、赤岩の優位は動きません。もはや彼の敵は選手ではなくプレッシャー、つまりは心との闘いだと思います。優勝するために必要なものは?の質問に「自分に勝つこと」と答えた赤岩。空手で鍛え抜いた精神力が、水上でも生きるか。その答が明日、出ます。(Photo/中尾茂幸)


| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

さまざまな個性――賞金王シリーズ、準優勝戦後半のピット

「あれ、1―2―3になってる!?」
 8Rが終わったあと、選手たちが戻ってくるボートリフトのほうへと向かっていると、後ろからやってきた重野哲之が、結果の表示を見ながら、そう言った。おそらくは、選手控室でモニターを見ていて、ボートの引き上げに向かいだした時点では1―3―2だと確信していたのだろう。詳しくは「レース回顧」の記事に譲るが、そう思い込んでも無理のないレースだったのだ――。
1r0011632  道中2番手を守っていながらの最終マークにおけるターンマーク激突!
 そんなレースをしてしまった3号艇の飯島昌弘は、レース後、「まさか!?」というように首を左右に振りながら引き上げていた。
 そして、こんなコメントを残しているのだ。「道中、次郎(2号艇)が出ているのがわかってたんで、プレッシャーがかかっていました。それで余裕のないターンをしてしまったんですね。……仕方ないです」。
 その後もしばらくは表情が冴えなかったのは当然といえようか。直後の9Rでは、水面際に一人、ぽつりと佇み、レースを見ている姿が寂しげだった。
 だが、こうして注目を集めることも恐れず、水面際まで足を運んだ姿勢は尊いといえよう。今日の失敗をしっかり心に刻み込み、明日以降の戦いにすでに目を向けているわけなのだ。

2naka001  飯島の言葉にあるように、このこともあり、2着に入ったのが中野次郎だ。
 レース後には飯島に「すみません」と頭を下げて、その後もSG初優出の喜びを全面に出さないようにしているふうにも見られたが、そんな遠慮深さもまた、次郎らしいところといえるはずだ。
 飯島のトラブルに関しては、次郎にまったく責任がないばかりか、その積極的な姿勢で掴み取った2着といえるのだから、決して「ラッキー」として片付けられる優出ではないのだ。素直に喜びを爆発させてもまったく問題はなかったし、そうしているところを見てみたかったものである。
 今年1年は「SGにおけるレベルの違い」を痛感させられたとも言っていた次郎だが、ここまで来たからには、もうひとつ上の欲を見せてもらいたいし、間違いなく見せてくれることだろう。

3akaiw01  このレースを勝ったのは1号艇の赤岩善生だ。こちらもまた、喜びを爆発させているような感じはなく、一見、不機嫌そうにも見えなくはなかったが、それもまた赤岩の個性によるものといえよう。満面の笑みを浮かべることはなくても、口元をゆるめて、公開会見では「(優出は)最高に嬉しいですね」と素直に語っていたのだ。
 SG初優出で1号艇――。
 明日はプレッシャーとの闘いになる部分もあるだろうが、今年は、この壁を乗り越え、一気にSG初優勝を果たせる「追い風」が確実に吹いている。年末の大一番でまたもやニュースターが誕生する可能性は十分といえよう。「行き足、回り足がとくにいい」というモーターを引っさげて、赤岩が大仕事を果たしてくれるのかもしれない。

 9R。こちらはピットのモニターでレースを観戦している途中で、後ろから「ええ~! ウソー!! ナニ、あの足!!!」との叫びが聞こえた。この声の主は、同じモニターでレースを見ていた横澤剛治だった。
 これは1号艇・江口晃生と2号艇・菊地孝平とのデッドヒートにおける江口の直線の伸びを評したものだった。
 結果は、1着・菊地、2着・江口となり、明日は菊地=3号艇、江口=4号艇となるわけだが、横澤にこうした叫び声を上げさせた江口の足は侮れない。
 公開会見で江口は「気温の関係でちょっと乗りづらくなっている」「4号艇なら、3コースか4コースから行きます」「できればスローで」と語っていたが、明日の展開の鍵は、いろんな意味で江口が握ってくる部分も大きいだろう。
4kieg01  その江口はやはり、どんな時でも「気持ちがいい男」である。レース後は、デッドヒートの相手である菊地と肩を並べて戻ってきており、両者それぞれに最高の笑顔を浮かべ続けていたのだ。結果を知らずにその光景を見たなら、どちらが勝ったのかの見当もつかなかったことだろう。8Rの二人とは違い、そんな笑顔を見せられるところもまた、この二人の個性といえるわけなのだ。
 菊地の場合、公開会見では、機力について「中堅上位までは行くんですけど……」と、それ以上の上積みを乗せていく難しさを語っていたが、前付けの可能性も否定せずに「80までは行ける準備はあるんで」とも発言! 「悔いのないレースをしたい」と会見を締め括り、その直後には、JLC解説者の長嶺豊さんに自らハグをしていった!!
 江口に負けないほどの「気持ちの良さ」と、最後の最後まで「粘り続ける」ところが、菊地の最大の持ち味! 明日も朝から、モーターやペラと格闘している姿が見られることだろう。
 
 余談ながら、このNIFTYは『BOATBoy』と縁が深く(というか、スタッフ全員が両媒体の共通メンバーだ)、次郎と菊地は『BOATBoy』で連載を持ってもらっている二人である。その二人が揃っての優出は、心から祝福したいし、全力で応援したいところだ!!

5hat003  10R。こちらで目を引いたのは、勝った服部幸男の強さと、その佇まいの格好良さである! 2番手以降は接戦の展開になる中での「堂々のイン逃げ」は見事の一語!!
 レース後は、菊地を含む“新競艇王国”の面々と喜びを分かち合いながら片付け作業をしていたが、一歩そこを離れると、途端に表情が引き締まり、“孤高の男”の顔になっていたのだから驚かされた。
 明日は2号艇になるが、もし1号艇であったなら「服部を外すのは無謀」といえるほどの強さがそこに感じられたものだ。もちろん、2号艇であっても、アタマにするかどうかを今から悩まされるほどの“強き服部”がそこにいたのだ!(……ごめんなさい、次郎選手&菊地選手。でも、まだ悩み中です)
 記者会見での服部は、淡々とした受け答えをしていた印象が強いが、優勝のチャンスは「十分あります!」との力強い回答も出ている。新興勢力や“BOATBoys”が集結し、混戦になると思われる明日の優勝戦だが、その2コース(←おそらく)には、左右を見渡す「高き壁」があるわけなのだ。

6har000  もちろん、忘れてはいけないのが、このレース2着の原田幸哉だ。レース後は、優出を決めた選手のなかでも、唯一人悔しそうな顔をしているようにも受け取れたが、つまりは、それだけ自分の足に自信があったわけなのだろう。公開会見では「日に日にバランスが良くなっている」「明日はモーター整備の必要はないと思います」とも言っていたように、今日の敗戦でも揺るがないだけの自信を持っているのだから、無視していいはずがない。
 同県の赤岩が1号艇に入ってることについてを訊かれると、「アイツが勝ってくれると嬉しいですけど、ボクも勝ちたいんで」とも言っていた。
 さまざまな気持ち――。高いレベルで競り合っている機力――。若き男たちと、そこに立ち塞がる高い壁――。レース後には『決定戦』が控えているとはいえ、明日のシリーズ戦・優勝戦は、他のSG優勝戦とくらべてもまったく見劣りするところがない“目が離せない一戦”になってきた。
(PHOTO/池上一摩+内池=飯島、原田 TEXT/内池久貴)


| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

速報 シリーズ優勝戦メンバー決定!

 明日の賞金王シリーズ優勝戦メンバー&枠順が決まりました! 準優がすべて1=2決着だったため、実力伯仲の接戦カードです。節イチの赤岩が逃げてSG初戴冠を成し遂げるか、他のメンバーが赤岩の快進撃に待ったをかけるのか。SGでは珍しい関東&東海地区レーサーだけの熱戦に期待しましょう。

シリーズ優勝戦

10R

①赤岩善生(愛知)
②服部幸男(静岡)
③菊地孝平(静岡)
④江口晃生(群馬)
⑤原田幸哉(愛知)
⑥中野次郎(東京)


| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

穏やかな朝――賞金王シリーズ、準優勝戦前半のピット

 12月とは思えないほど暖かい陽が射しているピットでは、慌しい動きなどはそれほど見られなかった。朝の早い整備室に誰もいない時間帯もあり、レース後の引き上げ作業の際にしか姿が見かけられない選手も少なくなかったのだ。
 筆者自身はピット入りが1R直後になったが、それ以前からピットにいた中尾カメラマンが、原田幸哉に調子を確認してみたところ、「やれます!」と答える原田には自信にあふれた表情が見られたとのことだった。3R後あたりにはペラ小屋で作業をしている原田も見られたが、慌てた作業が必要ではない段階に来ているのは間違いないだろう。そして、原田に限らず、そんな選手が多くなっていることが朝の様子で窺えたのである。

Hatshig  原田が出走する10Rの1号艇は服部幸男だ。こちらはペラ小屋にいる時間が長かった一人だが、こちらは服部にとってはいつもの光景。
 ペラ小屋を離れれば、今シリーズまだ勝利がなかった重野哲之と熱心に話していたり、その後に重野が今節初勝利を挙げると、笑顔で祝福しているなど、豊かな表情が見られていた。そして、ボートの引き上げの手伝いのあとには、沈思しているような表情になってペラ小屋に戻っていくところも見られた。その表情は、最近あまり見た記憶がないものであり、これが“強い服部”の顔ではないのだろうかという気もしたものだ。このときの足取りも非常にゆったりしたもので、なんともいいムードにあふれていたのだ。

R0011582b  10Rではもう一人、あまり自分の作業をしているところは見られなかった田中信一郎がいい感じ! レースが終わるたびに手伝いに出てきていて、そのたび、気持ちのいい笑顔が見られていたのである。湯川浩司や菊地孝平など、姿を見かけるたびに他の選手と話しながら笑っていたのだから、整備に抜かりはないのだろう。
 いつもと変らない様子の西島義則、いつになくリラックスしている感じにも見えた平尾崇典、真摯にペラに向き合っていた西村勝と、それぞれ雰囲気は悪くなく、この10Rは、誰から買っていいのかわからないほどレベルが高い闘いになるのではないかと予感された。

Watan1223  また、前半のピットにおいて、「もっとも気になる動きを見せていた二人」が居合わせるのが9Rだ。
 人の少ない整備室で、整備員と相談しながら熱心に作業をしていたのが渡邉英児だ。なにせ、JLCからインタビューを申し込まれても、「すみません。今日はいっぱいいっぱいなんで」と断っていたくらいなのだ(ただし「すみません、俺、シャイなんで」とも言っていた!)。昨日の時点では「足は中堅」と語っていたので、この作業をどう受け止めるかは難しいところだが、とにかくやれるだけのことはやろうとしている姿勢が窺えた。
 試運転に出たのは3R後だが、ピットに戻ってくると、ずっと渡邉の相談を受けていた整備員が駆け寄ってきて、二人の顔には明るい笑みが浮かんだのだから、機力はプラスに向いていると判断していいだろう。その後すぐペラを外してペラ小屋に向かったところから見ても、「あとはペラ調整」という段階に入ったはずだ。こうした作業がどのようにレースにあらわれるかが注目される。

Kikjiro  9R、もう一人の注目が菊地孝平だ。かなり早い段階から試運転に出ていて、山崎智也からは「すごく出てるね」と声をかけられていたのだ!
 ただし、気になったのはその後の動きだ。それほど時間を空けることもなく3R後に再び試運転に出て行き、その後は、ともに試運転に出ていた中野次郎と談笑していたが、その際に「いいんだか、悪いんだか、わかんないんだよな」と話していたのである。
 笑いながらの言葉ではあったが、話をしながらも、菊地は、その場でペラを交換。2枚のペラのどちらを使うか迷っているような感じだったので、展示航走まで目が離せない状態になっている。

 その中野次郎も、菊地と話したあとにペラ小屋へ直行。地元・平和島で行なわれる総理杯行きの切符を掴むためにもその視線に曇りはない。
 ただし、筆者が確認した範囲でいえば、赤岩善生、飯島昌弘、烏野賢太らも、それぞれ「いい表情」で作業をしている様子が見かけられていた選手たちなので、この8Rもどういう結果が出るかはまったく予断が許されないといえるだろう。
 ……穏やかな朝、いい笑顔がピットのあちこちで見られながらも、絶妙な緊張感が漂っていたわけなのだ。
(PHOTO/池上一摩+内池=田中信、TEXT/内池久貴)


| 固定リンク | コメント (1) | トラックバック (0)

H記者の「独断パワー診断」シリーズ4日目

 準優メンバーが決まった賞金王シリーズ。準優進出選手&他で気になる選手のパワー診断をアップします。

8R

2006_1222_01_483 ①赤岩善生S→…道中4、5番手から引き波を切り裂いて2着に。完全に仕上がって節イチ宣言!
②中野次郎A↑…上位の下ですが重野を一気に交わした回り足は秀逸。2コース向きのパワーか。
③飯島昌弘B→…中の上程度。伸びは勝負になるが、まだサイドの掛かりは上位に負ける。
④星野政彦B↑…ややアップしたがまだ中堅。こじんまりとバランスがとれている感じ。
⑤烏野賢太B→…昨日から回り足がアップしたが上とは差がある。コース&展開の利が必要。
⑥石渡鉄兵A→…「隠れ超抜かも」と言い続けてきたが上位の下。引き波を超えるパワーがない。

<総評>
 とにかく出足、行き足、回り足ともに赤岩が抜けています。直線の伸びも上々でスリット同体ならインから負けようがないパワーですね。次郎は伸びよりも回り足が強く、2コースの小差しでバック勝負に持ち込みたいところ。穴は石渡で初日から得体の知れないパワーを感じていたものです。アウトから突き抜ける足はありませんが、展開が向けば2着を取れるかも。飯島、星野、烏野は中堅上位ですが、飯島のスリットからの伸びはかなりの脅威。赤岩が負けるとしたら、飯島が仕掛けたときだと思います。

9R

2006_1222_01_339 ①江口晃生A→…8Rは道中3、4番手から追い上げての2着。出足はS級だ。
②菊地孝平A→…伸びがやや落ちた代わりにサイドの掛かりがアップ。もうひと伸び欲しいが。
③白井英治A→…危なげのない逃げきり。回ってすぐに伸びるレース足はトップ級。
④湯川浩司A↓…不安視したとおり、初日のパワーから下降気味。回転さえ合えば復活も。
⑤渡邉英児A↓…自慢の回り足も下降気味で整備が必要かも。伸びは中堅でこの枠は苦しい。
⑥吉川元浩B↑…昨日からサイドの掛かりが急上昇したが、まだ上位とは差がある。

<総評>
 好パワーが揃ってモーター的には準優でいちばん難解なレースです。もっとも似たようなパワーでスタートが揃ってしまえば江口と菊地が有利になるともいえるわけですが。ただ、江口はインで取りこぼしが多いのが気になるところ。菊地、白井、湯川の握り屋の猛攻に耐えられるか……過信は禁物です。気配が落ちている湯川と渡邉は、いつでも復活する可能性があります。明日の特訓&展示気配をしっかりチェックして取捨を決めることにします。いちばん不気味なのは白井。初日から格段にアップしており、あるいはS級に仕上がっているかもしれませんよ。

10R

2006_1222_01_459 ①服部幸男A→とにかく凄まじい気迫なので正味のパワーがわかりにくい。ただ上位は間違いなし。
②原田幸哉S→9Rでインから楽に逃げてブッチギッた足は圧巻。ただ6Rでやや流れてはいたが……。
③田中信一郎B↑…5Rは気合い勝ちも引き波をしっかり超えていた。Aに近いBまでアップ。
④西島義則A→…間違いなく上位だが引き波でもたつくシーンも。伸びを生かして攻めるべきか。
⑤西村 勝A↓…ずっとSを付けてきたが、あまり追い上げがきかない。まだ見限るのは早いけど。
⑥平尾崇典A↓…自慢の伸びが落ちている。レース足は中堅なのでS一撃が理想なのだが……。

<総評>
 平尾を除く5人がSGウイナーですか。しかも肝っ玉の据わった握り屋が多く、イン?の服部といえどもまったく気が抜けないレースですね。パワー的には服部よりも幸哉が上で、コースの利は服部(枠が逆なら幸哉が断然有利でした。同じ8・00で1号艇を得た服部にはツキもあるかも)。このふたりを脅かすのが西村なのですが、ちょっと気配が落ちているのが気になります。西島は無理に2、3コースを選択すると回り足で分が悪そう。ダッシュ戦からスリット強襲が合っているパワーだと思います。信一郎と平尾はちょっと劣勢で、展開の助けが必要でしょう。

 以上、4日目を終えての感想でした。明日もまた気温、水温、風、そして整備によって各選手のパワーは変化しますから、レース直前までじっくりチェックするつもりです。
 続いて、一般戦組で狙えるパワーをば。

井口佳典B→…9Rはまさかの6着で次点に。伸びはS級なので敗者戦ならどこからでも勝ち負けだ。
日高逸子A→…勝負駆けも1マークで展開がなく終戦。伸びは抜群でアタマから狙える足だ。
深川真二A↓…日に日に落ちている気もするが一般戦では上位。センターで狙いたい。
山本隆幸A↓…う~ん、期待していたのだが……明日も懲りずに狙ってみたい。
金子龍介A→…インを田村に奪われて惨敗。が「隠れ超抜」と信じて追いかける。
後藤 浩B→…伸びは落ちたが一般戦では相当なパワー。人気薄ならアタマ勝負まで。

 偶然にも明日の一般戦で上記6選手のうち日高、後藤、井口の3人が1号艇で登場します。もちろん人気も背負いますが、迷わず狙ってみたいと思います!(Photo/中尾茂幸)


| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (1)

誰もが気になる勝負駆け――賞金王シリーズ、4日目後半のピット

2006_1221__10r_033  8Rを見ようと装着場内のモニター下に陣取っていたら、「誰が出ってるっかな~」と歌いながら、僕の持っていた出走表を覗き込んだ。おっ、ここは後輩の山本隆幸が出ているではないか。5カド発進となった山本がスロットルを握りこむと、「行け~っ!」と金子が叫んだ。1着で35点(6走)、1点足らずではあるが、予選突破の目が出てくるのだ。しかし、1マークを回って、山本は3番手あたり。溜め息が出た。
  それでも金子は、レースを注視し続けた。「重野君、よかったな~。1着で足りますよね?」。先頭に重野哲之が立ったのを見て、金子は言った。はいはい、足りてますね。ところが、2周1マークで内から中野次郎が追いついた。「あぁぁっ……あ、でも2着でも大丈夫か」、実際は1点足らずですけど、もちろん可能性はあります。「ですよね……湯川君は……4等か、だったら大丈夫」。金子、湯川のことも心配している。と、今度は重野が、江口晃生にも逆転されて3着。「あっ………………」。金子、ついに無言でボートリフトのほうに歩き出していったのだった。選手も得点状況が気になって仕方がない、勝負駆けデー。これがSG予選4日目の日常的な光景だ。

2006_1219_01_047   金子が気にしていた重野哲之、一時は1着で勝負駆け成功の目があったというのに、3着で予選落ち確定……。レース後の重野は、さすがに悔しさを溢れさせていた。泣き顔に見えるくらい、顔をしかめていたのだ。泣いてはいませんでしたよ。それくらい、悔しそうな顔を隠さなかったのである。ダービーでSG初出場初優出、一躍全国に名前を売って、チャレカ、シリーズとSGに連続参戦した重野。最後を気分良く締めることはできなかったが、来年からが彼にとって勝負になるはずだ。この悔しさを忘れず、またダービーで見せた快進撃をSGで見せてください!

2006_1219_01_174  またまた金子にお出まし願います。試運転で足合わせをしていた金子と馬袋義則。予選落ちは決まってしまったが、まだまだ戦いは終わっていないとばかりに、水面を走っていたのだ。金子はさらに試運転を続けるつもりのようだったが、馬袋はいったん陸に上がった。そして、試運転用繋留所に残っていた金子に向かって、「ええやろっ!?」と大声で訊ねた。金子は「は~い!」と元気に肯定。馬袋、パワーアップ成功か? あるいは、馬袋のアドバイスで金子がパワーアップしたとかかな? いずれにしても、明日はこの二人に注目してみてください!

_u4w0033  前半2Rに勝負駆けを成功させた渡邉英児が、後半も試運転を繰り返していた。だいたい、8R9Rの時間帯でしょうか……あっ! トライアル前検で松井繁と上瀧和則が最後の最後まで試運転をやっていた、アレかぁ……。シリーズ戦準優勝戦は8~10R。渡邉も、この時間帯に合わせて、モーターの動きを確認していたのかもしれない。足は悪くない渡邉、準優で敗れたチャレカのリベンジに、静かに燃えている。

2006_1219_01_223  レースが終わった後も、まだ気合が乗っているように見えたのは、星野政彦。7Rで勝負駆けを成功させて、準優当確をゲットしたが、それからずいぶん時間が経っているというのに、目つきがキリッとしているのだ。手にペラを持って、キュッと見つめる瞳が渋いっす。大村の周年で記念初Vを達成した星野、次に目指すはもちろんSG制覇。その足がかりを明日、手にするのだ!

_u4w0094  さて、本日の気になる男、中野次郎。8Rは大逆転の1着で、準優進出決定です。前半は悔しさを見せていた中野、今度はさぞや嬉しそうだろう……と思いきや、それほどでもなかった。むしろ渋面を作っていたくらいである。レースぶりに納得がいかなかったのだろうか。ピット離れで飛び出て、2コースをせしめたあたり、いいレースだったと思うんだけど……。そのハードルの高さがあれば、次郎はまだまだ強くなる。12R終了後、次郎に声をかけると「優勝すれば総理杯出られるんですよね? 一発やりますよ!」と力強い言葉。地元総理杯への出場のためにも、ほんと、期待してるぞ!(写真は、本栖時代の教官・小林氏に「よく働くって、評判いいぞ!」と誉められている次郎です)(PHOTO/中尾茂幸=金子、重野、馬袋、星野 池上一摩=渡邉、中野 TEXT/黒須田守)


| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

速報 準優メンバー決定!

 賞金王シリーズの準優勝戦メンバーが決まりました! ポールポジションの1号艇をゲットしたのは赤岩、江口、服部。10レースは5人がSG覇者という超豪華メンバーに。まるで優勝戦のようですね。逆に8レースのSGウイナーは烏野ひとりだけ。1号艇の赤岩は節イチモーターに加えて幸運の女神まで呼び込んだのかも。

賞金王シリーズ準優勝戦

8R

①赤岩善生(愛知)
②中野次郎(東京)
③飯島昌弘(茨城)
④星野政彦(大阪)
⑤烏野賢太(徳島)
⑥石渡鉄兵(千葉)

9R

①江口晃生(群馬)
②菊地孝平(静岡)
③白井英治(山口)
④湯川浩司(大阪)
⑤渡邉英児(静岡)
⑥吉川元浩(兵庫)

10R

①服部幸男(静岡)
②原田幸哉(愛知)
③田中信一郎(大阪)
④西島義則(広島)
⑤西村 勝(埼玉)
⑥平尾崇典(岡山)


| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (1)

穏やかに――賞金王シリーズ、4日目前半のピット

2006_1219_01_075  僕はいつも、とことん整備をしている選手を絶賛しているのだが、それは何よりも彼らの姿勢に頭が下がるからだし、ひたすら勝利を渇望する魂を尊敬しているからだ。しかし、よくよく考えてみると、整備をしなければならないのは、基本的に機力が劣るからであって、今垣光太郎のように常に整備室で姿を見るタイプはともかく、整備室にこもる時間が長ければ長いほど、実はモーターに不安を抱えているということになるはずである(もちろん、光ちゃんでなくても、例外はある)。 これは、整備のみに言えることではなく、すなわち「実はのんびりと一日を過ごしている選手のほうが、機力優勢にして精神状態も安定している(機嫌がよい)」ということが言えるのではないか、と思うのである。ことに、4日目ともなれば、ここまで都合5日間、相棒と触れ合う時間をもっているのだ。この段階でバタバタしているのは、パワーアップの術をいまだ模索している最中ということ。もちろん、それが奏功するケースも多々あるけれども、おおむね厳しい戦いを強いられている可能性が高いということになるのではないか。 たとえば、原田幸哉は今日の前半、実に落ち着いた時間を過ごしているのだ。もはややることはない、ということだろう、報道陣とかなり長い時間、話しこんでいるのを見かけたりする。表情も非常に透き通っていて、だからこそ集中力のようなものもうかがえたりする。実際、原田は準優当確。モーターパワーも抜群であるのは、言うまでもない。そんな状況が、原田にゆったりとした雰囲気を醸し出させているのだろう。勝負駆けのモチベーションも見逃せないが、逆に原田のような余裕はそれ以上に無視できないものだと思う。

2006_1219_01_135  同じ意味で、西島義則もいいムードである。午前中の時間帯に試運転に出ていたが、何度か足合わせをするとピットに帰還。その時間はそれほど長いものではなかった。そのまま控室に戻っていく姿を見かけたが、足取りはゆるやかにして軽快、ノビノビとした歩様である。こうしたリラックスしたメンタルは、レースでは爆発的な闘志を生み出したりするもの。これもまた見逃せないたたずまいだと思う。

2006_1219_02_220  やはりゆったりとした歩様ながら、表情に力強さを感じるのが烏野賢太。彼ほどのレベルになれば、どんな局面でも平常心を保てるものだとは思うが、勝負駆けの直前でも自信すら感じさせる堂々とした態度は、超一流のそれとしか思えない。3着条件で迎えた4R、きっちり満たしてみせたあたり、彼なりの確信をもって臨んだ一戦だったのだろう。来年はベスト12入りを果たして、決定戦での彼を見てみたい。そう思わされる彼の風情なのである。

2006_1219_02_225 正直、ちょっと見落としてしまっていたのが、井口佳典。昨日終了時で、予選6位ではないか。85期では、田村隆信や湯川浩司は注目したりもしていたのだが、いつも一緒にいた井口のほうは、なぜかあまり気にしていなかった。これ、井口の表情があまりにスッキリしているからなのではないかと、今日の前半ピットで思った。たとえば、田村は転覆があった。湯川は好調だが、表情に翳りがあるようにも思えた。ところが井口は、まったく迷いのない、スッキリしたいい表情をしているのだ。威圧的に発散しているものがないから、なおさら気づきにくかったのかもしれないが、いやあ、これは僕の不明ですなあ。井口、いいです。いい雰囲気です。今日からしっかり注目していこう。

2006_1219_02_271 さて、本日の気になる男は、中野次郎です。4着2本条件の今日、前半3Rは4着だった。レース後にヘルメットとカポックを着けたままの彼と会釈を交わしたのだが、瞳には「クソッ!」とでも叫んでいるような悔恨が貼り付いていたぞ。今回の次郎は、地元総理杯の権利を賭けた、大事な一戦に臨んでいる。何はともあれ、準優に乗れなければ話にならないわけで、それほど厳しい条件ではないとはいえ、しっかりと走り切ってほしいものである。頑張れ、ジロー!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田守)


| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

H記者の「独断パワー診断」シリーズ3日目

2006_1221__10r_043  Hです。シリーズ予選3日目は、私が前検で発掘し手塩にかけて育てた赤岩(はい、言いすぎです。でも、低勝率のモーターにSランクを付けた私の喜びをわかってくださいまし)が連勝。これで初日後半から4連勝で予選トップに躍り出ました。嗚呼、快感!
 ではでは、今日も全選手のモーター診断をしたいと思います。

赤岩善生S↑…同じSでも節イチ級のS。簡単にまくり差せるレース足は絶品!
江口晃生A→…もはやSに近いがまだ伸びは不満。サイドの掛かりは文句なし。
原田幸哉S→…赤岩と節イチを争う超絶パワー。ちょっぴり掛かりが弱いかも。
服部幸男A→…気合いのスリット攻勢で高得点をマークしておりパワーは上位まで。
菊地孝平A→…こちらも気合いと上位パワーで予選突破。掛かりが欲しい。
井口佳典B→
中野次郎B→
湯川浩司A→…今日はスタート遅れがすべて。ただ、出足系統がやや落ちているかも。
西島義則A→…上位の下。伸び型でS級に比べるとサイドの掛かりが甘い。
渡邉英児A→…どうにも伸びないのが致命傷。レース足だけなら1、2のパワーだが。
西村 勝S→…コースが遠くて敗れたが引き波を超えるパワーは相当。明日に期待。
平尾崇典A↓…魅力だった伸びが落ちてBに近づく。整備か必要だろう。
烏野賢太B↑
飯島昌弘B→
白井英治A↑…スタート遅れから3コースのまくり差しは見事。サイドの掛かりがきた。
星野政彦C→
田中信一郎B→
重野哲之B→
<以上18位ボーダー>
2006_1221__6r_052 日高逸子A→…伸び、レース足ともに間違いなく上位。勝負駆けを成功させてほしい。
吉川元浩B↑
石川真二B→
藤丸光一B→
石渡鉄兵A↓…やや気配落ちも、まだまだ見限れない。人気が落ちた明日がチャンス。
市川哲也B→
深川真二A↓…このあたりにいる足ではないのだが……もう一丁、明日に期待だ!
山﨑昭生B↑…いきなり回り足が付いてワースト級から一変。明日も要注意だ。
山本隆幸A→…バランスがよく、もっと頑張れるはず。期待も込めてA継続。
金子龍介A→…この足は本当にいいはずなのだが……見限れません、勝つまでは!
後藤 浩B→
平石和男B→
山下和彦B→
仲口博崇B→
野長瀬正孝C→
田村隆信B→
徳増秀樹B↑
白水勝也B→
岩崎正哉B→
鳥飼 眞B↓
横西奏恵C↑
今村暢孝C→
馬袋義則D→
都築正治C→
大場 敏D↓
吉田徳夫C→
横澤剛治C↓
堤  昇B→
太田和美B→

 明日のレースで1号艇に入るA~S級の選手は4R金子、6R石渡、7R白井、8R江口、9R原田、10R服部と、実に6レース。勝負駆けで展開は荒れそうですが「基本的にインが強い」と思っていいでしょう。(Photo/中尾茂幸)


| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (1)

温かく、熱い――賞金王シリーズ、3日目後半のピット

2006_1220_01_293 「今年は温かいよねえ~」
 ピットにいると、あちらこちらでそんな会話が聞こえてくる。僕も何度か、口に出した。たとえば、長嶺豊さん。「クロちゃん、こんなヌクいのは珍しいなあ」「去年は、雪も降りましたからねえ(5日目でした)」と、こんな具合だ。風もほとんどなく、気温も高い。いや、もちろん薄着でOKというわけにはいかないけれども、かなりしのぎやすいことは間違いない。ふと水面を見ると、波もほとんど立たず、穏やかさを保っている。
 それにしても、長嶺さんと「クロちゃん、暑いのう~」なんて話したのが、ついこの間のような気がするよなあ。あっという間に、こんな時期になってしまいましたね。長嶺さんには本当にお世話になりっぱなしだった。この場を借りて、お礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。……と言いながらも、きっと明日もいろいろお世話になるんだろうけど。

Akaiwa  てなことはともかく。明日の勝負駆けを控えて、戦いは激しさを増してきている。あれほど強かったインが飛ぶようになり、マクリやマクリ差しが利くようになってきたのだ。前半のピット情報で、なぜか気になってしまった10R、赤岩善生が鮮やかすぎるマクリ差しで1着。赤岩は、これで4連勝である。ピットに戻ってきた赤岩は、よほど会心のレースだったのだろう、出迎えた同県勢に向かって、ボートの上から両手でガッツポーズを作ってみせた。あれほどのレースを決めたのだから、喜びが爆発しないほうがおかしい。これで準優は予選1位で当確、レース後も男っぽい笑顔を見せていた。男・赤岩、満開も間近だ!

2006_1220_04_171  10R、展開を作ったのは菊地孝平だ、ということもできるのではないか。Sで後手を踏んだ湯川を2コースからマクったのは菊地だったからだ。赤岩にはその内ふところに入られたわけで、チャレンジカップの特別選抜A戦を思い起こさないでもなかったけれども、とにかくしっかりと2着に残って、準優は当確としている。やることはやった、そんな爽快感がレースの後の菊地には感じられた。それはまあ、その通りだろう。ただ、目の奥には悔しさを少しだけたたえており、普段は陽気に振舞う菊地孝平の芯に実は張り付いている勝負師の魂が見えていた。やはり、負けたら悔しいんだ。当たり前だけれども、選手にとってはアイデンティティにもかかわるこの事実。菊地は明日、この思いを晴らすべく、緩めないレースを見せてくれるはずだ。

2006_1220_01_434  9Rで見事な勝利を収めたのは、白井英治。いつも凛々しい表情で、きゅんきゅんに尖った視線であたりを睥睨する様は、迫力すら感じさせる。そんな面差しに、喜びが混じると、いやあ、カッコいいっす、はい。というか、この人も、かなりのイケメンですよね。気分上々の9R後は、まさにそんな白井を見ることができた。明日は6・00をボーダーとすると2着条件となるが、7R1号艇、しっかり決めてくれるはずだ。

2006_1220_01_276   成績は悪くないのに、表情がもうひとつ冴えないなあ、と思えるのは湯川浩司だ。明日は、4着条件の勝負駆け。8R6号艇というのが気にはなるが、しっかり展開を突けば、それほど難しい条件ではないはずだと思う。ただ、どうしてもスッキリしたものを感じないのが、やはり気にかかる。足色は、まだ納得の域にないのだろうか。そして、今日の6着がかなり心に引っかかっているのだろうか。明るい笑顔が明日は見たいぞ!

2006_1220_04_186  準優は厳しくなってしまったが、それでも横西奏恵はメゲてないぞ。今日は、最後まで試運転を続けており、松井繁とも足合わせをしていた。横西にとって、SGはもはや狙うべきもの。それだけに、少しでも多くの経験を重ねていこうとしているわけだ。もちろん、何が起こるかわからないのが競艇、ウルトラCの準優入りだって諦めていないのかもしれない。そんな奏恵は、やっぱり美しい! ん? 中尾カメラマンの女神、だって? けっ、今日の1R、俺は奏恵の3着づけで舟券取ったもんねー。って、3着づけかよ。明日はアタマ勝負もします! なお、横西とともに試運転をしていたのは、田村隆信、湯川浩司(!)、中野次郎の若手勢でありました。

 さて、今日の気になる男、西村勝。10Rは3着でしたね。明日は4着条件の勝負駆け、クリアしてくれると信じます。そして、舟券取らせてくれて、ありがとー!(PHOTO/池上一摩=赤岩 中尾茂幸=長嶺さん、菊地、白井、湯川、横西 TEXT/黒須田守)


| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

速報!明日の勝負駆けは…?

 賞金王シリーズの節間成績が出ました。今日の18位ボーダーは5・75でしたが、明日の勝負駆けは6・00に設定します。勝率トップの赤岩~5位菊地までの5選手が完走当確。下位では34位の田村まで予選突破のチャンスがあり、明日は熾烈な勝負駆けになりそうです。

     節間成績 ノルマ
赤岩善生 8・80  ☆
江口晃生 8・75  ☆
原田幸哉 8・50  ☆
服部幸男 7・60  ☆
菊地孝平 7・60  ☆
井口佳典 7・00  ⑤
中野次郎 7・00  ④④
湯川浩司 6・75  ④
西島義則 6・60  ④
渡邉英児 6・50  ④
西村 勝 6・50  ④
平尾崇典 6・50  ④
烏野賢太 6・20  ③
飯島昌弘 6・00  ③③
白井英治 5・75  ②
星野政彦 5・75  ②
田中信一郎5・75  ②
重野哲之 5・75  ②③
<以上18位ボーダー>
日高逸子 5・75  ②
吉川元浩 5・60  ②
石川真二 5・50  ②
藤丸光一 5・50  ②③
石渡鉄兵 5・50  ②
市川哲也 5・25  ①
深川真二 5・25  ①
山﨑昭生 5・20  ①
山本隆幸 5・00 (①待ち)
金子龍介 5・00  ①
後藤 浩 5・00  ②②
平石和男 5・00  ②②
山下和彦 4・75 (①待ち)
仲口博崇 4・50  ――
野長瀬正孝4・50  ①②
田村隆信 4・25  ①①
(以下はほぼ絶望)


| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

10Rに注目?――賞金王シリーズ、3日目前半のピット

 朝、ピットに入ってみると、意外にも慌しく、ざわついた空気が充満していた。シリーズは3日目だが、決定戦トライアルは初日。そういうことなのか。あるいは、昨日に比べて冷え込んだ気候に、シリーズ組も新たなセッティングを必要としているのか。その両方、ということなのかもしれないが、調整に整備に試運転に、選手たちが駆け回っている、前半戦のピットである。

2006_1219_01_166  昨日、気になる男として取り上げた服部幸男が、2Rをマクって勝った。強い服部幸男、いよいよ完全復活の兆しである。レース後は、今日も際立つ雰囲気を振り撒いて、見ているこちらを圧倒する。着替えた後にモーターなどを点検し、控室に戻っていくときの顔つきは、充実一途と言うしかない。そこに、決定戦組の坪井康晴が笑顔で近づいてきた。立ち止まって、かなり長く話し込んでいるが、どう見ても後輩が先輩にアドバイスを求めているようにしか見えない。そうなのだ、静岡勢にとってこれほど心強い先輩がいることは、実に幸せなことだ。坪井が平常心で決定戦を戦えるとするなら、その何割かを服部の存在が占めているに違いない。二人が話し込んでいるところには、松井繁も近寄ってきて、坪井と別れたあとにはペラを見せながら、何か話しかけていた。こちらも、アドバイスを求めたのか? 服部幸男という男は、我々が想像する以上に、ずっとビッグな男なのである。

2006_1218__038_1  今日、透き通った表情がすごくいいじゃないか、と気づいた。金子龍介である。昨日まで、どうやら見落としていたようだ。今日は10R1回乗りと、時間はたっぷりあるのだが、朝から精力的に動いている金子。顔つきは明るく、仲間と会話を交わすときには思い切り頬が緩む。リラックスもできているし、足色にも心配はない様子で、スッキリとしたたたずまいを見せているのである。10Rは6号艇だが、肩の力を抜いて走れば、十分に一発はある。そんな予感に満ちている金子である。(ごめんなさい、いい写真がまったく撮れなかったので、中尾氏撮影の競艇場入り写真を)

2006_1218__096  市川哲也が、ペラ室から出てきた。ちょっと驚いた。というのは、昨日までは整備室の住人だったからだ。初日に必死の整備を続ける様子を記しているが、昨日も基本的には整備室でその姿を見かけたものだ。だが、今日のファーストコンタクトがペラ室から出ていく姿。モーター本体の整備は一通り済ませ、次の段階に入ったということだろうか。ここまで、2・2・6着と、昨日の後半はともかく、悪くない成績を残している。今日は、あ、金子と同じ10Rだ。市川にもまた、一発の予感が漂っているぞ。(これも金子と同様です……)

2006_1220_01_148  山下和彦は、いつも胸を張って歩いている。別に他の選手がうつむきがちに歩いているということではなく、山下のシャキシャキとした歩き方が、実に堂々として見えるのである。成績は必ずしも本意ではないだろうが、それでも肩を落とすことなく、前を向いて歩いている姿は、見ていて気持ちがいいもの。1R1回乗りを終えた後も、調整や試運転をする心積もりのようで、まったくのんびりしようという気配はない。明日の機力一変に期待しよう。

2006_1220_01_215  さて、今日の気になる男は、西村勝。機力も成績も悪くない西村は、それでも朝から試運転で走り回っていた。いったんピットに上がると、入念な点検。その真っ直ぐな眼差しは、鋭く光っている。で、そこに仲間の選手が声をかけると、ニカーッと目元が笑う。この両面が実に好もしく見えるのである。今日は……あ、10R1回乗りだ。なんだか、10Rの面々ばかりが目についた、前半のピットだったということか……。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田守)


| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

本日のベストパフォーマー 2日目

10R 難易度マックスの決め差し、一閃!

2006_1219_01_052 畠山の決断
「 西島の変幻自在の2連勝、白井英治のアウトまくり差しも見事だったが、孝平の6コースからの決め差し!! 今の住之江で、この技がいちばん難しいのではないかしらん。トライアル次点の悔しさが、身体から、ボートから溢れ出てるぜ」

黒須田のツッコミというか同意
「これは、ツッコミようがないなあ。私も、あのレースぶりには驚きました。ピットでも、満足そうな表情が実に爽快でした。今日は、反対するところがございません!」

畠山の歓喜
「孝平、カッチョイ~!」

黒須田の同意
「まったくっす~!」

決定 本日のベストパフォーマー 菊地孝平(静岡)


| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (3)

尊い――賞金王シリーズ、2日目後半のピット

 賞金王決定戦だろうが、賞金王シリーズ戦だろうが、同じ場所でSGを戦っているのだから、戦友であることには違いがない。皆が敵を打倒せんとし、皆がお互いの身体をいたわる。そんななかで信頼関係も生まれ、その“鎧”があるから思い切ったレースもできる。
 11Rで、田村隆信が転覆した。1周1マークで、痛恨の振り込みを演じてしまったのだ。その瞬間、ピット内に悲鳴がとどろく。多くは選手のものだ。
「選手、負傷!」
 ピット内にアナウンスが響く。空気がざわっとした。転覆艇を待つためにボートリフトに駆け出す選手がいる。救助艇が到着する救護室方面に駆け出す選手もいる。よく見ると、同地区の選手だったり、同期の選手だったり。すなわち、中四国勢と85期勢だ。それ以外の選手も、表情を暗くして水面に目を向けている。誰もが、田村の無事を祈らずにはいられない。
Cimg2032  レースが終了して、転覆艇がリフトに曳航されてくる。そちらを見ると、川﨑智幸の姿があった。さらには、三嶌誠司もいる。賞金王決定戦に出るメンバーも、自身の作業をいったん中断してまでも、田村の代わりにボートの引き上げをしようというのだ。外されたモーターを横西奏恵が架台に乗せて整備室に運んできた頃、井口佳典とともに田村が現われた。よかった、ケガはたいしたことない! 田村はすぐに仲間のもとに向かい、頭を下げて回っていた。そんなことは気にするな、元気でいることが何よりなのだ。仲間たちはそんな風情で、安堵の表情を田村に向ける。
 賞金王決定戦だろうが、賞金王シリーズ戦だろうが、レースが常に危険と背中合わせであることには何の違いがない。選手が勝利を渇望して、渾身のレースを見せようとすることにも何の違いがない。田村は思い切り握って、勝利をもぎ取ろうとした。その姿勢は最高に尊いのであって、転覆は不運だっただけだ。そして、そんな田村を心から認め、無事にホッと胸をなで下ろす仲間たちの思いもまた、尊い。そこで繰り広げられている戦い、紡ぎ上げられていく絆は、やっぱり決定戦だろうがシリーズ戦だろうが、その尊さという点においては、少しも違いはないのだ。
 ともかく、田村の名前は明日の出走表にちゃんと載った。ケガをせぬよう、リベンジを果たしてくれ!

2006_1219_02_323  その田村のもとに、レース後心配して駆けつけた一人が中野次郎だ。11Rで田村のひとつ外のコースから行った次郎は、もっとも近くで田村の転覆を見ていた。その次郎に、田村が「ほんと、ごめんね~」と謝っている。自分を避けてターンしなければならなかったことへの詫びであろう。次郎はやはり、無事であることが何より、という表情で笑みを返す。次郎もホッと一安心といった感じだった。
 次郎はそのレースを2着。1周2マークで逆転しての浮上であった。装着場にあるモニターでレースの模様を注視していた菊地孝平が、思わず「次郎、うまいターンしたな~」と、田村の様子を気遣いながらも感心したくらいの快旋回。地元総理杯への勝負駆け、次郎の調子は急上昇していると見たぞ。

2006_1219_02_346  いつも通り、と言うべきなのだろう。日高逸子がピット内をきびきび歩いている姿を何度も目撃した。そう、グレートマザーのいつも通りの光景、である。今日は3着2着と成績をアップさせ、準優戦線に視界良し、といえるポジションにつけてきた。その源泉は、間違いなく迅速かつ丁寧に作業にあたる、日高のアティテュードにある。やはり彼女には、尊敬の念しか浮かんでこないのだ。明日は一気に準優圏内に突入すべく、さらなる好成績を!

2006_1219_01_206  毎度毎度のことだが、こういう人たちにも本当に頭が下がる。最後の最後まで、諦めずに整備を続ける選手たちだ。今日は、徳増秀樹がレース後に整備室ごもり。9Rを逃げ切りながら、勝利選手インタビューで「むごい足」とまで言って、機力不足を嘆いていた徳増は、勝利に驕ることなく、延々と本体整備に取り掛かっていた。ひとまず1着が出たことで、表情は決して暗くは見えないのだが、瞳には必死さが浮かんでいて、何としてでもパワーアップを図ろうとする決意が伝わってくる。この姿勢こそ、今年のピンラッシュ、優勝ラッシュの原動力なのではないか。現在、年間最多勝が焦点となっている徳増だが、そんなことはおそらく意に介さず、シリーズでの優勝を目指して、明日も懸命に走るはずだ。

2006_1219_02_218  この人にも尊敬の一語です。1Rで転覆した山﨑昭生が、帰宿の一便には乗ることなく、最後までピットに留まっていた。今節は年齢だけなら最年長、自分のレースが終わった後は、のんびり過ごして、さっさと宿に帰っても、誰も文句など言おうはずがない。それでも山﨑は、ピットに残る。もちろん、香川から決定戦に駒を進めた三嶌誠司を気遣っているのだ。整備室でモーターと向き合う三嶌の横に、山﨑の姿を何度か見かけている。付きっ切りというわけではないが、だからこそ伝わる「相手に気を使わせないようにする優しさ」。ほんと、素敵です。顔見知りのキャスターに、「おっちゃんだから、身体が痛いよ~」とジョークを飛ばしていたが、そんなときの笑顔はほんとに渋い! こういう人が、SGをピリリと締めているのは間違いない。準優は苦しくなってしまったが、明日はカッコいいレースを!

 さて、本日の気になる男、服部幸男。後半のピットでもたたずまいは変わりません。12Rは2着で、予選6位につけた。明日の結果次第では、準優当確マークもつくだろう。3日目以降も、強い服部を!(PHOTO/中尾茂幸=中野、日高、徳増、山﨑 黒須田=それ以外 TEXT/黒須田守)


| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (1)

H記者の「独断のパワー診断!」シリーズ2日目

2006_1219_02_278  Hです。2日目になってパワーアップした選手が何人かおりました。横澤剛治、菊地孝平、白井英治、西島義則、大場敏あたりの動きが目立ちましたね。穴っぽいところでは金子龍介、石渡鉄兵、山本隆幸が上々の気配で、明日以降もチェックが必要ですよ。
 それでは節間成績順に独断のパワー診断を公開するとしましょう。今日もAランク以上の選手にコメントを添えておきます。

西島義則A↑…さすが整備の鬼、一気に上昇した。ただ気合いで走っている部分も多いので、過信は禁物かも。
湯川浩司A→…今日も粘り強い回り足を披露したが、S級とはかなり差がありそう。
菊地孝平A→…昨日と同じAでもS級に近づいている。特にスリットからの伸びがいい。
江口晃生A↑…こちらの見立てミス。回り足一本だが、そのパワーが半端じゃない。
赤岩善生S→…期待に応える差し足。とにかく出足が強く住之江にぴったりだ。
服部幸男A→…やや回り足が落ちるも、強烈な伸びが後押ししている。
原田幸哉S→…油断?で平尾に逆転されたが、いくらでも追い上げが利くパワー。
田中信一郎B→
渡邉英児A↓…相変わらずレース足はSS級。ただ、伸びがなさすぎる気が……。
中野次郎B↑
西村 勝S→前半は展開に泣いたが、後半は磐石の逃げ。出足は文句なしだ。
平尾崇典A→回り足がやや苦しいが、伸びは抜群。今後の整備に注目したい。
烏野賢太B↑
井口佳典B→
藤丸光一B→
金子龍介A→相変わらずとりとめのない不思議足。回り足は間違いなく上位だ。
市川哲也B→
飯島昌弘B→
(以上18位ボーダーライン)
石川真二B→
山本隆幸A↑まだ上の下くらいだが伸びが魅力。期待も込めてランクアップ。
石渡鉄兵A→今日は惨敗もレース足はかなりのもの。据え置きで期待する。
吉川元浩C↓
植木通彦B→
星野政彦C→
山下和彦B→
深川真二A→ピット離れが不安だが引き波を超えるパワーはある。明日に期待。
重野哲之B→
日高逸子A→らしさを見せはじめた。伸び型を生かした戦法で勝負すべき。
2006_1220_01_248 野長瀬正孝C↓
徳増秀樹B↑
白水勝也B→
平石和男B↑
白井英治B↑
岩崎正哉B→
仲口博崇B↑
馬袋義則D↓
後藤 浩B↓
鳥飼 眞B↓
今村暢孝C↑
大場 敏B→
都築正治C→
山﨑昭生D→
田村隆信B→
吉田徳夫C→
横澤剛治B↑

横西奏恵D↓
太田和美B↓
堤  昇B→

 3日目に1号艇が用意されているA~S級の選手は10Rの湯川浩司だけ、ですか。今日は平尾と西村が期待に応えてくれましたが、湯川はどうでしょうかね。基本的に明日はかなり荒れるような気がします。イン逃げはシリーズ10レース中、4本以内と見ました。(Photo/中尾茂幸)

2006_1219_02_349_1


| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

戦士のプライド――賞金王シリーズ、2日目前半のピット

Cimg2005  ピットの空気が激変した。
 言うまでもなく、賞金王決定戦に出場する12名がやって来たからである。
 報道陣の数がどっと増え、カメラのレンズが一斉に12名に向けられる。あっちに人垣があるなあ……と覗き込んでみると、決定戦に出る誰かがモーターをボートに装着している。選手もやりづらいんじゃないかなあ、と思いつつ、これが賞金王だとも思う。一気にざわつき始めたピットが、聖戦の開始をヒシヒシと感じさせる。
 しかし、だ。賞金王シリーズに出場している選手たちは今日、2日目のレースを迎えている。予選の折り返し地点をターンしようとしているのだ。それなのに、ほとんど顧みられることのない、48名。残酷だよな。ほんと、失礼にすら思える、決定戦とシリーズ戦の間にクッキリと引かれたライン。自分が選手だったらと考えれば、心穏やかでいられるわけがないと思う。
 だけど、僕の考え方のほうが失礼にあたるのかもしれないな、とも思ったりする。この屈辱をバネにするのが、競艇選手なのではないだろうか。この空気を知っているからこそ、来年こそは自分がこの2日目に大きな注目を背負って登場してやろうと燃えるのではないか。そうであってこそ、この場に立つことができるのではないか。
 いずれにしても、なんだか複雑な心境になってしまった、本日前半のピットである。取材者としてこんな空気の中にいることは、実は胸躍ることだったりするのだが……。あ、決定戦の前検ピットの様子は、後ほど!

Cimg2010  江口晃生が、水際で水面をじーっと眺めていた。いったい何を確認しているのかまではわからなかったが、穏やかに、静かに、一人水面に目をやっていたのである。もちろん、このとき江口の背中のほうでは、ベスト12戦士たちが装着作業に精を出している。報道陣がざわついている。しかし江口は、それに惑わされることもなく、ただひたすらに水面を見つめていたのである。仕事師の迫力を感じた。

2006_1219_02_252  烏野賢太も、我関せずと自分の作業に集中していた。ごった返す報道陣の脇を、まっすぐ前を見て通過していく。もしかしたら、心中穏やかならざるものもあるのかもしれないが、それよりも自分の戦いが大切だとばかりに、視線を揺らすことなく、しっかりした足取りで自分のボートに向かうのだ。トップレーサーの誇りを見る思いだった。

Cimg2013 同県・原田幸哉のモーターを整備室に運搬していた石川真二のもとに、田村隆信が駆け寄った。試運転の際に二人で足合わせをしたようで(その場面は目撃していないが)、感触の確認をするため、石川に意見を求めていたのだ。時折、水面のほうを指差しながら、将棋の感想戦のように、お互いの足色を語り合う。2年前に決定戦を経験している田村だが、今は出場しているシリーズ戦を勝ち抜くために、やるべきことをやるしかない。走る以上は、レースの性質など関係なく勝利を目指すのだ。勝負師のこだわりが伝わってきた。

2006_1219_02_130  野長瀬正孝も、97年に決定戦に出場している。躍進著しい静岡勢にあっては、中堅どころを固める渋い職人といった感じの野長瀬だが、もっともド派手な舞台も体験している男なのである。ピットでの野長瀬は、優しげな表情で、粛々と動いているイメージがある。クールであり、柔和でもあり。そんな感じだろうか。そして、今日もまた、そんな雰囲気であり、急に華やぎ始めたピットでも、まったく流れに飲み込まれることはない。今年、川﨑智幸が10年ぶりの決定戦進出を決めた。来年、その再現をする権利が野長瀬にはある。それでも、きっとそんな雑念に自分を見失ったりはしないのが、野長瀬だろう。いぶし銀のたたずまいに痺れた。

2006_1219_01_169  さて、本日の気になる男は、服部幸男だ。97年、黄金のヘルメットを手にした男である。とにかく、ムードたっぷりの立ち居振る舞いを見せる服部には、ピットで見かけるたびに圧倒される。これは、どんなときにも変わることなく、哲学者をも思わせる面差しには震えさせられる。そんな服部の顔つきが、今日は一段と輝きを増している。それが、賞金王覇者の歴史に名を刻む男の、今日だからこそのプライドだと僕は思いたい。12戦士ともまったく遜色のないオーラを、今日の服部は出しているのだ。(PHOTO/中尾茂幸=烏野、野長瀬、服部 黒須田=それ以外 TEXT/黒須田守)


| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

賞金王シリーズもベストパフォーマンス委員会!

 競艇王チャレンジカップに続き、今節も結成されました。ベストパフォーマンス委員会。会頭・畠山が選んだのは、コレです!

4R 西村勝、“唯一”の“一撃”

2006_1219_02_305 畠山の選定
「初日の全12レースで、イン選手を自力でマクったのは西村だけ! 結果として、連動したチッチキ湯川のまくり差しに敗れたが、スリットから伸びない今日の住之江で、一気に絞ったパワー&気合は圧巻。インばかりが主導権を握る住之江SGだけに、痛快な一撃であったなぁ~。拍手! 拍手!!」

黒須田のツッコミ
「その西村を破ったチッチキ湯川は、本日2連勝ですよ! もちろん、唯一のピンピン発進です。ともに1号艇ではなかったのに、立派ではないですか。チッチキ湯川からの舟券を買ってなかったからって、無視するのはいかがなもんですかね」

畠山の強調
「チッチキ湯川の走りは認めてますってば! 俺は勝ち負けよりも、今日“唯一”の“一撃”を評価してるわけ。舟券うんぬんは関係ありません!」

黒須田の懐疑
「えぇ~、ほんとかなぁ~……」

畠山の決断
「そんなに言うんだったら、チッチキ湯川に最優秀ピンピン賞を差し上げます! でもベストパフォーマーは、“唯一”の“一撃”を決めた西村で決まりなんです!」

決定 本日のベストパフォーマー 西村勝(埼玉)
    最優秀ピンピン賞 湯川浩司(大阪)

(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/ベストパフォーマンス委員会)

2006_1219_02_367


| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (2)

温かい開幕戦――賞金王シリーズ、初日後半のピット

Cimg1993  昨年の賞金王の記事を読み返してみると、ピット情報で僕は「寒い寒い」ばっかり言っている。あぁ、思い出す、あのピットで凍えていた1週間。ほんと、寒かったもんなあ……。などと書き始めたということはもちろん、今年は実にあったか~い、のである。もう、去年とはまったく違う。寒いことは寒いのだが、口に出すほどの寒さではなく、苦痛などまるで感じない。何より、去年は競艇場からいただいたスタッフジャンパーの上にコートを重ね着していたほどで、それでも「寒い寒い寒い」言っていたのだからハンパじゃなかったのだ。東京を発つとき、当然のようにあの寒さを想定して、服をゴロゴロ(キャリーケースっていうのかな?)に詰め込んだ。しっかりと心の準備もした。だというのに、今年はスタッフジャンパーだけで十分に温かい(ジャンパーの防寒機能も優れているのでしょう)。拍子抜けといえば拍子抜け、しかし実に快適なピットでもある。今日は風も弱かったから、特にね。水面、鏡のようでしたなあ。

2006_1219_02_029  もっとも、選手たちにとっては、暑かろうが寒かろうが、勝つために仕事をする!という点は何も変わらない。気温によってペラやモーターの調整をする必要はあるけれども、それは寒い暑いとは別次元のお話。後半も、動き回る選手たちを何人か見かけた。
 代表選手は、市川哲也だろうか。10Rを1号艇で2着。上々の滑り出しとなったが、レース後の市川はすぐに本体を開けて、整備にとりかかった。今日は1号艇が11連対のイン絶対水面、その状況で2着は“助けられた”のか、“なのに勝てなかった”のか、いずれにしても市川はポジティブな心境になり切れなかったのだろう。つまり、足は弱いという判断である。10R後ということは、残された時間はほとんどないということだが、それでも整備をせずにはいられなかった市川。12Rでは、同県の西島義則のボートを引き上げにリフトへとダッシュし、それを終えると再び全力疾走で整備室へと戻っていった。自分のモーターも格納しなきゃ! この姿勢が明日、報われますように。

2006_1219_02_300  レース後にペラ室に駆け込んでいったのは、鳥飼眞。こちらは11Rの1号艇で、やはり2着だった。市川のように、大慌てという素振りではなかったが、時間があまり残されていないことには変わりはない。点検も含めて、ペラゲージを当てる仕草は真剣そのものだ。ただ、市川ほど悲壮感はなく、時折、同県の岩崎正哉と笑い合うシーンも目撃している。前半時は整備室にいた鳥飼、足はそこそこ上向いているということで、どうやら光明が見えた様子。さらにでっかい光を見出すために、明日も作業を続けるだろう。

2006_1219_02_059  今節の選手代表は田中信一郎。自分の作業のかたわら、代表としての仕事もこなさなければならないわけで、とにかくキビキビと動いている様子を見かけることができる。いや、どちらかといえば代表の仕事を優先しているようにも見えて、整備室内にある検査員室にその姿を見ることも多く、とにかく大変そうなのだ。今日は11R3着。足は悪くないようである。レースを終えてピットに上がってきた際も、湯川浩司と会話をしながら、いい雰囲気を醸し出していた。で、その10数分くらい後だろうか、信一郎の姿はまたまた検査員室に。仲口博崇が隣にいて、ちょっと深刻そうに話し込んでいたが(仲口はかなり機力が弱いとのことだ)、本当に頭の下がる信一郎なのである。今節は、思い切り応援させていただきます!

2006_1219_12r_013  12Rドリーム戦を制したのは、原田幸哉。評判のモーターが、早くも火を噴いた。レース後の幸哉は、決して喜びを爆発させることはなく、浮かれた様子も見られなかったが、しかし気分が悪いわけがなく、喜びを押し隠しているというか、兜の緒を締めているというか、そんな気配が感じられた。
2006_1219_01_102  選手控室の入口付近にはアームガード置き場があって、幸哉も控室に入る前にまずここでアームガードを外すわけだが、つまりはここでいちど立ち止まることになる。ドリーム覇者だから報道陣に囲まれた状態、そこにたまたま吉川元浩が通りかかった。吉川はこれを避けるように、普通は通ることのない、アームガード置き場と壁の間の狭いところに進路を取ったのだったが……しかし。取材を受けながら幸哉もそこに歩を進めたため、あらら幸哉と吉川が狭いところでごっつんこ状態だ。笑顔で幸哉に道を譲った吉川に、幸哉はすかさず「ゲンちゃん(元ちゃん、ですかね)、俺から逃げただろう」だって。吉川、ダハハハと笑った。取材を受けながらジョークを飛ばす幸哉、いやはや、すでにメンタルは仕上がってますな。明日からはさらなる快進撃でぶっ飛ばす可能性もありそうだ。

Cimg1990  12R前、ピットでぼけーっと突っ立っていたら、向こうのほうから「ゴロゴロゴロゴロ」と車輪を転がすような音が聞こえてきた。ふとそちらに目をやると、田村隆信、湯川浩司、中野次郎の姿が……って、あはは、田村が台車に乗っかって、それを湯川が押しているのでした。子連れ狼みたいっす(古いか?)。あ、でも、彼らは遊んでいたわけではありませんよ。12R出走選手のモーター整備用工具(繋留所でも簡単な調整ができるように、展示ピット付近に置いてあるのです)を、整備室に運ぶため、台車を出動させたのであります。Cimg1991 85期、86期は今節の最若手、つまりは雑用も彼らの大事な仕事。というわけで、レース後にスムーズに格納作業ができるよう、12R出走選手のお手伝いをしたんですね。どうせやらねばならぬなら、楽しくお仕事いたしましょう! てな感じで、田村が台車に乗っかって、湯川が押していたというわけであります。もしかしたら、どっちが乗るかでジャンケンとかしてたのかもしれないなあ。

2006_1219_01_192  さて、本日の気になる男、深川真二。9R1号艇は惜しくも2着。湯川浩司の差しに屈してしまった。しかし、決して落胆した様子もなく、凛々しい表情は曇っていない。12R後だっただろうか、鳥飼眞と話しながら、目元に実にいい笑みを浮かべてもいたぞ。明日もこの調子で、上位進出を!(PHOTO/中尾茂幸=市川、鳥飼、田中、原田、深川 黒須田=水面、若手トリオ TEXT/黒須田守)


| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (1)

H記者の「独断パワー診断!」シリーズ初日

2006_1219_02_209 「賞金王シリーズ=低調機シリーズ」という図式がありますが、それでも低調機は低調機なりに、超抜~ポンコツまで格差が生じるものです。今節は実戦と特訓をしっかりチェックしつつ、全選手のパワー診断をアップしていくことにします。判定マークは
S…抜群。イン戦はもちろん、展開さえ向けば外枠からでも勝負になる足。
A…上位。イン戦なら勝ち負けも、S級に比べると安定度は一息。
B…中堅。相手なりに走るが、一気に突き抜けるパワーに乏しい。
C…下位。競ると厳しく、ターンマークごとにずり下がる可能性も。
D…ワースト級。S一撃でもしない限りはまったく歯が立たない劣悪機。

 ただし、住之江はインが滅法強い水面(初日も7勝11連対!!)なので、たとえDランクでも逃げきるケースもありえます。1号艇の取捨選択は慎重に行ってくださいまし。
2006_1219_02_003  さて、初日を終えてS級に指定できるのは4選手。ドリームを制した原田幸哉と10Rで逆転勝ちした渡邉英児はともに前評判の高かったモーターで、これは素性通り。4Rでスリットから一気に伸びた西村勝も下馬評通りのハイパワーと言えるでしょう。この3選手に、昨日の前検で推奨した赤岩善生も加えておきます。正直、原田・渡邉・西村に比べると見劣るのですが、「私が目をかけた生え抜き選手」と思って大目に見てやってください。
 逆にワースト級は横澤剛治、山﨑昭生、今村暢孝の3選手。このままでは、かなり苦戦すると思われます。
 ではでは、私の独断パワー診断を節間成績順に公開することにします。Aランク以上の選手には簡単なコメントも添えておきましょう。

原田幸哉S…4コースから最内差しでバック突き抜けた足は圧巻!こりゃヤバイっす。
2006_1219_02_368 湯川浩司A…大整備と信一郎のアドバイスで一変も、まだまだ過信は禁物。
渡邉英児S…市川を一瞬にして抜き去ったパワーは怪物級。幸哉との節イチ争いか。
星野政彦C
菊地孝平A…迫力のある逃げ足だったが、相手(幸哉)が悪すぎた。もうひと伸び。
江口晃生B
服部幸男A…最近の好調ぶりを反映するレース足。伸びも上位でVを狙えるパワー。
藤丸光一B
市川哲也B
深川真二A…差されたのは案外だったが、元々インは不得手。センターで狙いたい。
西村 勝S…スリットから豪快に伸びる自力型のパワー。ダッシュ戦向きかも。
鳥飼 眞A…服部に差されるも2周1Mで吉川を強ツケマイで沈めた足は非凡。
飯島昌弘B
2006_1219_02_349 赤岩善生S…スロー水域なら大崩れのない強力出足。イン屋に徹すればVまで。
石川真二B
石渡鉄兵A…スリットから伸びるので自在に仕掛けられる。上昇の余地たっぷり。
西島義則C
野長瀬正孝B
(以上18位ボーダー)
中野次郎C
山本隆幸B
金子龍介A…くるくる回れる不思議足。大穴を開けるとしたらこの選手だぞ!
岩崎正哉B
吉川元浩B
田村隆信B
白水勝也B
田中信一郎B
平尾崇典A…伸び一辺倒でスリット一撃が可能な足。選手と同じ意外性あり。
植木通彦B
平石和男C
烏野賢太C
重野哲之B
馬袋義則C
後藤 浩A…タイプではないが直線の伸びは強烈。出足型に調整するかも。
山﨑昭生D
都築正浩C
吉田徳夫C
横西奏恵C
井口佳典B
大場 敏B
徳増秀樹C
今村暢孝D
太田和美B
仲口博崇C
日高逸子A…展開がなかったが伸びはトップ級。S一撃で穴を開けるはず。
横澤剛治D
山下和彦B
堤  昇B
白井英治C

2006_1219_02_306  2日目に1号艇を得たS~A選手は平尾崇典(4R)と西村勝(8R)のふたりだけ。両者とも伸び型だけにイン戦に一抹の不安は残りますが(しかも4Rの2号艇は幸哉だし)己の診断を信じて勝負したいと思います。でもって、明日は今日ほどイン選手が活躍しないはずなんですが……さてさて、どうなりますことやら。(Photo/中尾茂幸)


| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

開幕!――賞金王シリーズ、初日前半のピット

Cimg1955  L字型に広々とした住之江のピットを、選手たちが右へ左へ移動している。試運転用の繋留所にはボートがずらりと並び、思い思いの調整をしている者や、隣り合った者同士で話し合う者など、何人もの選手が一気に視界に入る。おや、あれは元選手の栗原孝一郎さんだ。ということは、一緒にいる10名ほどの若者は……やっぱり! 韓国競艇の選手たちだそうだ。本場・日本の競艇の、最大のイベントを見学に来ているわけだ。うわっ、福永達夫さんと安岐真人さんの“賞金王覇者コンビ”もピットにやって来たぞ。それを出迎えるのは、我らが長嶺豊師匠。すげえ顔ぶれに、思わずたじろぐ。なんだか、ピットが華やいでいる! そう、賞金王が始まったのだ!

Cimg1973  そんな賞金王ではあるが、賞金王シリーズ初日ということは、つまりSGの初日である(当たり前か)。となると、選手たちが慌しいのも当然。これからの戦いを有利に進めるため、今日は調整に励む一日だ。選手たちが右へ左へ移動している、というのは、これぞまさに初日の風景。隣り合った同士で話し合う者、というのは、試運転やレースなどで得た情報を交換しているわけだ。1Rオープニングカードを勝利で飾った星野政彦が、さらに飽くなき調整をしていると、赤岩善生と菊地孝平が両隣にボートを繋留させる。ヘルメットを脱ぐと、星野を挟んで大きな声で話し始めた。その会話に星野も加わって、しばし情報交換。菊地が話題の中心らしかったが、あ、そうか。菊地だけがこの時点で(4Rあたりです)まだ一走もしていないのであった。菊地としては、少しでも水面の状況を知っておきたかった、ということなのかもしれない。

Cimg1970 「うえきーっ」
 繋留所で調整をしていた植木通彦に声をかけたのは、西島義則。植木のもとまで歩み寄ると、笑顔で会話を始めた。うぉっ、これはすごいツーショット。というわけで、つつつっと忍び寄って撮影したのでした。写真ではまったくわからないが、植木も笑顔を浮かべていて、いわゆる談笑に興じていた、という感じ。もちろん、雑談をしていたわけではなく、植木と別れたあとの西島がすぐにギアケースを外して整備室に向かったところを見ても、お互いの手応えについて意見を交換しているところだったはずである。それでも、笑みを浮かべて語り合う、超一流ならではの余裕に、痺れてしまった私でした。二人合わせてSG17V。まさにスーパースターの揃い踏み。

Cimg1953  整備室とペラ室は、比較的閑散としている印象を受けた。これは、作業をしている人が少ないのではなく、みな作業時間が短いのではないか、と見えた。つまり、ペラを叩いては試運転に出て、手応えを抱えてペラ室に戻る。それに従ってもう一度叩き、また試運転に走る……ようするに、そういう動きだ。整備室も同じ事で、実際、渡邉英児が本体整備をしているところを見かけたし、いったん整備を終えると、すぐに水面に飛び出していくところを見かけている。鳥飼眞も整備室にいたな。単に作業をするのではなく、水面とペラ室・整備室の往復を何度もしては、足りないところを埋めようとする。その働きぶりには、やはり頭が下がるわけであります。SG初日のピットで見る選手たちの額の汗は、実に美しい。

Cimg1958 4R、湯川浩司が5コースからのまくり差しを決めた。インが大優勢の前半戦で、唯一外から勝利を収めたのが湯川だ。爽快な勝ち星で、さぞや湯川はご機嫌だろう……と思いきや。ピットに上がってきた湯川は、なぜか渋面を作っていた。足のほうはまだ納得のいかない様子で、それが勝っても浮かれることのできない最大の要因だろうか。
Cimg1957  一方、2着の西村勝は、爽快な笑顔を見せていた。このレース、展開を作ったのは西村で、Sで飛び出して一気にマクったのだった。それに乗った湯川がうまく展開を突いたというわけだが、自力でレースの主導権を握ったことで、後悔のない走りができたということか。若干、苦笑いも含まれてはいたけれども、足色も含めて、まずは明るい展望が開けたと言えるだろう。

Cimg1965  さて、智也は明日前検、森高は不在で、気になるシリーズをどうしようかな……と悩んでおります。リクエストがあったら、コメント欄に書き込んでください。で、今日は深川真二の男っぽい表情が気になったぞ。9Rの1回乗りに向けて、じっくりと、そして充実している時間を過ごしているように見えた。鋭い視線は迫力十分、佐賀支部の選手ってほんと、男気あふれる選手が多いよなあ。インが圧倒的に強い流れからいっても、9Rは鉄板じゃないですかね、ハイ。私、もちろん心中します。(PHOTO&TEXT/黒須田守)


| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (1)

今節もやっちゃいます、クイズです。

チャレンジカップで、ピットで見つけたものからクイズを出題させていただいたわけですが、賞金王でもやります! 今回は、今節中に5問出し、それぞれの設問に点数をつけます。正解者にはその点数を差し上げ、5問の総合得点ナンバーワンの方にプレゼントを! というわけで、皆様、どしどしご応募くださいね。回答はコメント欄にお願いしまーす。

Cimg1871 さて、さっそく第1問。本日の「選手たちの競艇場入り」取材で、ある選手の後姿を撮影しました。この選手、果たして誰でしょうか! 得点は30点です! 締切は、19日15時でーす。それでは、ご回答よろしくでーす!


| 固定リンク | コメント (84) | トラックバック (1)

勝負師が走り回る師走――シリーズ前検のピット

Cimg1878  ピットに向かう前、足合わせを観客スタンドでチェックするというH記者にくっついていって、僕もしばし試運転やスタート練習を眺めることにした。だいたい85mポールのあたりのスタンドに腰掛けて、選手たちの走りに目を向ける。いや~、やっぱり住之江はええなあ。水面が近くて実に見やすいし、気のせいかもしれないけど、なんだかメッカとしての空気が充満しているようにも思える。無人のスタンドでぼんやりボートと水しぶきと選手のハンドルワークを見ていたら、いや~、本当に幸せだな~。
 H記者が急に、「はっとり~! 行け~!」と叫んだ。は? レースじゃないのに、声援してんの? でも、なんか気持ちよさそうやな~。というわけで、マネッコだ。「おおば~! まくれ~!」。えっと、選手名はたまたま目の前を走っていた選手であります。いや~、ほんと、気持ちいーぞ。というわけで皆様、暮れの忙しい時期ではございますが、お時間ある方はぜひ住之江へ! やっぱり、“聖戦”はナマで見たいじゃないの。

Cimg1876  てなことはともかく。水面を駆ける選手たちを見ながら、H記者は言うのである。「彼らのモチベーションって、なんだろなあ……」。どうしても“賞金王決定戦の前座”と見られてしまいがちなシリーズ戦、SGとは言いながらも賞金は安く設定されているし、何より出場する48名は「賞金王に出たかったけど、悔しいことに落選してしまった」選手たちだ。
「去年までだったら、ここを勝てば翌年のSG優先出場権が手に入った。でも、今年は次SGの優先出場権だけだろ。すでに総理杯の権利を持ってる選手(今年のGⅠウィナーと優勝回数の多い選手。それこそ、服部も権利持ちだ)にとっては、ここを勝つことが美味しいというわけではないわけだよ」
 その分、まだ総理杯の権利がない選手にとっては、最後の勝負駆けなんですけどね。
「だからこそ、すでに権利持ちの選手は、何を賭けて走るんだろうな……」
 たしかに、その通りかもしれない。この状況で、他のSGよりもテンションが下がっていたとしたって、誰がそれを責められるだろうか……。

2006_1218__199  というわけで、ピットである。長い前置きでしたな。この聖なる空気の中で、しかし他のSGよりも得られる獲物が少ないSGを戦う48名。前検に臨む彼らがどんな心境でいるのか、それが行動にどんな影響を及ぼしているのか。考え込みながら、ピットに入った次第である。
 で、最初に目に飛び込んできたのは、走る中野次郎! 先輩たちのモーター運搬の手伝いや、自分のための作業などのため、ピット内を駆けずり回っているのである。BOATBoyで連載してもらっている関係もあって、そんな次郎さんを呼び止めて「お疲れ様です!」と声をかける。僕に気づいた次郎は、さっと目を見開いて、「ああ、お疲れ様です!」と軽やかに言葉を返す。あれ、なんだか妙に明るいなあ。これまでSGのピットではあまり見たことがない気がする、清々しい表情。むむ、今回はやや自信ありか? あ、そうか。次郎さんは来年3月の地元・総理杯、まだ権利持ってないのか。勝負駆けがモチベーションとなって、この明るい表情、なのかもしれません。

2006_1218__009 「久しぶりに30%台のエンジン引きましたよ~」
 中尾カメラマンに、横西奏恵が言ったそうである。中尾曰く、なんだかご機嫌だった、と。最近は20%台ばかりだったんですよ~、とも付け加えていた、と。そんな横西の笑顔を撮ったのが、この写真なわけですが、たしかにいい表情です。スタート練習と展示を終えた後、整備室で横西を見かけたが、このときはさすがに真剣な表情で、点検と格納準備に勤しんでいた。でも、でも……俺も奏恵の笑顔、見たかったなあ……。BOATBoyでインタビューした際、「SGの優勝戦に忘れ物がある」と語った奏恵。彼女にとっては、それを取り返しに行くことが、最大のモチベーションとなるだろう。

2006_1218__090  暮れの住之江は、これが初めての参戦となる飯島昌弘。江戸川の記念を制して、シリーズ戦とはいえ、聖地行きの切符を獲得した。SGは、地元・戸田の笹川賞で経験しているとが、今回はまったく違った雰囲気のなかで戦うことになる飯島。戸田では笑顔が多かったような記憶があるが、今日はどちらかといえば神妙に、作業にあたっていたように見受けられた。彼にとっては、モチベーションうんぬんではなく、この場にいられることが最高の経験になるはず。思い切ったレースで、旋風を巻き起こしてほしい。

2006_1218__027 さて、ドリーム戦出場選手の共同会見の模様を。最初に会見場にやって来たのは1号艇の菊地孝平。実はこれ、ピットを徘徊しているときに、菊地が猛ダッシュで走っていくところを見て、慌てて追いかけたものだった。だから「やって来た」というより、菊地の後を僕がついていった、という感じなのであります。その菊地、前付けに出そうな選手がいるけれども、「明日に限っては40mでもイン死守」とのこと。さすがに40はないだろうけど、枠主張の強い意志を表明したのだった。
 会見が終わると、菊地は再び猛ダッシュで整備室へ。変わって会見場に入ったのは、2号艇の植木通彦だ。植木は、チャレンジカップ後の大村ダイヤモンドカップで負傷、途中帰郷している。しかし、「出るということは、大丈夫ということ。優勝を目指します」とキッパリ言い切った。どうやら、大村のことはあまり書いてほしくないようだが、僕は植木の強い決意に敬意を表したいと思い、あえて書いた。艇王が前検から早くも見せた闘志。モチベーションがどうとか、完全に超越した領域で戦うのが植木という男なのだ。今節も、強い植木通彦を楽しみにしてるぞ!

Cimg1890  ちょっと間隔が開いて、会見場に登場は4号艇の原田幸哉。手にはペラを持ち、菊地同様に駆け足で入ってきた。シリーズ戦のエース機と呼び声の高い25号機、原田も「いい感じ」と語っており、早くも手応えを感じているようである。会見が終わると、あらら、原田も駆け足で戻っていった。うーむ、なんだか皆、忙しそうだぞ。
 それからけっこう時間が経って、現われたのは6号艇の烏野賢太。淡々、粛々と質問に応え、コースを問われたときだけ、「6号艇ですから、最悪は6コースでしょうし、最高で……5コースくらいかな?」と会見場に笑いを呼び起こした。うむ、雰囲気はかなりいいぞ。で、烏野もやっぱり、駆け足で戻っていくのだった。

 それから、かなり間隔が開いた。皆が待ちくたびれた頃、ようやく現われたのが3号艇の西島義則。およ、走って登場だぞ。足の具合は良くない、と。ということで、なんと、早くもクランクシャフトを交換しているというのだ。大整備中の大整備をやっていたから、会見に現われるのが遅れたということだろう。全選手の会見が終わったあと、整備室を覗いてみたら、たしかにクランクシャフトと格闘する西島の姿があった。一変はあるのか。それとも、さらなる整備をするのか。それ以上に、前検から一気に大物に手をつけた西島の判断力と勝利への渇望に畏怖するしかないだろう。で、西島さんもまた、走って戻っていったぞ。いやあ、みんな走る走る。
Cimg1899  そして、西島からまたかなり間隔が開いて、シンガリ登場は5号艇の江口晃生。やっぱり走って現われて、SGジャンパーの袖をぐっと伸ばして、その袖越しにマイクを持った。これはすなわち、整備の真っ最中ということであり、それを中断して会見に駆けつけたということだ。そう、手は油まみれなんですね。どうやらギアケース整備だったようである。会見を終えると、うがががっ、江口さんも走って戻っていったぞー。12月は、先生も走り回るほど忙しいから「師走」と言うのだそうだ。住之江のピットでは、競艇選手も走る走る。トップレーサーも走りまくる。勝負師も走りに走る、師走なのである。

 で、ちょっとしたピット情報。今日は、山ほどの選手が「回りすぎ」とコメントしており、明日は回転調整に忙しくなりそう。そして、これまた多くの選手が「スタートが早すぎた」と語っていて、これは江口曰く「真後ろから風が吹いていたから、勘がつかめなかった」とのこと。明日の風向きはわからないが、けっこうスタートがバラつく初日になるかもしれないぞ。要注意だ。

Cimg1877  さて、今日ちょっと気になったのは重野哲之。ダービー以降、SG皆勤。すっかりSGジャンパーが似合ってきた。で、今日、誰よりもピット内を走り回っていたように見えたのが、重野なのでした。今日はご苦労様。今節も台風の目に!(PHOTO/中尾茂幸=中野、横西、飯島、植木 黒須田=その他 TEXT/黒須田守)


| 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (2)

H記者の「シリーズ前検を斬る!」

 Hです。先ほど賞金王シリーズの前検が終了しました。私、ドリーム戦を含む1~4班の試運転&スタート練習は別の作業に追われて見ることができませんでした。ですから今日のところは5~8班の選手たちの気配を伝えておくことにします。
●気配S…いきなり初日から狙い撃ちできそうな強烈パワー
赤岩善生/いつも横綱に抜擢しているチッチキ湯川をチギり捨てる足。快速です。
西村勝/その赤岩より強めだったかも。モーターの素性も上々です。
深川真二/馬袋をやっつけた伸びは圧巻。ただ、馬袋の気配は?ではありますが。
●気配A…インならしっかり逃げきれそうな安定感
重野哲之/赤岩にはやや劣ったものの伸び、回り足ともに上位級です。
石渡鉄兵/白井英治をボコボコにしているように見えました。
山下和彦/中野次郎を子ども扱いでしたね。まあ、次郎がワースト級かも……

 で、以下は可もなく不可もなくという中堅級が続くわけですが、明らかに苦しい足色だった選手も何人かおりました。
_g1u0066 ●気配D…このままではインでもやられちゃうかも
田村隆信/赤岩にやられたのは仕方ないとして吉川にも半艇身ボコられました。
中野次郎/山下はもちろん馬袋より劣勢の足色。このままではピンチです。
鳥飼眞/特注モーターに指定したのですが、次郎に伸び負けしたように見えました。
横澤剛治/井口、金子、赤岩、みんなにボコられてましたね。ワースト候補?

 そしてもうひとり、妙にわけのわからん走りをしていた選手がいました。
●謎のパワー
金子龍介/コーナーを回ってすぐにキュンと押し出すパワーは絶品も、その後の伸びがサッパリで1、2艇身はやられてましたね。よくわかりませんが、完全な出足型と見て「スローなら買い、ダッシュなら消し」と決め撃ちすることにします。

 以上が独断のパワー診断です。ドリーム戦士など残り半分の評価は明日の特訓&実戦で判断することにいたします。あしからずご了承くださいまし。

 最後に、前検タイムの上位と下位を添えておきます。
前検時計トップ12
①平尾崇典 6・54
②白水勝也 6・55
③鳥飼 眞 6・58
 井口佳典 6・58
⑤日高逸子 6・59
 山本隆幸 6・59
⑦石川真二 6・60
⑧野長瀬正孝6・61
 服部幸男 6・61
 太田和美 6・61
 深川真二 6・61
 菊地孝平 6・61

ワースト5
①今村暢孝 6・75
②岩崎正哉 6・73
③西島義則 6・72
 徳増秀樹 6・72
 横澤剛治 6・72

_g1u0073  な、なんとなく私の見積りとまったく違う結果ではありましたね。イマイチの気配だった鳥飼は3位だしなぁ……でも、信じる者は救われる、はず。不確実な時計よりも自分の目を信じて、明日からの舟券勝負に臨みたいと思います。ちなみに前評判の高いモーターを引いた原田幸哉と渡邉英児は、ともに6・64でしたね。実戦でどう化けるのか、こちらも注目することにいたしましょう。(PHOTO/中尾茂幸)


| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

評判の25号機は原田幸哉の手に!!

_g1u0072  12時10分過ぎから、賞金王シリーズのモーター抽選会が行われた。勝率上位機(予備も含めてトップ17機ほど)はすべて決定戦に回るため、会場は和やかなムード。
「シリーズのエース機って、フフフ、どれかいな~?」などと冗談交じりに囁く選手もいた。そんな中でピリリと引き締まった顔だったのが、選手代表の田中信一郎。「何か質問ありますか? いいっすか?」と全選手を見渡してから、抽選ははじまった。
 すべて複勝率が40%未満のモーターの中で、選手間で評判が高かったのは25号機だ。平均タイムの1分49秒0は決定戦モーターも含めて第2位。しかも、前回使用者の伊藤将吉(A2)がオール2連対で優勝と、勢いでも他を圧倒している。
 で、その「決定戦でもヒケを取らないかも」と思われる好機を引き当てたのが、『東海の虎』原田幸哉。「25番!」と告げられた瞬間、アチコチの選手から「お」「おおっ」「オ~ッ!」などと感嘆の声があがった。もっとも、引いた本人はまったく予備知識がなかったらしく、きょとん。席に戻ってから赤岩善生と額を突き合うようにして成績表を見つめ、やっとニンマリ笑ったのだった。遅ればせながら、幸哉にも主役の座が回ってきたようだ。
 この25号機を筆頭に、独断の特注機ベスト5をアップしておく。
     前操者(クラス) 節間成績(丸は優勝戦) 複勝率  シリーズ
①25号機 伊藤将吉(A2) 1222211①    37・8% 原田幸哉
②76号機 古川健(B1)  124215412   36・7% 西村 勝
③35号機 中島真二(B1) 3241252⑤    34・4% 渡邉英児
④67号機 松野京吾(A1) 111311521   29・2% 野長瀬正孝
⑤3号機 高柳成聡(B1) 562212532   35・9% 都築正治

_g1u0064  この他では複勝率トップの54号機を日高グレートマザー逸子、前節で山﨑哲司が4連勝で締めくくっている37号機を鳥飼眞がゲットしており、特訓&展示の気配に注目したい。ちなみに艇王・植木通彦は複勝率34%(シリーズでは上位級だな)で前操者の齋藤勇が優出4着を果たした上昇機を引き当てた。このモーターなら初日から勝負になると思うのだが、どうか。(Photo/中尾茂幸、Text/畠山)

_g1u0002


| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

聖地に選手がやって来た

 取材班にとっては、2度目の賞金王決定戦。昨年に比べれば、あんまり寒くないなあ……などと話していると、やってまいりました、選手が聖地に続々と! 本日は、賞金王シリーズのほうに出場する48名の前検日。来年こそはベスト12に!の気合を腹の底に溜めた選手たちが、住之江競艇場入りであります。おっと、出会い頭にバッタリ会ったのが、ダービー以来の横西奏恵! 今節も笑顔がとっても眩しいです!

Cimg1869 新婚の奥様に送られてやって来たのは、地元の若大将・湯川浩司。結婚後初めて迎える地元SG、期するものがあるはずの湯川であります。……と、小さいお子さんが湯川を待ち構えて、サインをもらおうとしているではありませんか。車から降りた湯川を、大きな声で呼びました。「ゆ・か・わ~!!!!」。呼び捨てかよ(笑)。報道陣、入り待ちで集まったファンの皆さん、大爆笑であります。日曜日には、「ゆ・か・わ~!!!! おめでとっ!」の声がかけられるといいね!

Cimg1873 思えば、SG初優出は賞金王シリーズ。チャレンジカップ優出後のSG参戦で、リズムは悪くない鳥飼眞、う~む、渋い! おはようございます!と挨拶をすると、「うぃっす!」と小気味良く返してきた鳥飼、いや~、カッコいい! 来年は、地元・福岡で賞金王決定戦が行なわれます。もちろん、鳥飼も是が非でも出場したいわけで、そのためにも、今年最後のSGを最高の形で締めくくって、来年に勢いをつけたいところ。鋭い走りを期待していますぞ! あ、後ろのほうに、サインしている藤丸光一も写ってますね。

2006_1218__139 SGに大挙登場!といえば、もはや静岡支部の代名詞ともいえます。ほんっと、選手の層が厚いわけですが、その総大将といえば、もちろん! 服部幸男であります。チャレンジカップも好調でしたが、その後、浜名湖周年を優勝、鳴門MB大賞でも優出と、まさしく絶好調で住之江に乗り込んできました。強い服部幸男が帰ってきた! そう叫びたくなるほど、今の服部は流れに乗っています。今節も当然、大きな期待がかかるところでしょう。この人が強いと、競艇は面白い! 久々のSG制覇、見たいなぁ~。

2006_1218__149 凛とした表情で住之江入りしたのは、原田幸哉。報道陣に挨拶しながら、荷物検査に向かいます。すると、「ゆきやさ~ん」と入場門で女性ファンが手招き。そのとき幸哉は……入場門からすでに200mほども先に進んでいました。それでも! 幸哉ははるか遠くで手を振るファンのもとに、タタタタッと小走りで戻っていく。しかも、門から競技本部までは下り坂になっているので、戻るときは上り坂なのであります。ほんと、頭が下がりますよね。こうした選手たちの姿勢には、いつも唸らされる私であります。

2006_1218__120 キリリリッと瞳を光らせて登場は白井英治。今節は、山口からは単身参戦。師匠・今村豊をはじめとする先輩や後輩の分も、頑張りたいところです。挨拶をすると、鋭い視線を向けながら挨拶を返す。白井もカッコいいなあ……と、なぜか白井がこちらに戻ってきました。「みんな、どっちに行きました?」。入場門から競技本部には、真っ直ぐ坂を下りていくのですが、その手前にピットのほうに降りていく坂があって、当然こちらからも競技本部に行けるわけです。白井が入ったときには、他に選手の姿がなく、「あれ? どっちだっけ?」と迷ってしまったんですね。それで、私と中尾カメラマンに「どっち?」と聞いてきたのでありました。みんな真っ直ぐ行きましたよ、と教えるとニコッと笑って白井は坂を下りていく。いやあ、笑顔もまたカッコいいっす!

2006_1218__170で、やっぱり二股の坂の手前で「どっちだっけ?」と迷ったのは菊地孝平。もちろん、教えてあげましたよ。「みんな、真っ直ぐ行きましたよ~」と。ところが菊地、「いや、こっちだ!」とピットに下っていくほうに、自信満々に降りていきました。彼はいつも、こっちのほうから競技本部に向かっているんでしょうね。それとも、縁起を担いでいたりするんでしょうか。ちなみに、こちらから下りていったのは他に、赤岩善生と田中信一郎のみ、でした。この3人が揃って優出したりしたら、面白いっすね。ともあれ、菊地は賞金王次点の屈辱を晴らすべく、今節は燃えに燃えたいところ。頑張ってもらいたいっす!

というわけで、シリーズ戦出場選手が揃いました! 彼らは決して露払いではない、堂々たるSG戦士として、戦いに臨むのです! さあ、戦いのゴングは間もなく鳴るぞ!(PHOTO/中尾茂幸=服部、原田、白井、菊地 黒須田=湯川、鳥飼 TEXT/黒須田守)


| 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (0)