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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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総理杯優勝戦 私的回顧

「宇宙戦艦やまと」発進!!

2010_0322_r12_0760  憲吾が優勝した。と思った。2マークを回って。山口のツケマイをがっちり受け止め、大観衆の待つホームに舳先を向ける。山口との差は2艇身。内から遅れて差した岡崎とは3艇身ほどか。平和島でこうなれば、誰が相手でも抜かれる憲吾ではない。4-2勝負で4-1が1枚もない私は、2着争いに目を向けようとした。
 ところが…………。

12Rコース順 st
②山口 剛 13
①岡崎恭裕 21
③松井 繁 16
④濱野谷憲吾16
⑤今坂勝広 17
⑥萩原秀人 21

2010_0322_r12_0747  ピットアウトでスタンドが沸いた。岡崎のピット離れが鈍く、それを山口がキュッと絞って立場が入れ替わったのだ。やまと卒業生同士がもみ合って、誰もが予想しなかった213/456。もちろん、山口と岡崎にとっても想定外の事態だったはずだ。腹が据わっていたのは、インを強奪した山口のほう。コンマ13のトップスタートだ。一方、2コースに甘んじた岡崎は半艇身遅れの21。動揺があったかもしれない。
 松井に有利だな。
 スリットで私の視線は赤いカポックに行く。本当はアタマ勝負の憲吾を見ていたのだが、スリット同体でカドからさほど伸びず、松井が動かなければニッチモサッチモという態勢だった。松井は動いた。中凹みなのだから、もちろんまくり差しだ。が、ぐんぐん伸び返した岡崎がちょっとターンマークを外す形で、完全に松井の進路を塞いだ。この2艇が流れる。
 山口の逃げが決まったか。いや、松井が握った瞬間に差した憲吾が、内からスルスル伸びている。舳先が半分入った。そこからの伸びは一緒。勝負処の2マークで、山口は若者らしくツケマイを選択した。憲吾もすぐに察知して、外へと追っつける。まだまだ、平和島では役者が違うぞ、という完璧なブロックターンだ。
 よし、憲吾が勝った。
2010_0322_r12_0774   私は確信した。確信して、2着争いを見ようとしたのだ。見ようとして、愕然とした。3艇身後方と思っていた岡崎が、憲吾のすぐ内側にいる!? それは、本当にありえないことなのだ。岡崎の差しは先団2艇よりかなり遅れていた。しかも引き波を2本超えたときに軽くバウンドしているのも視野の隅に入っていた。片や、憲吾と山口は引き波のない水面を全速で旋回しているのだ。2艇の競りでやや流れたとはいえ、岡崎が届くレースではない。むしろ、直線で引き離される展開なのに、なぜそこに……????
 15年ほど競艇を観てきた私の経験則が、その光景を完全否定している。が、実際の岡崎は憲吾を捕えそうな位置にいる。ないない、絶対にないんだってーー!憲吾も驚いたに違いない。昨日の準優で「①(岡崎)の足にビックリした」とコメントしているが、今日はもっとビックリしたはずだ。憲吾は外の山口を捨てて、内の岡崎を絞りにかかった。
 よし憲吾、絞れ、絞りきれば、なんとかなる!!
2010_0322_r12_0784_2  もう、楽勝気分は吹っ飛んでいる。それどころか、絞りきれなかった。岡崎の舳先が憲吾の内に潜り込んでいた。1/4艇身、1/3艇身、半艇身……で2周1マークへ。憲吾は同体になる前に強ツケマイで叩き潰そうとした。その選択も、私の経験則では全然ありの光景だ。が、しかし、憲吾が握ったときには、すでに岡崎の艇が同体を超えて憲吾の進路を完全に遮断していた。これで憲吾の3年ぶりのSG制覇は夢と散った。私の舟券も散った。
 そして優勝したのは、この2艇の競りから艇を引き離し、冷静的確鋭角に差し抜けた山口だった。広島の91期生が抜け出し、福岡の94期生が続く。弱い弱いと言われ続けたやまと卒業生が、SGのワンツーを独占している。その後方では東都のエースと無敵の王者が3着争いを……結果的には山口と岡崎の2艇ががりで、艇界の大スターふたりをギャフンと言わせる展開になったわけだ。
2010_0322_r12_0823  結論。2010年の初SGは、劇的なまでの世代交代を感じさせる幕開けとなった。レースとしても素晴らしい名勝負だった。インを奪い、トップSを切り、先マイし、差した憲吾をツケマイで沈めようとした山口。とことん自力勝負に徹して最後に展開を見事に突いた山口は、SG覇者に相応しい腕と度胸を見せつけた。

 ややミスがあったとはいえ、怪物パワーの力を信じてレースを有機的に演出した岡崎も天晴れだった。1マークで松井を、2周1マークで憲吾を潰した経験も大きな糧になるだろう。銀河系軍団に対抗して「宇宙戦艦やまと」の称号を贈るとしよう。
2010_0322_r12_0829  まあ……それでも私は、憲吾に勝ってほしかったなあ。というか、いまだに優勝したような気がしてならないのだが……「今節の憲吾は優勝が唯一無二のノルマ、2、3着は意味がない」と言い続けた私だが、今日の3着を責めるつもりはさらさらない。あの2周1マークで岡崎を競り潰しそうとしたシーンも迫力満点だったし。今シリーズは憲吾の勝ちたい気持ちが随所に水面を彩っていた。こういうレースをしていれば、いつだってSGを獲れる男なのだ。素晴らしいファイティングレースだったぞ、憲吾!!(Photo/中尾茂幸、Text/H)


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THE ピット――心の戦い

_mg_2410  午後になってから、岡崎恭裕の顔は変わっていたように思う。顔色までが白くなっていたように見えたのは気温のせいだったのかもしれないが、午前中に比べて、表情が硬くなっていたように見えたのは錯覚ではないはずだ。
 9レースが始まる前には、自発的にボートリフト前のモーター架台を動かして、エンジン吊りの準備を始めていた。
 そのこと自体は、新兵として当たり前のことではあるのだが、やけに丁寧に架台を並べ直したりもしていたところを見れば、少し神経質になっているのではないかと思われた。

_mg_1768  岡崎が硬くなりつつつあったことは、同年代の仲間である新田雄史も感じ取っていたのかもしれない。
 スタート展示に行く直前に岡崎がひと休みをしていたときに、新田は付かず離れずといった感じで岡崎の傍にいたのだ。
 あれこれ話しかけて和ませようとするようなことこそなかったが、岡崎のことが気になって仕方がないようにも見えていた。
 新田に対しては、その後、「12レースは見て行きますか?」と訊いてみたのだが、「いや、観ないで帰ります」との返答だった。
 11レースに出走した師匠の井口佳典とともに、帰りの交通手段を決めていたのだろう。……ちなみに書いておけば、井口が萩原秀人に対して「ヒデちゃん、お先するけど、優勝したら連絡するわ」と声を掛けていた場面も見かけていた。
 新田に対しては、「岡崎選手のことは気になりませんか?」とも尋ねてみたのだが、ほんのわずかな沈黙のあとに「逃げてくれると思いますから」と、ゆっくり答えてくれた。
「先ほどずっと傍にいたのが気になったものですから」と続けると、「……逃げてくれると思います」と、新田はもう一度、同じ言葉を繰り返した。

_mg_2759  そんな時間帯において2号艇の山口剛はどうだったかといえば、朝からその表情は硬いままだった。
 装着場で岡崎が山口に話しかけていったときは、2人はそれぞれに笑みを見せていた。だが、彼らの笑顔はどちらとも、無理に浮かべられているようにも見えたのだ。
 それでも私が個人的に、岡崎よりは山口のほうがまだ心配は少ないのではないかと予想していたのは、昨日の準優で山口は、緊張からのミスをすでにしていたからだ。
 まったくの直感に過ぎないことだが、それがある分だけ開き直れる可能性が高いだろうと思われたのだ。
 だが、それを「開き直り」と言うには申し訳ないほど、山口は冷静だった。

_u4w0907  レース後の共同会見で山口はこう言っていた。
「展示から気配はあって、岡崎のピット離れが悪そうだと思っていたので、本気で狙ってみようとピット離れをしたんです」。
 この狙いが見事にはまり、本番で山口は1コースを奪取したのだ。
 そのときピット内では、さまざまな歓声と悲鳴が交差した。レース中も、歓声と悲鳴の交差が続いたが、その熱すぎるレースの詳細については別記事に譲りたい。
 1コースを奪取した山口は、接戦を制して、見事に優勝したのだ!
「(節前から)これが準備なんだというくらい準備をしていた」と言う山口が、貪欲に結果を求めて、それをもぎ取ったわけである。

_u4w0576  取材をしていても、こちらも疲れた1日だった。個人的な話になるが、山口も岡崎も、記念での活躍を始める前にインタビューをしていた選手であり、その戦い模様を見守りながら、大きな結果を出してくれる日を待ち望んでいた選手である。
 その2人が、それぞれに心をすり減らすようにして一日を過ごしていたのだから、それを見ていたこちらも精神的にはきつかった。
 その一方で、時おり……といっては申し訳ないが、時おり松井繁や濱野谷憲吾を見かければ、また複雑な思いにさせられた。その表情がいつもと変わらないことから、「格の違い」を見せつけられるような気もしていたのだ。
 H記者ではないけれど、「終わってみれば……」という結果になることも充分に考えられていたし、東都のエースが結果を出すところを見てみたかったのはもちろんだ。
 今坂勝広や萩原秀人に関していえば、松井や濱野谷ほどいつも通りとまではいえないまでも、岡崎や山口ほど緊張している様子も見られなかった。それぞれにマイペースで1日の作業を続けられていたのだから、伏兵としての存在感は高かった。

_mg_2865  レース後、ピットに帰還してきた山口が満面の笑顔を浮かべているのを見たときは、こちらの疲れも吹き飛んだ。
 山下和彦や海野ゆかりや辻栄蔵がバンザイで迎えると、ボートの上の山口もバンザイ、バンザイ!
 確信こそは持てないものの「獲ったどお~!!」と、よゐこ濱口風の雄叫びをあげたのは、山口ではなく辻だったのではないかと思う。
 隣のリフトでは、岡崎が天を仰いでいたのだが、その岡崎の優勝を願っていたはずの瓜生正義も、「おめでとう」と山口に拍手を送った。
 山口は、それからすぐに岡崎に対して、ごめんと謝る仕草を見せたが、そうされた岡崎も「全然……」と手を振って返した。
 レース後の岡崎は、口惜しさに顔を歪めるわけではなくて、苦笑いを浮かべ続けていた。努力する姿などはあまり人に見せたがらないスタイリッシュな岡崎ならば、そうするほかはなかったのだろう。
 岡崎に対しても声を掛けたい気はしたのだが、今日は山口にだけ、祝福の言葉を掛けておいた。
 内心は悔しくてたまらなかったはずの岡崎にはきっと次があるはずだから。
 そして今日のところはやはり山口だ。
 おめでとう、山口剛!
(PHOTO/山田愼二=1&3&6枚目、池上一摩 =2&4&5枚目 TEXT/内池久貴)


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本日の水神祭! SG初優勝おめでとう!

 山口剛、SG初優勝おめでとう!
 ということで、当然あります、水神祭! 表彰式→記者会見→JLC出演と経て、時刻は午後6時も迫った頃、夕暮れの水面で嬉しい儀式が行なわれています。帰りの飛行機18時30分って言ってたけど、間に合うのかしらん……。

_mg_2945  中心はもちろん広島勢。辻栄蔵が音頭をとって、山下和彦、海野ゆかりが輪の真ん中へ。これに、地元ということで残っていた東京勢も加わって、さあ行こう水神祭。いや、ちょっと待て。あの金髪は濱野谷憲吾。笑ってはいるけど、笑顔に力がないように見えるのは気のせいか。これは切ないシーンだよなあ……。
_mg_2962_2   ともかく、だ。さあ行こう水神祭。辻栄蔵が「空中で一回転しろ」などと無茶ブリをするなか、ウルトラマンスタイルで持ち上げられた山口を1、2の3でドッボーーーーーン! 山口、学生時代は体操選手だったこともあって、辻の言う通りに空中で見事一回転。鮮やかに水面に吸い込まれていったのでありました。
_mg_2973  それにしても、繰り返しますが時刻は午後6時前。水が冷たいぞ~。というわけで、陸に上がった山口は寒い寒いと叫びながら、仲間たちの拍手に包まれておりました。
 本当におめでとう!(PHOTO/山田愼二)


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「優勝します」by憲吾――優出選手インタビュー

_u4w9764  イベントホールは超満員! 5R発売中に行なわれた優勝戦出場選手インタビュー、ベスト6を間近で見られるとあって、4R中からすでに大入り状態でしたぞ。歓声の一番人気はやっぱり濱野谷憲吾! 松井繁に対しては、「さすが王者だ……」というどよめきが巻き起こっておりました。

①岡崎恭裕(福岡)
「今は楽しみというか、ワクワクしています。いい緊張はしていますけど、普段の優勝戦と変わらないですね。伸びはいいですけど、3日目にチルト0度にして他の足も上向いて、全体的に上位級です。(気温が下がったが)急に寒くなったわけではなく、2、3日目も同じような温度だったので、その日と同じようにペラを叩きかえます」

「自分を信じていけば大丈夫と信じています。毅然と戦いたい九州と新鋭を代表して、いいレースを見せます」

※23歳でポールポジションを背負うとは思えないほど、堂々とした態度。1号艇という重圧にも、王者やファンタジスタと戦うプレッシャーにも、まったく負けていないように見えたぞ。

_u4w9797 ②山口剛(広島)
「最初は行き足と伸びがよく、出足が不満だったんですが、ペラを叩いて出足もいい感じになりました。気温は下がったほうがいいです。昨日は暖かくなって合いきっていなかったので」

「優勝を狙ってマクリかもしれないし、差すかもしれないし、どうするかはまだわからないんですけど、スタートを決めないと話にならないので、そこに集中します」

「ここまで応援してくれた方々のおかげでここまで来れたと思っています。恩返しのつもりでいいレースをしたいです。宮島競艇場、ボートピア呉のみなさん、広島に総理大臣杯を持ち帰ります

※最後の決意表明は、ひときわ声を張り上げての力強い宣言。2コースだから差し、と考えがちだが、マクリもあると表明。展開の大きなカギを握る存在になりそうだ。以降のインタビューも、この「マクリか差し」が焦点となっていく。

_u4w9803 ③松井繁(大阪)
「5日間で昨日がいちばんよかったと思います。このメンバーに入っても負けないと思いますよ。エースモーターと言われてるだけに悔しい思いもしてきたけど、負けることはないと思っています」

「山口くんがマクるか差すかといってますが、僕はそこにマクリ差しを入れて、3つで考えます」

優勝したいと思います

※昨日の会見では、「エースモーターというほどのアシではない」と語っていた松井。ところがメンバーを前にすると「負けないと思う」! これは明らかに内の「出ている二人」にプレッシャーをかけたものだろう。展開については、2コースはマクるか差すかしかないので、3コースはもうひとつ増えるのは当然。しかし、それもまたひとつ内の若者に「なんでもするぞ」という威嚇にしか思えないのだが……。最後の「優勝したいと思います」で大きなどよめき!

_u4w9844 ④濱野谷憲吾(東京)
「乗りやすいし、自分なりには納得してます。気温は下がったほうがいい。みんなそう思ってるんじゃないかな。不安はないと思ってます」

「(客席から「ツケマイ!」という声がかかる)ツケマイ……(苦笑)。まだここまでツケマイという言葉が出てきてないので、僕はツケマイ行きたいと思います

「モーターは完璧には仕上がってませんが、気持ちは完璧に仕上がっています優勝しますので応援してください」

※ツケマイ宣言! お客さんの声に押された部分はあったにせよ、実際にそれも想定にあるからこその宣言であろう。もうサシノヤとは言わせない!(byベイ吉)「優勝します」の瞬間にはうおぉぉぉというどよめきの後に大歓声があがっており、もし本当にツケマイが決まったら、平和島のスタンド大爆発必至!

_u4w9856 ⑤今坂勝広(静岡)
「昨日の準優がいちばん緊張していて、それで吹っ切れちゃっていて、今日はリラックスしていますね」

「マクリ、差し、マクリ差しと3つの選択肢があるので、どれかを使いたいですね」

「5号艇だけど展開はあると思ってます。1マークで黄色いカポックが突き抜けますので、応援してください」

※終始、力強い口調でハキハキと答えていた今坂。「ガッツ今坂」という愛称だったなあ、と今更ながらに思い出しました。展開は3つの選択肢。まあ、3コースから外は3つしか選択肢がないんですけどね(笑)。ただ、昨日の準優では、実際に5コースから握って攻めているぞ。濱野谷がもし差しハンドルを入れたら、この男が飛んでくる! 黄色いカポックの突き抜け、本当にあるかも!

_u4w9882 ⑥萩原秀人(福井)
「(たくさんのお客さんを前に)緊張してます。いつも緊張しているので、いつも通りでいいです。(回り足が評判だが)いいと思います。(ターン回りがいいということ?)はい」

「マクる足はないので、差しかマクリ差し。マクリ差すところもたくさんあるんでね

「6号艇だし、この相手だし、大きなことは言えませんが、虎視眈々と優勝を狙います」

※実に言葉少なのインタビュー。「6コースはマクリ差すところがたくさんある」というのは、言い得て妙、でありますね。何しろ回り足バツグンだし……。

 6名が6名とも力強く前向きな言葉を連ねたインタビュー。平和島のボルテージが一気に上がった瞬間でした。さあ、優勝戦。誰が有言実行となるのか……。(PHOTO/池上一摩)


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THE ピット――「優勝戦の朝」の顔

_mg_2027  岡崎恭裕は涼しげな顔をしていた。
 新鋭王座の際にも前検日からリラックスしきっているような表情を見せていたが、今朝の岡崎もそれと変わらない顔つきで、実にのんびりと過ごしていたのだ。
「リラックスできているようですね。緊張はないですか?」と訊いてみると、「全然。今のところまったく大丈夫です」と、さわやかな笑顔で答えてくれた。
「気温が下がっても大丈夫そうですか?」とも確認してみたが、「はい。逆にそっちのほうがいいんじゃないかとも思います」とのことだった。
 その後の岡崎は、小・中・高校の先輩にあたる中尾カメラマンと話をしていたが、その様子は驚くほどの自然体! SG初優出で1号艇に乗る23歳のものとは、とても思えないほどだった。

_mg_2059  岡崎がいた場所は、屋外ペラ作業場近くの水面際だったが、10時過ぎくらいになって、松井繁が通勤着(ジャージ)で出てきて、ペラ調整を始めた。
 それまで作業をしていた井口佳典が松井に何か一言掛けて立ち去ろうとしたが、ハハハッと笑った松井は、その井口の背中に向かって声を掛けた。
「おい、井口。井口の“口”は、口だけの口やって最近言われとるらしいで。スタートも行かへんって」と続けて、周りを笑わせた。
 一瞬、松井がカマギーに見えたものだが、そんな松井がいつもと“別人”だったのかといえば、そうではない。
 屋外ペラ作業場での調整時間は短かったが、その後すぐ隣のペラ小屋に移って服部幸男と何かを話したあと、整備室とペラ小屋を往復するなど、徐々に行動的になっていったのだ。1レース後には、レーシングウェアに着替えてエンジン吊りの手伝いにも出ており、ムダのない時間の過ごし方は、いつもと変わらない王者のそれだった。

_mg_2074  動き出しが早かったといえば今坂勝広もそうだ。
 こちらがピットに入った10時前にはペラ小屋のちょうど真ん中あたりに陣取り、集中して作業をしている姿が見られた。
 その後、1レースのスタート展示が始まった頃に装着場のボートにプロペラを取りつけると、展示が終わった直後には、そのまま試運転に出て行った。
 きびきびと作業をしている様子はいかにも職人といった感じで、危険なダークホース的な匂いを漂わせていたものだ。

_mg_2051  10時頃、ピット奥の整備室にいたのは濱野谷憲吾ひとりだった。モーター本体を割って、調整しており、その作業は、1レースが始まる頃まで続けられていた。
 ただ、途中でその様子を再確認してみようとしたときには、ピストンをこすっているところが見かけられたので(おそらく、ピストンに付着したカーボンの汚れを取っていたものと思われる)、大がかりな調整をしていたわけではないだろう。そうして細かいところにまで目を配り、やり残しがないようにしていたのではないかと考えられる。
 整備室から出てきた濱野谷が、ゆっくりとピット内を歩いていたときは、集中した、いい表情になっていた。

_mg_2151  ピットに入ってなかなか姿が確認できなかったのが萩原秀人だった。
 そのため、私より早くピットに入っていた中尾カメラマンに、その姿を見かけたかどうかを訊いてみると、「早い時間に、装着場でボートとモーターの点検をしていたよ」とのことだった。
 1レース後には、今垣光太郎のエンジン吊りを手伝うために出てきていたが、その際に吉田俊彦と話している様子は、いかにも彼らしい独特のマイペース……。言葉で表現するのは難しいが、「普通に笑ったりするポーカーフェイス」といった感じで(矛盾した表現のようだが、感情のありかが掴みにくい飄々とした感じを持っている)、その様子はいつも通りだ。
 エンジン吊りの作業がひと段落ついたあとには、ヘルメットをかぶったままの今垣に何かを話しかけられて水面を見つめ、「そうですね」などと答えていたので、何かしらのアドバイスを受けていたのかもしれない。大舞台の経験はまだ少ない萩原だが、偉大な先輩が傍にいてくれ、力強いことだろう。

_mg_2124  優勝戦メンバーの中で、表情が少し気になったのは山口剛だ。
 最初にその姿を見たのはペラ小屋でのこと。同県の山下和彦と辻栄蔵に囲まれて作業をしていながら、隣りにいた横西奏恵の言葉にニッコリ! その笑顔は岡崎に負けないほどさわやかだった。
 いつも通りの彼だな……と嬉しくなったが、その後に山口を見かけるたびに表情が硬いような印象を受けたのだ。
 ただ、これが、結果とどう結び付くかはわからない。リラックスしていた岡崎にしても「今のところまったく大丈夫です」と言っていたように、どこかで突然、緊張で体が硬くなるかもしれないわけだ。逆に、緊張しているように見えた山口がどこかで吹っ切れる瞬間を迎えるかもしれないし、それは本人にもわからない部分……。そしてまた、そうした緊張やリラックスが結果にどう結び付くかも紙一重のことになる。

 ピットではいつも、選手たちの表情が気になるが、今朝は、いつも以上にそんな部分が気になった。
(PHOTO/山田愼二 TEXT/内池久貴)


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H記者の「穴・獄貧」最終日

 準優で真っ白な灰になってしまったHです。マッチ売りの少女のごとく最後の淡い灯火を求めつつ(←単なる金策)、獄貧予想をアップすることにします。私とともに血まみれになった人なら、もうおわかりでしょう。ターゲット選手は、あのふたりしかおりません!

6R
 ①安田政彦
★②今垣光太郎
 ③坪井康晴
★④田中信一郎
 ⑤井口佳典
◎⑥赤岩善生
進入123/456か126/345

 最後の最後まで勝てないのか、赤岩?? ここ2日も成績よりはるかに素晴らしいパワーであることは明白なんです。展開不問、常に一走入魂のこの男が、6号艇でラストミラクルを起こしてくれると信じましょう。「最終日の一般戦は人気の準優組を軽視しろ」が穴党の鉄則。1号艇でぶっ飛んだ坪井とVだけを目指してきた井口を思いきって蹴飛ばし、今垣と信一郎で勝負。

3連単★6-24-全

9R
 ①中野次郎
★②池田浩二
★③魚谷智之
 ④古結 宏
◎⑤岡本慎治
 ⑥海野ゆかり
進入123/456

 最後の最後まで勝てないのか、岡本?? 昨日は5カドから握って握って池田のためにいい仕事をしてたし、展開ひとつで突き抜ける足はあるはずなのだよ。自力まくりか、4カド古結×イン次郎がやり合ってる間にまくり差し。なんだか2、3着のような気がして仕方がないのだけど、意地のアタマ決め撃ち勝負! ヒモはどこでもツくので「最終日は人気落ちの銘柄級」の鉄則に乗って池田と魚谷へ。

3連単★5-23-全

 これが当たれば、優勝戦のあの男で起死回生の帯封を狙うどーー!! その最後の獄貧予想は後ほどアップします!


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昨日の水神祭! アップ遅れてすみません!

_u4w8510 昨日は水神祭が一本ありました。準優日はドタバタしており、アップが遅れてしまいました。皆様、そして西川新太郎選手、ごめんなさい!

_mg_1627 昨日の2Rで6コースからとてつもないスピードでマクリ差しを決めた西川新太郎。2走目の7R後に、愛知勢、三重勢を中心としたメンバーにより水神祭が行なわれました。ワッショイスタイルで持ち上げられた西川選手、まるで投げっぱなしジャーマンを決められたみたいな態勢で水面に吸い込まれていきましたよ。開会式では未来を担う若手たちにとっての「自分のような者でもここに来れた」という指標になりたいと語った西川選手ですが、その舞台で水神祭をあげられたことはさらなる勇気を後輩たちに与えたはず。_u4w8514 もちろん西川選手も、またSGでお会いできるのを楽しみにしてますよ! おめでとうございました!(PHOTO/池上一摩)


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最終日! 歴史的優勝戦!

おはようございます。総理大臣杯、最終日を迎えました。優勝戦です! ニューヒーロー誕生なるか、王者がそれを阻んで貫禄を見せるのか、東都のエースが平和島のスタンドを爆発させるのか。これほど興味深く、大きな意義のある優勝戦はそうそうお目にかかれません! 歴史的瞬間を目撃できたとしても、本物の強者の強さにうち震えたとしても、本物の地元の意地を感じたとしても、興奮間違いなしの優勝戦ですぞ!

2010_0320_0588 そんな日に、もうひとつ期待したいのはこの人の水神祭です。がんばれ、安達裕樹! 今日の2回乗り(1、5R)をおおいに注目しましょう!(PHOTO/中尾茂幸)


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平和島総理杯 準優ダイジェスト

3艇のボックスロワイヤル

10R
①坪井康晴
②山口 剛
③辻 栄蔵
④三角哲男
⑤萩原秀人
⑥吉川元浩
進入123/456

2010_0321_r10_0702  だから準優はやめられない。凄い2着争いだった。まずは勝った山口について触れておく。インの坪井が早めに握って流れたところをズバッと差しきった。冷静沈着、見事なハンドルワーク。さすがF2で新鋭王座をイン逃げした男、腹が据わっている。と、思ったのだが、やはりSGの準優はすんなりとは終わらない。
 バックで2艇身突き放し、後続は混戦模様。2マークを普通に回れば完勝という場面で、山口はターンマークを外しつつ全速でぶん回した。
「バックで先頭に立ってから、今まで感じたことのない緊張がやってきた。指が震えました」
2010_0321_r10_0709  明らかな握りすぎで流れる流れる。勇躍、坪井の鋭角差しが山口の背後を脅かした。伸びの差でかろうじて1艇身差をキープした山口は、今度は2周1マークで第2のイージーミスを……ターンマークを5m以上もオーバーしてから旋回したのだ。外した、というレベルではない。救助艇を回避するような抱き回りだった。が、信じられないことに、競っていた坪井がさらに大きなオーバーランをしてしまった。ターンマークを狙っていれば、軽く逆転していただろう。今年最初のSG準優……ふたりのターンミスが、逆にそのヒリヒリぶりをストレートに感じさせる。とりわけ、坪井にとっては痛恨のターンだったな。山口との差を広げられた上に、最短距離をクルリと回った三角にピッタリ並ばれた。さらに一度は圏外にぶっ飛んだ萩原まで息を吹き返した。3艇は最後の最後まで2着を奪い合い、大逆転でファイナルの座をもぎ取ったのは萩原だった。3着、三角との差は30センチ。
2010_0321_r10_0733  VTRで改めてこの灼熱のレースを観戦したのだが、道中での順位は215、251、214、241、245、254と変化している。2アタマから145のボックスを買っている人は「どれでもいい、高目が来い!」と楽しく観戦できただろうが、ヒモを絞っている舟券師にとっては、活きた心地のしない1分半だったはずだ。それくらい、凄かった。山口や坪井の人間臭いミスも含めて、今年のベストバウトのひとつに挙げるべきレースだろう。
 パワー評価的には、坪井はターン回りでちょっとずつ引き波を超える力が足りなかった。三角はストレートで迫力を欠いた。萩原も伸びはチョボチョボだったが、サイドの掛かりは他の2艇を圧倒していた。前節、加藤峻二がくるくる回って大穴を2度も提供した回り足は健在だった。優勝戦の6号艇でこの足が生かせるかは微妙だが、引き波を超える力は十分にある。
 勝った山口の足はバランス型ですべてが上位。突き抜けるような破壊力はないが、どこからでも動ける機動力はかなり魅力的ではある。

通過点の優出

11R
①岡崎恭裕
②湯川浩司
③濱野谷憲吾
④吉田俊彦
⑤福島勇樹
⑥瓜生正義
進入123/456

2010_0321_r11_0875  10Rの3艇バトルロイヤルほどの激戦ではなかったが、スタンドの熱狂ぶりはこの11Rのほうが勝った。あの男がいたからだ。枠なり3対3。スリットからスッと覗いた湯川が外をたっぷり焦らしてから差しハンドルを入れた。そのハンドルが入ったのと、濱野谷が豪快に握ったのはほぼ同時。3コースでの2番差しもままある濱野谷だが、まったく迷いはなかった。今節の濱野谷はとにかくアグレッシブだ。
 グオォォォ!!
 そのツケマイがギリギリ届いて逃げる岡崎と併走になったとき、歓声は轟音に変わった。ここは平和島、観衆のほとんどが赤いカポックを見ていたはずだ。その併走する2艇の内からスルスルと黒いカポックが忍び寄った。バックで内の艇が驚くほど伸びるのも平和島。湯川は岡崎を捕まえかけた。半艇身でも舳先を入れてしまえば、大勢は決する。湯川と濱野谷に挟まれた岡崎は、おそらく何もできなかったと思う。
2010_0321_r11_0922  が、そこからの岡崎の伸びはどうだ。湯川とて5本指に入る伸び足だというのに、あっという間に突き放してしまった。「節イチってのは、こういう足ですよ」というお手本のようなパワー。2マーク、岡崎は追いすがる湯川を力ずくで叩き潰した。2番手には、機敏に差した濱野谷。歓声が拍手に変わる。まだ後続とは1艇身ちょいなのに、拍手の渦。ここは平和島。こうなれば、相手が湯川であっても絶対に抜かれないことをファンは知っている。いや、信じている。濱野谷のターンは正確無比だった。完全に2番手を取りきったとき、またスタンドは拍手の音で埋もれた。
 岡崎のパワーはもう語る必要もないだろう。本人が「これで優勝できなかったら恥ずかしい」とまで言い切る足だ。一方の濱野谷はそのすべてにおいて劣っている、と思う。すべてにおいておいて劣っているけど、ここは平和島だ。
 東都のエース濱野谷憲吾の優出で「最低限のノルマを果たした」と安堵するファンもいるだろう。だが、私はまだ許さないぞ。枠が遠くても、パワー劣勢でも、濱野谷のノルマは優勝以外ありえない。松井との直接対決を制し、西日本に傾きすぎた勢力図を東に揺り戻してこそ艇界は真に盛り上がる。優勝以外は元の木阿弥、何の意味もないと私は思っている。ここは、平和島なのだ。

終わってみれば……

12R
①深川真二
②井口佳典
③松井 繁
④前本泰和
⑤今坂勝広
⑥服部幸男
進入12345/6

2010_0321_r12_1094  スタンドは2度沸いた。最初は服部が単騎で艇を引いたとき。何かが起きそうな予感に、スタンドは騒然とした。が、次にスタンドを沸かせたのは服部ではなかった。バックで先頭を走っていた深川がそろ~り艇団を離れたとき。驚嘆、悲鳴、罵声、歓喜、そんな喜怒哀楽の混じった音が響き渡った。予選トップの深川真二、痛恨のフライング欠場。
 あとは……王者の進軍を誰もが当然のことのように見守っていた。
「やっぱ松井だよ~~」
「結局は王者か」
 そんな声があちこちから聞こえた。そう、見慣れた、見慣れすぎた光景なのだ。終わってみれば、松井繁。なんだかんだで王者の優出。実際には、低いハードルではなかったはずなのだが……1マークで松井は井口にツケマイを浴びせ、並ぶ間もなく引き波に沈めていた。それでとりあえず2着を完全に確保してしまった。そこがもう、なんというか松井の恐ろしいところだ。ほとんど半周だけのレースだったが、今日のパワーが図抜けて良かったようにも見えたし。スリットからグリグリ伸びて、相手を威圧する足。その足がなければ、井口をあれほど簡単に叩き潰せるわけがない。エース47号機が、完全覚醒したような気がする。
2010_0321_r12_1140  単騎ガマシで観衆を沸かせた服部は、スタートで届かず大敗。また同期の背中を見るにとどまった。そして、同じ静岡支部の今坂が最後のチケットを手に入れた。菊地、坪井、服部らが敗れても、まだまだ秘密兵器がいるぞ。そんな静岡の底力を見せつけたともいえる。パワーはまだ把握しきっていないのだが、初日に弾き出した1分45秒8はそのままシリーズレコードとして今も君臨している。一発ドカ~ン!!がありそうな不気味さを漂わせるパワーではあるな。
 嗚呼、それにしても、「終わってみれば……」。私はこのセリフを何度書いてきたことか。そして明日、2日連続で私はこのセリフを真っ先に記すことになるのだろうか。(Photo/中尾茂幸、Text/H)


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THEピット――時代のトビラは開くのか

2010_0321_0231  やはり目を奪われてしまうのは、岡崎恭裕だった。準優1号艇、23歳の若者が、そりゃあ緊張しないわけないだろう。9R前、競技棟入口のベンチにぽつんと一人すわっていた岡崎は一瞬、両手で顔を覆って、上体を曲げるしぐさを見せた。ああ、やはりプレッシャーと戦っているのだ……遠目にはもちろん、そう映るわけである。
2010_0321_0277   装着場の岡崎のボートの隣では、瓜生正義が最後の調整、点検を行なっていた。瓜生は岡崎と同じ11Rに6号艇で出走する。いわばライバル。いわば強敵。だが、岡崎にとっては、頼りになる先輩でもある。岡崎は、もう何もすることはないというのに、自分のボートへと足を運んだ。そして瓜生に話しかける。瓜生はモーターと向き合いつつ、終始笑顔で岡崎に応える。岡崎の顔にも笑みが浮かぶ。そのあとも、岡崎が瓜生と会話をしているシーンは何度か見かけているが、それは先輩の優しさに触れることで緊張感を紛らしている場面のようにしか見えなかった。
 9Rが終わり、準優10Rのスタート展示も終了。水面は一気に静けさをたたえる。すると岡崎は、試運転用係留所に降りていって、一人座り込んだ。まるで春の河原でたそがれているかのように、しばし水面を眺め続ける岡崎。やっぱり緊張しているんだろうなあ、いや、これはメンタルトレーニングかも、あるいは特に何も考えずにゆるやかな時に身を任せているのか……。いずれにしても、準優の本命を背負っている選手の行動としては、実に珍しいものであった。

_u4w7720  10Rは、山口剛が1着、萩原秀人が2着と、同レースで若いほうから2人の優出となっている。とりわけ、いったんは4~5番手に下がりながら、強烈な回り足で3周2Mで逆転した萩原の周囲では、皆が上気して祝福するシーンが見られている。ボートリフトに真っ先に出迎えに行った今垣光太郎が、萩原に向かって嬉しそうに拍手を送る。今垣は、萩原のモーターを整備室に運ぶ途中でこちらに気づき、やはり嬉しそうに目を見開いて喜びを表明していた。かわいい後輩の熱戦、快挙は光ちゃんの心をも躍らせていたのだ。松井繁も、満面の笑顔で萩原の背中をポンと叩いていた。松井もその腕っぷしを認めたのかもしれない。そんななかで、表情をほとんど変えなかったのが、当の萩原本人だったのだから不思議なものだ。まあ、大はしゃぎするようなタイプではないだけに、胸の内が表に出ていないだけだとは思うが。その後の会見でも、萩原は淡々と質問に答え、淡々と会見場を後にしている。
2010_0321_0216  山口は、先頭に立った瞬間、緊張していたそうだ。2周目に入って2番手を走っているのが白のカポックなのか黄色のカポックなのかもわからなかったそうで、次のターンマークでキャビったことが後続に迷惑をかけたのではないかと心配した山口は、レース後すぐに萩原に謝りにいったそうである。リプレイを見ていただければおわかりのとおり、そのとき2番手を走っていたのは、白いカポックの坪井康晴である。
 ただ、山口のレース後の表情からは、そうした浮足立ったところは少しも感じなかった。笑顔は見せていたものの喜びを爆発させるという雰囲気ではなく、山下和彦ら先輩の祝福を穏やかに受け止めていたのだ。会見でも、また会見後のピットでも、まるで優出を確信していたかのような落ち着きぶりで、これが2度目のSG優出とは思えない泰然としたたたずまいなのである。
 4000番台の二人が優出を決めた10R。この時点で新時代のトビラが開き始めていた。

_u4w8195  11R、岡崎恭裕が逃げ切った。1マークでは湯川浩司の差しが入っていたように見えたが、そこからのアシは岡崎のほうがはるかに上回っていた。
 レース後の岡崎は、やれやれ、といった感じで苦笑を浮かべていた。レースぶりには満足していないようで、パワーに助けられて勝てたと認識していたようなのだ。それはやはり、プレッシャーの影響ではなかったのか。何しろ、スタートは遅れたと思ったといい、しかし実際はコンマ10のスタートを決めているのである。行きアシのいい湯川にのぞかれたことで慌てた部分もあったに違いなく、レース後の苦笑はそんな自分に向けられたもののはずである。
 それでも、瓜生が嬉しそうに祝福にやってくると、岡崎の顔はほころんだ。レース前にもレース後にも見られた二人の信頼関係は、実に気持ちの良いものであった。
2010_0321_0425  レース直後については、岡崎以上に印象深かったのは濱野谷憲吾だ。2着で優出を決めて、地元の大エースとしての責任は果たした。だが……ベイパイレーツのメンバーとともにボート洗浄をしている間、濱野谷からは歓喜も安堵もまるで感じ取ることはできなかった。濱野谷はその間じゅう、顔をしかめていたからである。怒りを表明しているようにすら見える表情には驚くしかなかった。と同時に、2着ではまるで納得していない様子も感じ取れた。飯山泰とも中野次郎ともほとんど会話を交わすこともなく、黙々とボートを磨く濱野谷。これまでには見たことのない姿だ。会見で、「①(岡崎)は出てるね。ビックリした」と苦笑しているのだが、そのパワー差を突きつけられたことも濱野谷を不機嫌にしていたのかもしれない。

_u4w7985  12R、深川真二がフライングを喫した。予選1位のプレッシャーに押しつぶされたとは思えない。レース前も涼しげな表情で作業をしていたし、仲間に声をかけられては男らしい笑顔を見せてもいた。吉田俊彦が仕上がりについて泣きを入れてきたときも、深川は優しげな顔で吉田を励ましているのである。プレッシャーがあったとするなら、好スタートでのぞいてきた松井繁の存在だったかもしれない。赤いカポックが右手に見えたら、レバーを握る手はなかなか緩みづらいものだろう。
 真っ先にピットに戻ってきた深川はさすがに悄然としている様子だった。出迎えた仲間たちも、重い空気に声をかけるのもためらわれるようだった。その輪に、同じ九州の岡崎も加わっていた。深川が脱落したことで、岡崎は優勝戦1号艇が確定している。もしこれが、単なる先輩の敗北で転がり込んできたものだったとしたら、ひそかに喜ぶくらいのことはできたかもしれない。しかし、この結果では……岡崎は自身の幸運などひとかけらも頭にないかのように、表情を硬くしていた。
_u4w8042  12Rの1、2着は松井繁と今坂勝広。今坂はSG初優出で、レース後はさすがに笑顔を見せていた。昨年の最多優勝男が総理杯優出。これは大きな大きな意義がある。
 意義があるというなら、さすがのレース運びを見せた松井が優勝戦にいること。これはこの優勝戦においては、とてつもなく大きな意義があることだと思う。1号艇に新鋭世代のスーパールーキー。2号艇にも4200番台の27歳。内枠を若手が占めるなか、王者と呼ばれる男が赤いカポックを着るのである。
2010_0321_0309  時代のトビラを開けようとする若者に立ちはだかるのは、艇界の頂点に君臨する男。この総理大臣杯はまさしく、世代闘争の場となったのだ。岡崎がニューヒーローとなるのか。山口が新時代の旗手となるのか。内枠で緊張感に包まれながら戦う若者二人。この二人に対峙する競艇界の絶対王者(その外には濱野谷もいるのだから、強烈な対決だ)。この戦いは、間違いなく明日の競艇界を占う大一番となる! そうした意識があるのかないのか、レース後の松井はいつもの松井であった。たたずまいの迫力はやはり若者たちより一枚も二枚も三枚も格上。松井がそうしてそこにいることは、ただそれだけでニューウェーブたちにはプレッシャーになる。そして、競艇の何たるかを知る手がかりになるだろう。

_u4w8678 会見などもすべて終わり、岡崎と顔を合わせた。気になっていたことを尋ねた。9R前の、係留所で一人水面を眺めていた、あのシーンだ。
「ああ、あれは風を見ていたんですよ。今日はコロコロ変わってましたからね。どういうふうに変わったりするのかを観察していたんです」
 冷静に準優での戦術を組み立てていたというのか。この男なら、本当に時代のトビラを思い切り開け放つことができるかもしれない。(PHOTO/中尾茂幸=岡崎1枚目、瓜生、山口、濱野谷、松井 池上一摩=岡崎2枚目3枚目、萩原、深川、今坂 TEXT/黒須田)


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優勝戦メンバー確定!

優勝戦のメンバーが確定しました。1号艇はスーパールーキー! そして2号艇にも安芸の若武者! 90期台が内枠を占め、その外に王者と地元大エースがいるという興味深い一戦になりました。

①岡崎恭裕(福岡)
②山口剛(広島)
③松井繁(大阪)
④濱野谷憲吾(東京)
⑤今坂勝広(静岡)
⑥萩原秀人(福井)


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THEピット――平和だなあ~

2010_0320_0151  出足は新田雄史のほうが上だった。すたすたすた。新田が先行する。しかし、行きアシから伸びは中野次郎が超抜! ぐんぐんと加速して新田に追いつくと、一気に抜き去ってしまった! 中野次郎、1着!
2010_0320_0157  ……そんなレース、今日はやってませんか、そうですか。いや、ピットでは次郎vs新田の壮絶なデッドヒートが繰り広げられていたのだ。コースは競技棟入口あたり→整備室。今日はプロペラの中間検査が行なわれる日で、選手班長の三角哲男が競技棟入口のベンチで休憩していた新田を呼びに向かった。声をかけられた新田はすたすたと走り出す。すると、三角のお手伝いをしようと次郎が猛然と走り出し、新田を追い抜いて整備室に駆け込んだ、という次第。まあ、まったくレースではないんですけどね。
「次郎、忙しいんじゃないのか?」
「大丈夫でーすっ!」
 そう叫びつつ、猛然たるスピードでピット内を駆け抜けた次郎なのでありました。

2010_0320_0493  とまあ、そんなシーンに心奪われるほど、ピットの空気はなんだか平和なのである。いや、誰もがのんびりしているというわけではない。むしろ準優組の始動はいつもより早いくらいで、1R前には松井繁や吉川元浩、井口佳典のボートがすでに係留所につけられていたのだ。2R前には、坪井康晴、岡崎恭裕の1号艇が相次いで着水。調べたわけではないのであくまで印象として、だが、準優日に朝も早くからボートを水面に下ろすのは、少しでもパワーアップをはかって一発逆転ともくろむ外枠組が多いように思う。機力優勢の1号艇は比較的ゆったりと始動することが多く、それがかえってパワー万全、不安なし、ということを強く印象付けたりするものだ。
_u4w7770  今日は、気温は昨日とほとんど変わらないが、気圧がぐぐんと下降している。まったく体感できないのだが、だからこそ選手にとっては一大事。早くから手応えを確かめる必要があるのだろう。だから、昨日までどれだけパワー上位であろうとも、油断するわけにはいかない。それが全体的に早めの行動開始、という状況を作っているのだろう。そんなふうに推測しつつピットを眺めていたら、「っす~」と言いながら黒いカポックが目の前を通り過ぎてボートリフトへと向かっていく。これは湯川浩司語で「おはようございます」という意味。っす~、と返しながら、2号艇もやっぱり早い始動だと改めて感心したのであった。
 という感じで、選手たちの動きはなかなか素早いし、空気にざわめきもある。準優らしいといえば、たしかに準優らしい、のである。だというのに、なんか平和なんだよな~。春うららの陽気だからだろうか。
2010_0320_0336  1R、鎌田義が4カドから強烈な1着。初日Fなど苦戦続きだったカマギーにようやく1着が出た。こうなると、近畿勢は盛り上がる。ボートリフトの手前でカマギーが見得を切ると、出迎えた松井繁、吉川元浩らが大爆笑だ。陸の上に引き上げて、1回乗りの鎌田のボートは洗剤を使って洗浄される。その間にも、近畿勢はずっと笑っていて、吉川も笑顔を絶やすことがなかった。いちばん笑っていたのは魚谷智之で、心からおかしそうに、まさに腹を抱えるという感じで顔をくしゃくしゃにしていた。
 いや~、平和だなあ~。
_u4w7440  2R、西川新太郎が念願の初1着。愛知勢が出迎えるより先に、山下和彦がボートリフトの最前列まで歩いて行って、パチパチパチと祝福の拍手。山下はニコニコと笑いながら、柏野幸二のエンジン吊りに向かう。
 いや~、平和だなあ~。
 この空気が、準優時にはどう変わるのだろうか。(PHOTO/中尾茂幸=新田、中野、坪井、鎌田 池上一摩=湯川、山下 TEXT/黒須田)


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H記者の「本命・獄選~裏目千両編~」

 万太郎が8本も飛び出したのに……showさんの後を追って北の最果ての地に消え去りたいHです。私の“前検ファミリー”たちの予選成績をまとめると

SS岡本慎治 予選落ち(次点)
SS赤岩善生 予選落ち
S井口佳典  12R2号艇
S辻 栄蔵  10R3号艇
A岡崎恭裕  11R1号艇
A木村光宏  予選落ち
A三角哲男  10R4号艇
A田中信一郎 予選落ち
A湯川浩司  11R2号艇

 S~Aランクはソコソコ胸を張れる活躍だったと思うのですが、SSのふたりが……(号泣)で、期待はずれだったこのふたりが1・2号艇に鎮座ましますのが8R。ここはもちろん一騎打ちしか考えられないっすーー!!

8R
○赤岩善生 1コース時/まくられ敗率1%!! 差され敗率13%
◎岡本慎治 2コース時/まくり勝率13% 差し勝率29% 逃がし率23%
 山下和彦
△横西奏恵
 白水勝也
 芝田浩治
進入123/456

「艇界一インでまくられない男」が何を隠そう赤岩です。1年間でまくられるのは1回くらい!! まくられるくらいなら差されて死ぬ、という典型的な義侠タイプなのですな。今節の2日目もまくらせなかった代わりに2コース深川の差しを浴びておりました。
 一方、2コースの岡本は差しが基本。差し勝率29%は今日の2号艇12人中のトップ。そして、2コースに入るとイン選手をあまり逃がさないタイプでもあります。逃がし率23%は同12人中最小数値。(←データはBOATBoy誌4月号より)
 となると、SSふたりを狙う私の勝負舟券はおわかりでしょう。赤岩が握って先マイしたところを岡本が差す! 裏目千両の2-1勝負で、1-2は押さえに回します。3連単にはいかにも3着足な奏恵ちゃんの3ヒモで。

2連単★本線2-1、押さえ1-2
3連単★2=1-4

『穴・極貧』地雷をセットするはずの準優予想は8R頃にアップします。しっかし、今日も1Rからウルトラ万太郎3連発だというのに、こんな舟券を買ってる場合なのだろうか。うりちゃん、憲吾郎どの、そしてアマレース界のぶち込み王子?丼口さん、ほんにすいまっしぇん><


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5日目! 準優勝戦!

おはようございます。総理大臣杯、準優勝戦の日を迎えました。今年最初のSGウィナー誕生へ、秒読み段階ですよ!

2010_0320_0271 岡崎恭裕が準優1号艇、ニュースターの誕生が期待されますが、ニュースターといえば、今年1月、尼崎周年でGⅠ初Vを果たした吉田俊彦も忘れてはなりません。一気にSGもぶっこぬいて、尼崎の星になれるか!?(PHOTO/中尾茂幸)


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平和島総理杯TOPICS 4日目

 万太郎が8本???? SGタイ記録の万シュー台風が吹き荒れた勝負駆け4日目。強い追い風の水面でも寒い私の財布の中でも、いろんなことがありました、はい!

ユーキ100倍!怒涛のピンピン突破

2010_0320_0202  これがベイパの底力だ! 準優進出へ崖っぷちに立たされていた東京支部の福島勇樹。2走で18点(1・2着)以上を奪うには厳しい枠だったが……
 まずは4号艇の3Rでキッチリとブイ差しを決め、10点ゲット。勝率を5・60まで引き上げて後半に望みをつなぐ。2着条件の8Rは5号艇とさらに苦しい境遇だったが、1マークで平和島の水神様がにっこり微笑んだ。4カドの赤岩善生が伸びなりに絞りまくり、インの安田政彦とゴッツンコ。火花が散るような大競りが生み出したのは、地元・福島に捧げる広大な花道だった。そのVゾーンを通っただけで後続との差は5艇身。「申し訳ないくらいの展開一本でした」と頭を掻いたが、マーク差しのズッポリ圧勝劇も競艇の醍醐味だ。平和島名物トレジャーゲットのみならず、再度の10点ゲットで準優の5号艇までゲットしてしまった。
 今節の福島はいつもの行き足にはほど遠いレベル、展開を突いてなんとか捌くというレースぶりは今日も同じではあったな。準優でも展開待ち、というのではいかにも苦しい。できる限り行き足~伸びを付けて、スリットから一気に叩く「福島スタイル」に持ち込めるかどうか。それが優出への分岐点だと私は思うぞ。

35歳の快進撃、深川トップ通過だ!

2010_0320_0079 昨日まで予選3位だった深川真二だが、そこからさらに飛躍してトップになると予想したファンは少なかったはずだ。今日は6号艇の1回走り。内枠には今垣光太郎や田中信一郎などの猛者がいて、いかにも苦しげな9Rだった。
 が、深川には兄貴分・火の玉ジョー(上瀧和則)譲りの飛び道具がある。ピットアウトからぐんぐん加速して3コース奪取。そして、そこからが凄い。4カドから握ってガンガン攻めてきた岡崎恭裕をガツンと激しくブロックし、その反動を利用するように舳先を急転させて内の田中を攻め潰してしまったのだ。決まり手はもちろん「まくり差し」なのだが、私の目には「ダンプ差し」に見えた。闘志とパワーが両立しなければありえないような大技……。
 前検の足合わせ、私の深川評は「まったく平凡、中堅より下かも」という感じだった。初日も目立たない4着で、予選突破も難しいと予測していた。が、私がやまと競艇学校に出張した2日目からいったい何が起こったのか。9Rのダンプ足は前検とは別次元のパワーだった。そして、気づいてみれば予選トップのポールポジションだ。
 去年の6月、デビューから16年8カ月ではじめてGIを制した遅咲きのスター。ひとつの契機が人生の流れを変えることもある。今年しょっぱなの地元GIも制してさらなる波に乗り、ついにSGタイトルにもっとも近いポジションに立った。準優~優勝戦を逃げきるのは並大抵のプレッシャーではないが、16年の下積みで培った精神力で克服する可能性は高い。男は三十半ばから……脂の乗りきったガバイレーサーの腕と度胸を見守りたい。

10R/絶品の瓜差し、一撃で準優ゲット!

2010_0320_0238  もうひとり、九州男児が平和島の水面で鮮やかに舞った。エンジン出しに苦労している瓜生正義は2着条件の勝負駆け。舞台は井口佳典、太田和美、池田浩二の大物が顔を揃える10Rの5号艇だ。う~ん、さすがの瓜生でも2着はきついか、消すべきだろう、などと思っていた。あくまで思っただけ。9Rで完全にタマ切れした私(170円くらいはあったけどw)は、ただ思うことしかできなかった。
 が、捨てる紙あれば拾う神さまあり。ある先輩舟券師が私の極貧ぶりを目ざとく察知した。
「どうした、苦しいのか、注射しようか」
 言いながら、諭吉をチラチラさせる。
「ちゅ、注射~!」
 一も二もなく、私は腕を差し出した。
「その代わり、わかってるだろうな」
「はい」
 諭吉を注射された以上、先輩のアドバイスを守らねばならない。それが私と先輩の暗黙の掟なのだ。
「ワイドだ」
「は、はいぃ?」
「ワイドを買え。軸は瓜生、この枠でもアイツなら3着にはきてくれる。2着勝負駆けならなおさらだ。井口と池田への3-5、5-6のワイドだ。金額の配分はお前に任せる」
「ワイドって、あのワイドっすか」
 当たっても2倍とか3倍にしかならない、あのワイドである。世界一まどろっこしい舟券である。
「そう、あのワイドだ。イヤならいい、注射はなしだ」
 私は必死に反撃した。
「せ、せめて、35絡みと56絡みのボックスを全通り買わせてください。意味はワイドと同じでしょ。35のマルチを200円、56のマルチを100円で計7200円で勝負、ね!」
 借りたカネだと途端に気が大きくなるのが私の特性である。が、先輩は私の懇願を一蹴した。
「ダメだ、今日丸坊主のお前に3連単なんか当たるはずがない! あくまでもワイドだーー!!」
「あの、そのマルチボックスが外れるなら、ワイドも外れるんですけど……」
「バカ、俺はお前の運気の流れを悟って言ってるんだ、今日のお前はワイドしか当たらん!!!!」
 結局、私は3-5のワイド2000円と5-6のワイド1000円の舟券を握り締めて10Rを見ていた。そして……瓜生のまくり差しの凄かったこと。同体の4コース太田を一瞬にしてツケマイの引き波に沈め、そのままバックで突き抜けた。
 やっぱ瓜生、凄い。
2010_0320_0248  惚れ惚れしながら、そのターンを見ていた。レース前に「消し」なんて考えたけど、この男は何コースでもどんなに劣勢パワーでも舟券から外せないな。素直に思った。そして、「瓜生だ」と言い切った先輩の慧眼にも感謝した。
 だが、しかし!! レースが終わって配当を見た瞬間、私は背後にいた先輩を思い切り睨みつけた。先輩は指をもじもじさせながらソッポを向いている。
3連単5-2-3 19720円
拡連複(ワイド)3-5 280円
 ワイドが的中して、私の儲けは2600円だった。で、もし35のマルチボックスを200円買っていれば、配当金は39440円。プラス32000円ほどの勝利だったのだ。
「あのぉぉ、先輩……」
「おめでとう」
 先輩は背中でこう呟き、あっという間にいなくなった。(Photo/中尾茂幸、Text/H)
※なんだか話が脱線してしまった。超カッコ良く勝った瓜生、すまんです。うりちゃんはじめ全国の瓜生ファン、ごめんなさい><


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THEピット――とっても静かな勝負駆け

2010_0320_0640  野暮用などもあって、午後のピットに入ったのは11Rの展示が終了した後。すでに閑散とし始めており、それもそのはず、帰宿バスの第一便がすでに出てしまったあとなのであった。誰が乗ったのかはもちろん確認できていないが、ピットで姿が見かけられる選手は少なく、勝負駆けの大詰めとは思えないほど空気は止まっている。声が聞こえてきたのは、屋外ペラ調整場横にあるベンチにいた湯川浩司くらいであって、どうやら井口佳典らに何か話しかけては爆笑しているようであった。
_u4w7766  湯川は12Rに出走するものの、準優は無事故完走で当確。まあ、リラックスしてレースを迎えることのできる立場である。ようするに、その時点でもう、湯川と似たような立場の選手が多く、それも空気をゆるやかにしていた要因だったと言えるだろう。11、12Rで19位以下から逆転できる可能性があったのは11Rの前本泰和と魚谷智之のみ。反対に、18位以内から予選落ちの可能性があったのは、12Rの辻栄蔵と山口剛で、ともにシンガリ負けの場合のみ。その他の出走選手は無事故完走で当確か、ベスト18入りが絶望の選手。今日の出走を終えている選手たちも、ボーダー付近で相手待ちという選手はほとんどおらず、結果に一喜一憂することもない状況だった。
2010_0320_0708  ちょっとしたドキドキ感を抱えていたとすれば、岡崎恭裕だろう。9Rの2着で準優入りを確実としていたのだが、なんとこのとき、準優1号艇が転がり込んでくる可能性があったのである。スーパールーキーが準優で白いカポック! モーター架台などを準備している岡崎から、そうした緊張感のようなものは伝わってはこなかったものの、もちろん認識がなかったわけではあるまい。結果的に、岡崎は予選2位で準優1号艇となったのだが、瓜生正義が「どうなった?」と聞いた際、即座に首をタテに振っているのだから、やはり気になってはいたはずである。
2010_0320_0638  ただし、岡崎は自力で1号艇となったわけではなかった。12Rで濱野谷憲吾が3着以上、湯川浩司が1着なら、予選4位となっていたのだ。12Rを迎えて自力で白いカポックを手にできる二人については、湯川はそれを知ってか知らずか、先述通りのリラックスぶり。濱野谷憲吾については、やはりそれを知ってか知らずか、厳しい表情を見せていた。ただし、濱野谷は今節を通して同様のたたずまい、準優のカポックの色うんぬんを気にしているとは限らない。ガツガツと勝利を追求しているというほどではなくとも、明らかに胸に何かを秘めた顔つきをしている、今節の濱野谷なのである。それを「地元SGへの思い入れ」「西高東低の状況に対する東都のエースとしての責任感」、ようするに「憲吾が本気になってる!」と僕は勝手に受け取ることに決めていて、そうした様子が12R前にも見られた、ということに過ぎないようにも思えた。

_u4w7843  11Rは前本泰和が1着で逆転ベスト18入り。魚谷智之は3着で、悔しい終戦を迎えている。6号艇という不利枠にも怯まず、バックでは伸びていく気配を見せていたから、やることはやったという充実感とともに、悔しい思いも強く感じていたはずだと思う。モーター返納から戻ってきた魚谷には、山本泰照さんがそっと歩み寄り、何度も何度も肩を抱くように叩いて、慰めの言葉を送っていた。魚谷も悔しさが混じった複雑な笑顔を向けながら、何度も何度もうなずいていた。
 さあ、これでベスト18の行方は、辻栄蔵と山口剛の結果いかんに絞られた。モーターパワーを考えれば、二人とも6着になるほうが難しいようにも思えたが、何が起こるのかわからないのが競艇。その時点でのボーダー18位は服部幸男の6・00。そして19位は、やはり6・00の岡本慎治であった。
_u4w7775  レースは、山口がイン逃げ。辻は3着。ということはつまり、レースを終えてピットに戻ってきた6名全員が悔しい予選落ちも逆転予選突破もなく、得点率こそ変動はあったものの、12R前のベスト18にはまるで変化のないまま、予選をすべて終えたということになる。
 もちろん、勝った山口は嬉しそうに笑顔を見せていた。4日目12R1号艇という大役を終えた安堵感もあっただろうし、1着で予選順位が跳ね上がったことへの喜びもあっただろう。
2010_0320_0787  辻はわりと飄々としており、最近の彼はレース後はおおむねこんな様子であるように思う。2着の湯川は、レース前の笑顔とは対照的に厳しい表情も見せてはいたが、それが大きな悔恨をあらわすものにはあまり見えなかった。濱野谷は目に入った限りでは淡々とした様子のように見えたが、一瞬だけ首をかしげる場面もあったりして、6着という結果に不本意なものを覚えていたのは確かなようだ。そんな濱野谷憲吾をずっと見たかったんだよな。
_u4w7637  とまあ、最後まで大きな波のない勝負駆けピットだったわけである。いつもいつも勝負駆けがドラマチックになるわけはないのだが、ここまで平穏な空気であるのもまた珍しいことだ。目についたのは、寺田千恵が岡崎のもとに駆け寄り、瓜生とともに声をかけていたこと。身ぶり手ぶり付きで笑顔を見せるテラッチに、岡崎も顔を思い切りほころばせる。準優1号艇の祝福なのか、それともプレッシャーがかかるであろう若者の心をほぐしているのか、その両方なのか、ともかく寺田の優しさが伝わってくるシーンであった。その後、岡崎に「1号艇っすね」と声をかけると、満面の笑みになって「頑張ります!」と返してきており、テラッチ&瓜生の心遣いはちゃんと効いていた様子。まあ、明日はまた緊張と戦い続ける1日になるのだろうけど。
_u4w7942  で、気になったのが、6・00ながら19位となってしまった岡本慎治。さぞかし悔しいだろう、と想像したわけだが……岡本の姿はピットにはなかった。きっと第一便で宿舎に帰ったのだろう。ま、仮に姿を見かけたとしても、普段から感情の起伏をあまり感じさせない方なだけに、淡々と仲間のエンジン吊りを手伝っていたんだろうけど。(PHOTO/中尾茂幸=湯川、岡崎、濱野谷、辻 池上一摩=前本、山口、魚谷、寺田、岡本 TEXT/黒須田)


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準優メンバー確定!

準優メンバーが確定しました。予選1位は深川真二。今年は地元でチャレカがあるだけに、気合が入りそうな準優1号艇ですね。スーパールーキー岡崎恭裕も1号艇! ニュースター誕生なるか。18位は服部幸男で6・00。岡本慎治が着位差で涙をのんでいます。

10R
①坪井康晴(静岡)
②山口剛(広島)
③辻栄蔵(広島)
④三角哲男(千葉)
⑤萩原秀人(福井)
⑥吉川元浩(兵庫)

11R
①岡崎恭裕(福岡)
②湯川浩司(大阪)
③濱野谷憲吾(東京)
④吉田俊彦(兵庫)
⑤福島勇樹(茨城)
⑥瓜生正義(福岡)

12R
①深川真二(佐賀)
②井口佳典(三重)
③松井繁(大阪)
④前本泰和(広島)
⑤今坂勝広(静岡)
⑥服部幸男(静岡)

※念のため主催者発表をご確認ください。


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THEピット――気候急変

2010_0319_0629  17℃ 41% 1005hpa
 ボートリフト付近に設置された温度計がそう記している。昨日一昨日あたりに比べて、気圧が10hpaほど下がっているが、これはさすがに体感できない。だが、気温の高さは誰もが実感している。昨日の最高気温をすでに突破しているのだから、こりゃ暖かい。そうした体感はもちろん選手も抱いているわけだが、だからこそ実際の数値を確認せずにはおれない。白水勝也がつつつっと温度計に歩み寄り、じーっと数字を見つめていた。けっこう長く見つめ続けていたのは、この気象の中での戦いをシミュレーションしているからだろう。
2010_0319_0714  このような、温度計を確認する選手、というシーンは、別に今日だけでなく、毎日見かけるものである。気象条件が機力におおいに影響する競艇というモータースポーツ、選手にとっては当然の行動である。ただ、今日は短時間の間に何人も何人も、そうした選手を見かけている。たとえば5分あたりの人数を数えたりすれば、間違いなく節イチの数字になるだろう。白水がその場を去った後、ほんの1分足らずで山下和彦、飯山泰、寺田千恵、新田雄史、前本泰和と5人も温度計の前に立ち止まったのだ。序盤レースに出走する選手が多いとはいえ、この多さは異常である。
_u4w7519  で、こんなに暖かいのに、岡崎恭裕がニット帽をかぶっているじゃないか。昨日まではかぶってなかったのに。こんな日にニット帽、頭がかゆくなりそうだけどなー。登番が編み込まれているから、ファンからのプレゼントかもしれませんね。
 もしかしたら、岡崎は髪型がほげほげになるのを気にしていたのかもしれない。というのは、風がめちゃくちゃ強くなってもいるのだ。なにしろ、ワタシのハゲ頭も風に揺れてぼさぼさになる(ウソ)。時折ピットにも吹き込む風は、なかなか厄介なのだ。
_u4w7702  1R前、ピットがにわかにざわついた。何人かの選手がダッシュで係留所に降りて行き、ほかの何人かの選手も係留所を覗き込んでいるのだ。なんと、係留所にあった井口佳典のボートが、風にゆらゆらと流され始めたのである。先頭を切ってダッシュするのはもちろん井口。それほど大きく流されたわけではなかったが、さすがに係留所からは手が届かないようで、救助艇が引き波を立てないようにゆっくりと近づいて、ボートを元の場所に戻していた。係留所から戻って来た井口はさすがにバツが悪そうにペラ調整所に戻り、たまたまペラを叩いていた松井繁がおかしそうに笑っていた。「今日は風が強いので、ヘルメットやカポックが飛ばされないように注意」というアナウンスも流れていたピット、まさかボートが流されちゃうとは。そんなことがありながら、4Rできっちり1着を獲るのだから、井口もさすがである。

2010_0319_0151  こうした気候の大きな変動は、選手に多忙な時間を強いることになる。機力が変わってくるので、調整に忙しくなるからだ。
 しかし、この人の整備は、気候とは無関係だったかもしれない。整備室を覗くと、今垣光太郎が本体を割っていた。昨日、パワーがなかなか向上しないことを嘆いていた今垣は「もうピストン系をやるしかないかもしれない」と言っていた。おそらく今日は朝から整備だろうなあ、と想像しつつ整備室に向かったわけだが、しかし今日の1走目は3R。時間がそれほどないのだから、どこまで整備ができるのか疑問ではあったのだ。光ちゃんの整備はやっぱり凄いっすね。短時間のうちに、本体を割り、部品も交換。直前情報によればピストン、ピストンリングだけでなく、シリンダーケースも交換しているのだ。大整備じゃないか! 2R前には展示ピットに移動しなければならないため、ほとんど試運転の時間もなく、着水しなければならなかった今垣。残念ながら結果には結びつかなかったわけだが、でも久々に“整備の鬼”っぷりを見たなあ、と感心させられたのだった。

 その今垣以外は、おおむねペラ調整に時間を費やしており、今朝のピットはそれほど大きく空気がかきまわされていたわけではない。平和島では2Rに掃海艇が水面にでるため、その時間帯は試運転をできないということもあるのかもしれないが、足合わせよりも陸の上での調整が中心、といった感じ。係留所で回転の調整をしている選手もあまり見当たらず、エンジン音もほとんど聞こえてこない静かなピットなのであった。
2010_0319_0795  そんななか、もっとも姿をたくさん見かけたのは、赤岩善生だったか。整備室でもその姿を見かけたし、装着場でももちろん。エンジン吊りでは言うに及ばず、気迫あふれる顔つきを保ったまま、右へ左へと歩く姿を確認している。準優はほぼ絶望になったが、そんなことは赤岩には関係ない。どんな戦いであれ、100%以上の力を尽くすのが、赤岩という男なのである。(PHOTO/中尾茂幸=白水、山下、今垣、赤岩 池上一摩=岡崎、井口 TEXT/黒須田)


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H記者の「穴・極貧SSバージョン」

 関門海峡に行くだけの体力もなく、若松で勝負するだけのタマもなく、そして有明の海苔になるだけの勇気もなく、すごすごと帰ってきたHです。どのツラ下げて、ではありますが、恥掻きついでに今日も極貧を2発セットしておきます。狙いはもちろん、いまだ未勝利の前検SSコンビ、です~><

3R
 白水勝也
★今垣光太郎
 太田和美
★福島勇樹
◎岡本慎治
 烏野賢太
進入123/456

 地力で勝てるだけの行き足がある(はず)し、穴党の合言葉「福島の外」にもはまる岡本が13号機の底力を見せつけます。見せつけろ、見せつけてくれ慎治~!! ウルトラ勝負駆けの光ちゃんと握って攻めたてる福島へ。

3連単★5-24-全

8R
 安田政彦
 菊地孝平
 大嶋一也
◎赤岩善生
★福島勇樹
★今坂勝広
進入312/456

 赤岩の前検SSは過大評価だったかもしれません。でも着順ほどの劣勢パワーとは思えず、準優消滅で人気がガタ落ちしたここは絶好の狙い目です。斡旋を絶対に断らず、どんなレースでも一走入魂を心がける男ですからね。大嶋が攻めれば攻めるほど楽な4コースになるし、菊地の外になりそうになのも好材料。センターから福島の攻めをブロックしてのまくり差しで初勝利を挙げてくれます。挙げろ、挙げてくれ善生~!! イン水域でしぶとく粘りそうな大嶋の2、3着付け。

3連単★4-3-全、4-全-3


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4日目! 2010年最初のSG勝負駆け

おはようございます。総理大臣杯4日目です。今日は気温が上がる予報、というかすでに上がっているので、選手は調整に大変でしょうが、春うららの一日になりそうですね。今日から3連休、行楽日和ではありますが、同時に競艇日和ですよ!

_u4w7114 前年度覇者の池田浩二は、本日2着3着の勝負駆け。簡単ではない条件を強いられています。吉川元浩や今垣光太郎、菊地孝平もかなり厳しいノルマであり、ドリーム戦組の苦戦が目立っております。今日は彼らの闘志が爆発する一日になりそうですぞ。(PHOTO/池上一摩)


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総理杯TOPICS 3日目

ピンピン! ニューヒーロー誕生へ!

 今日はこの若者に尽きるでしょう。
2010_0319_0213  岡崎恭裕、ピンピン連勝!
 7Rはカドマクリ一発。松永“ベイ吉”良一アナに、「マクリいっぱつ! 決まった!」の決めゼリフを叫ばせています。11Rは3コースマクリ差し一閃。辻栄蔵のふところをググイとえぐっています。
 H記者が前検で見立てたとおり、バランスがとれたいいアシをしている。メンタル的にも、むしろSGこそが己が舞台と信じて、イキイキとこの空気を泳いでいる。不安があるとするなら、猛者たちと比べてキャリアが浅いことでしょうが、それも今日の2連勝を見る限り、その穴は勢いで埋められそうに見える。
 とにかく充実一途! 今節の岡崎恭裕は、誰よりもきらめきに満ちた走りを魅せています。
 意義ある連勝だったと思えるのは、2つの勝利が趣きをやや異にしていたことにある、と私は思います。
 11Rのマクリ差しは、これまでの岡崎のイメージ通りだったと言えます。強烈な攻撃よりは、若手とは思えない卓越したターンテクニックで捌いて勝つのが岡崎らしさ。差し、マクリ差しのハンドルワークは新鋭世代では図抜けたものだし、今日の辻をつかまえたことで、SGでも通用する技術があることを証明しています。3コースからのマクリ差しは、2コースにツケマイを浴びせるような形で、さらに1コースの内を捉えるという高等テクニックで、11Rのように1~3コースがほぼ同体のスリットでは難易度がめちゃくちゃ高いもの。機力の裏付けがあるとはいえ、これを決めてしまうとはさすが岡崎。彼をこの位置にまで押し上げた原動力を、ハッキリと見せつけた一番と言えるでしょう。
 一方、7Rのカドマクリは、実は岡崎の体内にも獰猛なビーストが飼われていることを証明するものだった。実を言えば、岡崎が頭角をあらわし始めた数年前から、H記者と私は岡崎の巧みなレースを見ると、酒におぼれながら「もっとマクれよ、岡崎!」などとクダを巻いていたものであります。たしかに岡崎は巧い。スター性もある。だが、20代前半の若者らしい、ガムシャラな攻めをもっと見たい! そんな酔っぱらいの戯言が、何十の盃を空けさせたことか。しかし、岡崎は決して差しだけの男ではない。まくり、まくり差し、差しの決まり手がほぼ同数というバランスタイプではありますが、ほぼ同数ということは私やH記者の印象よりずっとずっとマクリを放っているということ。そうした強攻派としての一面を見せたのが7Rというわけで、これは同時に先輩たちに対する牽制にもなったはずです。
 強攻と技巧。この2つをしっかりと水面に刻んで、昨日も含めれば3連勝を果たした岡崎。これで完全に総理杯の主役の一角を担うこととなりました。そういえば、総理杯はSG初Vを生みやすいSGと言われています。また、あの服部幸男が今も破られないSG最年少Vを果たしたのが平和島でした。岡崎は23歳、すでに服部の記録を更新するのはかないませんが、その再現を果たしてみせる可能性は充分。我々は今、艇界ニューヒーローの誕生を目撃するチャンスに恵まれているのかもしれません。パワー的にも(ということは舟券的にも)、岡崎恭裕をあと3日間追いかけ続ける価値はおおいにあるはずです。

流れ……ない!

 12R、2周2M。リプレイをご覧になれる方は、ぜひ注目してみてください。
2010_0319_0560  萩原秀人、です。
 1周バックでは萩原、山下和彦、坪井康晴で接戦となり、1周2Mを坪井が捌いて先頭。萩原と山下が2番手争いとなり、2周バックでは内に山下、外に萩原の隊形で併走しています。この態勢では、まずは山下が先マイ。萩原はツケマイか差しかの選択に迫られる。実際にその通りの展開になるわけですが、先頭の坪井との差がそれほどないため、萩原には差しの手しか残されていなかった。山下を回して、差し場を探すことになりました。
 ところが、舳先が覗く格好となっていた萩原、本来は叩いて潰したい場面だったのか、かなりのスピードで旋回にかかり、その前期でいったんキャビったかのような水しぶきをあげています。実際、ターンの頂点より先は横滑りしているようにしか見えず、山下が巧みにターンマークすれすれを回ったため、もはや外にしか行き場がない。しかも山下の引き波にもろに乗っかっていたので、モンキーもできずに座り込む態勢になった萩原。普通なら、万事休すのシーンにしか見えなかったのです。
 だというのに、ターンの出口付近で萩原の艇はガッとサイドがかかったようにコースを変えた。しかもそのまま引き波をグイッと超えて、山下のふところを捉えてしまった!
 な、なんだ、このターンは!?
 ホーム併走から3周1Mで萩原が捌いて、坪井-萩原-山下と隊形は確定したのですが、今もって、あの萩原の2周2Mが謎なのです。山下とのパワーの差? 萩原はめちゃくちゃ出てる? 萩原の技術が凄かった? そのどれもが正解に思えるし、また別の何かが隠れているのかもしれないとも思える。うーん、あんな逆転劇見たことないなあ……。
 萩原は、1Mでも好レースを見せています。カドから伸びてマクらんとする山口剛に3コースの白水勝也が抵抗し、萩原もさらに抵抗するように艇を伸ばして先マクリを放っているのです。外の攻撃を阻止し、イン池田浩二を叩き潰さんとするかのごとき2コースマクリは、実に豪快でありました。坪井に差されたのは展開のアヤ。同等の価値があるマクリだったと思います。
 機力優勢でテクも充分、レースも非常に乗れている……派手なタイプとは言えませんが、気づけば準優当確。この伏兵、侮るべからず。

やっぱり東都のエースだ!

 隣で中尾カメラマンが、「昨日は毒づいたりしてすみませんでした。お詫びにメシを奢ります」と申しております。昨日の時点で予選1位、盛り上がるこちらに「まだ2走しかしてない」などとくさした中尾カメラマン。
 見たか、九州の種馬! 東都のエース・濱野谷憲吾が、3日目を終わっても予選1位だ!
2010_0319_0496  今日の濱野谷は2走乗り。6Rは2着、10Rは1着。ともに2連対を果たして、得点率トップに立っています。えっ!? 10Rは恵まれだったって?
 それはそのとおり。1号艇イン発進の濱野谷は、田村隆信のマクリ差しに捉えられますが、田村は痛恨のスリットオーバー。繰り上がるかたちで首位に浮上しました。はい、決まり手そのままの恵まれ決着であります。
 しかし、これを「濱野谷には運も味方した」と受け止めたい。今日の後半はゼロ台の早いスタートが相次ぎ、田村がそんな流れの餌食となってしまった感があった。濱野谷自身もコンマ03とキワのスタートを行っています。だからこそ、濱野谷が残って田村は泣いた、という明暗は、田村には申し訳ないけれども、濱野谷に良い波が来ていることの証でもある。
 この予選トップは、やっぱり濱野谷憲吾こそが平和島の主である、ということを満天下に宣言したものだと確信する次第であります。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/K)


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THE ピット――再会

2010_0319_0291   3日目の午後――。単純に時間の問題からいってもそうなるが、選手たちはターニングポイントを迎える。
 4走、5走とレースを走って、およその見通しが立ってくるからだろう。この頃からは、前検日から休まず続けていた作業の手を止める選手が少しずつ出てくるものだ。ただ、そうして一息つけるのは、もう無理だとあきらめてしまう選手ではない。足のメドが立ってきた選手に限って、一息つけるのだ。
 目につきやすい場所だからだが、やはりまず屋外ペラ作業場の様子が気になってしまう。
 たとえば8レース後にそこで作業をしていたのは菊地孝平と新田雄史、鎌田義の3人だった。初日にフライングを切っている鎌田だけではなく、今節は苦戦を強いられている選手ばかりだ。
 ムードメイカーのカマギーがいるため、時おり笑顔も浮かべられるが、そんなわずかな時間を除けば、選手たちの顔には“なんとかしたい”という想いがにじみ出ている。

_u4w6911  同じ時間帯には、ピット内にいる記者の数が、これまでに比べてかなり増えていて、ピット内には喧噪の空気があった。
 そんな中、私は、岡崎恭裕の元教官である競走会の職員と話をしていた。
 以前に岡崎は、その元教官のことを「いいアニキのような存在」と評して、いかに慕っているかを話してくれたことがある。その岡崎が我々の傍にボートを動かしてきて、目と鼻の先にボートを停めたのに、こちらに気がつかないまま離れていってしまった。そのときは、最も記者陣の数が増えていた時間帯だったので、周りの人間を気にしないように集中していたのだろう。
 だが、再びボートのもとへ戻ってきたときは、さすがに元教官の存在に気づいて、ニッコリ! 「久しぶりですねえ。老けたんじゃないですか」と“弟分”らしい言葉を掛けていた。その後もしばらく元教官と話をしていたが、SG快進撃中でありながらも、ずいぶんリラックスできているのはよくわかった。
 岡崎はその後、11レースでも勝利して3連勝となったのだから、本当に絶好調だ。

_u4w6931  時間を少し巻き戻させてもらうが、9レースの際には屋外ペラ作業場のあたりが賑やかになっていた。
 この作業場のすぐ傍には喫煙所があるうえ、ピットの中では比較的レースが見やすい場所なので、タバコを吸う選手も吸わない選手も、レースになると、ここに集まってきやすい。
  さながら「平和島選手アリーナ」といったところだ。
 そのうえ、ターニングポイントを迎えるタイミングだったためか、9レースの際にはひときわ多くの選手が集まっていたのだ。
 とくに気になったのは、寺田千恵、横西奏恵、辻栄蔵のグループ。その傍にいた吉川元浩は、同県の吉田俊彦のレースを見守っていたのだろうが、先に挙げた3人は、海野ゆかりを応援していたものと思われる。

_u4w6964 そしてこのレースでは、4コースからコンマ03の鋭発を決めた海野が、今節初勝利を挙げている。
 それが嬉しかったのか、辻は、エンジン吊りを手伝うためにボートリフトの傍で海野の帰還を待つあいだにも、横西に対して……、ヒザ蹴り、ヒザ蹴り、ヒザ蹴りの連打!
 といっても、一発も横西の体には当たっていない「フリだけの攻撃」だったが、やられている横西もなんだか嬉しそうだった。
 そして、海野を迎えた寺田は、その頭をポコポコと連打!!
 やってるほうもやられているほうも嬉しそうだったのは言うまでもない。

_u4w7089  そしてまた、この勝利を誰より喜んだのが、海野本人だったのは間違いないことだ。
 このレースの少しあとには、自分の師匠であり、JLC解説者になったばかりの池上哲二さんとピットで再会!
 池上さんを迎える際には深々と頭を下げていたが、そのときの海野は本当に嬉しそうな顔をしていたものだ。
 傍にはスタート特訓時のスリット写真が張り出されていたので、それを池上さん見せながら何かを話していたが(特訓は2本ともフライングだった)、師匠がいる日に勝利を挙げたいという気持ちが、コンマ03の鋭発を決めさせていたのかもしれない。
 こうしたかたちで師匠と再会できた感想を海野に訊きたかったが、池上さんの傍を離れた海野は、すぐに整備室に行ってしまった。そして、整備室での作業を終えたあとにはそのままペラ小屋に行って作業を始めてしまったために、海野の話を聞くことができなかったのは残念だ。だが、このメリハリこそが海野のプロらしさなのである。

2010_0319_0619  プロのメリハリというものは、ピット内においては様々なかたちで見かけられる。
 たとえば、10レース前。魚谷智之が試運転から引き揚げてきたとき、それに気がつき、ボートリフトの傍で待っていたのは、古結宏ただ一人で、その周りには他に選手は見当たらなかった。
 手が足りるのかな、と心配されたものだが、どこから現われたのか……。カポックを着たままで、脱ぎかけのヘルメットが半被り状態になっていた吉川元浩が、自然な流れでエンジン吊りを手伝い始めた。
 そうしているうちに今度は、かなり離れた場所でそれに気付いた吉田俊彦が、ダッシュで駆けつけ、モーターを引き取ると、整備室へと運んで行った。
 そんな合流の図式や、ほとんど言葉を交わすこともなく作業を分担しながら進めていける様子が、まさにプロなのだ。

_u4w7100  また、その後の10レースでは、田村隆信がフライングを切ってしまった。
 その際には、ピットにいた同期の湯川浩司が顔をしかめているところも見かけられた。
 そして、その湯川や、やはり同期の井口佳典に同県の烏野賢太、今節は一緒に過ごしている時間が長い新田雄史らが、ボートリフトの傍へと自然に集まっていった。
 そのときにも誰もが厳しい表情をしていたが、いざ田村を迎えるときにはさっと表情をゆるめる。難しい顔をしているのはやめて、からかうわけでもなければ慰めるわけでもなく、ただ自然に田村を迎えるのだ。
 そして、モーターを外して、ある者がモータ運搬、ある者がボート運搬と役割が分担されると、自然に散会していく。
 それと似た場面はこれまでにも何度も見ているが、そのたび複雑な気持ちにさせられる。
 フライングをした選手と、それを迎える選手、と。
 伝わってくるそれぞれの想いは、やはり重いのだ。
(PHOTO/中尾茂幸=菊地&吉川、 池上一摩=その他   TEXT/内池久貴)


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明日の勝負駆け情報!

3日目が終了し、明日は予選最終日。勝負駆けでございます。現時点での予選1位は地元の大エース・濱野谷憲吾! その濱野谷も含めて5名が当確です(ボーダーは6・00と想定しています)。ただ、現在の18位・烏野賢太が6点を割っていることを考えると、ボーダーは大きく変動する可能性も。注目は安達裕樹で、勝負駆けを成功させれば、自動的に水神祭も! 女子選手が2人、準優への可能性を残しているのも目を引きますね。

1 濱野谷憲吾 当確
2 坪井康晴  当確
3 深川真二  当確
4 吉田俊彦  5・5着
5 岡崎恭裕  当確
6 湯川浩司  4・5着
7 萩原秀人  当確
8 辻栄蔵   5着
9 今坂勝広  5着
10 松井繁   4・4着
11 中野次郎  5着
12 山口剛   3・4着
13 井口佳典  3・4着
14 三角哲男  4着
15 服部幸男  3着
16 岡本慎治  3着
17 重成一人  3着
18 烏野賢太  2着
19 太田和美  2・3着
20 吉川元浩  2着
21 瓜生正義  2着
22 寺田千恵  2・3着
23 池田浩二  2・3着
24 前本泰和  2着
25 魚谷智之  1着
26 海野ゆかり 2・2着
27 田中信一郎 2・2着
28 古結宏   1着
29 木村光宏  1着
30 山﨑毅   1着
31 山下和彦  ※1着で相手待ち
32 今垣光太郎 1・2着
33 福島勇樹  1・2着
34 安達裕樹  1・2着
35 菊地孝平  1・1着
36 林美憲   -
37 柏野幸二  1・1着


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守田俊介、帰郷……

本日の1Rで転覆した守田俊介。その際に左ひざを打撲していたのですが、5Rで負傷個所を悪化させてしまい、無念の途中帰郷となってしまいました。H記者が息子と呼んで愛する守田ですが、H記者と入れ替わりに平和島から姿を消すことに……。フライング、転覆と踏んだり蹴ったりだった守田の総理杯。次回SGでの雪辱に期待しましょう。


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THE ピット――ナイスな光景

_u4w6574  今朝、ピットに入ったのは、1レースのスタート展示まではまだ30分近くある10時頃のこと。
 昨日のレースの転覆が心配された芝田浩治は、待機ピットでモーター音に耳を澄まして回転数を確認していた。集中した表情をしており、昨日の事故の影響はなさそうだったので安心できた。
 すぐ隣では、古結宏も同様に回転数を確認していたが、その作業の途中で会話を交わすようなことは当然なかった。初日にすでにSG水神祭をやっている古結は、ピットでの様子は落ち着いたものであり、この後のさらなる活躍が期待される。

_u4w5367  ぽかぽかした陽気だった昨日とは打って変わり、今朝のピットはかなり寒さを感じた。
 10時頃には9.7度となっていたので(昨日は1レース頃に14度だった)、これだけ気候の変化が激しければ選手は大変だ。
 そのためもあってか、昨日に続いてこの時間帯からペラ小屋は大入り満員状態になっていた。
 そして昨日と異なるのは、屋外のペラ作業場には選手が少なかったことである。
 時間が経つと、少しずつ選手が出てきていたが、10時頃には坪井康晴、井口佳典、湯川浩司の3人だけだった。
 印象の問題だけかもしれないが、昨日のようなのんびりした雰囲気はなく、3人は無言で淡々と作業をしていた。

_u4w5552  この時間帯の整備室は、山下和彦が本体を整備、赤岩善生がギアケース調整をしていただけで、二人きりになっていた。
 赤岩にしても、その後すぐにギアケース調整は済んだようで、きびきびした動きで、装着場のボートにそれを取りつけた。

_u4w6598  きびきびした様子が目についたということでは、太田和美もそうだった。
 坪井たちが作業をしていた屋外ペラ作業場でペラ調整をしたあと、間もなく1レースのスタート展示が始まるという時間帯に、「まだ降ろせますか?」と係の人に確認して、ボートを水面に下ろした(展示やレースが近付くと、ボートを降ろすことはできなくなる)。
 今日の太田は、11レースの一回乗りだが、こんな時間帯から、少しも時間をムダにしないように作業をしていたのである。

_u4w6542  今朝、気になったのは選手控室へと入っていく扉の前のスペースだった。
 最初はそこで、深川真二と山﨑毅が立ち話をしており、「珍しい組み合わせだな」と見ていたが(考えてみれば、山﨑がSGを走ること自体が15年半ぶりなのだから、珍しく感じるのも当たり前すぎることだった)、その後にはそこに海野ゆかりも加わった。
 やがて、山﨑がそこを立ち去ると、深川と海野の2人が残された。
 深川は身振りを加えながら何かを話していたが、「ピット離れ」という単語だけは耳に入ってきたので、“コース獲りの講義”でも行なっていたのかもしれない。

_u4w6578  その2人に絡む形になったのが大嶋一也だ。
 1レースの展示が近付いてきた頃、白いカポックを着て歩いているところが見かけられたが、そのすぐあとに大嶋は青いカポックを持って選手控室から出てきたのだ。
 その際に大嶋は、あまりにもダンディな薄笑いというか照れ笑いを浮かべており、大嶋に何かを話しかけられた海野は、きゃっきゃっと嬉しそうに笑っていた。
 これはあくまで推測に過ぎないが……、大嶋は間違ったカポックを着て展示に向かおうとして、途中でそれに気付いて引き返したのではないかと思われる。うっかりミスといえばそうには違いないが、「インに対する強い気持ち」が白いカポックへの執着になったのだとも受け取れなくはない。
 レース後には、再び深川に何かを言われて笑っていたが、普段はダンディな男が見せる照れ笑いは本当にかわいい! それを見られただけでも得をした気分になるほどだ。
(PHOTO/池上一摩 TEXT/内池久貴)


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H記者からの便り……

やまとのH記者より便りが届きました。

「今日の極選はお休みします

生きててすいません、有明の海苔になります。」

えっ、H記者の予想にも乗っかろうと思ったのに……。まあ、昨日の推奨選手が大活躍するかもしれませんが。H記者は明日より平和島復帰です。


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3日目!

おはようございます。総理大臣杯3日目です。H記者が飛んだやまと競艇学校では、第106期の卒業記念レースが行なわれます(というか、もう終わってるかも)。いつか彼らもこの舞台に登場するのでしょうねえ……。

2010_0318_0432 96期やまとチャンプの新田雄史です。今年の卒業生は彼の10期後輩なんですね。卒業記念チャンプの先輩として、SGでの大活躍を!(PHOTO/中尾茂幸)


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THE ピット――様々な光景

_u4w5901_2   緊張感がなければ眠たくなっていたかもしれない。午後のピットはそれくらい、ぽかぽかしていた。
 そのためもあり、まず目に入ったのは、屋外に設置されたペラ作業場の様子だ。いろんな選手が入れ替わりながら作業をしていたが、そのなかでもよく見かけられたのが銀河系軍団の井口佳典、田村隆信、湯川浩司だ。
 やさしい日差しに照らされていることもあり、のんびり過ごしているようにも見えていた。田村がペラを叩いていると、井口が傍に腰掛け、黙ってそれを見ている……。時間が経ったあとにもう一度見てみると、ペラを叩いてる選手が変わっていたり、そこに井口の弟子である新田雄史が加わっていたりと、時間がゆったりと流れているようだった。
 朝には、ペラ小屋で作業をしていた辻栄蔵と山口剛の広島コンビも、午後には、屋外で作業をやっていた。彼らにしても、日差しに誘われ外に出てきたのかもしれない。

2010_0318_0496  そのペラ作業場の傍で撮影をしていたチャーリー池上カメラマンは、ついうっかり、腰につけていた何かの道具を水面にぽちゃり!……と落としてしまった
 次の瞬間、その作業場の傍でひと休みしていた服部幸男は、立ち上がって、「アミ! アミがあるから、それで取れるよ」と心配してくれたのには驚いた。
 そんなふうに言われて泡を食ったのはチャーリーだ。その道具がそれほど大事だったのかは知らないが、服部にそうまで言ってもらって、「いえ、別にいいんです」とは返せない。大きなアミを借りてきて、なんとか“救出”しようと試みた。そして結局、それは、ピットのスタッフの方に取ってもらったのだから、お騒がせな男である。
 それにしても、服部選手のやさしさは、感動モノだった。

2010_0318_0100  その作業場とは少し離れて、ピット奥の整備室傍にあるプロペラ工作室を覗いてみると、寺田千恵と海野ゆかりの姿が見かけられた。もう一人の後ろ姿があったので、横西奏恵かな、と思って、よく見てみると……、ちょっとお顔が違って、山下和彦だった。
 女性2人に囲まれていても、臆せずふるまっていたので、なかなかやるな、と思ったが、山下は当然、そこで談笑していたわけではなく、作業をしていたのだ。
 少し時間が経ったあとには、山下の姿がなくなり(山下はその後、同県である辻&山口の傍に移動していき、ペラ調整を続けた)、そこにいるのは本当に横西になっていた。
 それによって、狭い工作室(推定三畳ほど)は、女性陣3人で独占されたが、こちらも談笑していたわけでは、当然ない。
 横西が、この工作室にある機具を使って、ペラを調整していたように、普通にハンマーで叩くだけではなく、特殊な機具が必要な作業などをする際にここを使うのだ。

2010_0318_0800  隣の整備室で目についたのは本体を整備していた岡本慎治だ。
 平和島から遠く離れたやまとで別の取材をしているH記者が節イチにプッシュはしていたものの、岡本自身は上積みを求めていたわけなのだろう。
 8レースの後には今垣光太郎もモーターを見ていた。
 最初は格納かとも思ったが、その時間はかなり長く、本体を割って細かい部分まで見ていたようだ。

2010_0318_0516  やさしき人、服部も自分のレース後には整備室での作業を始めている。
 こちらは、整備室の隅にあるテーブルで、山﨑毅と向かい合って、リードバルブの調整をやっていた。2人が黙々と作業をしているところは、まさに「職人の姿」だ(写真は山﨑毅)。
 リードバルブは楽器の鉄琴に似ている部品だが、服部は笛を吹くように、息を吹き込み、「ぶしゅっ、ぶしゅっ」と奇妙な音を立てていた(印象としては「ぶしゅっ、ぶしゅっ」だったけど、音的には「クワッ、クワッ」といった感じに聴こえた)。
 その後、解説の長嶺豊師匠に、服部がやっていたのはどういう作業なのかを尋ねてみると、その音を聴きながら隙間を調整していくというのだから、やはりは職人の世界だ(リードバルブはガソリンと空気をミックスしてシリンダに送る境目のところにあるので、混合気がうまく送りこまれていくように隙間を調整する作業が重要となる)。

_u4w5884  午後のピットで、ほかに気になったのは濱野谷憲吾だ。
 平和島のピットでは、選手控室と、レース前の待機室がかなり離れていて、展示航走の前などに、装着場をゆっくりと横断していく選手の姿がよく見かけられる(そのタイプのピットレイアウトは他にも少なくない)。
 そのときの顔つきが、とても良かったのだ。
 どう良かったかは説明しにくいが、いつも以上に心に期すものがあるように見えたのだ。そうした張りつめた表情をしている選手の結果がどう出るかは表裏一体の部分があるけれど、濱野谷はその後、10レースで勝利!
 レース後には、安堵の気持ちを隠さない、子供のような笑みまで見せていた。

_u4w6213  11レースの直前には、田中信一郎が、JLCでナマ解説をしている山本泰照の体をツンツン……とつついて、ちょっかいを出していた。山本さんのことをものすごく慕っているからこそできるのだろうが、やられた山本さんは、“いまはよせよ”と、相当、困り顔になっていたのがおかしかった(山本さん、すみません!)。
 ほのぼのとした光景だったが、それはそれで……ありなのだろう。
 ピットには、いろんな光景があるものだ。
 多くの時間、集中して作業をしているのは間違いないからこそ、時にはこうしてふざけてみたりもするわけだ。「Do my BEST」の男、服部が、カメラマンのことを気遣ったりしてくれた一幕もまた、ピットの光景なのである。

2010_0318_0071  その11レースでは、芝田浩治が転覆……。危ない倒れ方に見えたので、その瞬間、ピット内には緊張が走った。
 近畿の選手を中心に、多くの選手が心配げに救助艇の近くに集まってきたのだ。そのレースに出ていた辻にしても、レース後には、カポックを脱ぐこともなく芝田が運ばれていた医務室へと走っていった。
 そのときにはこちらも緊張したが、幸いなことに芝田は無事だった。
「大丈夫みたいだよ」といった言葉を口にしながら、選手たちが医務室のもとを離れて、それぞれの作業に戻っていく様子を見ていると、こちらも心底ホッとした。
 顔色を変えて心配していたあと、どれほどの時間も経たないうちに、すぐに作業に戻って行ける選手たちは、プロである。
 こうした類いの緊張を要する場面がないほうがいいのはもちろんだが、そんな出来事のすぐあとに、自分の仕事に戻ってい場面はやはり、美しきピットの光景なのである。
(PHOTO/中尾茂幸=2・3・4・5・8枚目、池上一摩=1・6・7枚目   TEXT/内池久貴)


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総理杯TOPICS 2日目

3R&4R バンビに届け! ナデシコ逃げ!

_u4w5849  昨日、突然の引退を発表した濱村美鹿子。75期と76期、本栖で訓練した時期がかぶっている横西奏恵と、先の女子王座決定戦の優勝戦を争った寺田千恵、その2人が今日、バンビに惜別の辞を送るべく、白いカポックで登場しました。長嶺豊さんによれば、バンビ引退の報を知った横西は驚き、そして動揺している様子だったそうです。寺田も同様の思いを抱いたことでしょう。1号艇に入った以上は、そうした感傷など無関係に逃げるのみ、なのではありますが、外野としてはどうしてもそこに意味を見出したい。
 まず、3Rで横西が華麗に逃げ切りを決めました。都築正治の握りマイをがっちりと牽制しての先制ターン。彼女自身は、2コースの飯山泰に伸び負けないように、と考えていたようでありますが、その外にも徹底自力屋の都築がいた。2つの飛び道具を抑え切っての逃走劇なのだから、価値ある勝利でありました。
_u4w5805  4Rでは、寺田が逃げ切り。3コースから赤いカポックの芝田浩治がツケマイを放ち、それを受け止めて先頭に立つ姿は、まさに女子王座優勝戦のリプレイを見ているかのよう(3号艇・日高逸子が3コースからツケマイを放っている)。バンビとのラストバトルによく似た展開を作り上げて、寺田はあのときのように逃げ切った。この1号艇に自信はあまりなかったというだけに、下関の再現を果たせたのは実に大きい勝利でありました。
 言うまでもなく、ともにバンビの影を感じさせるような勝利というわけではなかった。横西も寺田も、回ってきた好枠を活かし、必死に勝利をつかみにいったに過ぎない。しかし、もしこのレースを濱村さんが見ていたなら、きっと勇気を得ることができたに違いないのであります。いや、きっとバンビは見ていたでしょうね。横西のもとには、平和島に入る前、バンビから激励のメールが届いたそうですから。
 で、この2つのレース、1号艇がインから勝ったのに、ともにマンシュウ! そして、“本紙予想”はともにヒモ抜け……。2つのナデシコ逃げに感動しながら、しかし2番手を走っているカポックの色を塗り替えたい気分でありました……。

5万8万当たり前! 3連単マンシュウ6本!

_u4w5716   いやはや、よう荒れた1日でした。先の横西&寺田のイン逃げマンシュウを含め、3連単は実に6本の万舟券。12Rは2連単もマンシュウでしたから、都合7本も飛び出したことになります。
 ナデシコ逃げ以外についてざっと振り返れば、
7R/山﨑毅が差し抜け。イン吉川昭男は赤岩善生のマクリを張る(転覆)。=3連単83870円
8R/瓜生正義が差し抜け。イン新田雄史は三角哲男のマクリを張る。=3連単11860円
11R/田村隆信がマクリ差しで先頭に迫るも、いったん差し抜けたのは芝田浩治。イン中野次郎は今坂勝広のマクリを張る。芝田は2Mで辻栄蔵ともつれて転覆。=3連単13630円
12R/深川真二が差し抜け。赤岩善生は飯山泰のマクリを張る。=3連タン51000円

 そう、見事なまでに同じようなパターンが続いたのであります。すなわち
●インがマクリを張る→●インがやや膨れる→●その内に差しが入る
_u4w5668 しかも、8、11、12Rは差し抜けたのは2コース。11Rの芝田は転覆してしまったものの、芝田と艇を並べていたのはマクリ差した田村でした。8Rもマクリ差した魚谷智之が瓜生と接戦を演じていましたね。
 平和島をホームとする私の感覚からすると、これはまさしく平和島の穴パターンであります。たしかに平和島はマクリが利く水面。松永“ベイ吉”良一アナの「マクリ一発! 決まった!」を聞く機会もたしかに多い。しかし、それがわかっているから、イン選手も抵抗する。だから差し場も開く。突っ込んだ選手が、なぜか内側がよく伸びるバック水面をすいすいと爆走していく……こんな場面も非常に多いのであります(だから私は、平和島は実は差し水面、と認識しています)。
 SGレースではインが強い、というかターンスピードが速いため、マクリが届きにくい。しかし、平和島はマクリが利くので、インに迫ることができる。そこでインは張り気味に回るため、差し場が開きやすい。SGクラスはテクニックが確かなため、そこに差しがズボズボ入る。
 今日の穴連発は、こんな構図なのではないかしらん、と私は推測します。まあ、今日はなぜ2コース差しが入りまくったのか、というのは難しいのですけれどもね。マクリマークのマクリ差し、ってのも多いパターンなので。
_u4w5529  ちなみに、BOATBoy4月号の「新概念データ」によると、新田、中野、赤岩は「1コースまくられ率」がめちゃくちゃ低く、新田にいたっては0%。つまり「絶対に相手にマクらせない→マクリが来たらとにかく張る!」選手たちなのですね。もし、同類の選手が明日以降もインに入れば……今日のパターンで穴が飛び出す可能性はおおいにあるというわけです。あぁ、舟券買う前にちゃんとデータをチェックしとくんだった……。

東都のエースがシリーズリーダーだ!

 まあ、2日目を終わった段階でシリーズリーダー云々を言っても仕方がないかもしれません。隣で中尾カメラマンが、「まだ2走しかしてないしなあ」などと毒づいてもいますし。
2010_0318_0258  しかし! 濱野谷憲吾が2日目終了時点で予選1位に立ったのは、やはりめでたいことというべきでしょう。
 今日の濱野谷は10R1回乗り。2号艇で2コース発進でした。なにしろ、2コース逃がし率が50%を超える濱野谷。しかも1号艇イン発進はエース機・柏野幸二。柏野が逃げて、濱野谷が差し追走……レース前、私の頭の中にはその映像以外はひとつも浮かんできませんでした。当然、舟券も……。
2010_0318_0813  しかし今節の濱野谷は一味違う。きっちりと差しを突き刺してバック併走に持ち込むと、2マークでは柏野を軽やかに捌いて先頭へ。濱野谷は本来、2コースよりもセンター得意という選手であり、以前「2コースはあまり得意ではない」と公言していたこともあります。だが、今日の差しは2コース不得意とはとても思えない鮮やかさだった。それこそが、「今節の濱野谷は一味違う」ことの証明だと思えるのであります。
 明日3日目の濱野谷は2回乗りで4号艇と1号艇。ともに濱野谷にとっては得意な艇番であります。ここをもくろみ通りに好成績で乗り切れば、真のシリーズリーダーに……そんな雰囲気をビンビンと感じる、“一味違う”濱野谷憲吾、なのであります。
(PHOTO/中尾茂幸=濱野谷 池上一摩=その他 TEXT/K)


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THE ピット――胸きゅんの朝

_u4w5651_2    ちゅんちゅんちゅんと、小鳥がさえずる声まで聴こえた。1レースのスタート展示が始まる前のピットは、装着場で作業をする選手も少なかったため、とても静かで、ゆったりとした空気になっていた。
 ただ、そうはいっても、ペラ小屋などを見てみれば、すでに数え切れないほど多くの選手が作業をしていた。
 屋外のペラ作業場では、鎌田義と重成一人が何かを話して笑い合っていた。そのすぐ傍では、鎌田と同県(兵庫)である古結宏も、鎌田の言葉を聞いて笑っている。そんな光景は和やかなものだったが、それでも彼らは、しっかりと作業を続けていた。
 ペラ小屋では、辻栄蔵と山口剛の広島コンビ、中野次郎と福島勇樹のベイパコンビも固まって作業をしていた。ガラス越しに見た感じでは、会話をしているところは見かけられなかったが、ずっと黙り込んで作業をしていたわけではないだろう。

_mg_1511_2   ピットの奥の整備室では、田中信一郎、湯川浩司、濱野谷憲吾がモーターを整備していた。それぞれに離れた場所で作業をしていたので、こちらが見た範囲では、会話もなかった。
 それでも、作業を終えた田中がモーターをボートのもとへと運び出そうとすると、そちらのほうなどはまったく見ていなかったような湯川がピタリと作業の手を止めた。そして、自発的に田中のボートのほうへと小走りしていくと、何も言わずにモーターの装着を手伝いだした。
 この2人は兄弟弟子の関係であるが、言葉はいらない、まさに「あ・うん」の呼吸。
 遠目でそんな様子を見ていても、なんだかいいものを見られた気になってくる。

_u4w5699  その少しあと、濱野谷がやはり、モーターをボートのもとへと運んで行った。
 だが、その際には、ベイパのメンバーなどは誰もいなかった。
 一人でどうするんだろう……と見ていると、ちょっと離れたところから烏野賢太がすすすっと近づいていき、黙って装着を手伝った。
 そんな光景もやはり、見ていて本当に気持ちがいいものだ。

_u4w5451 1レースのスタート展示が始まると同時に、ピット内の空気は一変!
 瓜生正義や鎌田義、飯山泰などがボートを水面に下ろす準備を始める。展示が終わると、今垣光太郎や芝田浩治なども試運転に出て行ったが、ピット内は、にわかに慌ただしさを帯びてくる。
 ペラ作業場ではのんびりとしているように見えた鎌田にしても、その動き出しは実に早かった。初日にフライングを切っているとはいっても、その作業ぶりにいっさいのゆるみはないのだ。カマギーというのは、実にメリハリのきいた努力家なのである。

_u4w5326  そうしてピットを眺めていると、山口剛が装着場に出てきたのでも声を掛けてみた。
「笹川賞に選ばれなかったのは悔しいですか?」
 突然のいじわるな問いに対して、山口は、
「まったく! ……悔しくないです」
「そうですか。昨日の勝利者インタビューで、SGで結果を出さないと忘れられてしまう存在なので、ということを話していたので」
「ああ、あれは僕の中では別の意味合いですね。笹川賞については、結果を出さなければ笹川賞で選ばれなくて当然の選手だと思っていますから」
「今年は結果が欲しいですね」
「……そうですね。ついてくるものと信じています」
 ついてくるもの――。その言葉の前には当然、「やることをやれば」という強い想いが籠っているのだろう。
 今年の山口は去年と違う。
 短い会話をしただけで、そんなふうにも思われたものだった。

2010_0316_0508  その後、両手でレーシングウェアを抱えながら、縮こまるようにして海野ゆかりが歩いてきたので、「寒そうですね?」と声をかけると、「……だから寒いんです」との回答。
「……部分」が聞き取れなかったので、「えっ?」と首をかしげると、「……だから、寒いの」と笑って繰り返してくれたが、残念ながらまた聞き取れなかった。もう一度、「えっ?」と言うわけにはいかないので、こちらも、「ははははは」と聞こえたフリをして笑いを返した。その頃にはもう、ピットで小鳥のさえずりは聴こえなくなっていた。
 温度計を見てみると、ちょうど14度。シャツとジャンパーを着ていれば、少しも寒さは感じない、いい天気なのだが、海野はTシャツ1枚に近い格好をしていたので、「薄着だから」とでも答えてくれていたのかもしれない。
 その後、そんな海野にレンズを向けることもなく、その前方で別の選手にレンズを向けている池上カメラマンの前で海野は立ち止り、撮影のジャマにならないように待っていてくれた。池上カメラマンは、海野の進路をふさぐかたちになっていたのだ。
“バカ……、池上、気付けよ”
 と思っていると、池上カメラマンはようやく気付いて、「すみません」とペコペコ。
 そのため、今朝の海野の写真はないのだが、とっても女性らしくて、きゅんとした。
(PHOTO/中尾茂幸=海野、池上一摩=その他 TEXT/内池久貴)


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2日目!

おはようございます。総理大臣杯2日目です。やまと競艇学校に飛ぶH記者がすでに記事をアップしておりますね。今日、H記者は舟券を買えない。これまでの長い付き合いからすると、こういうときに予想がよく当たる……というお方です。

2010_0317_0930 つまり、H記者の節イチプッシュのこの方には大チャンス、というわけであります。岡本慎治選手、私(K)も狙ってみます。(PHOTO/中尾茂幸)

※追伸:記事をアップしたら、私のPCの下から金とマークシートとH記者からのメッセージが出てまいりました。ということは……むーん、悩みますね。


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H記者の「極貧&極選祭りグランドマックス!」

 昨日10Rの265(前検のS辻-A信一郎流し)で勝手にちょいと潤ってしまったHです。…うりちゃん、ケンゴロウどのはじめ全国推定7人の極選ファンの皆さま、ごめんなしゃいっっ>< 結局のところ、がっつり転がした11R本命・極選は声も出ない惨敗を食っちゃいましたけど。125なら財布が2時間くらい立ったはずなのにーー。
 し、しかしであります!今日は大変なことになるかも????なのですよ。私の推奨選手の枠番を見てくださいまし。

         狙いコース 今日の枠
SS岡本慎治  5・6   
SS赤岩善生  3     
S井口佳典   1     6
S辻 栄蔵   3~6   
A岡崎恭裕   全     
A木村光宏   5・6   
A三角哲男   6     ・4
A田中信一郎  1・2   
A湯川浩司  センター  5

 井口と湯川以外はすべて私の狙いコースと合致するのです!! ここで勝てなきゃいつ勝てる????っていう1日なんです。番組さん、私のためにありがとさん!
だがしかしところが……私、ボー誌からの依頼でやまと競艇学校に飛ぶことになってしまって、今日は平和島にいられないのですよ……んむむむ、なんたる皮肉><
 そこで私、昨夜のうちにK記者に記入済みマークカードと1万円を預け、舟券を買ってもらうことにしました。そのフォーカスをすべてここに列挙しておきます。とにかく盆と正月が一緒に来たようなお祭り日なので、以下のフォーカスはすべて穴・極貧もしくは本命・極選と思ってください。

4R穴・極貧 5=6-全 各3枚
 節イチの伸び木村と元祖「東の穴男」三角、頼む!

7R穴・極貧 3-6-全 各5枚 6-3-全 各3枚 3-全-6 各2枚
 前検SSの赤岩と岡本が揃い踏み。ここで決めなきゃいつ勝てる!?

9R本命・極選 1-6-全 各5枚
 A信一郎から昨日の特訓気配がよかった吉川で勝負!

12Rお遊び舟券 1-5=6 各5枚
 SS赤岩からS井口A湯川へ。王者がぶっ飛べばそれなりの配当になるはず!
 もし、4R7Rのどちらかがヒットしたら、9Rに増資&11Rの5-36-全を追加するつもりです。あ、5Rの岡崎もオススメなんです、昨日の足は成績よりはるかに素晴らしかったんです。
 と、とにかく楽しみな2日目、もしこの予想(舟券)がすべて外れたら……もう、やまとの訓練水面で「ひとり水神祭」をするっきゃないですかーーー><


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総理杯TOPICS 初日

 鎌ギーと我が息子・俊介がFを切ったり……切ったり……うう……初日から、いろいろあったなぁ……(涙)

1・7R/山口GO、アウトから炎の2連対!

2010_0317_0268  今日、スリットを完全に支配したのが山口剛だ。1Rは最アウト6コースから全速コンマ10で内の4艇を絞りきってのまくり差し。惜しくもインの田村隆信には届かなかったが、そのキップのいいカマシはスタンドを唸らせた。
 圧巻は7R。5コースからこれまた内を並ぶ間もなく叩きまくり、インの岡本慎治まで呑み込んでしまった。
「スタートはこの舞台に立つまで封印していた。初日から行くつもりでした」と、満を持しての電撃全速スリット攻勢だったわけだ。やはりこの男、伊達にF2で新鋭王座を制してはいない。開会式でも「モーターは20%台ですが心配ありません、出てます」と自信を覗かせており、初日にしてシリーズの台風の目になってしまった。いや、不利な5、6号艇で18点9・00を弾き出したのだから、シリーズの主役級と言ってもいいだろう。度胸満点、有言実行、打倒王者、27歳の下克上Vも十分にありえるぞ!

2010_0317_0726 8R/単騎のドルフィンガマシ

 濱村バンビ引退!!、という衝撃ニュースが記者席を駆け巡る中、瀬戸のヴィーナス・ドルフィンゆかりが捨て身の大技を披露した。ピットアウト、3号艇のゆかりの外から安田政彦、白水勝也、吉川昭男の70期トリオがドカドカとスロー水域に侵入し、気づいてみればゆかりの6コース単騎ガマシ。
「女子王座のFもあって、この特殊隊形から踏み込めるかなぁ」と見ていたが、コンマ18全速から伸びるわ伸びるわ。70期トリオはもちろん、人気の2コース田村隆信まで叩き潰してインの福島勇樹に襲い掛かった。そこは地元の意地で福島がギリギリ残し、惜しくも金星を逃したゆかりだがスタンドはやんやの大喝采だったぞ。
 続く2マークでも猛追する田村に全速ツケマイ。鮮やかすぎるドルフィンターンで2着を確定させた。パワー云々より並々ならぬ気合と男顔負けの身体能力で「もぎ取った」という感じの2着だった。
 緒戦2着で8・00。もちろんこれで準優どうのという段階ではないが、今日の気合とあのターンなら……最終日の12R、バンビの庭で、イルカが舞うかも~!?

12R/絶対王者、不覚。辻斬りコージの一閃差し!

2010_0317_0551  1アタマの2連単はすべて3ケタ配当。圧倒的な人気を博した松井繁が、颯爽とピットを飛び出す。待機行動でこの王者に鈴を付ける者はおらず、130m起こしという楽な展開になった。346と356のボックスを買っていた私は、「また、大切なお金を無駄遣いしてしまった」と悔やむ。悔やみつつ、心の中で「どうして賞金王でエースモーターで優勝候補のこの男を130m起こしにしてしまうんだ、ミスミス王者に12点を献上していいのか~!!」と他の5選手に罵詈雑言を浴びせていた。
 しかもしかも、イン松井のスタートは泣く子も黙るコンマ08トップS。風速がころころ変わる水面で、なんという精神力。ええ、ええ、356なんて舟券を買ってすみませんでした、と今度は詫びる。今までドリームで、準優で、優勝戦で、何度も見てきた光景。この後の航跡も、私の記憶のスクリーンには何十何百ものダビングとなって刻み込まれている。鬼のごとき、イン逃げ圧勝。
2010_0317_1043  松井は悠然と1マークを制した。外から襲い掛かる艇はなく、2コースの池田浩二が差しハンドルを入れる。例によって速い。速いが、松井には届かない。そんな態勢に見えた。
 だがしかし、ここは平和島。バック水面では内の艇が不思議なほど伸びる水面だ。スルスルッと池田が松井の内に忍び寄る。半分だけ舳先がかかった。それからの伸びはほぼ同じ。スリリングなマッチレースだ。内の利で池田か、半艇身の利で松井か……記者席が沸く。346と356のボックスを買っている私は、息を潜めて両者の足色を測るしかなかったが。
 2マーク、濱野谷憲吾の突進が視界に入ったであろう松井がスッと身を引き、あっけなく池田に軍配が上がった。2-1の配当は2190円。まさに裏目千両、どれだけ松井が絶対視されていたかがわかるし、この2-1の隊形は私の目にもちょっと不思議な感じに見えた。競艇に絶対はない。そんなことは百も承知している。が、絶対があると錯覚させる男がいて、事実ちょっと錯覚してしまって、「あ、やっぱり競艇に絶対はないんだ」と思い出したような、そんな不思議な感覚。逃げて差してのありきたりの展開で、今までこんな違和感を覚えたことってなかったな。
 とにかく松井繁はドリーム1号艇で敗れた。池田の勝因はまたじっくりと検証する必要があるだろうが、ファンや他の選手を松井の呪縛から解放した価値は大きい。そう、世の中に絶対なんてコトは、絶対にありえないのだよ!
2010_0317_0251  もうひとり、記者席を沸かせた男がいた。濱野谷だ。2マークの泥臭い突進も天晴れだったが、記者から万雷の拍手を浴びたのが2周2マーク。今垣光太郎を渾身のツケマイで引き波に沈めた瞬間だ。記者席でこの騒ぎなのだから、スタンドはどんな喧騒だったろうか。私は階下で観戦しなかったことを悔いた。平和島の大勢のオヤジと少数の若者たちのリアクションを全身で感じるべきだった。
 誰が本当の主役か、最後に笑うのは誰か。今年の総理杯はこの2-1決着で一気に混沌とした感がある。やはりそれでも賞金王でエース機で断然V候補の松井なのか、ドリームを制して連覇を目論む池田なのか、それとも……ここが平和島であることを忘れてはならない。(Photo/中尾茂幸、Text/H)


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THEピット――雰囲気

2010_0317_0980  菊地モードと呼んでいるものがある。
 レース直前などに時折見られる、脳内コンピュータをフル稼働している姿だ。IQ160とも言われる頭脳明晰な男が、超高速CPUをも超えるスピードで情報を処理し、戦略を弾き出す。表情を固まらせ、一点を見据えて自分の世界に入る、それが菊地モード。10R後にその姿を見つけて、早くも勝負懸かっていることを確信したものだ。
 菊地の人柄は、陽気でウィットに富んでいて、そして優しい。ピットで顔を合わせれば爽快に声をかけてきてくれるし、3~4年前にBOATBoyで連載コラムを執筆してくれていた縁もあって、日常的に気を遣ってくれる。しかし、モードに入った菊地には、とても声をかけることなどできない。遠巻きにその様子を眺めて、心震わすことしかできないのだ。こちらに気づけば一瞬の笑顔を向けてはくれるだろうが、そうした心の隙間を作らせることもしたくないと思わせる、ヒリヒリとした空気がそこにはある。
 思えば、勝負駆けや準優の日以外に、ここまでのモード入りを見かけるのはずいぶん珍しいことと言えた。少なくとも、初日にこんな菊地孝平を見たことはない。

2010_0316_0419  飯山泰の表情が鋭いのだ。何しろ、我々は同じ信州人。同郷の、しかも長野県出身という艇界には数少ないバックボーンをもつ飯山に、僕は個人的にずいぶん肩入れしてきた。昨年からSG常連となった飯山を、僕はいつだって心の奥では応援し、その様子に注目してきた。だから、今節の飯山がこれまでにない自信に満ち溢れた表情を見せていることが、とても好もしく思えていた。
 10R前、展示を終えてピットに戻って来た飯山は、このうえなく凛々しかった。背筋を伸ばし、真正面を見据え、傾き始めた陽ざしに目を細めながら、力強い足取りで進んでいく。わりと速足であることが多い飯山ではあるが、その雰囲気は明らかにいつもとは違う。前売で飯山流しの舟券をごっそり買ってはいたけれども、もし許されるのならピットを飛び出して、さらにごっそりと買い足したくなるほどのムードだったのだ(もちろんそんなことはしておりません)。
 昨日の競艇場入りの瞬間にも直感したことなのだが、飯山泰はさらに進化したのではないか。SGを継続的に経験して、飯山は確実に一回り大きくなったように思えた。

2010_0317_0580  明らかに雰囲気が違うと感じたのは、岡崎恭裕もそうだった。どうにも説明が難しいのだが、2カ月前の新鋭王座と比べれば、別人の岡崎がそこにいる。強いて言うならば、視線に力がこもっている。各種調整にも熱のこもった様子が見える。レースの準備をしている姿に思いがこもっている。
「え~、そうですかぁ? いつもの記念とやってることは同じですけどね~」
 と岡崎は言う。なるほど、と思いながらも、食い下がる。記念はともかく、新鋭王座と比べれば、明らかに何かが違うのだ。
「やっぱり、周りに触発されるものが多いんでしょうかね」
 岡崎は笑った。新鋭王座に触発されるものがない、ということではない。記念、そしてSGにはそれ以上の何かが濃密に漂っているのだ。
「そうして触発されることで、やっと競艇選手らしく見えてるんじゃないですか?」
 岡崎はさらに笑った。オッサン、妙なことを言いますねえ、という笑顔にも、だから今節は楽しいんですよねえ、という笑顔にも、どちらにも見えた。
 テクニック、成績、ルックス……彼をスーパールーキーと言わしめる要素はいろいろとあるだろう。だが、本当の意味は、見据えている地点の高さがスーパールーキーと呼ぶにふさわしい、ということではないか。SGでこそイキイキとしている岡崎は、“ここ”を自分の居場所と規定しているようにしか思えないのだ。

 それにしても……ピットで見る雰囲気と結果が決して結びつくわけではないのだ、というのはこれまでに何度も思い知らされてきたけれど、今日は改めてそれを痛感することになったのだった。そりゃそうだ。そうした空気ウンヌンとは関係なく強いのがSGレーサーたち。雰囲気ひとつで勝敗が決するわけがない。
 しかし、こうした“感じ入る何か”がごろごろと転がっているのがSGのピットということも言える。新鋭王座も女子王座ももちろん最高だったけれど、総理杯ではまた改めてトップレーサーへの敬意を呼び起こされる。ここが最高峰の舞台だと伝えてくれるのだ。
2010_0317_0603  9R、進入が始まると、井口佳典がボートリフトのやや左手の桟橋にあらわれた。その正面の水面には、6コースの選手がいったん艇を運んでくることが多く、9Rの6号艇は新田雄史であった。弟子に無言のエールを送るため、ここでの観戦を決め込んだのであろう。SG経験の浅い愛弟子のことが気になって仕方ない……と、もちろんそれもあったのだろうが、しかし井口の視線の厳しさにはそれ以上の意味があるのではないかと思えた。11Rに1号艇を控えていた井口は、自身も戦闘態勢に入っていたのだろう。新田の走りを見届けたあとも、少しも表情を変えずにエンジン吊り→展示準備と動いているのを見て、その雰囲気に圧倒されたものだ。
 井口は11R1着。雰囲気と結果が結び付くことだってもちろんある。そしてそれも、こちらの胸を強く打つものである。あの闘志が勝利を導いた……などとお手軽に筆を進ませてしまう何かが、そこにはたしかにあったりするのだ。
2010_0317_0426  その意味で、今日の鳥肌は池田浩二である。池田といえば、もはや泣きコメントが代名詞のようになっているが、昨日も今日も景気のいい発言が出ないなか、ピットでは相当に険しい顔つきで過ごしている時間が長かったのだ。コメント通りに苦しいアシなのか、それとも気合が普段以上に入っているのか。そのへんの判断を特にしないまま、ドリーム戦を見ていたら、松井を差し切ってしまったではないか! レース後は相変わらずの泣きコメントだったが、あの眉間のシワはきっと、心に期する何かが刻んだものだと確信した。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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本日の水神祭! 華麗なSGデビュー!

 問題です。今節出場選手中、SGデビュー戦を1着で飾った選手は何人いるでしょう?

2010_0317_0784  正解は8人。三角、安田、林、今坂、吉川元、菊地、吉田、山口。SG経験者50名中8名ですから、なかなかの難業というべきでしょう。それを本日、やってのけたのが古結宏。今期初A1の上昇株が、SGでいきなり1着を獲ったのであります!
 おめでとう!
 ということで、水神祭は2走目、9Rの終了後に行なわれました。魚谷智之、吉川元浩、鎌田義、吉田俊彦ら兵庫勢が中心となったのは当然なのですが、そこでカマギーが一人足りないぞ、と。
2010_0317_0788 「高校の先輩を呼ばなアカンやろ!」
 高校の先輩って? 係留所にいたそのお方、カマギーらの手招きを受けて猛ダッシュでリフトまでやって来たのですが……ま、ま、松井繁!?
 そうなのです。松井も古結も、大阪の北陽高校を卒業しているのですね。どえりゃあ先輩をもったもんだなあ、古結。
2010_0317_0795  その松井先輩が左足を担当し、ワッショイスタイルで担ぎ上げられた古結は、1、2の3でドッボーーーーーーーーン! 超豪華メンバーによる儀式は、厳かな拍手と爽快な爆笑を巻き起こしておりました。もちろん松井も大爆笑してましたよ。
(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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THEピット――初日らしさ

 試運転用係留所にボートがずらり。展示が終わって緑のランプがつくと、一斉に水面に向かって飛び出していく。
 陸の上では装着場を選手が行き交い、ペラ室やオープンテラスのペラ調整場に選手が集う。
 これぞ初日! この慌ただしさが初日! そんな空気を肌で感じて、これがSGだよな~、とまた感慨を新たにする。
 気候一変の今朝だから、ということもあるのだろう。11時過ぎの時点で気温11℃、湿度34%、気圧1018hpa。前検時は気温21℃で気圧は995hpaだったから、ジュード・ロウ(H記者のオヤジギャグ)も真っ青の変化である。これをふまえて調整に励むのが道理というもの。ともあれ、ざわめく空気が心地よいSGオープニングの朝、である。
2010_0316_0294  1Rで大敗を喫してしまった鎌田義が、ヘルメットとカポックをつけたまま、装着場を疾走する場面を目撃。それでも目が合うと挨拶を交わしてくるのだから、礼儀正しい男である。その後も鎌田はおおむね駆け足で係留所やペラ場に移動しており、岩壁ギリギリの水際をショートカットしたりもしていて、落ちないように気をつけてね、などと背中に向かって呟いてしまう。
2010_0316_0445  2Rを戦った山下和彦は、今日は1回乗りとはいえど、まだ仕事をやめるつもりは毛頭ないらしく、試運転のピンク旗をつけたボートを装着場に置いている。ピンと背筋を張って自艇に向かうと、手早くリードバルブを外して整備室へ。鎌田と違って徒歩移動とはいえ、しかしやや速足ではあった。
2010_0317_0378  係留所から猛ダッシュしていたのは赤岩善生だ。ぎりぎりまで調整作業を続けており、気がつけば3Rの展示が終わってかなりの時間が経っている。赤岩は4Rに出走、すなわち展示の準備をしなければならない! というわけで、ボートを展示ピットに移動すると、全力疾走で競技棟に突入して勝負服とカポックの受け取り。脇に抱えて再び走り出した赤岩は、疾風のように展示待機室に吸い込まれていったのだった。
2010_0316_0468  といった感じで、多くの選手が走ったり速足だったり、一秒たりとも無駄にはしないという姿勢で空気をかき回しているわけだ。そんななか、ペラ調整に集中していたのは、井口佳典と湯川浩司。競技棟入口横に設けられている屋外のペラ調整場を根城にしている二人は、時折会話を交わしながら、ペラと向き合っている。他の選手は水面や係留所におり、ペラ場は長く二人のみ。そこに、1Rを1着で終えた田村隆信が合流したりして、一時ペラ場は銀河空間となっていた。今節、85期はこの3名の参戦。なんだか少ないような気がするのだから、銀河系軍団の存在感は大きい。こうして彼らが集結し、ともに作業をしている場面を目撃するのも、SG開幕を実感させてくれるものだ。

2010_0316_0202  そんななか、おめでとう水神祭。古結宏がSGデビューを1着で飾った。3R、鮮やかな逃げ切り。出迎える尼崎軍団の顔には、祝福の笑みが浮かんでいた。思ったよりも淡々と戻って来た古結に比べて、芝田浩治の深い笑顔が印象的。多数参戦の兵庫勢、もっとも古結のめでたいSG初戦を喜んでいるのは、芝田のように見えた。
2010_0316_0429  一方、2R1号艇を逃してしまった安達裕樹。2着に残してはいるが、やはり悔しさは隠せない様子だった。初SGとなった昨年のチャレカでは、トップクラスの厚い壁を痛感させられていただけに、今節は思いも大きいはずで、まして後輩の新田雄史がすでにSG水神祭を果たしているとあれば、内心燃えないはずがない。今日は7Rとの2回乗りで、時間があまり残されていないせいもあってか、その後は次なる戦いへの調整に急いでいた安達。平和島は1号艇が絶対的に有利ってわけでもないですからね。持前の全速戦で壁を突破してもらいたいものだ。

2010_0316_0492  最後にドリーム組。昨日の会見で本体整備をほのめかしていた今垣光太郎が、そのとおり整備室に陣取っていたのは想定通りだったが、菊地孝平がその隣で本体を割っていたのには驚いた。ペラ調整主体の菊地が、こんなにも早い段階で本体着手というシーンを見るのは初めてではないだろうか。意気込みが違うと見るべきか、それともよほどパワーが足りないと見るべきか……。池田浩二、吉川元浩、濱野谷憲吾はすでに着水して試運転にも出ており、松井繁は3R後に悠然と着水し、比較的遅めの始動であった。やはり松井の表情には余裕があるように見えるのだが……。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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アツい開会式!

 プリマベーラの華麗なイリュージョン・ショーで幕を開けた総理大臣杯の開会式。うむ~、プリマベーラかわいかったっす。
 もちろん、こちらも負けてません。水上のイリュージョンを見せてくれる52名の勇士たち。昨日競艇場を出る際、すでに正門前に並ぶ徹夜組の姿を目撃しておりましたが(素晴らしい! 頭下がります)、早朝から平和島に駆けつけたファンの方々が熱く盛り上がるなか、選手たちはそれぞれにたぎる思いを表明しましたぞ。
 まずは選手代表の三角“長さん”哲男から。

2010_0317_0064 三角哲男
オイッス! 声が小さい! オイッス! 舟券買わなかったら承知しねえぞ! いっぱい買えよ!

 総理杯だよ、全員集合! ということで、舟券いっぱい買わせていただきます。
 初出場組もアツかった。

2010_0317_0042 西川新太郎
ゼロの才能から努力と周りの支えでここまでこれました。未来の若い力の、僕でもSGに出られるんだという指標になりたくて、愛想なく人づきあいが大の苦手なので教えてあげることはできませんが……(後略)

 こんなにも長い選手紹介のコメント、聞いたことない。彼にとっては、心から感慨こみ上げるSG出場なのでしょう。なかなか成績が上がらない新人選手たちも、あきらめてはいけない。自分のようなものでもSGに来れたんだ! そんなメッセージを背中に乗せて、西川新太郎は走ります。

2010_0317_0057 古結宏
めちゃくちゃ夢のようですが、現実とシンクロさせていきたいです。

 そうです、夢をかなえたあとは、それをしっかり現実として根付かせなければいけません。SG初出場の2人は、若手へのメッセンジャーなのかもしれませんね。
 ベテランに差し掛かってきたグレートレーサーもアツい。

2010_0317_0005 烏野賢太
長い間SGタイトルから遠ざかっておりますが、まだまだ諦めてはおりません。

 男は40から、は競艇界の合言葉ですよ、グレート賢太さん!

2010_0317_0081 柏野幸二
40代になって2年目ですが、昨年の自分を超えられるようがんばります。

 これから競艇人生のピークを迎える、と宣言する柏野。やっぱり男は40からであります。

2010_0317_0073 山﨑毅
みなさん、オヤジ狩りは犯罪です。厳しく日本の法律で取り締まらなければなりません。

 だはは、これは日本の若者へのメッセージでしょうか、それともライバル51名への牽制でしょうか。50歳を超えても、男たちはアツい!

2010_0317_0110 寺田千恵
児島のみなさーん、矢掛町のみなさーん、女王としてがんばりまーす。

 いやいや、女たちもアツいですぞ! テラッチ、女も40から、ですよね?

2010_0317_0084 守田俊介
フライング休み中ずっと引きこもってたんで、体なまってますけど、精一杯がんばります

 ん? この人はあまりアツくないのか……? 50間近でアツすぎる男・H記者の期待にこたえるべく、今節は燃えてください。

2010_0317_0092 重成一人
秘めたる思いを秘めたままにしないよう、がんばります。
田村隆信
お客さんに楽しんでもらえるよう、熱い走りを見せます。今節、勝負かけます。

 アツく盛り上がってきたところで、最後はこの人の決めゼリフ。

2010_0317_0078 山下和彦
今節も、明るく楽しく元気よく!

 我々も、明るく楽しく元気よく! 総理杯でアツく盛り上がりましょう!

(PHOTO/中尾茂幸)

※ドリーム戦インタビューではこんな一言も。
2010_0317_00892010_0317_0116 濱野谷憲吾
次郎のほうがいい色出てるんじゃないですかね~。

いかがでしょうか?


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H記者の『本命・極選』初日

「明日は今日よりジュード・ロウ(10度ロウ)だってよ~」などとつまらん駄洒落を連発しながら、前夜祭@大森で軍資金の大半を使ってしまったHです。アホか。
 さあ、極貧状態で迎える初日。気温がジュードほど下がって前検とは別世界の水面ではありますが、自分の目を信じて舟券を買うことにします。シャーロック・ホームズは無理でも、ワトスン君くらいの推理なら可能なはず!!
 で、昨日のおさらいをすると……。

         狙いコース 今日の枠
SS岡本慎治  5・6   1・2
SS赤岩善生  3     5
S井口佳典   1     1
S辻 栄蔵   3~6   2
A岡崎恭裕   全     6・5
A木村光宏   5・6     2
A三角哲男   6     3
A田中信一郎 1・2    4・6
A湯川浩司  センター  3・1

 うむむ、狙いと実際の枠がかけはなれているのですよ。穴目で合致するのは5Rの3号艇・湯川-6号艇・岡崎くらいか。ただ、3-6-全は万太郎に届かない>< かといって岡崎はバランス型なだけに6-3までは苦しそうだし。
 今日のところはこの36全と3全6をこっそり買いつつ、穴・極貧予想はお休みします。ケンゴ・ロウどの、あしからず><
 代わって「本命・極選」で有り金を張り込みたいのが11R。

11R
◎1井口佳典
○2岡本慎治
 3中野次郎
 4横西奏恵
△5岡崎恭裕
 6吉田俊彦
進入123/456

 インで勝負したい井口がいきなりの1号艇。SS岡本が強敵ですがこの差しさえ防ぎきれば、一気に逃げきるはず。行き足のいい岡本が堅い壁になっての12一本勝負。何十回シミュレーションしても、これっきゃないっすよ。3連単もバランス岡崎への125一本で!

2連単★1-2
3連単★1-2-5

※うりちゃん、4Rは赤岩が5号艇だけに瓜生にも十分逃げきるチャンスはあると思いますよ。私は軽~く1=5を買ってみるつもりです。


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初日! SGが始まります!

おはようございます。SGがいよいよ開幕します! 総理大臣杯初日、昨日から一気に気温が下降しており、選手は調整に大変でしょうが、我々は体調に気をつけましょう。

2010_0316_0148 競艇場入りの際、テレビカメラにどわっと囲まれた守田俊介。H記者の期待にもこたえてあげてね~。(PHOTO/中尾茂幸)


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前検時計トップは木村光宏!

 平和島・総理杯の前検タイムをお知らせします。

★ベスト10

2010_0316_0544_2 1木村光宏 6・43
2鎌田 義 6・44
3岡本慎治 6・46
4海野ゆかり6・47
5吉川昭男 6・48
6山崎 毅 6・49
 吉川元浩
8松井 繁 6・50
 辻 栄蔵
 池田浩二
 石橋道友
 山口 剛
 岡崎恭裕

▼ワースト5
1萩原秀人 6・72
2都築正治 6・68
3田村隆信 6・66
4菊地孝平 6・65
 新田雄史

 前検の見立てどおり、木村光宏は伸び型スピード仕様のようです。このまま伸びを生かしてダッシュ戦法を多用するのか、出足型にシフトするのか、明日以降の気配に注目するとしましょう。気になる濱野谷憲吾は6秒55とまったくの水準レベル。大丈夫なのか、これで行けるのか、ケンゴ~!!(Photo/中尾茂幸、Text/H)


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H記者の「総理杯前検を斬る!」

 昨日、エウレカセブン(スロット)で残り千円からなんとか総理杯の軍資金を作ったHです。さあ、我がホーム平和島へようこそ! 私はこの日のために前節の一般戦にせっせとチャリを運び、穴が開くほどエンジンを睨み続けてきました。そして今日、これまた穴が開くほどボートの気配を睨みました。本当に穴が開いたらヤバイですけど。
 で、その診断結果をここに記しておきます。
2010_0316_0598 SS…岡本慎治 回○行◎伸○
 さすが私のイチオシ13号機、足合わせの気配は「まあ上位級かな」程度だったが、スタート練習でその怪物ぶりを発揮した。3コース、6コース、2コース、どこからでもぐんぐん加速してスリットの主導権を握る足。すぐに加速がついて、しかもバテずに伸びるというお宝パワーだ。岡本はたまに6コースひとまくりなどもやらかすから、人気のない外枠で穴を狙ってみたい。

SS…赤岩善生 回◎行◎伸△
 まず、足合わせが素晴らしい。坪井、西川、湯川らを相手にクルッと回って一瞬で突き放す横綱相撲。回り足が絶品すぎる。さらに、スタート練習の2本目3コースでゴキゲンな行き足を披露した。出足重視で加速も早くスロー向きの仕上がり。ターンマーク起こしが見込める3号艇あたりで大きく狙いたい。合言葉は「赤いカポックの赤岩」。ダッシュではやや割引すべきだろう。

2010_0316_0467 S…井口佳典 回◎行△伸○
 圧巻だったのは同僚・田村との足合わせ。内の井口はハイスピードを持続しながら小回りし、キッチリ外の田村を封じ込むという芸当を見せた。普通、あんなスピードで回ったら流れるかキャビるかして足合わせにならないはず。ターンの凄さ(井口はモンキーの進化形ターンを常に模索しているはず)を加味しても、あの回り足には痺れたな。1号艇で厚く勝負したい足。

2010_0316_0248_2 S…辻栄蔵 回△行◎伸○
 こちらは井口と違ってスリット付近の行き足が猛烈。カド受けの3コースでも4カドでもぐんぐん加速したから、直線全体のパワーが出色だと思われる。3~6号艇で人気薄のときにアタマ勝負したい。

A…岡崎恭裕 回○行○伸○
 足合わせで唯一赤岩にしっかり食いついたのが岡崎。スタート練習の行き足も上々でバランスのとれた上位級だと思う。枠を問わず、人気がないレースで穴狙い。
A…木村光宏 回△行○伸○
 スロー重視かと思いきや、スタート練習で2度も5カドを選択。それが伸びる伸びる。いつもの木村スタイルと違うのがやや気にはなるが、このまま伸び仕様を貫くならもちろん5、6号艇で一発大穴狙いだ。
A…三角哲男 回△行○伸○
 木村に似た足で、こちらはいつもの三角スタイルでもある。5カド2本でゴキゲンの伸び。この穴男を狙うなら、やっぱ6号艇だと思う。
A…田中信一郎 回◎行△伸△
 回って一瞬の足が素晴らしい。スッと1艇身ほど突き放す出足。が、そこからは相手に追いつかれるほどのチョボ伸びなので、早期決着が見込めるイン逃げと2コース差しで狙いたい。
A…湯川浩司 回△行○伸○
 これぞ湯川の前検スタイル。完全行き足~伸び仕様でガンガン飛ばす。まあ、実戦ではそのまま鵜呑みにできない面もあるのだが、前検としては及第点だろう。もちろんセンター一撃狙い。

大穴…安達裕樹 回?行?伸?
 何がどうとはうまく言えないのだが、2回の足合わせでかなり不気味なオーラを感じた。あくまで直感なんだけど……なんか、凄いかも、という気配を感じたのです。シリーズ中に一発あると信じよっと!!

 他で上位かも?と思えたのは白水勝也、池田浩二、横西奏恵、山口剛あたり。

2010_0316_0569

さてさて、気になる濱野谷憲吾は坪井康晴と一緒くらいに見えた。「坪井とタメなら上等じゃん」と思われるだろうが、今日の坪井の気配はよくて中の上レベルかも。悪くはないけど……という感じ。
 そして、もうひとり気になるあの男は……。
隠れSSS?…松井繁 回?行?伸?
 私が見た限りでは、松井は水面をさらりと1周しただけで、誰とも足合わせをしていなかった。スタート練習もオールイン戦で行き足や伸びはわからずじまい(イン選手はいちばん読み取りにくいのです><)……つまり、現エース47号機のパワーは私には不明。ただ、1周流して足合わせもしなかった、という事態そのものが、その足の何かしらを物語っているような気がする。1周走って、優勝を確信したのかも……??(Photo/中尾茂幸)

2010_0316_0687


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THEピット――フレッシュ

「なんか雰囲気が違うね」
2010_0316_0527  青山登さんが、にこにこと相好を崩しながら言う。たしかに、総理大臣杯は独特な雰囲気があり、一言で言えばフレッシュ。一般戦の優勝回数上位選手も顔を揃えるため、普段のSGではあまり姿を見ないような選手がピット内を駆け回っている。青山さんがつつつと歩み寄って声をかけたのは吉川昭男。4年前の当地総理杯以来のSG参戦だから、現役を退かれてちょうど1年ほどの青山さんにとって、解説者として初めてSGで顔を合わせる選手、ということになる。そうした選手が他に何人かいるのだから、新鮮さを感じずにはいられない、そんな総理杯のピットというわけだ。
「やっぱりSGやな~」
2010_0316_0556  長嶺豊さんが、にこにこと目を細めて唸る。そう、同時にこれがSGロードのスタート地点だということも、ピットに突っ立っているだけでビンビン感じるわけである。松井繁が試運転へと向かう。今垣光太郎がモーターを装着している。池田浩二が小走りで自艇へと向かう。服部幸男が凛々しい顔つきで係留所へと降りていく。これはたしかにSGの風景だ。頼もしい後輩たちが最高峰の戦いに向けて準備を着々と進めているのを眺め、長嶺さんは実に嬉しそうに頬を緩めていた。お疲れ様でーすっ、と田村隆信が10mほど先から頭を下げる。長嶺さんもちはーっすっ、と返して右の拳で左の手の平を何度か叩いた。その仕草もかわいい後輩へのエールなのだろう。
 いずれにしても、だ。選手も関係者も、高揚感を抱えながら迎えるSG開幕戦。オフシーズンのない競艇という競技において、選手たちは延々と長い戦いを繰り返していくわけだが、それでも“SG元旦”を迎えて特別な思いを感じない者はいないはず。そうして発散される思いがピットの中でひとつに集まって、スペシャルな空気を作り出しているのである。

 さてさて、この総理杯は、これまでとちょっとだけ違った雰囲気が確かにある、のである。
 というのは、SG用レーシングウェアが、なんと18年ぶりにリニューアルされたのであります。18年ぶり! 本日、各選手に新ウェアが手渡されたようで、さっそくこれを着用している選手が何人か見受けられた。
2010_0316_0187  古結宏、西川新太郎のSG初出場組は、もちろんこれを着用。これまでのウェアを持ってませんからね。青緑の地に白いラインが通ったニューウェアは、なかなか目に鮮やか。おっと、木村光宏もこれを着てますなあ。長嶺さんが古結に「なかなか似合っとるよ」と声をかけ、古結は照れくさそうに笑う、なんていうシーンもありました。
2010_0316_0626  賞金王出場選手のみが着ることを許された、賞金王用ウェアもリニューアル。こちらは深い青と白のツートンっぽいデザインで、松井繁、吉川元浩がさっそくこれを着込んで試運転へと飛び出していた。後半のエンジン吊りでは、瓜生正義が上衣だけつけてるところも発見したぞ。正真正銘、昨年のベスト12にしか与えられていないウェアなだけに、重みもより増したように見受けられる。
 まあ、本日のところは、これまでの賞金王ウェア、SGウェアを着ている選手のほうが多かった。まずは着馴れたものを、ということなのだろう。明日の選手紹介でも、ニューバージョンのスーツがお披露目ということなので、要注目であります。
2010_0316_0585  そうそう、ウェアが新調されたといえば、ここ平和島のスーパーユニット、トーキョー・ベイ・パイレーツのユニフォームも新しくなったぞ。目に鮮やかなピンクだった昨年バージョンが、今年はパープルが強調されたウェアに変わっている。今節参戦の東京支部は全員がベイパメンバーということで、濱野谷憲吾、三角哲男、飯山泰、中野次郎、福島勇樹の5名がニューウェアで前検作業。水面でもベイパ旋風を頼みますよ!

 前検の手応え的には、今日は「回ってない」という選手が多かった。気温が上がり、気圧が下がり、という気象状況。ちなみに15時頃で気温が21℃、気圧は995hpa。それもあって、「明日乗ってみて……」という選手が多いわけだ。ドリーム組も軒並み「回らない。明日乗ってみて……」であり、なかでも今垣光太郎は「ビックリしましたね~。想像していた以上に回っていなかった」と半ばあきれたように苦笑いを浮かべていた。
2010_0316_0622  会見場のドア付近に立っていたら、会見を終えて退出しようとする光ちゃん、こちらに笑いかけながら、「いや~、ほんとに驚きましたよ~。ぜんぜん回ってないんですから~」と、少しおかしそうに語ってきた。あまりの出来事に、誰かに話さずにおれない、てな感じなのだ。
 ちなみに明日は気温がぐぐっと下がる予報。「明日が2回乗りなら、調整が間に合わなかったかも」という光ちゃんも、1日じっくりと回転を合わせて、ドリーム組に臨むのであろう。もちろん、他の選手も同様のはずである。
2010_0316_0209  そんななかで、「松井さんがスリットから出ていった」という証言を、ドリーム組のほか5名が揃って口にしている。実際、松井自身、手応えは悪くない様子だったから、早くも主役確定!? うーむ、BOATBoy5月号で「松井繁に噛みつこうぜ!」という企画をやってしまっているワタクシ、いきなり松井に伏してお詫び申し上げなければいけない、のであろうか……。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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複勝率トップ機は松井の手に!!!!

2010_0316_0159  さあ、“強艇”たちの祭りがはじまった。12時過ぎから競技棟でモーター抽選会が行われ、選手たちの一喜一憂の声が会場に響いた。平和島のモーターは昨年6月から9カ月間使用されていて、数字の信頼度も高い。とりわけ68号機、47号機、13号機のトップスリーは選手間でも話題になっていたようだ。
「うおおぉぉ、出た~~!!」
 長い間エースの座を守り続けてきた68号機を引いたのは柏野幸二。その瞬間のどよめきは半端じゃなかったな。ただ、前節の私の見立ては「やや気配落ち」である。V候補のひとり興津藍が乗って優出を逃す平凡な成績。道中の足は「悪くはないが、かつての突き抜けるような迫力がない」というのが正直なところだ。
 むしろ、泉啓文がとんでもない強パワーを見せた13号機と後藤翔之が鋭い行き足で常にスリットを支配した47号機のほうが怖いと思うぞ。この2機は最近、68号機の複勝率を抜き去ったし。13号機は岡本慎治、47号機は松井繁の手に渡ったが、王者にとってはまさに「鬼に金棒」といえるだろう。こりゃ参った。
2010_0316_0163  一方、地元のエース濱野谷憲吾は……すでに銘柄級が他者の手に渡ってのガラポン回し。地元の記者たちは「頑張れ頑張れ」「少しでもいいの引け」と囁いていたものだが、複勝率37・7%はマズマズといったところか。
 以下に私なりの推奨機を記しておく。

前節の私の評価
◎13号機47%/岡本慎治…泉啓文がケタチのトップ足で優出2号艇。文句なしの節イチ!
○47号機48%/松井繁…後藤翔之が抜群の行き足~伸びを披露。S一撃注意。
▲68号機46%/柏野幸二…常にエース級の評価だが、興津藍が乗って一息の感。過信禁物。
穴72号機33%/吉田俊彦…複勝率は低いが石渡鉄兵が完璧に仕上げて圧倒V。勢い怖い。
△22号機41%/萩原秀人…加藤峻二が外から突き抜けて2度の大穴を提供。回り足強い。
その他の評判機
△70号機45%/吉川昭男…伸び強烈で常に一発の魅力あり。
△63号機45%/安達裕樹…誰が乗ってもソコソコ出る安定感。

 この7人の中で、やっぱりどうしても目が行ってしまうのは、あの男の名前だなぁ。(Photo/中尾茂幸、Text/H)

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SGだな~――選手入り

 若者たちのハツラツとした表情に会える新鋭王座は楽しい。華やかさに心躍る女子王座も楽しい。究極の緊張感漂う賞金王決定戦の後だから、彼ら彼女らの柔らかい表情には癒されるというものだ。
 でも、やっぱりSGはいいな~。
 振り返れば、総理大臣杯の選手入り取材では、毎年そんなふうにウキウキしているような気がする。
2010_0316_0072  SG感を強く味わわせてくれるのは、やっぱり松井繁! 例年、この総理杯がその年の顔合わせ初めとなるわけだが、この人の姿を見ると「今年もSGがやってきた!」という気にさせられる。シリーズが始まれば、きっとその威圧感たっぷりのたたずまいにこちらも緊張を強いられるのだろうけれど、今年も彼の図抜けたオーラを味わう日々が帰ってきたのだと思えば、やはり競艇者として高揚感を覚えずにはいられない。
2010_0316_0045  そうした感覚を与えてくれるのは、もちろん松井だけではない。瓜生正義の姿を見ても、やっぱり「これがSGや~」と呟いてしまうし、坪井康晴と挨拶を交わしても、やっぱり「今年もSGが始まるんだな~」としみじみしてしまう。(おそらく)最後に通用門をくぐった選手となった池田浩二がクールにピットに入ってくれば、「そういや去年はこの人からSGが始まったんだ」と1年前の多摩川総理杯を思い出す。
2010_0316_0153  う~ん、やっぱりSGはいいっすね!
 5月以降はまさしく怒濤のSGロードとなるわけだけれども、この総理杯の感覚はやっぱり独特。たぶん選手も同様であろう。

2010_0316_0076_2   もちろん、新鮮な顔ぶれにも心は弾む。西川新太郎に会ったのは、いつ以来だろうな~。4年前の唐津新鋭王座に出場していたのは覚えているし、恒例となっている浜名湖GⅠ参戦時にも出場していた節があったと思うのだけれど……。昨年絶好調でSG初出場の切符を手にした西川は、どう見ても明るい表情。こちらも久しぶりとなる都築正治とともにピット入りする足取りは、実に軽やかなものだった。
2010_0316_0087  その西川に「おはよっす」と声をかけた古結宏もSG初出場。西川同様、昨年絶好調のVラッシュで、この舞台に駒を進めてきた。西川とは84期の同期ですね。84期といえば、5年前に笠原亮がSG初出場初優勝を成し遂げたのが、この総理杯。西川も古結も、これに続けーーっ! 古結の顔もきらきら輝いておりましたぞ。
2010_0316_0050  SG初出場ではないけれど、取材班がSGで初めて会うのは山﨑毅。昨年の名人だ。調べてみたら、1994年全日本選手権以来だから、15年半ぶりのSGかあ。91年の平和島総理杯では準Vも果たしており、今節はいろんな意味で感慨深い一戦となるはず。ちなみに、94年ダービーは植木通彦さん、91年総理杯は野中和夫さんが優勝。ともに引退しているのだから、山﨑のSG参戦には大きな大きな意味がある。
 こうした面々を見ていると、これが総理杯だな~、という感想も沸いてきますな。
2010_0316_0101  というわけで、女子王座Vで総理杯に乗り込んできた寺田千恵。その女子王座では、ワタクシの腹をすりすりして優勝したのでありますね。意気揚々とピット入りしたテラッチ、顔を合わせてさっそくすりすりと触っていきましたぞ。今節もご利益がありますように……。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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平和島! SG開幕!

Scimg4988 おはようございます。取材班、先ほど平和島競艇場に到着しました!……といっても、徒歩圏内なんですけどね。そうです、平和島は我々のホーム。ここで2010年SG開幕戦が繰り広げられるのです!

というわけで、今節も本日の前検から最終日まで、現地より取材更新してまいります。執筆環境の整理に手間取ってしまいましたが、もう選手も競艇場入りしているはず。さっそくピットに走りまーす。


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優勝戦私的回顧

2010_0307_0001  女子王座決定戦最終日には波乱の空気が漂っていた。
 1レースで1号艇の池田明美が敗れて3連単5万シュウが飛び出すと、その後もインが次々と負けていく。7レースでは「本日のレースで一番堅いのでは?」と思われた田口節子がイン戦で敗れて、ふたたび3連単5万シュウが飛び出した。11レースまでに決まった逃げは3本しかなかった。

 インを弱くしていた原因は、2マークスタンド側から吹き付ける風速7m前後の強風であった。強風の影響でスタートが決まりにくい。さらにスタートが決まっても、この風と波が先に1マークを回った艇を外へと押し流してしまう。流れた分だけ差す艇の絶好の餌食になる。11レースまでに差しは6本も入っていた。

_u4w2934  この波乱の空気は優勝戦にも伝播する。
 発売締め切りのベルが鳴り、ファイナリストが乗艇。あとはエンジンを始動させて水面へ出て行るだけという段階になって、なぜだか寺田のエンジンがかからないのである。

 始動ロープを1回、2回、3回、4回、5回……10回……20回……、何度も何度も力いっぱい寺田がロープを引くが、エンジンは始動しない。
 整備員が寄ってきて、寺田のエンジンの状態を確認しはじめる。場内のモニターには「しばらくお待ちください」の文字が映る。それでもエンジンはかからない。場内がざわつきだす。
_u4w2932  正確な時間を計ったわけではないが、だいたい4分くらいエンジンと格闘していただろうか。ひょっとして寺田は欠場になるのでは!? 不穏な気配が漂い出したところで、ようやくエンジンがかかった。

 私は直感的に「寺田は負ける」と思った。エンジンは始動しても、動揺がすぐに収まるはずもない。
 インコースの最大の敵は己の心の乱れである。

2010_0307_r12_0877_2   ところが、驚くべきことに、寺田はトップスタートをしっかりと決めたのである。

 しかもタイミングはコンマ02!

 私の直感がアテにならないのは今にはじまった話ではないが、スタートが難しい強風、しかもエンジンが始動しないというトラブルの中、本日一番のスタートを入れてみせたのである。これが驚かずにいられるだろうか。

2010_0307_r12_0888  1マークもきわめて冷静だった。
 最初に書いたとおり、本日の下関はイン受難の水面であった。それは先に回った艇が外へと流れるためである。

 なので、寺田は待った。2コースから同体のスタートを切った向井美鈴の差しを封じ込めるため、ギリギリまで握るのを待ったのである。
 日高が捲りの初動を入れたのにあわせて、ようやく寺田はレバーを握る。向井には差し場を与えず、日高の捲りをも押さえ込む。この日のイン受難の風を、優勝戦でしっかりと克服してみせたのである。

2010_0307_r12_0899 「水面が悪かったので、先に握ると差されると思って、誰かが来るのを待ってから握りました」
 寺田はレース後にこう述懐している。
 口で言うのは簡単だが、この作戦にはリスクが伴う。競艇でインコースが有利なのは、他艇に関係なくターンマークを先に回れるからである。それを他艇をいったん引き付けてから回るのだから、タイミングを間違えれば捲りに潰されてしまう。
 また、エンジンの裏づけがなければできない作戦でもある。抜群の加速感を持ったエンジンに仕上げていたからこそ、成功したともいえる。

_u4w3326  優勝戦の結果だけを見れば、実績上位の格上選手がイン逃げを決めただけのレースに見えるだろう。しかし、今年の女子王座決定戦はイン逃げにいたるまでに、ドラマがあったのである。

 もう一度書く。あの逆境のなか、トップスタートから逃げ切った寺田の強心臓には驚かされる。

 寺田選手、お見事でした。2週間後、ふたたび平和島で我々をあっと驚かせてほしい。

(PHOTO・中尾茂幸<1456枚目> 池上一摩<237枚目> TEXT・姫園淀仁)
 


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THEピット――女帝たちに腰砕け

2010_0307_0415  11R前、展示ピットにボートをつけて、待機室に向かうために装着場にあらわれる。その表情を見て、「余裕だね」とチャーリー池上カメラマンが声をかけると、鎌倉涼はニコニコニコッと満面の笑みを見せて、オッサンを腰砕けにさせるほどプリティに言った。
「えぇぇ~、どっこが余裕なんですかぁぁぁぁ~」
 オッサンから言わせてもらえれば、それを余裕というのである。数十分後にGⅠ優勝戦を控えた20歳の女の子が、どうしてこんな表情を見せられるのか。その少し前に話をしたとき、「昨日、(田口節子に猛追されて)がむしゃらに走ってたら、そういうの(緊張感など)は吹っ飛んじゃいました」とオッサンの心を射抜くような笑顔で言っていたが、きっとそれだけでは説明できないハートの強さが彼女にはあるのだと思う。鎌倉涼はかわいいだけではない。大物感をしっかりと発散できる若者だ。
2010_0307_0326  鎌倉の数分後には、魚谷香織も同様に装着場にあらわれた。「ものすごく気合入ってる。いつもと顔つきがぜんぜん違う」と、公私ともに彼女と親しい都築あこちゃんが心配そうに言った。つまり、気合が入りすぎているのではないか、というのだ。「それがいいほうに出ればいいんだけど……」、あこちゃんはさらに心配そうに続ける。なるほど、魚谷の目つきは相当に厳しく、頬もギュッと締まっている。今節、そうした魚谷を何度か見たように思うが、たしかに緊迫感はずっとずっと増している。優勝戦だから、といえばその通りだが、地元という部分への意識が、オッサンをへなへなにさせる持前のプリティな笑顔をすっかり消してしまっているのであろう。魚谷香織はかわいいだけではない。心意気のようなものをしっかり表現できる若者である。
 96期24歳。100期20歳。未来を担っていく若者二人が、対照的な表情を見せていたレース前。実はレース後も、鎌倉は五反田忍や高橋淳美に囲まれて笑顔、魚谷は仲間とともにいても淡々、と対照的だったのだが、他の4選手以上にその姿を目で追い、ずっと多くの印象を刻みつけられたのは、何も僕がオッサンであるというだけではあるまい。結果は残念だし、いきなり結果が出なくて当然ではあるが、しかしやっぱり彼女たちが勝ち、歴史が変わる瞬間を目撃し、潤んだ笑顔を目の当たりにして胸をときめかせたかったなあ……って、やっぱりオッサンか。いやいや、オッサンがどうこういう以上に、魚谷と鎌倉が優出し、健闘を見せたことは大きな大きな意味があったと心から思う。間違いなく、彼女たちは第23回女子王座決定戦の、もう一方の主役であった。

 とは言いつつも、テラッチの優勝は実に嬉しいことでもあった。
_mg_1284  皆の衆、寺田千恵の優勝は、不肖ワタクシのおかげであったということをご存知か? 知らない? 知らないのですか? ならばお教えしましょう。テラッチがワタクシの半艇身ほど出っ張ったデカ腹をさすると、あら不思議、その日のテラッチは1着を獲るのである。今節、最初に触ったのは2日目。それから連日、朝一番で会ったときにすりすりとさすり、出走表をご確認ください、以降テラッチは毎日、1着を獲っているのである。昨日のレース後など、テラッチは「クロちゃん、明日もいる? いるよね?」と優勝戦前にもワタクシの腹を求める意思表示をし、もちろん今朝、ピットで突っ立っていたワタクシの背後からすりすりすりと触ってきた。ワタクシは今節、テラッチの福の神となっていたのであります。賞金の1割くらいもらってもバチは当たらんかな、うん。
2010_0307_0156_2   なーんちゃって。もちろんすべてがジョークのようなものであります。勝負師ならではのゲン担ぎ、ということで毎日すりすりしていた部分はあっても、言うまでもなく、この優勝は寺田千恵の実力によるものである。当たり前だ。
 僕は毎日腹を触られながら、そのメンタリティについて、感心させられてきたのだ。テラッチはおそらく、下関入りした瞬間から闘争心のスイッチを入れていた。実際、ペラを手にしたとき、出走直前に待機室に向かうとき、頭の中のコンピュータをフル回転させているとき、険しく思いつめたような表情で、何者をも寄せ付けないような雰囲気でいるところも目撃している。そんななかで、たとえばアドバイスを求めてくる後輩だったり、コメントを求めてくる報道陣だったり、他者が接触を求めてくれば即座に笑顔を引き出しの中から取り出せる。メンタルが仕上がっている証拠ではないか。
_mg_9861  もちろん、機力の仕上がりの良さも大きく影響していたと思う。モーターがまるで言うことを聞いてくれない状態だったら、さすがに険しい顔の割合が激増していたはずだ。これについては、ご主人である立間充宏の尽力も大きく、「主人の頭の中の考えが正解した」と昨日の会見でも今日の会見でも、強調していたものである。それも含めての節イチ級の仕上がり、それがテラッチのメンタルをさらに充実させていた。モーター始動の際になかなかエンジンがかからないというハプニングに見舞われても、かえって冷静になれたというのだから、その精神力も節イチだったと言うほかない。
 というわけで、優勝後に「クロちゃん、毎節来てよ」と無茶なことも言われたのでありますが、そうしたやり取りができるテラッチのバイタリティがとにかく最高なわけである。テラッチ、次は総理杯で会いましょう。平和島は僕のホームプール。毎日、腹を洗って駆けつけます。ここ一番の勝負では、ぜひまたすりすりしてくださいね。

_mg_9939 最後に、向井美鈴のレース後の笑顔がとっても素敵でした。あまりに素敵で、悔しさをその裏に隠してる?と深読みもしたものだが、それはおそらく考えすぎ。スタ展で日高逸子に獲られた2コースを本番では獲り切り、今節3度目の超絶スリットを決め、準Vという結果を出した。地元のプレッシャーもありながら、納得のいくレースができたのだとすれば、あの笑顔も当然であろう。日高逸子と濱村美鹿子のレース後の淡々とした様子にも貫禄を感じて鳥肌が立ったが、それ以上に 向井の笑顔には腰砕けにさせられた。(PHOTO/山田愼二=ウイニングラン、向井 中尾茂幸=鎌倉、魚谷、寺田2枚目 池上一摩=寺田1枚目 TEXT/黒須田)


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ブラックH記者のファイナル極貧プラス

さあ行こう、優勝戦!

12R女子王座ファイナル
 ①寺田千恵
★②向井美鈴
 ③日高逸子
 ④濱村美鹿子
★⑤鎌倉 涼
 ⑥魚谷香織
進入123/456

 私の中の理性・良識、つまり白Hは「寺田か日高が勝つ」と今朝からしきりに耳元で囁いています。が、私の中の野生・本能、つまり黒Hは「昨日の10Rを思い出せ」と言うのです。海野、横西、岩崎……歴代女王がこぞってFに散った。その流れが何を意味するか、頭ではなく皮膚と心眼で考えろ、と。下関の潮は、新たなる女王を生み出そうとしている、と。今日の私は、黒Hに従います。昨日のFでこの好枠を得たツケマイ姫・向井か、完全なる下克上アップセットをやらかしそうな鎌倉か。きっとおそらくなんとなく、このふたりのどちらかが勝つでしょう。で、2着は誰でもありですけど、点数を押さえたいという理由でこのふたりのウラオモ勝負! もし濱村か魚谷が勝ったら? それは単に私の博才がゼロってことで、はいw

3連単★2=5-全


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優出選手インタビュー

 5レース発売中に、下関競艇場の中央スタンドイベント広場で優出選手インタビューが行われました。ホール自体があまり広くないということもあるのでしょうが、会場は立錐の余地がないほどの人人人でした。

 

_u4w2300 寺田千恵

 冷え込んでいるので回転が上がり気味ですが、ターン回りだけは悪くしないようにペラを調整していきたいと思います。スタートはエンジンが連れて行ってくれるので、いいスタートをイケています。下関は大好きな水面。もう1回女王になりたいと思います。みなさんたくさん買って応援してください。

 自然体な感じで受け答えをするテラッチ。インタビューの途中で少し噛んだりしたのも、べつに緊張しているわけではなさそう。今日はまだ水面ではあまり見かけていません。足に自信があるので、いまさらジタバタしなくてもいいのかもしれません。

_u4w2312 向井美鈴

(地元の女子王座で優勝戦に乗れて)サイコーの気分です。舟足はこのメンバーに入ると出足に劣るので寂しい感じです。スタート勘は行き足がきていないので合っていないですが、行くことはできます。本当は捲り屋なので2コースは好きではないですが、この風と水面ならば2コースを死守します。

 中央ホールにびっしりと埋まったファンに少し気おされたのか、やや堅い印象を受けました。ちなみに向井は朝イチから毎レース間のように、魚谷香織と足あわせをしているのですが、足あわせあほぼ魚谷の全勝。「寂しい感じ」というのは本心からの言葉だと思われます。

_u4w2329 日高逸子

 今日は冷えたせいか感じがいいです。時間があるのでエンジンを分解して点検しています。(乗り味は)乗ってみないとわからないです。エンジンは伸び型な感じで出足は人並みですね。コースは3コースになると思います。苦手なコースなんですけどね。
 この中では私が一番リラックスしていると思います。(自分の)子供みたいな年齢の人と走りますが、負けないようにがんばります。

 グレートマザーは緊張とは無縁。インタビューも手馴れたものでした。「冷えて感じがいい」とのことでしたが、実際にインタビュー後の足あわせでは、鎌倉涼よりも少し分がいい気配をみせていましたよ。

_u4w2336 濱村美鹿子

 とくに伸びる感じはないが、回り足はいいです。伸びをつけようとしてもつかないのですが、乗りやすさはきています。スタートは速いのがイケていませんが勘は合っています。展開を突くレースをしたいですね。
 一生懸命走りますのでご声援よろしくおねがいします。

 バンビ濱村さんもリラックスしているように感じました。彼女もいつ女子王座を勝ってもおかしくない力を持っていながら、無冠のままここまで来てしまいました。本人の談話どおり、展開があれば突けるだけの足は持っているので、そろそろ女王戴冠も。

_u4w2342 鎌倉涼

 全体的にイイです。スタートは外からなら大丈夫です。下関は相性がすごくよくて、3回来てすべて足もいい。スタートもイケています。
 気持ちを入れて一生懸命走ります。よろしくおねがいします。

 カワイイっす。おそらく昨日の下関の夜は、あちこちの飲み屋で「涼ちゃんカワイイ」との話題が持ち上がっていたのではないでしょうか(ニフティ取材班も、そんな話をしてました)。挑戦者の立場ですので、悔いの残らない思い切ったレースをしてもらいたいです。

_u4w2363_2  魚谷香織

(優出できて)すごくうれしいです。去年はこの舞台で走ることを夢見て1年間がんばってきました。
 足はいい足に仕上がりました。今日の朝の試運転が一番いいです。今節はずっと苦戦をしてきましたが、今日の足ならば戦えまるレベルにまできました。
 展開が開くことを信じて、外から思い切ったレースをします。

 カワイイっす。でも、カワイイだけじゃないんです! 朝の試運転を見ていましたが、本当に6日間で一番いい足をしています。向井をまったく寄せ付けない足。6号艇なので人気はまったくないはずです。穴なら魚谷です!

(PHOTO・池上一摩)


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THEピット――テラッチ&涼ちゃんのゴキゲン

2010_0306_0222  1Rのエンジン吊りを眺めていたら、背後からそーっと顔を覗き込んできた人がいる。寺田千恵だ。にこにこっと笑って、静かに一礼。今朝もテラッチはゴキゲンだ!
 早朝のピットで撮影をしていた中尾カメラマンが、「千恵ちゃんが、なんだか緊張してきたって言ってたよ~」と報告していたので、さすがのテラッチも優勝戦1号艇ともなれば身震いするのか、と思ったのだが、僕が見た範囲ではそんなことはない。まあ、レース直前ともなればいろいろ考えるだろうが……。中尾Cによれば、ようするに「朝からカメラ(テレビカメラも含めて)が殺到していた優勝戦1号艇。その雰囲気に気圧された」ということらしい。1~2Rの時点でも報道陣が昨日までに比べて相当増えているもんなあ。1号艇うんぬんというよりは、優勝戦ならではの異様な雰囲気に対して、普段とは違う思いを抱いたに過ぎないのだろう。

2010_0306_0131  ゴキゲンといえば、ある意味、優勝戦でもっとも注目を集めている鎌倉涼も、にこにこにこにこと笑顔をふりまいていた。昨日の会見では「チャレンジャーなのでプレッシャーはありません」と言っていたものだが、それにしてもここまでリラックスできるものなのか。高橋淳美や中谷朋子が寄り添っており、この先輩たちが鎌倉の心を支えてもいるのだろう(師匠の五反田忍は3R出走なので、その準備に大忙しの様子だった)。昨日のピット記事では、鎌倉優出に対する妙な静けさを記した。だがやはり、時間が経てば、特に近しい間柄にある先輩たちは、かわいい後輩のサポートに回る。それもあって、鎌倉は朝の時点では平常心で過ごせているのだろう。ま、ともかく。朝からプリティスマイルを見ることができて、昨日から参戦の山田カメラマン(とっくに名人戦世代)は鼻の下を伸ばして大喜びしておりました。ま、僕も嬉しかったけど。

2010_0306_02412010_0306_0086  地元の二人――向井美鈴と魚谷香織は、1R発売中から試運転をしていた。優出メンバーの動き出しというのは比較的ゆっくりしがちなものだが、地元コンビは一般戦組に混じって、早くから水面を駆け巡っていたのだ。僕はそれを、悔いを一滴たりとも残したくない思いのあらわれ、と見たい。魚谷は「昨年1年間、今節のために頑張ってきた」と言っていたが、それくらい下関女子王座への思い入れは他の誰よりも強い地元勢。もちろん結果を出すために彼女たちは頑張るわけだが、それ以上に納得のいく戦いをしたいと考えるのが当然だろう。2R発売中にも、3R発売中にも、試運転可能の合図とともに係留所を離れた2人。今日はほぼ1日じゅう、水の上でも陸の上でも、向井と魚谷が駆けまわる姿を見られるはずである。
2010_0306_0088_2   で、本当にゆっくりした動きだしなのは、先の鎌倉と濱村美鹿子である。3R発売中までピットにいて、調整なり試運転なりをまったく見かけなかったのが、その2人なのだ。寺田も実は1R発売中にはボートが係留所にあって、1R後にいったん引き上げているのだ(そのあとペラ調整に向かった)。鎌倉の余裕はやはり驚きだし(仕上がりは100点満点だそうです)、濱村の淡々とした様子にはMVPウーマンの貫禄を感じる。ボートを確認すると、プロペラは外されていたから、そのうちにペラ室にこもるようになるはず。その落ち着いた様子はむしろ優出メンバーらしいとも言える。

2010_0306_0296  そんななか、日高逸子が本体整備に着手したぞ。装着場にあるボートから本体だけを取り外し、腕に抱えてえっちらおっちらと整備室へ。昨日の会見で「今節は1回も本体を見ていないから、明日見てみる」と言っていたので、予定通りの行動だろう。準優はアシ落ちしていたということで、その改善策として本体をチェック。大がかりな整備になるかどうかはともかく、優勝戦に向けて上積みをはかろうというわけだ。表情にはまったく焦りはなく、整備士さんには笑顔を見せてもいた。展示などの気配にはぜひ注目してほしい。上昇気配が見えたとしたら、結果はともかく、それは日高スタイルの結実である。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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最終日! 女帝戴冠するのは誰だ!?

おはようございます。女子王座決定戦もいよいよ最終日、優勝戦の日を迎えました。今日の下関は昨日に比べると少し寒いですねえ。追い風が強めに吹いてもおり、こうした気象条件が選手のハンドルワーク、機力にどう影響を与えるのか。優勝戦までの流れをしっかりと見極めていきたいところであります。

2010_0306_0112 昨年の最優秀女子選手・濱村美鹿子がきっちりと優出を果たしました。MVPウーマンの面目躍如であります。準優と同じ4号艇、少なくとも外枠は枠なり濃厚となれば、レースぶりも準優と同じカドツケマイで展開を作るか。波乱のカギを握っているのはこの方でしょうね。あ、今日の優勝戦、日高逸子以外は準優と同じ枠番だ……。(PHOTO/中尾茂幸)


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準優勝戦私的回顧

【10レース】

 1号艇は第17代女王の海野ゆかり。
 4号艇は第15代女王の岩崎芳美。
 3号艇は女王の座に3度輝いた横西奏恵。

 準優勝戦10レースには3人の歴代女王が出場していた。

2010_0306_r10_0476   優位な立場にいたのは海野である。
 枠なり想定の1号艇。機力上位。インが強い下関で、おあつらえむきに追い風まで吹いている。全速トップスタートさえ決めれば、海野の勝利はほぼ確実であった。
 人気を背負ってはいたものの、難しい立場にいたのが横西だ。初日よりも持ち直したとはいえ、機力はまだ劣っていた。優れたテクニックで低調機をカバーして予選を勝ち上がったが、準優メンバーが相手となるとさすがに骨が折れる。機力差を埋める最大の武器はスタート。確実に勝つためには内2艇よりも速いスタートを決めるしかなかった。
2010_0306_r10_0474  岩崎の作戦は同県の横西マーク。横西がスタートを決めて攻めれば、展開が開ける可能性が高い。逆に岩崎が避けなければいけなかったのはスタート遅れ。スリットで後手を踏んで外に叩かれてしまうと、横西の外という絶好位が不意になる恐れがあった。
 優位な立場の海野も、難しい立場の横西も、そして岩崎も、立場こそ違えどスタートだけは絶対に遅れたくなかったのだ。

 本番。スリット手前50mあたりで、横西の艇が出て行こうとする。彼女が勝つために必要なのはトップスタートなのだから、少々速くともギリギリを攻めていく。
 海野も引くに引けない。速いとわかっていても、放った瞬間に潰されてしまうのだからギリギリまで付き合わざるをえない。カドの岩崎も横西に追いつこうと伸びていく。

 海野、横西、岩崎、3女王がほぼ同時にスリットを通過する。
 そして、3女王が共倒れ。
 まさかまさかの3艇フライング失格である。

2010_0306_r10_0497  3艇が水面から消えると、向井美鈴と魚谷香織が優出の椅子にスッポリと納まっていた。人気薄の地元選手2人が、3艇フライングという大波乱の結果、優勝戦へと進出したのである。

 決まり手は「恵まれ」。だが、単なる棚ボタではない。
 向井はコンマ01のスタートでフライングの難を逃れたが、もしもフライング艇がなかったとしても、2着は確保していたであろうレース内容だった。ある意味、自力の優出といっても過言ではない。
 魚谷は内側の速いスタートが目に入ったにもかかわらず、よくガマンできた。不利な6コースからの競走なのだから、本当ならばもっと踏み込みたかったはずなのに。この冷静さが優出につながったのである。

 勝負の結果なので3女王のフライングを非難はしない。ただ、残念である。もしもフライングがなければ、バック水面で、海野、横西、向井、魚谷の4艇が横一線に並ぶ壮絶なレースが繰り広げられていたはずだったのだから。

 

【11レース】

 前のレースでフライングがあったにもかかわらず、内5艇がコンマ09~12のスタートを入れてきた。見事! 
 ただし、スリットがそろった分だけ攻め手に欠いた。残念。
 2コースの田口が差し、3コースの山川が二番差し、4コースの三浦が捲り差しと、内に艇が殺到する。
2010_0306_r11_0675  スリット同体ならば、たとえ誰かが捲くってきても押し切れるだけの機力が寺田にはある。攻め手がいなければ逃げ切るのは必然。1マークで後続を突き放して、早々と優出を確定させた。

 人の行く裏に道あり花の山。2~4コースが内に殺到してゴチャついたために、外にチャンスが生まれた。差し場がないのでイチかバチかで外をブン回した鎌倉涼の握りマイが、2番手にまで届いたのである。徒手空拳の若き思い切りは、ときとして堅い鎧を貫く。とくに相手が技巧に走れば走るほど。

 ただし、ここからの鎌倉のレース運びは薄氷を渡るがごときものだった。
 エンジン差のあった山川美由紀は、2周1マークで何とかツケマイに沈めた。だが、その後は田口節子が執拗に2着を付け狙ってくる。
2010_0306_r11_0706  先マイ、切り返し、突進気味のターンと、各コーナーごとに田口はあらゆる手を使って鎌倉を脅かす。田口の技が繰り出されるたびに、舟券を持っているであろうファンの唸り声がスタンドにこだまする。
 すわ逆転か。そんな場面ばかりだったのだが、寸前のところで鎌倉は田口を交わすのだ。最終コーナーで田口はイチかバチかの突っ込み。それをギリギリ握って交わして勝負あり。この瞬間、鎌倉が100期以降の選手として、はじめてのGⅠ優出を決めた。

 わざわざ説明するまでもないが、田口はトップクラスの女子選手である。その田口と互角に渡り合って最後までしのぎ切った鎌倉には恐れいる。
 この準優勝戦は後々まで語り継がれる一戦になるのかもしれない。平成生まれのスターが競艇界に誕生した瞬間として。

 いや、この言葉は明日まで取っておいたほうがいいのか……。

【12レース】

2010_0306_r12_0882_2   21優出0優勝。しかも優勝戦1号艇の経験なし。あと一歩のところで優勝を逃したことも何度か……。そんなあと一歩のところで優勝し切れない池田紫乃が、女子王座決定戦の大舞台で、予選トップ通過の準優勝戦1号艇を手に入れた。

 緊張するなという方が無理である。
 最大の難関であったスタートは決めた。トップタイスタートだ。しかし1マークで、カドから攻めてきた濱村を牽制するあまり、外へと流れてしまう。しかも艇がハネる。そこを歴戦の兵である日高逸子にズッポリと差される。

 冷静でいろという方が無理である。
 池田はバック水面で2番手を走ることになる。もちろん2着でも優出は可能であったが、2マークで自分を差した日高にツケマイを放とうとする。その結果、外へと流れていく。そこを待ってましたとばかりに濱村が差す。
 あとは2周1マークで、濱村に合わせて回られて万事休す。悲願の初優勝が女子王座決定戦という池田の偉業はここで潰えた。

2010_0306_r12_0894  勝ったのは日高逸子。きわめて冷静な競走であった。濱村の捲りには見向きもせず、池田が流れるのを見越すかのように差しを入れた。
 濱村も思い切りがよかった。1マークでキップよく握らなければ、池田が外へと流れることはなかっただろう。

 結局、このレースから優出したのはA1の2人。11レースとは対照的に、12レースは経験がモノを言った一戦となった。
 ただ、惜しくも3着に敗れた池田も、これが大きな経験となるはず。この敗戦を糧に、さらに大きく成長してほしい。

 明日の優勝戦は、地元あり、歴代女王あり、平成生まれあり、名人世代ありのバラエティ豊かなレースとなる。

(PHOTO・中尾茂幸 TEXT・姫園淀仁)

 


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THEピット――静けさ

10R 痛い静けさ

2010_0306_0029  何度立ち会っても慣れない。
 この沈痛な空気は、いつだって疲れをドッと引き出してしまう。ましてや、それが勝負どころであったり、また大きな大きな期待を背負う超大物によるものだったりすると、心に巨大な岩石を抱えたような気分になる。
 海野ゆかり、横西奏恵、岩崎芳美がフライング。
 そう書き記すこともツラくなってしまう。
 1号艇で人気を背負った海野。女子の圧倒的第一人者として艇界の期待を一身に担う横西。この二人がそこに名を連ねたことが、さらにピットの空気を憂鬱なものにしていた。岩崎も女子王座優勝経験者。10R出走組のなかでは実績上位の3人が戦線離脱したのだから、衝撃は大きくて当たり前だった。
2010_0306_0206  ピットに戻ってきてからの3人の表情は、まったく記す必要がないだろう。一言で記せば、硬直。それが当然だし、それぞれが責任の重さを自覚していることもあってか、正視するのもためらわれるものだった。海野には角ひとみ、横西には池田浩美らがそっと寄り添ったりもしていたが、凍りついた表情はそう簡単には解けない。11R後のことだが、中里優子が優しく岩崎の肩を揉んで慰めても、岩崎はやるせない表情で力なく笑うことしかできないでいた。
_u4w1053  そうした空気の中だから、優出を果たした地元のヤングレディースたち=向井美鈴も魚谷香織も、喜びを爆発させることなどとてもできない。笑顔はあっても控え目だし、片岡恵里や佐々木裕美もそっと祝福する程度。あまりに痛い思いを強いられてしまった3人を前にしたら、そうすることがひとつの礼儀でもあろう。
_u4w1390  とはいえ、共同会見などでは二人とも満開の笑顔を見せてはいた。何より、念願の地元女子王座の優出なのだ。誰よりも強い思いで下関入りしたはずの彼女たちが、結果をきっちり出したのだ。二人とも、単なる女子王座初優出にはとどまらない歓喜があって当たり前である。
「もう地元での女子王座は二度とないでしょうから……えっ、そんなことない?(笑)そうですね、まあ地元女子王座の優勝戦に乗れる機会はなかなかないでしょうから(笑)、できればここで獲りたいですね」
 向井は会見でどえらく大げさな物言いをして報道陣を笑わせていたが(もちろんいつか下関や徳山で女子王座を開催する可能性は充分にあります・笑)、それに合わせて笑った向井の顔には艶やかな花が咲いていた。どんなかたちであれ、最高にうれしい結果だったことには違いないのである。

11R 不思議な静けさ

2010_0306_0079  不思議な光景だと思った。
 弱冠20歳、女子王座初出場、GⅠも初出場の鎌倉涼が2番手を走っているのだ。当然、それを見ていた我々は心を躍らせていた。これを書いている今、記者席では史上最年少のGⅠ優出はないかと懸命の検索が行なわれているが(結果がわかればどこかでご報告します)、レコードでなくたって、それが快挙であることは間違いない。ピットの空気もざわめいて当たり前、そう思っていた。
 しかし。どういうわけだか、ピットの空気は静まり返っている。いや、正確ではない。選手たちの空気が静まり返っている。10Rのような沈痛さは皆無だが、なぜかしらじらしささえ感じさせるほど、空気が止まっているのだ。
 第一感で書きます。やっぱり悔しいのだろう、はるかに後輩の、いわばポッと出に優出ピットを獲られたのが。そしてそれは、下関に集う女子選手たちが、やはり勝負師であるということの証明だと思った。もちろん、険悪な心持になっているわけではない。ただ、素直に祝福もできないのだろう。誰もが声を失っているという感じで、それは関係的に近いはずの近畿勢にしても同様だった。
 僕は、今節初めてと言っていいほど、その不思議な光景に感動していたのだ。それでこそ競艇選手。みーんな、負けず嫌いなのだ。それでこそ勝負師、だろう。これはあくまで第一感。見当違いの可能性もあるが、僕は自分の感覚を信じておきたい。そのほうが彼女たちをもっと尊敬できるから。
 もちろん、僕たちはこの快挙を徹底的に称えればいい。思い切り興奮すればいい。今節、取材陣などの男どもをトリコにし、カメラマンは圧倒的な枚数を費やすほどレンズを向けられてきた鎌倉が、優勝戦にまで駒を進めたのだ。興奮しないほうがおかしいだろう。
_u4w0953  そして、選手たちにしても、エンジン吊りが進むにつれて、鎌倉に向けられる笑顔も増えていった。なにより、師匠の五反田忍は最初から笑顔だったし、選手たちの輪がばらけてくると、その笑顔を隠す必要もなくなっていく。世代が近い平山智加は、12Rの展示から戻ってきて鎌倉を見つけると、躊躇なく抱きついている。選手たちも心のなかでは、鎌倉をおおいに認めているのだ。きっと、今夜の宿舎や明日のピットでは、鎌倉を支えようとする仲間の姿がそこにあるだろう。

_u4w1024  おっと、勝ったテラッチのことも。12Rの結果を受けて、優勝戦1号艇となった寺田千恵は、共同会見でペラのことを問われ、「主人の頭の中のものが正解しました。あ、それ書いといてくださいね。宣伝になることだから」と笑った。そして、テヘヘ、と笑った。
 ようするに、ゴキゲンなのである。たぶん、このポールポジションに震えることなどありえないだろう。

12R ツラい静けさ

_u4w1018  見ているだけでツラかった。
 前の2つと同様、レース後は静けささえ漂っていたピット。勝った日高逸子が貫録たっぷりに淡々としていたこともそうだし、2着の濱村美鹿子にしても大はしゃぎするタイプだということもあるのだが、その空気を作っていたのは何よりも、3着に敗れた池田紫乃だった。
2010_0306_0347  前半の記事で、宇宙一女子リーグを見ている男・森喜春のコメントまで引用して、池田紫乃がいつもとは違う雰囲気である、ということを書いた。少なくとも悔いなき戦いはできるであろうと。ところが、12Rが近づくにつれ、彼女は明らかにカタさを見せるようになっていた。森が目撃したものなのだが、池田浩美に「大丈夫?」と肩を揺すられたりもしていたらしい。やはり予選1位の準優1号艇、勝てば優勝戦も1号艇という状況、プレッシャーに襲われないわけはなかった。展示準備に向かう際、たまたますぐ近くをすれ違ったのだが、視界がぐっと狭くなっているような様子にしか思えなかった。
 だが、レースぶりは立派だったと思う。トップタイのS。カドから豪快にツケマイを放ってきた濱村をがっちり受け止め、しかも前に出させない。1コースのレースとして、何ら瑕疵はないし、堂々たるハンドルだったと思う。2Mで差した濱村に前に出られてしまったあとも、外マイで攻めて猛追。決して諦めることなく優出の切符をつかみにいった走りっぷりも、迫力があった。3着に敗れたが、彼女は自分には負けなかった。そう確信する。
 しかし、結果として優出を逃してしまったことは、特に彼女の思いをよく知る仲間たちにとっては、悲しい出来事に違いなかった。ヘルメットとカポックを着けたままなのに、落胆しているようにしか見えない紫乃の肩をそっと抱いたのは、池田明美。自身も11Rで敗れて優出を逃がしているのに、紫乃の悲しみを癒すことしか頭にないようで、その優しいまなざしにも胸を打たれた。
 池田紫乃には胸を張ってほしい。もし来年、同じ状況になっても、今度はもっと力強く戦いに臨むことができるはずだからだ。ヘルメットもカポックも脱がずに控室へと消えて行った紫乃。そこに涙があろうがなかろうが、僕はヘルメットの奥にある表情を見ようとは思わなかった。いつか嬉し涙を見せてくれ。それがこの先の女子王座であれば、その涙に酔わせてもらおう。(PHOTO/中尾茂幸=海野、横西、鎌倉、池田 池上一摩=向井、魚谷、平山、寺田、日高 TEXT/黒須田)


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優出メンバー確定!

大波乱あり、ニューヒロイン誕生ありの準優勝戦。これを勝ち抜いた6名による優勝戦メンバーが確定しました。ポールポジションはテラッチ! グレートマザーも優出し、昨年の最優秀女子選手も。そして4000番台が3人。まるで世代闘争の様相ですね。女帝戴冠するのは誰だ!?

①寺田千恵(岡山)
②向井美鈴(山口)
③日高逸子(福岡)
④濱村美鹿子(東京)
⑤鎌倉涼(大阪)
⑥魚谷香織(山口)

※念のため主催者発表をご確認ください。


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THEピット――女子番の鳥肌とオッサンのドギマギ

2010_0305_0384  とにかく気になったのは池田紫乃の様子だ。今日のトップ記事に書いたように、宇宙一女子リーグを知る男・森喜春によれば、プレッシャーに強いタイプとは言えないという紫乃。大舞台の経験のない者がカタい表情を見せる場面はこれまで何度も見ているだけに、朝の気配が準優のカギを握るだろうと思われた。
 一言で言えば、朝の時点では心配ない。挨拶を交わしたときには力強い表情を見せてくれたし、ピットを動き回っている表情を見てもカタくはない。2R前には今井裕梨を激励したりもしていて、程よいリラックスと程よい気合がうまく融合している様子なのだ。
「紫乃さんが優勝しますよ」
 森がやって来て、いきなりそんなことを言う。森によれば、話をした感じがいつもの紫乃とまったく違う、というのだ。もちろん、ポジティブなほうに、である。森は話をしながら鳥肌が立ったとも言っていた。
 準優直前にメンタルがどう変化するのか。メンタルは仕上がっていたとしても、レースをミスなく乗り切れるのか。それは神のみぞ知るところだ。しかし、森の感覚を信じてもいいのではないか。少なくとも、準優を悔いなく戦うことはできるはずだ。

2010_0305_1058  弱冠20歳にして女子王座初出場、そして初準優の鎌倉涼も、まるでカタくなっている様子はなかった。一節間、まるで物怖じせずに、むしろ余裕のたたずまいで過ごしていることに、たいしたもんだと感心していたのだが、準優でも変わらないのだから立派なものである。おはようございまーす、なんて笑いかけられると、オッサンはちょっとドギマギしてしまうぞ。そりゃあ中尾カメラマンの今節の写真ファイルが鎌倉だらけになるわけである。そのプリティな部分も、大舞台に怯まない芯の強さも、大物選手としての資質には違いない。平成生まれ初のGⅠ優出、なんて快挙もぜひ見てみたい。
2010_0305_1184  一方、対照的に忙しい朝を送っていたのは、魚谷香織である。本体整備に手をつけていたのだ。
 ペラ室で準優組は何人か見かけたし(寺田千恵、横西奏恵、岩崎芳美など)、三浦永理と池田明美、平山智加は一般戦組に混じって早くから試運転をしていたけれども、本体に着手していたのは魚谷のみ。装着場に置かれたボートから本体だけを外し、それをよっこらと抱えて整備室に運んでいたのだが、オッサンは手伝ってあげたいと思っちゃいました(ほんとに手伝ったら違反になっちゃいます)。実際にどんな部品交換をしたのかは直前情報で確認していただきたいのだが、ピストンとピストンリングをいじっていたので、おそらくはそのあたりの整備か交換。以前、今垣光太郎が「準優で一発勝負するときにはピストンリング交換」というようなことを言っていて、魚谷にもその匂いが漂う。なにしろ地元の期待株だけあって、整備士さんたちも心配そうに見つめており、とびきりのアドバイスも送られていたはずだ。ともかく、魚谷は渾身の思いで準優に臨む。
_u4w0623 同じく地元の期待をになう向井美鈴は、魚谷に比べれば余裕がうかがえる表情だった。おそらくはアシの手応えの差、であろう。整備室のリードバルブ調整テーブルに、佐々木裕美、片岡恵里らと肩を寄せ合ってすわっていたとき、一瞬だけ突っ伏すような姿勢をとっていたあたり、地元女子王座の準優を戦う緊張感はあるのかも、とは思った。しかし、慌てて整備をしたりすることはなかったし、決して手足が縛られたようにカタくなっているわけではない。むしろ表情は柔らかで、自信をもって準優に臨める状態であるようには思えたものだ。

_u4w0542  百戦錬磨の実績組は、さすがのたたずまいというか、準優の日の過ごし方をよく知っているというか、とりたてて目立った動きをしていたわけではない。寺田千恵が考え込んでいる姿を見かけてはいるが、深刻な何かがあったというよりは、戦略をじっと練っている感じ。SGでいえば、菊地孝平がよく見せる姿に似ていた。
_u4w1403  印象的だったのは、横西奏恵がSGジャンパーを着用していたことだ。少なくとも僕の知る限り、今節はその装いをまったく見ていない。今日になって初めて着用した、と思われるのだ(あとで確認できたらしておきます)。SG出場経験のある他の選手も着用しているのを見てはおらず、つまりは今節のSGジャンパー初見。きっと僕の裏読みだし、本人も「まあ、なんとなく」とか言うんだろうけど、その姿はある種の威嚇のように見えたのだが、どうか。(PHOTO/中尾茂幸=池田紫、鎌倉、魚谷 池上一摩=向井、寺田、横西 TEXT/黒須田)


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H記者のセミファイナル極貧プラス

 相変わらず穴予想はツンドラ極貧のままのHです>< 今日の一般戦で気になるのは、もちろん5Rの③智紗衣ですが、さすがにここでは穴人気で万太郎になるかどうか。とりあえず準優予想に徹し、11Rに極貧地雷を仕掛けておきましょう。

10R
①海野ゆかりB
②向井美鈴 B
③横西奏恵 C
④岩崎芳美 B
⑤定野久恵 B
⑥魚谷香織 C
進入123/456

 買えば来ない、切ると来~る。こんなチグリス裏目選手が節間に2、3人はいるものですが、今節の“喧嘩相手”は海野なんですよ。今日はどうしようか。「私が消せば圧勝、◎にすると飛んで大穴」という可能性が高いのですから責任重大です。パワー的には五十歩百歩の面々で逃げきる可能性は十分。今日のところは◎にしておきましょう。ならば2着は奏恵で決め撃ち。この人のいない優勝戦はちと考えにくいし味気なくもありますから。平凡パワーをあれこれ駆使して2着を死守するとみます。1-3-全(妙味は3着名人久恵さんを付けての1-3-5)と、奏恵2着・久恵3着固定を遊びで買ってみます。

3連単★本線1-3-全、遊び全-3-5

11R 穴・極貧指名レース
★①寺田千恵 S
 ②田口節子 A
 ③山川美由紀C
◎④三浦永理 A
★⑤鎌倉 涼 A
 ⑥池田明美 A

 おお、うりちゃんのコメントどおり、コーナーごとに着順がぐるぐる替わったあの徳山ファイナルの伝説3人娘が一同に会しました。この3人のボックスはうりちゃんに任せるとして、初日から目をかけてきた永理ちゃんで穴を狙います。「美由紀姐さんの外」は穴党の金科玉条、今日も美由紀さまは田口が差した瞬間にぶん回すはず。ただ、どうにも伸びが足りないのが今節の美由紀さま。超抜テラッチまで届かないか、届いてもガチンコ大競りまでか……どちらにせよ、その間に永理差しが突き刺さるとみます。インで残すテラッチとくるくる回って2着ならありえる20歳の涼ちゃんへ。本命党は1-4が美味しいと思いますよ~。

3連単★本線4-1-全、大穴4-5-全

12R
①池田紫乃 A
②日高逸子 A
③角ひとみ A
④濱村美鹿子B
⑤香川素子 B
⑥平山智加 C
進入123/456

 5日目12R1号艇……このとんでもない座席に紫乃ちゃんが耐えられるか。気持ちでは応援しても、舟券師としては斬るのが常道なんです。昨日の極貧とまったく同じ日高-香川でもう一回勝負してみましょう。理屈は単純、日高の差し抜け(またはジカマクリ)に、マクリ屋・濱村マークの素子が追走するという構図です。とにかくヒモが難しいのですが、このレースで日高が勝つ可能性は相当高いと考えています。2-5勝負ですが、18番目の席に滑り込んだウルトラ智加ちゃんの強運をちょっぴり押さえてみましょうか。

3連単★本線2-5-全、押さえ2-6-全

 もし私の予想通りの決着なら、明日のファイナルは①海野②日高③三浦④寺田⑤横西⑥香川(または平山!)というなかなかおもろいメンバーになるのですが、どうか!!


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5日目! 準優勝戦です!

おはようございます。春の細い雨が舞うように降る下関、女子王座決定戦は準優勝戦の日を迎えました。今節はどうにもパッとした天気にならないですね。気温の上下などもあり、選手たちも調整に忙しくなりそうな5日目であります。

_u4w0922 予選1位は池田紫乃。優勝未体験であり、初優勝が女子王座という快挙にジワジワと近づいてまいりました。ひとつ外にグレートマザー、おそらくカドには昨年の最優秀女子選手、大外には昨年の最優秀新人と、大きなプレッシャーをかけられそうな12Rであります。BOATBoyが誇る、宇宙一女子リーグを見ている男(昨年、一昨年は全節全日程を取材しているのです)、森イケメン喜春によれば、紫乃選手は決してプレッシャーに強いタイプではないそうです。しかし、女子王座準優1号艇という重圧がかかる場面だからこそ、これを乗り切ることが次への大きなステップにつながる。ぜひとも殻を打ち破り、パープル・センセーションを巻き起こしてもらいたいものです。(PHOTO/池上一摩)


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THEピット――プロフェッショナル!

_u4w0875  今だから言えるのだが、昨日、長嶺豊師匠が道上千夏の勝利を我がことのように喜んでいた意味が、正直あまりよくわかっていなかったのである。Fがかわいそう→その後に1着を獲れた、ということはもちろんわかるが、実はもっともっと深い意味がそこにはあった。
2010_0305_0912  1R、鵜飼菜穂子が1着を獲ったあと、長嶺さんは「あとは長嶋選手だけだ」と言っていたのである。そのときは、この言葉の意味もよくわかっていなかった。あとは長嶋万記だけ? なぜそこで長嶋の名が? その長嶋は、4Rで逃げ切って1着。11R前に長嶺さんに会うと、やはり長嶺さんは「長嶋選手も勝ったな!」と大喜びだ。「いや~、本当によかったわ~」と感嘆した、その後に続いた言葉が長嶺さんの思いの本意だった。
2010_0305_0944 「開会式で盛り上げてくれた選手たちが1着を全員獲れて、本当によかった!」
 迂闊であった。ぜひ初日の開会式記事を参照してほしい。道上も鵜飼も長嶋も、思い切り弾けて、開会式をおおいに沸かせている。その3人以外では、岩崎芳美、松本晶恵らも爆笑(?)パフォーマンスを見せてくれており、2人とも1着をあげている。
 勝負の世界というのは、たしかに非情。ましてギャンブルである競艇だから、勝てなかったりすれば「おちゃらけてるからダメなんだよ」などと批判を受けることもあるだろう。だが、僕はそうは思わない。競艇は同時にプロスポーツなのだ。プロスポーツということは、興行である。すなわち、単なる競技ではないのだ。もちろん最大の本義はレースで、さらにはそれ以外の場面でも、ファンを盛り上げるのが仕事。全員がパフォーマンスをする必要はまったくないが、しかしだからこそ、パフォーマンスで楽しませようとする選手たちを高く評価しなければならないだろう。
 とはいえ、繰り返しになるが、それで成績が這ってしまったりすれば、「あんなことしてるからだ」などと言われてしまうのもまたギャンブルスポーツの宿命(Fなら、なおさらだろう……)。だから長嶺さんは、心から彼女たちに頑張ってほしいと願ったし、道上のFに心を痛めたし、彼女らの1着に心から喜んだ。彼女たちも長嶺さんもサイコー! そして見習わねばと思った。なぜなら、そこにプロフェッショナルの精神があるからである。
_u4w0712  結局、パフォーマンス組で準優に駒を進めたのは岩崎のみである。だから岩崎には声援を送りたいし、予選落ちを喫した選手たちも残り2日でさらに好成績を!

 言うまでもなく、水面で、その走りで、その好成績で(それが舟券を当てさせてくれればなお)、ファンを沸かせることは最大限に称えなければならない。すなわち、予選を突破した面々には大拍手!
 そして、それを実現させるために執念を燃やす者についても、思い切り称賛するべきだと僕は思う。
 9R終了後、である。2着で予選突破した魚谷香織が、ふたたびまた水面へと飛び出していった。終盤カードを走って、さらにその後、試運転へ。ピットには何度も入り、おおむね終盤戦はその場に留まっている僕でも、こうしたシーンはほとんど見かけることはない。普通はレースを終えればモーター格納、というのが当たり前なのだ。
2010_0305_0334  しかし、魚谷は水面に向かった。長嶺さんによれば、引き波を超えるアシに気になる点があるようだ、とのことだった。施行者推薦枠でドリーム戦に乗り、ということは地元の期待を一身に浴びて、道中は苦労しながらも予選突破。普通なら、そこでホッと一息つくところであり、まずは喜びと安堵が胸中を締めて当たり前の場面だ。しかし、魚谷はそうではなかった。明日のために、つまりは準優のために、さらに上積みをすることしか考えていなかったのだ。準優のためということは、優出のため。魚谷は予選突破よりもっと大きな視点で戦っていたのである。
 ちなみに、終盤レースを走った直後に試運転に出ていく選手で、僕の記憶にはっきりと残っているのは2人。昨年の総理杯の松井繁、そして先の新鋭王座の毒島誠である。あえて言う必要もないだろうけど、王者と呼ばれる男、そして新鋭王座を優勝した男、である。(PHOTO/中尾茂幸=鵜飼、長嶋、魚谷 池上一摩=道上、岩崎 TEXT/黒須田)


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女子王座TOPICS 4日目

予選1位は池田紫乃!

 激しい勝負駆けだった。
 ボーダー争いもそうだが、予選トップ争いがまた熾烈だったのだ。
_u4w0107  10R、まず池田紫乃が2着に残し、8・33で予選を終える。このレース、池田浩美が1Mで振り込んで転覆しているが、もし鮮烈な差しが突き刺さり(実際、差しが入りそうな勢いだった。その外を行った田口節子を気にしたのかも)、紫乃を3着以下にしりぞけていれば、浩美は8・17。1位の可能性もあった。選手責任の転覆でマイナス5点、結果として予選落ちとなってしまっているが、誰がこの渾身のチャレンジを責められようか。そして同時に、内を攻められながらも2着に残した紫乃の思い切った逃げも(アシも相当だぞ)見事だった。
 11R、その時点で予選トップだった寺田千恵が3号艇。寺田は3着で8・50。紫乃を上回ることになっていた。スリットからぐいぐいと伸びていくアシはやはり超抜。マクリでもマクリ差しでも、充分に先攻めできそうな態勢を作っていく。インの向井美鈴も伸び返してきていたので、おそらくマクリ差し狙いか。ところがその瞬間、2コースの池田明美が前をカットするようなかたちでツケマイを敢行する。明美も3着条件の勝負駆け。寺田に叩かれたら大敗もあるだけに、ここは抵抗するしかなかっただろう。寺田はまるで虚をつかれたかのように行き場をなくし、後退。道中、捌いて捌いて岸恵子を抜いているが、それでも4着が精一杯。8・17と、紫乃の後塵を拝することになってしまったのである。
_u4w0443  12R、日高逸子は1着なら8・33、着位差で紫乃を上回る。山川美由紀は2着でも8・40、日高と紫乃をまとめて追い抜いていく。また、日高は2着で8・00だから、山川の着順によっては準優1号艇も充分。予選ラストは予断を許さない状況で行なわれたのだった。勝ったのは、海野ゆかりである。渾身の逃げで4日目はピンピン。外に何もさせない、堂々たる圧逃劇だった。その2番手に続いたのは、最内を差した山川。このまま順位をキープすれば、予選1位である。ところが2M、香川素子の強烈なツケマイが決まり、山川はずるりと順位を下げてしまう。香川は3着条件の勝負駆け、だがそれは結果的に、であって、香川は一時6・00の得点率で19位だったりもしたのである。ひとつでも上を、と全力で走り、2着で予選突破。この時点で、予選1位は池田紫乃と決まった。香川の現住所は「京都」とあるが、支部は長崎。そう、紫乃はまぎれもない同僚だ。これも結果的に、ではあるが、紫乃の予選1位を同支部の仲間が後押しした、のであった。
 予選2位は寺田千恵。そして3位は、この12Rを勝った海野ゆかりである。1位の可能性を残していた日高や山川を置き去りにする怒濤の逃走が、自身に準優1号艇をもたらしたわけだ。

ボーダー18位はスーパールーキー!

_u4w9712  一時は、ボーダーが6・00を上回りそうな雰囲気があった。2回乗りのランク上位が前半を無事に乗り切り、後半は無事故完走で当確に持ち込んでいた。また、3日目終了時点で17位だった横西奏恵が快勝で順位を上げるなど、18位前後の選手も好成績。さらに、18位以下でも鵜飼菜穂子や魚谷香織など、前半でポイントを上積みし、後半に可能性を残す選手がいた。このままでは、6・00以上が18人で収まらないのではないか、そう見えた瞬間がたしかにあったのである。
 だが、波乱は起きた。6Rで4着条件を2着とした中谷朋子が不良航法をとられて減点されたのがきっかけだったか。7Rでは今日の2走を6着2本でも予選突破のはずだった新田芳美が5着のうえに不良航法で減点。一転、2着勝負となった12Rは6着大敗で、前年度覇者が優勝戦線から消えている。8R、鵜飼菜穂子は3着で6点に届かず。9R、鎌倉涼と魚谷香織がノルマをクリアしたが、10Rでは先述のとおり池田浩美が転覆。11Rは18位内にいた土屋千明がシンガリでポイントを落とし、いつしかボーダーはぴったり6・00に収まっていたのだった。
 結果、18位は平山智加。スーパールーキーが3度めの女子王座にして準優出を果たした。5R、チルト3度の細川裕子に競り負けての4着、というのが気にはなるが、もし先に記した波乱がなければ予選落ちしていた可能性も大きかったのだから、この幸運がさすが全国スター候補!と考えたい。今度は平山自身が波乱の目となり、新風を巻き起こす場面も充分に考えられる。

泣くな、中谷朋子!

_u4w9188  先述のとおり、6Rで2着だった中谷朋子は、不良航法をとられてマイナス7点、予選落ちを喫するはめになってしまっている。これは、マクってきた谷川里江に抵抗し、張り飛ばしてしまったもの。接触もしており、谷川は6着に大敗していることもあり、減点のジャッジがくだったのだろう。
 しかし、中谷はまったく下を向く必要はないし、間違ってないと信じるし、むしろ1コースの選手の戦い方として責任を果たしたのだと僕は思う。マクリが飛んできたら張るのは、インの責任であり使命。もちろん、勝つための常套である。しかも勝負駆けなのだから、中谷の航跡は当然のものだったと信じる。何度もリプレイを見たが、谷川を危険に陥れるものではないように思うし、競艇が「水上の格闘技」を標榜するなら、僕は絶対にこの中谷の走りを否定したくないのだ。もし何も抵抗せずにマクられていたら、きっと罵声を飛ばしてたな(中谷からしこたま買ってたし)。でも、あの走りで2着に敗れ、僕の舟券が紙くずになったことには納得。繰り返しになるが、中谷は1コースの責任を果たしたと確信するからである。
 くだってしまったジャッジは仕方ない。だが、泣くな、中谷朋子。別に本人は望んでなんかいないだろうけど、僕は今日の中谷を絶対的に評価したいと思うぞ。(PHOTO/池上一摩 TEXT/黒須田)


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準優メンバー確定!

予選が終了して準優メンバーが確定しました。予選トップは池田紫乃!

10R
①海野ゆかり(広島)
②向井美鈴(山口)
③横西奏恵(徳島)
④岩崎芳美(徳島)
⑤定野久恵(静岡)
⑥魚谷香織(山口)

11R
①寺田千恵(岡山)
②田口節子(岡山)
③山川美由紀(香川)
④三浦永理(静岡)
⑤鎌倉涼(大阪)
⑥池田明美(静岡)

12R
①池田紫乃(長崎)
②日高逸子(福岡)
③角ひとみ(広島)
④濱村美鹿子(東京)
⑤香川素子(京都)
⑥平山智加(香川)

※念のため主催者発表をご確認ください。


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THEピット――貫録!

_u4w9208  いやはや、痺れた。1R、鵜飼菜穂子がイン逃げ! 4号艇からイン強奪。2コースに引いた濱村美鹿子のツケマイをしのいで、鮮やかな逃走劇を見せたのだ。いやはや、痺れた。
 ピットに戻ってきた鵜飼は、オーラの塊。背筋をぴんと伸ばしてしゃきしゃきと歩く姿には、どう頭をひねっても、風格の二文字しか浮かんでこない。はしゃぐこともなく、必要以上に胸を張ることもなく、悠然とふるまうその姿には、びしょびしょに濡れた装着場の地面にひざまずいてひれ伏したくなるほどの貫禄がある。そのとき僕は間違いなく、女子競艇のリビングレジェンドを目にしていた。
 エンジン吊りに出てきた若手たち――永井聖美や細川裕子も、鵜飼さんの手をわずらわせてはならないとばかりに、きびきびとした足取りでボートを引っ張る。鵜飼はその後ろを粛々とついていくだけ。今日は2回乗りでモーターを外す必要がなく、また先頭を走ったのでまったくボートが水を浴びていないので、若手たちがボートを空いたスペースに運んでエンジン吊りは終了。鵜飼は最後までボートに触れることなく、控室へと向かうことになったのだった。その様子もまたド貫禄! オッサンとしては時についつい若いコに目が向いたりもしてしまうのだけれど、心震えるような空気を味わわせてくれるのは、やっぱり百戦錬磨のベテランたちだ。

2010_0304_0101  いきなり鵜飼さんの迫力を見せつけられると、その後も自然とベテランたちに目が奪われる。たとえば、整備室と装着場の自艇のもとを何度も走って往復していた山川美由紀。その必死に調整の方策を模索する様子にもまた、頭は下がる。やがて山川は本体を取り外して、整備室へ。整備士さんと話しながら、時に満面の笑みを見せつつ、本体整備を始めたのだった。
2010_0304_0201  係留所からは、谷川里江と高橋淳美が並んで歩いてきた。そうか、この2人は60期の同期生だ。その直前には二人とも試運転をしていたから、おそらく情報交換をしていたのだと思う。だが、そうした雰囲気を感じさせない何かがこの二人にはあって、それは長く築き上げてきた信頼関係を裏付けとして醸し出される自然な空気なのだろう。これは若手には出すことのできない人間力とでも言うべきものだ。_u4w0714 僕は二人とはそれほど年齢に違いはないが、こんな柔らかな中に強さも感じさせるような空気が作れるだろうかと、思わずわが身を省みたものだった。
_u4w9321 2R後には、渡辺千草が廣中智紗衣に優しく何かを語りかける場面を目撃している。廣中は勝負駆けで、しかし2Rはシンガリ。もう1走を戦うが、状況的にはかなり厳しくなってしまっている。それを慰めているのか、それともパワー的な部分を心配しているのか、渡辺の目つきはどこまでも優しいものだった。もちろんそんなことは関係ないに決まっているのだけれど、廣中はもともとは愛知支部で、結婚して神奈川に移って支部も移動した。渡辺にとっては、デビュー以来の後輩というわけではない。そんな関係性を考えれば、あの渡辺の優しい視線は、やはり彼女の人間性のあらわれだというべきだろう。後輩たちにとってはあまりにも心強い、大先輩の優しさである。

 3日目を終えて、得点上位には女子リーグ卒業組が数多く並んだ。若く華やかな女子リーグ組の活躍もおおいに期待しているところだが、内面からも湧き出てくるようなベテランたちの存在感は、競艇とは何ぞやという命題に答えてくれるもののように僕は思う。それを見せつけられるのは本当に幸せなことだし、だからこそ世代闘争的な若手の奮起を楽しみにしたい。(PHOTO/中尾茂幸=山川、谷川 池上一摩=鵜飼、高橋、渡辺 TEXT/黒須田)


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H記者の『穴・極貧』4日目

 ども、12倍を6点で的中したら「神様」になってしまい、ちょっと背中がこそばゆくもありつつひとりほくそ笑んでいるHです。K記者も◎○△の大本線なんですけどね、フフ。いっそ、本命党になっちゃおっかにゃあ。私の秘蔵っ子3人娘が揃い踏みした9Rの124BOXとか(④魚谷がちょっと心配で私の前検の見立てよりはるかに悪かった)……
 ウソです。極貧人生に本命舟券なし、常にワンコインで夢を見られる舟券を買い続けます!あんまり本命サイドに踏み込むとK記者がヤキモチ焼くしなw 今日の極貧予想はやや人気を落とした偉大なるママさま勝負。

12R
 ①海野ゆかり
 ②松本晶恵
◎③日高逸子
 ④新田芳美
▲⑤山川美由紀
★⑥香川素子
進入123/456

 この2日間の4・3着でファンの評価を下げたであろう逸子ママ。ここは問答無用でチャンス。この2敗は1マークで展開がなく、かなり不利な態勢になってのものですから、気にする必要はありません。あの初日のピンピンの行き足~伸びは節イチ級だし、センター枠がピッタリだというのも明らかでしょう。2Rで節間3勝目を挙げた海野は実は中堅級と見てもいます。ならばスリットから一気にまくってバック独走でしょう。できれば、5Rもこっそり3・4着が嬉しいのですが。
 さらに、ヒモで狙いたいのが人気薄の香川。内の美由紀様が80%がた握って日高の上をぶん回してくるでしょうから、美味しい差し場が80%がた生まれるはずなんです。こりゃ、買うっきゃないっしょ。3-6勝負に、美由紀姐さんが逸子ママを叩ききったときの5-6を少々押さえます。

3連単★本線3-6-全、押さえ5-6-全

 嗚呼、穴予想でも「神様」と賞賛されてみたい、早く「穴・極選」に戻りたい~!!


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4日目!

おはようございます。女子王座決定戦、4日目の朝です。昨日は強い追い風が吹いていた下関ですが、終盤レースの頃には風もやみ、今朝は緩い追い風で水面も安定しています。薄日も顔をのぞかせており、今日はいい気候のなかでレースが行なわれそうですね。勝負駆け模様も激しくなりそうです。

2010_0304_0285 あ、あやしい二人……密会!? 長嶋万記選手とチャーリー池上カメラマンです。チャーリーとの名付け親は、長嶋選手だったりするんですね、これが。本人の希望により、チャーリーには目線を入れさせていただきました。かえってあやしいか……。(PHOTO/中尾茂幸)


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女子王座TOPICS 3日目

F後は割引……そんな先入観は粉砕せよ!

 フライングを切ってしまった選手は、スタートが慎重になる――それはまあ、セオリーとしては間違っていない。フライングを切ってしまった選手は、モチベーションが低下する――それもまあ、あると言えばあるだろう。実際に、今日のように予選3日目ともなれば、準優進出に可能性を残している選手たちの気合が何割か増しになるのは当然。相対的には、モチベーションに差はあるはずだし、Sを張り込むのは勝負駆けの選手のほうと考えるのは自然なことだ。
 だが、フライングを切ったからといって、選手は勝負から降りてしまうのかといえば、それは違う(そういう選手もいるだろうけど)。そして、先にあげた先入観によってオッズは高騰しているから、彼ら彼女らが絶好の狙い目になることもある!
 それを如実に証明したのが、道上千夏と谷川里江だ。7R、道上1着! 9R、谷川1着! 谷川は5Rでは2着。昨日までにFを切っていた2人が、今日は3戦2勝、2着1回なのだ!
2010_0304_0501  道上は、田口のマクリに乗るかたちでのマクリ差し。お見事! ではあったのだが……3-4(田口-道上)をしこたま持っていた私は、千夏やめて~~~、と叫びつつ……いやいやいや、エスペランサー千夏、お見事です。はい……。谷川は、5Rは寺田のマクリを猛追して2着。そして9Rはマクリ差しを突き刺しての勝利。お見事! ではあったのだが……5-4-6(谷川-角-武藤)をしこたま持っていた私は、2周バックまではご機嫌で谷川の軽快な走りに拍手を送っていたのだが、2周2Mで武藤がキャビって逆転され、こら武藤なにしとんじゃ~~~、と叫びつつ……いやいやいやいや、里江姐さん、お見事すぎます! えー、本日の私は昨日までH記者の座っていた席で仕事をしているのですが、昨日のH記者といい、本日の私といい、この席は呪われてるのでしょうか……うぇっ、テーブル番号が44番だ……。明日は席を移動しよう。
 2010_0304_0299 本日も、藤崎小百合、森脇まどか、栢場優子がFに散ってしまった。しかし、F後だからという理由で単純に割り引いてはならない。アシ的に、展開的に狙い目があると読んだのなら、目をつぶって狙ったほうがいい。私は明日からもF組の選手を(オッズ次第で)積極的に狙うぞ。

女王たちの渾身

 結果に結びつこうが結びつくまいが。実績者たちはやはり、キラリと光るものを見せてくれる。我々を興奮させてくれる。先の谷川ピンピンもそう。2年連続女王となった経験をもつ谷川、Fなんぞに怯んではいない。実力上位の意地を見せて、我々を総毛立たせる。
2010_0303_0087  4Rの鵜飼菜穂子もそうだった。そりゃ鵜飼さんなんだから当たり前、などとは言わせない。3号艇から深イン覚悟の前付けは、間違いなく目を見開かされるものだった。2号艇や3号艇は外枠よりも動きにくく、だからスローで折り合うパターンも多いなか、ミス競艇は渾身のイン獲り。内枠の片岡恵里や長嶋万記に抵抗する気も起こさせない凄烈なコース獲りは、まさしく貫禄と意地と気迫がなさしめたものだろう。
2010_0303_0007  5Rの寺田千恵のマクリも鮮やかだった。5コースからトップS、ぐぐっと伸びていって内4艇を叩き切る。今日は追い風が強くなり、3艇Fの3Rもその影響が大きかったと思う。スタートはもちろん、影響を受けるのはマクリ攻撃。追い風はイン有利、あるいは差し有利というのは、セオリー中のセオリーである。それでも、テラッチは握っていった。そして突き抜けた。それもまた、貫禄と意地と気迫の結晶である。もちろんテクも。
 それにしても、スリットからのアシ、ずいぶん目立ってましたな。そのあたりのアシは、テラッチが節イチかも。

やっぱり横西奏恵だ!

2010_0304_0472  2日目、まさかの6着2本。想像もしていなかった“一日早い勝負駆け”を強いられた横西奏恵である。絶対的主役が予選落ちなどという事態になったらどうしよう……そんなふうに気をもんだ方も少なくなかっただろうが(私もです)、まったくの杞憂でありました。やっぱり横西奏恵は横西奏恵なのだ!
 前半3R、1Mで行き場をなくし、3番手争いのポジションとなった瞬間は、肝を冷やしたものだ。だが、本人はそんな思いを抱くよりも、闘争心スイッチを思い切りオンにした。まずは2M、鬼気迫る捌きで2番手浮上。このターンは、機力よりも気力、そしてSGで揉まれて身に着いたテクニックによるものだろう。凄かったのはそのあとだ。先行する中谷朋子との差は決定的に見えており、3周目に入っても中谷-横西の隊形に変化が起きるとは思えなかった。実際、テレビ画面も焦点は3着争いに移しており、中谷と横西の旋回は早々に画面の隅にもっていかれている。だが、横西は諦めていなかった。その3周1M、中谷のターンが流れるスキを横西はガツンと突いた。そして、舳先をかけて逆転態勢に持ち込んでしまったのである。これもまた、機力よりも気力、そしてSGで揉まれて身に着いた勝負への執着心によるものだろう。この態勢になれば、もう横西が負けるわけがない。横西はどえらいアップセットをやってしまった!
 横西奏恵とは何か。それを説明するには、このレースを見せれば充分。そんな気さえしてくる大逆転劇。「たまたまです」と本人は勝利者インタビューで言っていたが、そんなわけがないではないか。横西以外に誰がこんなシーンを演出できるというのだ。
 で、12Rは1号艇。イン圧勝劇である。2コースがヘコんで日高逸子が3コースから軽快に攻めていく気配を見せていたが、問題ではなかった。ぐっとサイドをかけての全速逃げ。強い逃げ切り勝ちってこういうものだというお手本を見せられたかのような、完璧な勝利であった。
 6着2本の翌日は、意地のピンピン! やっぱり横西奏恵は横西奏恵。これで6・40まで得点率を戻して、明日は1走4着条件となっている(ボーダー6・00として)。もちろん、本人は4着でいいなどと思っているはずがない。パワーも上昇しているようだし、気づいたら準優好枠、なんてことも充分にあるんだろうなあ……と、ゆうゆうゴールした横西を見ながら唸った次第である。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/K)


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本日の水神祭! 最年少!

 本日の水神祭は1本。8Rで1着をもぎ取った鎌倉涼です! 弱冠20歳の今節最年少が、3日目にしてGⅠ初1着。12Rとの2回乗りだったため、全レースが終了し、モーター格納なども終わったピットで、多くの仲間の注目を浴びながら執り行なわれました。

_u4w9373 中心となるのはもちろん近畿勢。特に、師匠でもある五反田忍は欠かせない人物。すでにボートリフトの電源が切られた後ということもあり、試運転用の係留所で行なわれることになったのですが、渡り橋を降りていく五反田師匠が何やら妙な雰囲気で……。
_u4w9916 鎌倉の手足をもってぶら下げる形のいわゆる「ゆりかごスタイル」で投げ込む準備完了。ぶーらぶらと鎌倉を揺らして、1、2の3でドボン! 鎌倉が笑顔で顔を出すと、やっぱりというかそりゃそうだというか、五反田師匠も自らドボン。_u4w9925 これがまた、めちゃくちゃかわいい飛び込み方で(両手を胸の前でしなりと結んで、派手なアクションもなく、ちょこりと水に落ちていった)、主役よりも師匠のほうに目が行っちゃったなあ……。いやいや、今節、取材班の目をハートにしているプリティな鎌倉選手も、水もしたたる聖少女でありました。

_u4w9942  鎌倉選手、おめでとうございます。来年からは女子王座の常連ですね。明日の勝負駆けも頑張ってください。そして、五反田選手も頑張れー!


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明日の勝負駆け情報!

 予選3日目を終えて、明日が勝負駆け。現時点での予選1位はテラッチ! 当確は7位の田口節子まで7名で、女子リーグ卒業組が優勢模様ですね。そんななか、三浦永理や土屋千明、平山智加ら90期台もいい位置につけており、新旧世代闘争の様相!? 18位は片岡恵里の6・25で、6・00の池田明美が19位。ボーダー想定は6・00としておきますが、もうひとつくらいは上の着順が欲しいところかもしれません。

1 寺田千恵  当確
2 池田紫乃  当確
3 山川美由紀 当確
4 新田芳美  当確
5 岩崎芳美  当確
6 角ひとみ  当確
7 田口節子  当確
8 日高逸子  4・5着
9 向井美鈴  4・5着
10 池田浩美  3・6着
11 海野ゆかり 4・4着
12 三浦永理  4着
13 土屋千明  4着
14 平山智加  4着
15 香川素子  3・4着
16 中谷朋子  4着
17 横西奏恵  4着
18 片岡恵里  1・6着
19 池田明美  3着
20 松本晶恵  2・3着
21 濱村美鹿子 2・3着
22 西村歩   2着
23 廣中智紗衣 2・3着
24 細川裕子  2着
25 宮本紀美  2着
26 鎌倉涼   1着
27 定野久恵  2・2着
28 垣内清美  1着
29 魚谷香織  2・2着
30 武藤綾子  1着
31 渡辺千草  2・2着
32 佐々木裕美 1・2着
33 鵜飼菜穂子 1・2着
34 岸恵子   1・2着


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THEピット――MCテラッチ

_u4w0086 「美鈴ちゃ~ん、突き刺さってたね~」
 2R、大量Fをタッチスタートで切り抜けて1着となった向井美鈴に、寺田千恵が満面の笑みで声をかける。おそらく「スリットラインに舳先が突き刺さっていた」ということだと思うのだが、すなわち向井をからかい気味に祝福したわけである。支部や年齢は関係なくアドバイスを送るテラッチのこと、勝利をあげた選手とはともに快哉を叫ぶというのも当たり前の行動であろう。苦笑い混じりにニコニコとテラッチに歩み寄っていく向井の様子を見ると、寺田千恵という人の人格というのは簡単に察せられる。
「クロちゃ~ん、おっはよ~~」
 そう、テラッチは取材陣に対しても、分け隔てがない。アリーナ席で3Rを観戦しようとしていると、寺田はかなり遠くのほうから声をかけてきて、ニコニコと近寄ってきた。彼女もアリーナ席で観戦しようと考えたようだ。ちょうどそのとき、海野ゆかりと岩崎芳美が、やはりアリーナ観戦のために控室からやって来ていて、テラッチの隣に座り込む。アリーナ席には強い風が吹きこんでいた。
「ほらぁ、ピット(係留所)もうねってるもん。こりゃあ、大変だぁ」
_u4w0373  寺田は3R出走組を気の毒がっていた。しかし、海野は、これくらいの波が何よっ!と言う。
「4年前の地区選に比べれば、こんなのベタベタの水面ですよ」
「あぁ、あったあった。あのときは一世一代のポカしたからな~」
 調べてみたら、下関で開催された06年の地区選。最終日に向かい風13m、波高13cmでレースが行なわれていて、1号艇イン発進のテラッチは、コンマ85という大ヘコミをやらかしている。もちろん海野も同様のコンディションで走っているわけで、これくらいの風と波(3Rは追い風4m、波高4cmでした)なんか、あのときのことを考えたらへっちゃら、と海野は言っているわけである。経験というのは、やはり大きいものなのだ。
_u4w0821  その3R、1マークで横西奏恵が先攻めを見せる。しかし、行き場を失ってしまい後退した。
「あぁっ、あれはいいハンドルが入った! でもいいハンドル過ぎたなあ」
 テラッチが叫んだ。おそらく、横西のハンドルはかなりレベルが高いものだったのだが、混合戦GⅠとはイン選手のターンスピードが違う、その感覚の違いが、行き場をなくさせてしまった、ということなのだと思う。つまり、横西の腕が飛び抜けている、ということだ。バックで先頭に立ったのは中谷朋子。
「うわぁ、朋ちゃんのアシ、いいね~」
 中里優子が2Mでもたつく。
2010_0303_1055 「優子ちゃぁぁぁぁぁん!」
 2周1Mでは岸恵子の差し場が開かない。
「あぁ、1の前が詰まったぁぁぁ」
 テラッチの実況&解説を聞かせてもらっているようなものである。
「あ、変わった」
 そう言ったのは、海野である。3周1Mでのことだ。対岸のビジョンは3番手争いを映し出しており、一瞬テラッチも何のことかわからなかったようだ。実はその前方で横西の大逆転差しが中谷を捉えており、海野は画面の端に映し出されたその瞬間をキャッチしていたわけだ。
「あぁぁっ!」
 ビジョンから目を離しバック水面に目をやると、ほんとだ、横西の舳先が中谷に掛かっている! 中谷と横西の間隔は普通なら逆転不可能のもののように思えたし、だからテラッチも我々も(おそらくビジョンのスイッチャーさんも)ノーマークだった。
「先頭が入れ替わるとは思わなかったもんね~~」
 感嘆の声をあげながら、同時に横西奏恵の凄さを称えたテラッチ。感心した表情を見せながら、海野らとともにエンジン吊りに向かったのであった。
2010_0302_0429  いやはや、こんな贅沢なレース観戦、初めてだ。(PHOTO/中尾茂幸=中里、寺田 池上一摩=向井、海野、横西 TEXT/黒須田)


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3日目!

おはようございます。本日は女子王座決定戦3日目……って、昨夜にうなだれつつ帰郷したH記者がすでに記事をあげていますね。ともかく、おはようございます。雨がパラつき、追い風がかなり強めに吹き荒れている下関でございます。何やら波乱の予兆にも思えるのですが……。

_mg_1146 松本晶恵の初1着を思い切り祝福する寺田千恵。支部も年齢もいっさい関係なく親身にアドバイスを送ったりしているテラッチらしいシーンでした。大先輩に笑顔を送られ、松本も嬉しかったでしょうね。(PHOTO/池上一摩)


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H記者の『本命・極選』3日目

 2日目にして矢折れ刀尽き、K記者から旅費をもらって逃げるように帰京したHです。人生の喜怒哀楽ってすべて紙一重なんですね。昨日の1R4-1-3(60倍10枚)と6R1-3-5(250倍10枚)が2マークで決まっていれば、昨晩は小倉あたりで朝まで猛ハッスルしたことでしょう。それが、手土産ひとつ持たず、背中を丸めてエコノミークラス。ANAのコンソメスープが腹に染みたなあ。
 で、ヒマに任せて前夜版をチマチマ見ていると、やっぱりどうしても目につくのは「12R①横西奏恵」の文字。2日目の足はあまりにもひどく、とても1日じゃ直らんのじゃないか。で、当然人気は被るんじゃないか……ならば「うりちゃん、斬り捨て御免><」ってマジで思ったのだよ、うりちゃん!!

 だがしかしっっ、背中を丸めてさらにしばらく考えているうちに、私はまったく逆の境地に到達したのであります。

『本命・極選』発動!
12R
◎①横西奏恵
 ②宮本紀美
★③三浦永理
 ④土屋千明
★⑤鎌倉 涼
★⑥日高逸子
進入126/345

 去年の女子王座、F2持ちの奏恵ちゃんは3回インから戦いました。4日目1着、準優1着、ファイナル2着。強靭な精神力には驚かされっぱなし。あの3日間の光景を思い出したのですよ。ま、今回は気力より機力の問題だからしてちょっとハードルは別だけど、「奏恵ちゃんの精神力ならワースト機をも制圧し逃げきってしまうのではないか」と思いました。いや、必ずできるんですよ、奏恵ちゃんなら。こう考えてしまうと、むしろ昨日の6・6は買い材料。少しでも人気が下がるここが絶好の本命・極選なのです!
 2着争いは初日極貧◎永理&2日目極貧◎涼にグレートマザーを加えましょう。

3連単★1-356-356

※今日の奏恵ちゃんはまず3Rに登場します。本当はそれを見てからアップしたかったのですが朝から用ができて無理。読者の皆さんは奏恵ちゃんのレースっぷりをしっかり見届けてください。で、もし3Rで圧勝するようなら12Rはやや買い控え(人気が回復する)、負けた場合はガツンと張りこみたいっすね。機力じゃなく気力に賭けるんですから。このフォーカスが外れたら、こっちも『本命・極貧』か~~>< ま、どうせうりちゃんは199、sh0wさんは一捻りで356-1-356、憲吾郎どのは二捻りで23-5-全、丼口さんはシカトするんでしょうけどw

 ってなわけで、今日の穴・極貧はお休み。なんとも不気味なのは、F一本でゼロに等しい人気になった千夏総統と、Fの翌日でも一発やらかしそうな里江姐さんですな。ヒモに絡めといてくださいまし。


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女子王座TOPICS 2日目

 谷川姐さんがFに散り、千明&晶恵の群馬コンビが嬉しい水神様の水を浴び、女王復権を狙う奏恵ちゃんがまさかまさかの……?? 2日目の泣き笑い劇場をちょっぴりおすそ分けしよう。

シリーズ初のイン強奪!

2010_0303_1231  6R3号艇の角ひとみが意表のイン強奪でスタンドを沸かせた。まあ正直なところ、“強奪”はちと言い過ぎかもしれない。ピットアウトから角が追っつけ気味に攻めると、1号艇の廣中智紗衣がスッと艇を引いた感じ。一番驚いたのは、まんまとインにありついた角だったかもしれない。だから“強奪”はちと言い過ぎなのだが、初日から「1日丸ごとオール枠なり」という単調な待機行動を見続けた目には、実に鮮烈なイン奪取劇に映った。そして、私はといえば
2010_0303_0896「こ、こりゃ、チサエ~!!」
 叫んでいた。1から即日帰郷覚悟の勝負をしていたのだ。その、逃げきりに期待した智紗衣が、まさかまさかまさか2コースとは……。が、隣にいた女子リーグ番のウッズ記者がポツリ呟いた。
「これでいいんです、智紗衣はインより2コースのほうが巧いくらいですから」
 この一言で勇気百倍、俄然盛り上がる私。
「よしゃ、だったら差せ、差すんだチサエ~!」
 1マーク、私の声が届いたかのように、超抜・智紗衣の差しが突き刺さった。バックで1-3態勢、しかも3番手は……超人気薄の久保田美紀!! この最終オッズ250・7倍の1-3-5を私は10枚握り締めている。財布が5秒は立ちそうなロングショットだ。
「う、うっしゃーーーーーー!!」
 2マーク、智紗衣は突進気味に切り込んだ久保田をやり過ごして……やり過ごさなかった。一瞬、ツケマイに行こうとしてから差しハンドルに切り替えた。この判断ミスで差しが遅れ、挙句久保田の艇に接触して先頭から消え去った。私が叫んでから、わずか5秒の悪夢。5秒間だけ鷲掴みにした25万円。
 あ、話題が大幅にズレてしまった。そう、角のイン強奪だった。鮮やかにインを強奪し、展開を巧みに突いての2マーク逆転の……逆転の……もう、やっぱ悔しくて書けません、はい。

咲いた咲いた、万太郎の花が。

 火事と喧嘩が江戸の華なら、マクリと万シューが女子戦の華。今日のマクリ数は4本で昨日と同数だったが、凄まじく一変したのが万シューだ。2Rで180倍の穴が飛び出すと、4Rは428倍のウルトラ配当、6Rも442倍、7R104倍、10R223倍ときて、万太郎ラッシュの最後は11R112倍……昨日の1本を嘲笑うように6本もの万シュー台風が吹き荒れたのだ。
 原因は多々考えられるものの、ドリーム組などの銘柄スター選手が人気を被ってぶっ飛んだ。このケースが最大の要因だな。該当するレースは
2010_0303_0133 2R…地元の魚谷香織がまさかの6着大敗
6R…人気の日高逸子が行き場を失って4着完敗
7R…断然人気の寺田千恵が3着敗退
10R…5Rで6着に敗れた横西奏恵がまさかまさかの連続6着惨敗
11R…断然アタマ人気の山川美由紀が2着の苦杯
2010_0303_1106  上記の選手たちは枠の良否を問わず高い支持率を誇っていた。昨日はドリーム戦があった分だけ接戦カードが多かったわけだが、今日は銘柄級が満遍なく散らばり「まあ、この相手なら勝つのはもちろん、最悪でも舟券から漏れることはないだろう」というファン心理を増長させたのだろう。結果、今日はほとんどのレースで彼女たちが苦戦した。
 逆に、「銘柄級が勝って万太郎」というレースは6号艇の海野ゆかりが強烈な絞りマクリを決めた4Rのみ。今日に限っていえば、人気のスター選手を嫌って伏兵狙いに徹した人たちの中から御大尽が誕生したことになる。
 え? はい、私も2Rの魚谷香織以外は人気どころをすべて蹴り飛ばしたんですけど、な、なんで私には…………嗚呼、もう、これ以上は書きたくないっす><

女子王座4Vに黄信号??

2010_0303_0085  女子王座の新記録4Vを狙うふたりのナデシコが、2日目にして窮地に立たされた。まずは選手代表の鵜飼菜穂子。昨日は5・2着でなんとかボーダー近くに留まっていたが、今日の3Rで見せ場なく最下位(Fがあったので5着)に沈んだ。抽選時に「ボロ引いちゃった」と顔を曇らせた54号機、やはり素性どおりの凡パワーのようだ。回るたびに置き去りにされていく足は、悲惨の一語。節間勝率も4・00まで下降し、明日の4R3号艇が1日早い勝負駆けになる。
 鵜飼姐さんより、もっと深刻かもしれないのが横西奏恵だ。今日の5Rはまさに地を這うような惨敗ぶり。道中でキャビるわ、アタックしてもまったく届かないわ、最後は5着の道上千夏から置き去りにされる6着だった。
2010_0303_0570  その足がどれほどひどかったか、続く10Rまでにピストン2個・リング1本にシリンダーケースまで交換したことでも痛いほどよくわかる。で、その10Rの展示タイムは6秒63とメンバー中のトップ時計。「お、当たりがきたか!?」と思ったものだが、実戦ではまた完全に後手を踏んでしまった。1マークで前の艇にドン突きしてあっという間に最下位だ。不運だった展開がなかった、というより、入りたかった空間まで舳先が向かずに追突したように見えた。つまり、「伸びだけは付いたがサイドの掛かりがまったくないに等しい」という状態なのだろう。こりゃマジでヤバイ。横西が今までの女子戦で6・6着を並べた日なんかあっただろうか。きっとないと思うぞ。昨日はドリームの点増しで上位にいたが、この信じられない惨劇で節間勝率は4・00。鵜飼と34、35位を分け合う危険ゾーンまで下落してしまった! 明日までにワースト級の14号機(地区選でやはり這い続けたテラッチに「今回、あのモーターを引かなくて正直ホッとした」と言わしめた魔のエンジン)をどこまで建て直せるか。もちろん、中堅近くまで引き上げられれば、3R3号艇&12R1号艇の好枠を利してこの危機を軽々と回避できるはずなのだが……頑張れ、奏恵ちゃん!!(Photo/中尾茂幸、Text/H)


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THEピット――こんな横西奏恵、見たことない

2010_0303_0366  異変、であろう。
 横西奏恵が2回乗りを6着2本。SGならばともかく、女子戦でのこの成績は、どう考えても異常事態である。
 前半5Rの6着後、横西には声をかけている。BOATBoy3月号の女子王座特集に登場してくれたので、そのお礼を言うためだ。本来、6着のあとにそうした言葉をかけるのはふさわしくないと思ったし、表情も明らかにカタかったので、少しためらいもしたのだが、一瞬だけ目が合ったので、あえて駆け寄ったのだ。あえて、というのは、悔恨を噛み締めた強者がどんな表情を見せてくれるのかという、少し意地悪な興味を抱いた、ということである。
 ニッコリと笑ってお礼を返してくれた横西の顔には、カタさが残っていた。無理して笑みを作ったのは明らかだった。礼儀として笑顔を見せても、胸の内には悔恨がたぎったまま。だから別れるとすぐに、厳しい顔つきに戻った。笑みも当然、あっという間に消えた。大きな後ろめたさを感じつつ、横西奏恵の横西奏恵たるゆえんを見せてもらったと思った。

 それでも、10Rの展示に向かう際には5Rの悔恨は消えているようにも見えた。ひとつ前を歩く西村歩と談笑していたからである。出走直前とは違い、展示に向かうときというのはリラックスした表情を見せる選手も少なくない。会話を交わしつつピットへと向かう選手を見かけるのも珍しいことではない。とはいえ、このときの横西のように、まるでカフェで語り合っているかのような笑顔を見せる選手は、決して多くはない。その様子を見れば誰だって、リセットが完了していると思うにきまっている。
 まさか、そのレースでも6着を取ってしまうとは。
2010_0303_0856  レースぶりも、待って差して行き場をなくして……なんだか横西らしくないものだった。
 ピットに戻ってきた横西には、精気がなかった。ヘルメットとカポックをつけたままでも、その憔悴ぶりは伝わってきた。エンジン吊りをしながら、岩崎芳美がヘルメット越しに横西の顔を覗き込む。岩崎も心配そうな表情だ。2010_0303_0480 佐々木裕美は、苦笑いするしかない、といった様子で、カタい笑顔で横西に寄り添っていた。モーターを取り外す手つきもなんだか覚束ない感じの横西は、モーターが架台に乗せられて運ばれていくのを見送ると、岩崎に二言三言、言葉をかけて、そっとボートから離れたのだった。
2010_0303_0289  そこに深刻な顔つきで歩み寄ったのは、池田姉妹である。ヘルメットを脱いだ横西の顔が、少しホッとしたような表情に見えたのは気のせいだっただろうか。明美も浩美も、横西にとっては信頼できる存在。その二人の前で横西は、きっと本音に近いことを口に出せたのだと思う。時に苦笑いも浮かび、二人に語り続ける横西。浩美が横西の右頬に手を当てて(一瞬、カツ入れのビンタにも見えたのだけれど)、口元についていたらしい糸くずか何かを払っていた。二人と別れると横西は浩美が払ったあたりを少し気にしつつ、ふたたび硬直した表情に戻る。スリット写真を確認に向かうと、そこには向井美鈴がおり、写真を見ながら苦笑いを向けながら首をかしげてみせた。

 当サイトで女子王座を扱うのは、これが5回目である。過去の4回、うち2回は優勝であり、昨年は予選1位だったから、当然と言えば当然ではあるが、それにしても、こんな横西奏恵の表情を女子王座で見るのは、初めてである。これはやはり異変なのだ。
_u4w9127_2   着替えを終えた横西は、速攻で整備室に駆け込み、ギアケースの調整を始めていた。整備をする横西奏恵というのはおそらく初見ということはないはずだが、しかしここまで慌てた様子で、険しい表情で、整備をしているのはやはり見たことはない。
 明日は3日目にして早くも勝負駆け、である。そんな状況に追い込まれる女子王座の横西奏恵、やっぱり見たことはない。どう考えてみても、下関に今、大異変が起こっている、のである。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩=ギアケース調整中の横西 TEXT/黒須田)


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本日の水神祭! 3連発!

_mg_1173 本日はGⅠ初1着が3本。すなわち水神祭も3本、だったわけですが、これが巡り合わせによって、10R後に3連発で行なわれました。まず、3Rで1着を獲ったのが土屋千明。今日は9Rと2回乗りだったので、そちらを走った後に、と決定。すると5Rで松本晶恵も1着。群馬勢が続けて初1着ということで、じゃあいっしょにやろう、ということに。土屋は9Rも1着で、勝利者インタビューなどがあるからか、10R後にW水神祭という手はずになったのですが、その10Rでは西村歩が初1着。群馬勢に続けて一気にやっちゃえっ! というわけで、怒濤の3連発となったわけです。いやあ、ボートリフト周辺には山ほど選手が顔を見せていたなあ。メモを取ろうとしたのですが、途中であきらめました。写真は、主役の若手たちより大はしゃぎだった関東ベテラン軍団です。ストレッチかなんかの話をしてました。

_mg_1203 それでは行きましょう、水神祭。まずは群馬のWドボンです。一緒にリフトにいざなわれ、前・土屋、後・松本の並びで同時に担ぎ上げられる2人。土屋のほうは群馬の重鎮的存在である久保田美紀が中心となり、松本は渡辺千草が中心。やっぱりベテラン軍団、ノリノリです。まずは土屋がドボボーーーーンと投げ込まれ、続いて前方に送り出された松本が、ドボボボーーーーーンと投げ込まれた。その様子は、まるで二段ロケット発射!でありました。_mg_1220 水中に咲いた2つの花は、笑顔満開でバンザーイ! 土屋は3度目の女子王座でようやく果たした水神祭、喜びもひとしおだったでしょうね。なお、投げ込んだあとも大はしゃぎの関東ベテラン軍団、リフトの上で軽快なステップのダンスを見せておりましたぞ。だはは、先輩たちサイコー。

_mg_1225 土屋と松本が陸に上がると、即座にリフトに連れて行かれたのが西村。こちらはもちろん大阪勢が中心となりつつ、群馬勢にして西村の同期・今井裕梨は連続参戦となっておりました。かなり高く持ち上げられて、ドボボボボーーーーンと投げ込まれた西村は、こちらも笑顔の花! 女子王座初出場だった昨年はFに泣いただけに、この勝利はやはり格別でありましょう。

_u4w9099

最後は、水神祭3人娘でハイ、ポーズ。土屋選手、西村選手、松本選手、おめでとうございます! さらにさらに先輩たちを苦しめ、競艇ファンの心を華やかにするような走りを期待しておりますよ!

_u4w9109 で、土屋と松本はズブ濡れのまま、試運転を終えた選手のエンジン吊りにも参加。風邪ひいちゃうから、早くお風呂へ! と先輩から気遣われつつ、祝福を受けておりました。(PHOTO/池上一摩)


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THEピット――今日もまた静寂

 今日もまた静寂――。
 本日よりU記者と入れ替わりでピット入りしたわけだが、そのU記者が書いていたとおり、2日目の朝も穏やかな空気が流れていた。装着場で姿が見られる選手は少なく、試運転用の係留所にも空きがある状態。序盤特有の慌ただしさは、ほとんど感じられない。
2010_0302_0701  もちろん、選手がのんびりと過ごしているというわけではない。レース後のエンジン吊りともなれば当然、選手たちはボートリフトから装着場にあふれることになるわけだが、その作業を終えると、ほとんどの選手が整備室に消えていくのだ。ペラ室も整備室の奥にある下関ピット、すなわちペラにせよ本体にせよ、多くの選手が熱心に調整をしているのである。整備室の入口から覗き込んでみると、ペラ室はまさしく満員御礼。本体整備をしている選手も、永井聖美や福島陽子など、何人か見かけることができた。
 装着場で姿を見かけない、というのは、下関のピットの形態にも関係がありそうだ。整備室を出て左に行くと係留所があるため、調整→試運転の流れのなかで装着場を横切ることがないのである(係留所は2マーク寄りにもう1カ所あって、こちらは装着場を通ることになる。だが、こちらにボートを係留している選手の多くは、装着場の端っこを歩いていることが多かった。だから、こちらも目立ちにくい)。
2010_0302_0678  ペラ室で後姿を見かけた寺田千恵が、装着場ではまったく姿を見なかったのに、まるでワープしたように水面に飛び出していったのを見て驚いたりもするわけだが、ほんの1~2秒ほども整備室付近から目を離せば、その間に余裕で係留所に降りていくことができるのが下関ピット。静寂、そんなふうに感じるのも納得というわけなのである。

2010_0302_0629  そうしたなか、装着場で姿を何度も見かけた面々はといえば、中谷朋子、垣内清美、堀之内紀代子、細川裕子、岩崎芳美といったあたりか。なかでも中谷はモーターのもとにしゃがみ込み、装着の微細な点検をかなり長い時間かけて行なっているのが印象的だった。ということはつまり、遠目からはボートの死角に入って見えないのに、中谷のボート付近に行くと、突如真剣な表情の中谷が座り込んでいて驚く、という繰り返しなのである。驚くというのは、「まだそこにいたの!?」的な感覚である。
2010_0301_0230  堀之内と細川は、試運転を繰り返していた二人である。堀之内に対しては途中、永井聖美が心配そうに駆け寄って、係留所へと降りていく渡り橋の途中で「どう?」と話しかけているシーンもあった。2010_0302_0529 また、細川の表情が昨年などに比べて、ずっと明るく見えたのも印象に残った。A1昇級を果たし、自信を得たこともあるのかもしれない。

 というわけで、あまり大きな動きが、装着場を眺めている範囲では見られなかった前半戦。それくらい選手たちは、作業に励んでいる。勝つために。……ちなみに、6R前にほんの5分ほどピットに顔を出したのだが、このときは山ほどの選手たちが動き回り、試運転にスタート特訓にと駆け巡っておりました。テラッチにぽんぽんとお腹を触られてとっても嬉しかったです。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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H記者の『穴・極貧』2日目

 大山博美を狙った1R、4-1-3なら1・5秒ほど財布が立つくらい儲けたはずが、2Mの永理差しで1-4-3に……押さえのプラス1000円だったHです。ほんっに惜しかった~><
 次なる狙いは6Rの智紗衣ちゃん。日高と田口に人気が集中して、もし逃げたら美味しい配当になりまっせ~。万太郎になるかどうかは微妙なので極選、いや極貧予想にはしませんが、2Rでソコソコのパワーアップを感じさせた五反田、上位の足ある角への1-23-全で勝負します。
 そして今日の極貧は、ヒモ巧者の美女がいる11R。

11R
 ①山川美由紀
○②香川素子
○③長嶋万記
 ④田口節子
 ⑤新田芳美
★⑥鎌倉 涼
進入123/456

「山川姐さんはセンターで買い、インは消し」が私の隠れ鉄則。インでもガンガン握るんで取りこぼしもあるのです。昨日連勝した新田もパワー自体はまだ万全とは思えません。狙いは鋭い回り足ある鎌倉の2着付けです。昨日の1R、後方からクルクル回って2着まで追い上げた足は侮れませんぞ。ドリーム娘・田口には目をつぶり、差し巧者の香川、マクリ差し得意な長嶋のWヘッドから美少女・涼ちゃんへ!

3連単★23-6-全

 showどの、せっかくの舟券をコロシてすんません>< そして憲吾郎どの、誕生日おめでとさんです。バースデー舟券(3-3)が買えないのがタマに疵っすなw プレゼントはお任せあれ。6R→11R転がしまで付きあってくれれば、尼崎センタープールの隣に蔵が建ちますぞ~!!


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2日目!

おはようございます。本日はひな祭り。桃の節句に、女子王座決定戦2日目です。昨日は比較的穏当な結果が目立ちましたが、本日は果たして。実力上位のドリーム組が分散して、さらに順当な1日になるのか。それとも。取材班は全員オッサン、桃の節句はまるで関係ありませんが、本日も頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします。


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女子王座TOPICS 初日

 道上エスペランサー千夏が『バッドラック!』のFに散ったり、女子王座初の「1日全レース枠なり進入」が起こったり、2-1が4連続で出たり……そんな初日に、たったの3人で半分の勝ち星を独占してしまったぞ~!!

現役女王、連覇へピンピン発進!

2010_0302_0491  去年の優勝をフロックとは言わせない。
 そんな気合のほとばしる走りで、新田芳美が1着1着のロケットスタートを決めた。前半4Rは2コースから角ひとみを鮮やかに差しきり。舳先をギリギリ突っ込んでの2マーク先マイは迫力満点だった。
 続く8Rは文句なしの逃げ。直前の7Rまで2-1が4回続くというちょっと不思議な流れ(最初の仕掛け人は4Rの新田本人)だったが、2コース鵜飼菜穂子の差しをまったく寄せ付けずに一人旅を決め込んでいる。
 客観的には「すげぇ出てるなぁ」といった感じはなく、中堅上位レベルの足を余すところなく生かしきっての連勝に見えた。やはり去年の大乱戦の末のVが自信につながっているのだろう。女子王座の連覇といえば鵜飼の3連覇(3~5回)があまりにも有名で、あとは谷川里江の2連覇(7、8回)なのだが、この流れなら「GIになって初の連覇」も十分にありえるぞ!

グレートマザー、復権へピンピン発進!

2010_0301_0450  第2回と第18回の女子王座に輝いている日高逸子が貫禄の連勝発進だ。7Rでインの池田明美を豪快にのまくりきり、返す刀で11Rのイン戦を圧倒。「今節は楽しみがある」と本人も自信のコメントを披露していたが、その表情どおりの連続圧勝劇だった。展示タイムも6秒58、6秒54と出色のスピードを見せており、前検からさらに上積みして完調の域に達した感もある。
 まくって逃げて、この暴れっぷりを見ると女子王座V3(歴代タイ記録)はもちろんのこと、「女王&名人の同年制覇」なんていうとてつもない快挙もありえるのではないか。名人世代になってさらに強くなる女傑。こりゃもう、『グレーテストマザー』の称号がピッタリだな。

私もいるぞ、女帝初戴冠へピンピン発進!

2010_0302_0257  さらにもうひとり、2本の1着をもぎ取ったのが駿河ツインズのひとり、池田浩美だ。6Rはスタートで後手を踏んだイン定野久恵を頭ごなしに叩き潰してのまくり完勝。続く1号艇の10Rでは垣内清美の差しを喰らって2着濃厚になったものの、道中で目の覚めるようなえぐり差しをブッ込んで逆転勝利を飾った。見方を変えると6Rはツキ、10Rは辛勝とも言えるわけだが、とにかく初日の連勝は大きなアドバンテージ。15人目の女帝へ、しっかりトップ集団に食いついた。ちなみに池田明美も2着で姉妹揃ってオール2連対の好発進だ。

 以上、3人の連勝選手をピックアップしたが、実のところこの3人には大きなリスクが待ち構えてもいる。そう、1号艇&2号艇という絶好枠を初日で消費しきったのだ。明日以降の3~6号艇でどれだけ得点を上乗せできるか……舟券を買う側とすればこの連勝を「超抜の証だ」と過信することなく、冷静に取捨すべき存在だとも思うぞ。
 明日、同じように1&2号艇の“確変セット”を与えられるのは三浦永理、高橋淳美、五反田忍、土屋千明の4人。この枠を生かして何人が連勝できるか、も注目しておきたい。

初日は万太郎1本、明日こそ穴党の出番だっ!!

2010_0302_0243  2連複の1=2が8本…3連単3ケタ配当も2本飛び出すなど、穴党には実に厳しい1日だった。理由としては①内に有利な追い風②大潮の時期でこれまたイン有利③女子戦にしてはSの揃うレースが多かった④オール枠なりで楽イン続きだった。などが考えられ、明日もまた同じ環境、状況になる可能性も少なくない。じゃあ、明日も1と2から買っておけばいいのか?
 それはない!! と私は勝手に推測するのである。まず3Rの6号艇に鵜飼さんがいて、オール枠なりは99・9999%ありえない。同じく6号艇に組まれたドリーム組の海野ゆかり、横西奏恵もとりあえず動くかもしれないし。
 それから今日連勝発進した新田、日高、池田浩美の3選手が正当なパワー評価より人気を被ったりもするだろう。逆に外枠セットで苦戦を強いられた選手たちが不当に人気を落とすはず。人気に妙な偏りが出る明日こそ、その盲点を突くチャンスだと思うぞ。

2010_0302_0753  パワーからの狙いは廣中智紗衣、鎌倉涼、魚谷香織の若手3人。特に5&6号艇の不利なセットで3・3着とまとめてみせた廣中の足は間違いなく超抜だ。明日の6R1号艇は4号艇にピンピン日高、6号艇にドリーム田口がおり、この強敵をインから蹴散らせば……万太郎も夢ではない。
 さらにもうひとり挙げるなら、今日はまったく見せ場を作れなかった大山博美だ。「な~んだ、たいした足じゃなかったな」と軽視される明日が狙い目。1R4号艇の大山で、まずは軍資金を増やしたい。(Photo/中尾茂幸、Text/H)


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THEピット――交流する選手たち

2010_0302_0530_2  午後のピットに入っていったとき、ピット内にはモーター音が鳴り響いていたうえ、記者陣の姿もかなり増えていた。静かだった朝とは打って変わっての喧噪を感じたものだが、それもタイミングの問題に過ぎなかったようだ。
 選手たちは熱心な作業を続けていたが、選手同士が会話をしているところはそれほど多くは見かけられず、やはり基本的には静かなピットのままだったのだ。
 作業をしている選手でとくに目についたのは、整備室で本体整備をしていた永井聖美だ。
 隣のテーブルでは、同期の茶谷桜も本体整備をしていたが、見ていた範囲でいえば会話はなかった。朝も艇庫で一緒に作業をしていた2人だが、いざ作業を始めれば それぞれに集中している。
 永井の本体整備は、かなり長い時間をかけてのものだった。

2010_0301_0449  ピット内を小走りしている姿を何度か見かけたのは日高逸子だ。
 藤崎小百合のエンジン吊りを手伝ったしばらくあとに、「ありがとうございました」と藤崎に礼を言われると、サササと近づき、ひと言ふた言、声を掛ける。
 その後すぐに小走りで待機ピットに行くと、係留していたボートからプロペラを外した。そして整備室奥のペラ作業場へ行くと、何かを思い出したのか、また、ササササと移動。
 選手控室のほうへと行って、戻ってきたとき、手にはメモ帳を持っていた。「整備メモ」だと思われるが、中身が濃いメモであるのは疑いようがない。
 少しの時間もムダにしない作業ぶりは「日高スタイル」とも言えるもので、見るたび、本当に頭が下がる。

2010_0302_0893  そんな日高は、「宣伝です」と、開会式で競艇名人戦(徳山)のTシャツを着ていたが、午後のピットで、そのTシャツを着ていたのは、鵜飼菜穂子だ。
 エンジン吊りの際に、それを見かけた日高は、「あっ、鵜飼さん、着てますね」と目を輝かせていた。「宣伝してくださいね」とも付け加えていたのだから熱心である。
 鵜飼と日高はともに、女子王座→名人戦と、全国発売GⅠの連続出場となるので、どちらの大会においてもいい結果を出してもらいたい。

2010_0302_0252  静かなピットといっても、日高-鵜飼のような和やかなシーンは他にも見ている。
 横西奏恵と寺田千恵が装着場で並んで作業をしていたときに、顔なじみのベテラン記者に声を掛けられると、しばらく話をしていて、3人で笑い合っていた。
 また、装着場の真ん中で、偶然出くわした池田明美、浩美の姉妹と長嶋万記は、しばしの3者会談……。お互いの手応えなどを伝え合っていたようで、それぞれにいい表情を見せていた(写真はその後に10レースを制した池田浩美)。

2010_0302_0727  9レース後には、試運転に出ていた選手たちが一斉に引き揚げてきた時間帯があったが、その際に五反田忍と話をしていた高橋淳美は、よく通る声でケラケラと笑っていた。
 そのしばらくあとに五反田は、山川美由紀とも試運転の感触を伝え合っていた。
 そこに弟子の鎌倉涼が近付いてくると、鎌倉を呼び入れ、こちらも3者会談。
 山川が離れていったあとにも、しばらくの間、鎌倉にアドバイスを送っていた。

2010_0302_0509  その他では、エンジン吊りでボートリフトが上がってくるのを待つあいだに、佐々木裕美と田口節子の「銀河系軍団コンビ」が話をしていた場面も見かけた。
 何を話しているかは聞こえてこなかったが、調整関係などのまじめな話のようだった。
 ……その後、10レースの際にはピット内にある“アリーナ席”へと行ってみた。
 そこは、客席の水面前ゾーンの延長にあたる場所で、250メートル標識の近くだ。そこにはベンチまであるので、レースを観るには最高の場所になっている。そのアリーナに目をつけたときから、選手はここに来ないのかな、と思っていたが、10レースのときには、やはり、いた。

P3020010b  地元の佐々木と、寺田と長嶋、そして競艇リポーターとしてもお馴染みの「お先にどうぞ」の永島智広さんが固まってレースを観ていたのだ。
 そのなかでも長嶋の目がとくに真剣で、途中で小さな喜びの声をあげていたのは、1号艇が池田浩美で、このレースを制したからだろう。
 寺田と佐々木はその後、何かを話しながら、エンジン吊りの手伝いへと装着場に戻っていった。
 それからしばらくしたあとの整備室では、寺田と佐々木に福島陽子を加えた3人で、リードバルブの調整をやっていた。もしかしたなら、アリーナからの帰り道などに寺田からのアドバイスがあったのかもしれない。
 ピット内では、同期・同県・師弟といった範囲にとどまらず、そうした会話や技術交流があるものだ。選手たちはそうやって強くなっていく。
(PHOTO/中尾茂幸 +内池=アリーナ席写真のみ  TEXT/内池久貴)


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H記者の『穴・極貧』初日

 大森のエウレカセブン(スロット)で爆勝して「旅打ちでさらに増やしたる~!」と2日前に飛行機に乗り込み、小倉駅前と下関駅前でその9割を失ったHです。今回も遅刻するんだった~~>< で、昨夜カメラマン中尾から「お前が極選を名乗るのは100年早い、単なる極貧予想だ~!」となじられ、実にその通りだと思ったので的中するまでタイトルを変えることにしました。
 ま、ってなわけで初日から後のない勝負駆け。11Rにメイチ張り込み脱・極貧&極選復活を目指します。
「ねだるな、勝ち取れ、さすれば与えられん!」
 付いてきたまえ、憲吾郎どの。

11R
 ①日高逸子
 ②岩崎芳美
 ③香川素子
◎④三浦永理
★⑤廣中智紗衣
 ⑥今井裕梨
進入123/456

 前検時計は平凡でも、スタート練習で軽快な行き足を見せた永理ちゃんに賭けます。もちろん天下のグレートマザーを簡単にまくり切れるとは思っていませんが、この時刻は干潮に近く4カドに引けばダッシュも乗るはず。一本被りの大本命を引き波に沈め、マーク差しの廣中を連れてきてくれ~~!!

3連単★4-5-全、4-全-5

 あ、ヨッシーどの、貴重なパワー情報をありがとさんです。この極貧予想はやや筋違いですが、今後大いに活用させてもらいますぞ~!


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THEピット――朝の静寂

2010_0302_0236  開会式のあと、ドリーム戦出場選手のインタビューが行なわれているとき、水面には次々と選手が試運転に飛び出していった。
 最初に目に入ったのは、佐々木裕美、平山智加だったのだから、これは1、2レースの勝者2人だ。
 あくまで、後から思えば……ということでしかないのだが、気合いの表われがそのまま結果に出たともいえるだろう。
 1レース後、勝った平山の姿を目で追っていたが、あまりに無表情だったのには驚いた。1レースの1号艇ということで、落とすわけにはいかないというプレッシャーも強かったはずだが、ホッとしているような感じはしなかったのだ。すたすたと歩いていって、途中で立ち止まるとスリット写真を確認。競艇場のスタッフから勝利者インタビューに行くことを求められると、すぐにそれに応じた落ち着きぶりは、彼女の「成長」と受け取っていいだろう。

2010_0301_0456_2  1レース前にピットに入ったときには、装着場の静けさにも驚かされた。
 間もなくレースが始まるタイミングだったこともあるのだが、選手がひとりもいないように思われたのだ。
 よく見てみれば、長嶋万記がモーターにプロペラを取りつけていたが、それにしても、初日の朝としては「動き」の少ないピットであった。
 艇庫では、永井聖美と茶谷桜の83期2人が並んで作業をしていたが、そんな暗いところでやらなくてもいいのに……などとも思ってしまった。
 1レースがスタートした頃、整備室を見てみると、壁の傍のカウンターに10人ほど選手が並んでいた。それも珍しいな、と思ったが、そこからモニターが目に入るので、選手たちは並んでレースを見ていたわけだ。
 ただ、それにしても歓声が少ない。
 SGでも新鋭王座でも、選手たちが集まりレースを見ていれば、「行けー」とか「行ったぁ!」とか、歓声や応援の声、悲鳴などがあがってくるものなのに、今朝はそれがほとんど聞かれなかった。
 なんだか静かな女子王座なのである。

2010_0302_0503  選手同士が会話をしているシーンもほとんど見かけなかった。目撃したのは、福永達夫選手会長と海野ゆかりが歩きながら話をしていたところくらいか。
 あ、そういえば、1レース後に鎌倉涼は、五反田忍の言葉に耳を傾けていた。
 五反田は、鎌倉の師匠なので、レースのアドバイスを受けていたのだろう。そうして師匠が傍にいてくれることが、鎌倉にとっては最高に心強いはずである。

2010_0301_0305  1レース後、待機ピットに留めてある自分のボートに向かう途中で、池上カメラマンの構えているレンズに向かって、廣中智紗衣が両手でVサイン! 池上カメラマンは「バッチリ、押さえましたよ」と廣中に報告していたが、これまでに廣中とはほとんど話をしたことがないという。それでいながら、そんなことをしたのが意外で、そういうことをする人なんだ、と少しだけ驚いた。
 しかし、そのしばらくあとにもう一度、見かけた際には、そのときとは一変して、真剣な表情で口を結んでいた。誰かが傍にいるわけでもなければ、それも当然のことだが、女子王座の緊張感が伝わってくるような顔つきだった。

2010_0302_0329  そういえば、1レースを勝った平山が無表情だったなら、2レースを勝った佐々木も無表情で、喜びを前面に出すようなことはまったくなかった。
 地元ビッグの初戦で、4号艇で勝てれば喜びも大きいはずなのに……とも思われたが、それだけ彼女は謙虚なのだろう。
 エンジン吊りを手伝っていた堀之内紀代子に対しては、何かひと声かけられたあとに、そっとハグ。
 そのハグもいかにも遠慮がちなものだったので、遠目で見ているこちらも、ついつい頬をゆるめたものである。
(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/内池久貴)


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女子王座・開会式ダイジェスト

2010_0302_0008

鎌倉涼
「お父さん、お母さん、がんばりま~す♪」

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松本晶恵
「晶恵、なんか最近、イライラする」(以下、土屋千明先輩への恨みつらみ??)

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平山智加
「晶恵ちゃ~ん、今日もスベッちゃいましたね、残念!!」

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土屋千明
「つっちっや~ちあきだよ~~アキちゃんごめんね~~」

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長嶋万記
「女の中の女たち、出て来いよ~~!!」

2010_0302_0056

佐々木裕美
「私を支えてくれる、すべての人たちのために頑張ります」

2010_0302_0101

岩崎芳美
「去年もおととしも、2回も開会式でスベッちゃいまして……エヘ」
3年連続の直滑降……?

2010_0302_0108

武藤綾子
「同期↑の責任は取れませんけど、レースではしっかり頑張りたいと思います」

2010_0302_0115

道上千夏改めザ・エスペランサー総統
「ところでそこのキミ、私の名前がわかるかな? 言ってみたまえ。ん? みちがみちなつぅ?? 違う、エスペランサー殿下さまだ~!!」
「まあいい、今年はこれで終わりにしよう。バッドラックだ!!」

2010_0302_0124

大山博美
「筑豊の女王様から日本の女王様になります!」

2010_0302_0132

高橋淳美
「久しぶりです。こんにちわ」

2010_0302_0152

鵜飼菜穂子
傘を杖にヨボヨボ老人歩き

「1メートル走るだけでも疲れるのぉぉ」

2010_0302_0163

横西奏恵

「エンジンあんまり出てないみたいですけど、女王を取り返しに来ました!」


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初日!

P3020002b  本日は、待ちに待った女子王座決定戦初日です。
 昨日は雨だったように、天気が心配されましたが、快晴です。
 水面もキラキラ輝いています。
 張り切って、まいりましょう!


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H記者の「女子王座前検を斬る!」

 さあ、前検です! 足合わせとスタート練習を見ながら、今節は好パワーをふたつに分けて考えよう、と思ったHであります。
①Xチーム…女子王座はスリットが命、スタ練での行き足が良かった選手をXチームとしてアタマ中心に狙う。
②Zチーム…逆に足合わせで回り足がよかった選手をZチームとしてボックス主体に狙う。

 つまり、スタートで凹凸のできやすい女子戦のこと、行き足X型はスタート一撃狙い、回り足Z型は混戦を捌いて着を拾う、という考え方であります。
 で、まずはXチームですが、スタ練から以下の選手が浮上しました。

2010_0301_0507_2 XS…細川裕子、寺田千恵、三浦永理
XA…山川美由紀、森脇まどか、中里優子、鎌倉涼

 この7人。特に細川の行き足がとんでもなく凄まじく恐ろしく見えて、思わずメモ帳に「SSS」と書き込んだほどでした。が、興奮しまくっていた私に、女子リーグ番のウッズ記者がポツリ。
「あ、細川ってスタート練習ではチルト3を使うことが多いんですよ。今日もそうじゃないですかね」
 ひーーーー、あのウルトラ鬼足は、チルト3だったのかーーーー>< スタート練習ではチルトを公表しないため、完全に盲点になっておった。もちろんこれが阿波勝哉なら当たり前のことなんだけど……ガクッ(※後にコメントからチルト3だったことが判明)。
 ってなわけで、SSSからSに格下げしたわけですが、明日の8Rでもチルト3を使うようなら、怖~い存在ですぞ!!

2010_0301_0330_2  テラッチはスリットを過ぎて半艇身~1艇身ほど覗く行き足。でもってインからのスタートはさっぱり伸びなかったので、完全なる行き足型伸び型といえるでしょう。明日のドリーム戦3号艇は微妙な枠ですが、内の奏恵ちゃんの気配がまだ一息だっただけにS一発があるかも?

2010_0301_0468  もうひとりのXS三浦も半艇身~1艇身の突き抜け。明日の11R4号艇は文句なしの狙いどころでしょう。インのグレートマザー様を引き波に沈めれば……とんでもない配当が転がり込みますぞ~!!

 XA指定の4選手は半艇身ほどの行き足に見えました。スリット同体なら絞りきるまではどうか、という気もしますが、ツボにハマれば常に圧勝がありそうです。

2010_0301_0234

 特に鎌倉は1Rの1回走り。宿敵の智加ちゃんを一気に呑み込むシーンまで想定しておきましょう。

 続いて回り足、レース足がよく見えたZチームは……
ZS…魚谷香織
ZA…大山博美、廣中智紗衣、武藤綾子

2010_0301_0217_4   圧巻だったのは魚谷VS奏恵という注目のカード。外の魚谷がくるん回ると、一気に2艇身ほど奏恵ちゃんを置き去りにしてしまったのです。その後、何人かとマッチングした魚谷はターン回り~出口の行き足で誰にも負けることなくピットに帰還していきました。この強烈なレース足があれば1~3着を優勝戦まで並べられる。そう確信させる鬼足でしたぞ~。文句なしのS指名。
 ZAに指名した3選手は高いレベルでバランスのとれていると感じました。特に大山はスリットからの行き足もXAに入れるか迷ったほどで、総合力なら節イチなのかもしれません。

 さてさて、前検タイムが出ました。ベストとワーストをアップしておきます。

前検ベスト10

①細川裕子 6・49
②新田芳美   50
③福島陽子   51
④大山博美   54
⑤片岡恵里   55
 田口節子
⑦寺田千恵   56
 角ひとみ
⑨山川美由紀  57
 谷川里江

前検ワースト5

①岩崎芳美 6・70
 香川素子
 長嶋万記
 土屋千明
⑤西村美智子  69

 女子王座の新記録V4を狙う鵜飼菜穂子姐さまは6・63、横西奏恵は6・65……平凡なタイムでありますが、実戦や如何に??(Photo/中尾茂幸)


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THEピット――爽やかな前検

2010_0301_0216_2   スタート練習前のピットに行くと、まず目に入ったのが魚谷香織だ。ドリーム戦にも出場する地元選手でもあるためか、多くのカメラマンや記者たちに取り囲まれていたが、1年前と比べても大人っぽくなったな、という印象を受けている。
 この魚谷は、特訓後の共同会見にも「よろしくお願いします」と笑顔で登場! 会見場にも爽やかな風を吹かせてくれたが、ドリーム戦出場の感想を聞かれた際の回答には驚いた。「すごい嬉しいです」とニッコリ笑ったあとに、こう続けたのだ。
「気合いを入れて、コース獲りからいきたいです」
 この言葉によって会見場の空気が一変したのは言うまでもない。
「ピット離れが出れば、行きます!」
 と、条件付きながらも、再度、魚谷は言い切った。
「せっかくドリームに乗せてもらったんで、舟券に絡めるところから行きたいです」と締めた魚谷には期待したい。

2010_0301_0251  また、平山智加も、過去2度の出場時に比べれば、ずいぶん落ち着いて時間を過ごしているように見えていた。昨年1年間は、SGなどでも揉まれてきているので、女子王座への接し方も変わってきていると言えるのかもしれない。
 そして、初出場とは思えないほどの落ち着きが感じられたのが今井裕梨だ。
 ルックスの可愛らしさとは裏腹に、すでに「風格」といえるようなものまでを身につけているふうだったのだ。
 今井の傍で、カメラマンが佐々木裕美を撮影していると、カメラマンの隣りでポーズを取って、佐々木を笑わせようとしていたのだから、たいしたものだ。

2010_0301_0226_2  今年のニューフェイスのなかで、一押しの存在となるのが鎌倉涼だ。
 若手選手のなかでは、かなり長い時間をかけて、特訓前の装着場でボートの各所をチェックし、調整していた。
 その注目度はやはり高く、入れ替わり立ち替わり、カメラマンから撮影を求められていたので、集中しにくいだろうな、と気の毒になったほどだった。
 第1班のスタート練習が始まるちょっと前には、装着場で作業しているのが、鎌倉と今井、土屋千明、道上千夏の4人になっていたのだから、頑張り屋である。
 鎌倉には、昨年夏にインタビューをしているので、ひと段落ついたところで、そのときのお礼を言いに行った。すると鎌倉は、「あのときはありがとうございました! 今節も頑張ります!!」とニッコリ。
 その笑顔はとにかくキュートで、昨年夏の笑顔に比べても、20%増しの魅力になっていた。そんな笑顔を見せられたなら、鎌倉か鵜飼菜穂子か、どちらを応援すればいいかわからなくなってしまう。……こうしたときは迷わず、両方応援することにしたいと思う。

2010_0301_0517  応援といえば、目についたのが横西奏恵の作業時の格好だ。昨年の女子王座では、岩崎芳美とお揃いのピンクの阪神タイガース・ユニフォームを着ていることが多かったが、今日、横西が着ていたのはガンバ大阪のユニフォーム! それも明神智和の17番だったので、横西が応援している選手なのかもしれない(写真は、その後に着替えてからの撮影)。
 この横西は、ドリーム戦の記者会見で、魚谷以上に会見場をどよめかせてくれている。
 F2で臨んだ昨年と違い、今年は「Fマーク」がついていないことを振られて、こう言ったのだ。
「それはそうなんですけど、ちょっと休みすぎてお金がないんで(笑)。稼がないといけないけど、フライングも切れない、という去年と似た状況ですね。とにかく底をつきかけているんで、お金が」
 そうして記者陣を爆笑させた横西であるが、「スタートは見えすぎて怖いくらい」と言い、会見の締めくくりにはこう言った。
「落ちないように頑張ります」
――落ちないようにというのは?
「前節、優勝戦で落水したようにツメがあまかったので。最後まで気を引き締めて頑張ります」

2010_0301_0592  この会見では、「雨のせいで重かった」というコメントがとにかく目立った。そのようなことを言ったのは、田口節子と海野ゆかり、寺田千恵の3人で、魚谷にしても「回転を上げていきたい」と言っていた。
 とくに田口は「行き足が悪い」という言葉を繰り返し口にしていた。それでも、「それが来れば……」とも続けていたように、一定の感触は掴んでいたようだった。
 田口に限らず、6選手それぞれがそんな感じで、キーワードは「方向性は見えています!」。
 これは最初に魚谷が「方向性は見えてるんで」と言った際、会見場の入り口で順番待ちをしていた海野が「早っ!」と、素早いツッコミ!
 その後、海野も、自分の会見の中で「方向性は……見えてます!」と記者陣を笑わした。そのうえ、その後に登場した寺田までも「魚谷さん同様、方向性は見えています」と続けてみせたのだ。
 う~ん、さすが、テラッチ! 「笑い」というものをよく知っている。

2010_0301_0192  とにかく、ところどころで笑いを散りばめられていた今日の会見は面白かった。
 そんな会見が終わったあとピットに戻ると、スタート練習の後半が始まっていたが、その時間帯には「選手のすし詰め状態」となる整備室を見ていても、バタバタしていたり、焦りの色を見せたりしている選手はいなかった。
 こちらの印象でいえば、とくにいい笑顔を見せていたのが谷川里江だ。
 整備室で整備員の人と話しているときや装着場で同期の定野久恵と話しているときに見せていた笑顔は、コンディションの良さがよく伝わってくるものだった。
 昨年の女子王座を盛り上げた立役者の一人、谷川には、今年も活躍を期待したい。
(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/内池久貴)


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手探りのモーター抽選

2010_0301_0118 『女帝戴冠』の第一関門、モーター抽選会が競技棟の選手控室で行われた。横長の畳敷きにズラ~リ並んだ52名の女帝候補たち。その顔はどれものんびり穏やかで、談笑の声があちこちから漏れている。そりゃそうか。モーター自体は2月の中国地区選から減音に変わり、まだ3節しか使用されていない。まだまだ素性の知れぬパワーばかりなのだ。
 しかし、宮本紀美が11番を引き当てると「オーーッ」の歓声。続いて20人くらいが一斉に拍手した。
 そ、そんなに凄いのか、11号機????
 と目を丸くしたものだが、拍手したほとんどの選手たちは誰が何号機を引いたのかも知らずに余興で手を叩いていたようだ。「で、何番引いたの?」という声があちこちから聞こえてきたのだった。
 この「オーーッ」&拍手&「で、何番?」のセットはすっか2010_0301_0119_3  り選手たちのツボにハマッたようで、65号機(大山博美)、17号機(寺田千恵)、21号機(森脇まどか)、でも同じように盛り上がっていたな。ま、この4機はすべて複勝率50%以上だから、いいかげんと決め付けるわけにもいかないのだけど……。
 とにかく、相場云々はまだ手探りの段階なのだが、「もしかしたら超抜かも?」と思えるものをいくつかピックアップしておこう。
◎65号機=大山博美/地区選で前本泰和が圧倒V。優勝戦コメントは「行き足よく前に押す感じ」と絶賛。
◎53号機=廣中智紗衣/前節で後藤正宗が21311111⑥11の安定感。優出こそできなかったが節イチ級の動きだった。
◎21号機=森脇まどか/前節の中岡正彦が後半怒涛の6連勝V。勢いならコレか!?
○55号機=向井美鈴/地区選で大峯豊が優出。「バランスとれて上位」と好評価。
○29号機=角ひとみ/地区選で魚谷香織が準優出。「足は◎」と自信を見せた。
▲51号機=田口節子/前々節でB1高山哲也が優出2号艇。
▲48号機=日高逸子/前々節でB1大田誠が優出3号艇。
▲38号機=岩崎芳美/前々節でB1早川尚人が優出6号艇。
 もちろん過信は禁物だが、◎の3機は前検から注目しておきたい。

2010_0301_0123  女子王座の新記録(4V)がかかる横西奏恵は複勝率28%の14号機。同じく4Vを目指す選手代表の鵜飼菜穂子も25%の54号機と、ちょっとしょっぱい第一関門になってし2010_0301_0146 まった。54の数字を引いた鵜飼姐さん、馴染みの記者に「また、やっぱりボロ引いちゃった」と泣き真似を見せてから、「でも、まだ全然わかんないもんね」とニッコリ。そう、下ろして3節のモーター勝率なんか、気にしちゃいけませんぜ、姐御!!(Photo/中尾茂幸、Text/H)


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THEピット――敗者の笑顔、勝者の笑顔

2010_0124_0360 「やった、やったっ! タカシ、やったっ!」
 渡辺浩司をはじめとした福岡勢がバンザイして今井貴士を出迎えている。たしか今井はシンガリ負けだが……。ボートの上からおどけたふうに、今井が応えている。
 うーん、この明るさは何だ?
 もちろん、そうしてからかってみせることが、彼らなりの優しさなのだとはわかっている。P離れで遅れて6コース、何もできずに6着。やっちまった今井を、深刻な顔で出迎えても仕方がない。今井も、大きな後悔があるには違いないが、仲間が騒いでいる以上、肩を落として帰ってくるのは無粋だろう。
 やるせなく笑う今井の力ない表情は、そんな気遣い方をする大量の福岡勢のなかに溶け込んで、やがて穏やかなものになっていくのだった。
2010_0124_0193  今井だけではない。敗れた選手たちは、おおむね笑顔だった。小坂尚哉がヘルメットを脱いだ瞬間、蒼ざめた顔をしていたのは印象的であったが、やはり仲間が彼を癒し、小坂は顔色を取り戻していっている。大峯豊も、馬場貴也も、新田雄史も、ひとまず笑顔で控室へと向かい、その笑顔を保ったまま、モーター返納作業にかかっていった。
 うーん、皆が皆、笑顔かあ……。

 まあ、人は悔しくても悲しくても笑えるものである。むしろ、悔しさを覆い隠すために、笑顔を作ることだってある。同世代の仲間たちに囲まれて過ごすレース後だ、笑顔が多いのは当然ともいえる。
2010_0124_0064  一瞬、大峯が放心状態になっているのを目撃した。小坂尚哉が溜め息をついたのも目撃した。今井貴士の顔つきは、プロペラを外しながら次第に暗くなっていくようにも見えた。
 そりゃあ、そういう場面がなければおかしいのである。
 悔恨の中の笑顔。そんなことを考えて、ちょっとだけ切ない気分になった。もしかしたら、傾く夕日に照らされたピットの雰囲気に感化されたのかもしれないけど。
2010_0124_0264  いや、馬場貴也の表情を見ているうちに、その思いはさらに強くもなったのだ。馬場はプロペラを外しながら、整備室の壁にかかっているモニターを見上げていた。映されているのはリプレイ。それを凝視していたのだ。満面の笑みで。最高の笑顔で。
 なぜだ。馬場がそんな表情になる瞬間が、優勝戦のレースにあっただろうか。いや、瞬間どころじゃない。馬場の笑顔はモニターを見上げている間、ずっと保たれていたのだ。まるで笑顔のままフリーズしてしまっているかのように。
 そういうものを、心からの笑顔、とは言わないだろう。
 モーター返納を終えた敗者たちが、ヘルプした仲間たちと並んで、控室へと帰っていく。大峯が同期の友に話しかけた。
「でも……ブス(が勝ったん)だもんな」
 やっぱり誰一人として、心からの笑顔を見せてはいなかったのだと思う。

2010_0124_0304  心から笑っていたのは、もちろんただ一人だ。
 毒島誠、第24代新鋭チャンプに!
 歴史に刻まれても不思議のない名勝負を制したのだ。レース内容については別項に譲るとして、あれほどのデッドヒートを制した者は、他に比するものなき充実感を手にできるというものだ。
 と、ここでその敗者について、だ。皆が皆、笑顔。それは、毒島に競り負けてしまった新田雄史も同じことだった。しかし、新田は敗者の中でただ一人、心からの悔恨を思い切り表現しているのだ。
_u4w4151  篠崎元志が声をかけた瞬間だった。
「ヴァァァァァァァァァァァァ!」
 新田は天を仰ぎ、咆哮した。同期生からのねぎらいに、新田は心の内をさらけ出した。表情は引き続き笑っていても、その叫びは「もっとも悔しい者は、もっとも栄光に近づいた者」という真理をあらわしていた。
 そりゃあ、そうだよな。新田は誰よりも悔しい負け方をしたのだ。そして、もっとも神々しい負け方をし、もっとも神々しい悔しがり方をした。もしかしたら、その瞬間の新田は、この日のピットで誰よりも美しかったかもしれない。
 いや、やっぱり心からの笑顔を見せている毒島もカッコ良かったな。
 進藤侑、亀山雅幸の同県同期勢に祝福される毒島は、新田の咆哮よりも大きな声で、「やったぁぁぁぁぁぁ!」と叫んだ。そりゃそうなのだ。最高に幸せな勝利をおさめた毒島が、全身で幸せを表現していなければおかしい。というか、そうすることが敗者に対する礼儀であるようにさえ思えた。
Suijin_33  会見でも毒島は、たくさんの笑顔を見せた。1周2Mのターンミスに対しては苦笑いだったけど。あと、元選手である奥様の池田幸美さんとのなれそめを聞かれたときには、照れ笑いしてたけど(「ぼくが惚れたってことにしといてください」だってさ。ごちそうさま)。その笑顔を見ながら、勝負にはやっぱり勝たなきゃいけないな、とも思ったし、だからこそ敗者たちの笑顔もまた美しいのだと考えていた。

 それがともあれ、笑顔満開の優勝戦後。これが新鋭王座らしさなのかどうかはともかく、彼らの若さが本当にうらやまし……いや、素敵だと思った。
 第24回新鋭王座決定戦。面白かったな。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩=新田、毒島と92期勢 TEXT/黒須田)
 


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優勝戦私的回顧

 まるで、スタミナが切れたボクサー同士の殴り合いのような優勝戦であった。あえて偽悪的な言葉を使って表現しているが、貶しているわけではない。むしろ褒めているのだ。レースをしている当事者だけでなく、見ている者すべてが、最後まで結果の予測ができない。そんな面白いレースがあるだろうか。

2010_0124_r12_0822   圧倒的1番人気の小坂尚哉は、スタートで他艇よりも約1艇身遅れて終了。はからずも、2コースの新田雄史に絶好の展開が転がり込んできた。

 新田は1マークで安全策を選択した。小坂の飛び付きを警戒して、ピッタリとツケては回らず、小坂と少し間隔をあけた場所を旋回したのだ。
 しかし、レースにおいて安全と危険は表裏一体の関係にある。安全を求めた結果、皮肉にもターンマーク付近に絶好の差し場が生まれてしまう。

 そこにズバッと飛び込んだのは毒島誠である。

2010_0123_r10_0602  スリット裏で毒島は後続に3艇身のリードを取った。スタンドから見ている分にはセーフティード。実況の焦点もすでに2着争いのアナウンスへと移っていた。

 ところが、毒島にとってはセーフティーリードではなかった。というよりも、内2艇のミスにより転がり込んできた先頭に、平常心ではいられなかったようである。
 普通ならば百発百中で決められそうな1周2マークのターンを毒島は漏らす。競輪で言うところの「足が三角に回る」といった状態。当たり前のことが、当たり前にできなくなってしまうのが、大レースの怖さである。ここに食らいついてきたのが、1マークを失敗した新田雄史であった。

2010_0124_r12_0850  2周1マーク。内にいた新田が先に回る。毒島は付けて回ろうとするが届かない。旋回が終わると、新田が逆転。2艇身ほどのリードを取ることに成功した。1周1マークの失敗で、いったんは新田の手のひらからこぼれ落ちた優勝が、毒島の失敗によって、ふたたび新田の元に戻ってきたのである。

 だが事はそう簡単には進まない。2周2マークで、さっきのターンミスがウソのような鋭い差しを毒島が入れてきたのである。それに対して新田の艇がやや跳ねてしまう。毒島のクリーンヒットが決まって、新田が持っていた2艇身のアドバンテージは、一発で帳消し。2艇は完全な併走状態になり、勝負は最終周回にまでもつれこむ。

2010_0124_r12_0884  3周1マークは、2周1マークのリプレイのような展開になる。ただし、さっきと違うのは内にいるのが毒島で、外にいるのが新田だという点。ツケマイを打つ新田を、毒島はブロックしながら外へ外へと押し出して、ギリギリでしのいで。
 残り1回のターンを残して、毒島のリードは約1艇身。通常のレースならば、9割がた毒島が勝てるレースだろう。だが、この勝負に限ってはわからない。足元がヨタヨタしながらも、気合だけで二人が殴り合っているような状況なのだから。

 最終コーナー。毒島が先にターンマークを回る。1周2マークのターンほどはヒドくはないが、やや置きにいったような旋回にみえた。そこに「さっきの仕返し」とばかりに、新田が鋭い差しを入れてくる。
 併走状態のまま最後の旋回を終え、内に新田、外に毒島の形でゴールへと向かう。外にいた毒島が内を絞りにいく。ガツンと艇がブツかったとき半艇身前にいたのは……毒島。二転三転するマッチレースを最後に制したのは、新鋭卒業期の毒島誠であった。

2010_0124_r12_0945_2   今年の新鋭王座決定戦優勝戦は歴史に残るマッチレースであった。たしかにミスは頻発した。荒削りだった。泥臭かった。でも二人が、プレッシャーや混乱のあまり、平常心でいられないということも含めた上で、全力を出し切ったマッチレースだった。だからこそ、あれだけ面白かったのだ。

 新鋭王座決定戦は若手の目標であるが、ただの通過点でもある。新鋭戦を走る選手たちに完璧などは求めない。失敗を重ねながら、勝負に執着しながら、できるだけ大きく成長して、将来の競艇界を担ってくれればいい。小さくスマートにまとまろうとする選手よりも、そんな荒削りな若手に私は魅力を感じる。

(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/姫園淀仁)
 


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本日の水神祭 優勝戦も!

Suijin_09  本日の水神祭、まずは2R1着の岡祐臣。3日目に同じ1号艇で2着に敗れ、悔しい思いをしていた岡だけに、この水神祭は待ちに待った、そして絶対に達成しなければならなかったものでしょう。ということもあってか、とにかく大盛り上がりのはっちゃけ水神祭! 仲間たちもかなり弾けて、岡を祝福しておりました。どういうはっちゃけぶりかというと……。
Suijin_18  多くは語りません(笑)。写真を見てください。情報によると、渡辺浩司が浜名湖入りする前にゲーセンかなんかでゲットした景品で、古川健が勝ったら着せるはずだったのを、岡が着せられたのだ、と。マントを羽織った水神祭……初めて見たぞ。

 結局、進藤侑、川島圭司、古川健、藤岡俊介、青木幸太郎、下條雄太郎、庄司孝輔、山口修路、是澤孝宏が浜名湖に忘れ物をしていくことになってしまいました。しかし、GⅠは新鋭王座だけではない。どこかの周年記念などできっちり取り戻してください。そして、94期以降の選手には来年もある! その前にやっちゃいました、ってのが最高だけど、そうでなくとも来年の宮島で飛び込んじゃいましょう!

Suijin_43 さて、もうひとつの水神祭は、もちろんGⅠ初優勝の毒島誠! ピットのスミにサンダルが大量に用意されていたことから、おそらく……と予想はついたのですが、やっぱりでした。
 いつものボートリフトではなく、出走ピットで敢行された水神祭。もちろん、優勝戦で飛び出していった3号艇の場所に投げ込まれることとなりました。
 参加メンバーは、毒島を含めて10人もが参戦した92期勢。あとは金子拓矢、土屋智則の群馬支部後輩も加わっていました。ワッショイスタイルで持ち上げられた毒島を、せーのでドボーンと投げ込むと……次々と飛び込んでいく92期勢! これで新鋭戦を卒業する同期生全員で、夕暮れの浜名湖水面に入っていったのでありました。
Suijin_48 「おい、10人もいるから、ちゃんと確認したほうがいいぞ! 10人いるか?」
「7、8人しか上がってこなかったりして(笑)」
 縁起でもない冗談を飛ばしつつ、寒いヤバい冷たいヤバい寒い寒いと口々に叫びながらズブ濡れになった毒島&92期軍団。もちろん、ちゃんと10人揃ってましたよ(笑)。
 おめでとう、毒島。次は言うまでもなく、SGで水神祭を見せてくださいね。(PHOTO/池上一摩)


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THEピット――緊張

_u4w3140  朝からピットに張り付いていた中尾カメラマンが、「小坂、緊張してるね」と言う。整備室にいた小坂尚哉の顔を覗き込むと、たしかにそんな様子が見て取れる。
 でも、緊張して当たり前。中尾カメラマンとそう話す。2着1本以外はオール1着。準完全優勝を目前にして、震えなければおかしい。ただでさえビッグの優勝戦1号艇は緊張するものなのだ。こうした経験の少ない若者が緊張感を抱いていなかったら、そのほうが心配である。
 小坂は、一心不乱にペラを磨いていたが、それは戦いの準備であると同時に、心を落ち着かせるための行動のようにも見えた。仲間もそうした雰囲気を感じているのだろう。藤岡俊介が整備室にやって来て、そばに寄り添う。藤岡が声をかけるたび、小坂の顔には笑みが浮かぶ。兵庫三銃士の絆は、やはり堅固だ。その後も藤岡は、小坂のそばをなかなか離れようとせず、小坂は笑顔を見せ続けていた。

_mg_0520  1号艇じゃなくたって、緊張して当然。今井貴士も、どことなく雰囲気が変わって見えた。「たぶん、レース直前になったら緊張するんじゃないですかね」とのことだが、そう言うということは、すでに緊張感があるのだ。そしてそれは、今井が本気で勝ちに行こうとしているということ。5号艇だから気楽、というのは本当は正解ではない。何号艇だろうと、1着にしか意味がない優勝戦。SG準優を経験している格上の今井が、2着や3着でいいなどと考えているはずがないのだ。
_u4w3053  同じような雰囲気は、馬場貴也にもあった。言葉を交わすことはできなかったが、間違いなく昨日などより神妙な様子を見せていて、こちらも大一番を前にした特別なムードを発散しているのであった。

_u4w2562  ならば、毒島誠の余裕はいったいなんだ、とも思う。仲間との談笑で見せている笑顔は、予選道中ともなんら変わらないもの。透明感としか表現しようのない爽やかなふるまいは、小坂や今井や馬場を見ていると、かえって不思議に思えてくる。
_u4w2849  新田雄史も同様。飄々とした様子は、昨日までとは何も違っていないように見える。昨秋のびわこ周年で優勝戦1号艇に乗ったときは、吐きそうなくらい緊張したそうだ。師匠である井口佳典が3号艇にいて、その威圧的なオーラにも気後れしていたという。だが、そんななかで優勝してみせたことで、新田はもう何も怖いものがなくなった。「あのとき一生分、緊張したから、もう緊張することはない」と、あの経験を完全に糧にしているのである。
 そう、経験の大きさ。今井にもSG準優の経験がある。馬場には、昨年の地元王座で空回りしてしまった苦い経験があった。毒島も王座優出は2年前に経験している。
_u4w2873  そうなると、大峯豊のしてきた経験もまた、大きいものだろう。初出場で優出、しかもいったん先頭で道中逆転される。2年目も優出するが及ばず。昨年は、準優で悔いを残している。
「今までは優勝戦に乗れることだけで満足していたと思います。でも、今年は違う」
 経験したことをふまえて、自分と向き合った結果、大峯はそんな結論を胸に、浜名湖に臨んだ。そして、優勝戦に乗った。6号艇だからって、大峯は少しも不利だなどとは思っていない。(PHOTO/池上一摩 TEXT/黒須田)


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最終日! 第24代新鋭チャンプが決まる!

おはようございます。新鋭王座決定戦、早いもので最終日を迎えました。本日、第24代新鋭チャンプが決定します。なかなかの豪華メンバーが揃った優勝戦、締切予定は16時20分です!

2010_0123_0001 思えば、この人の水神祭ではじまった新鋭王座でした。堀本泰二です。大峯豊が勝てば、山口で始まり山口で終わる新鋭王座なのですが、果たして。(PHOTO/中尾茂幸)


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THEピット――若武者たちの感情

   普段はとびきりに陽気な西山貴浩の表情が、沈痛なものになっている。その西山とはしゃぎ合っている福岡勢は、全員が深刻な顔つきでボートリフトに走っていた。
 まさかの3艇F。そのうち2艇が、福岡の若武者だった。しかも、だ。
_u4w3378 全国スター候補・岡崎恭裕。
 デビュー以来1379走スタート無事故・渡辺浩司。
 ペナルティの重い準優Fに、あるいはF自体に、重い重い意味のある二人が、スリットオーバーしてしまった……。身近な人間でなくても顔を曇らせる事態に、仲間が傷つくのは当然である。
_u4w3419  一足先にピットに戻ってきた岡崎と渡辺は、さすがに表情を硬くしていた。Fを切った選手は、すぐに競技本部に呼ばれて説諭を受けるわけだが、渡辺にとってはそれ自体が初めての経験である。岡崎とともに駆けだす姿は、どこか戸惑っているようにも見えたのだった。
_u4w3386  もう1艇のF、松田祐季も言うまでもなくこわばった表情でピットに戻ってきている。5日目というのはレース終了後にボートを洗剤で洗浄するのだが、スポンジで艇底をこする姿もどこか弱々しい。準優1号艇のFの重さに、98期の若者は必死で耐えているようだった。
 あぁ、なんという事態……。
 それからの時間、エンジン吊りでピットに姿をあらわすたびに岡崎と渡辺が肩を並べて行動しているのは、偶然だったのだろうか。松田の足取りが重いように見えたのは、錯覚だろうか。もちろん時間が経つにつれて、次第にほぐれていく様子も見て取れたが、しかし気分が完全に晴れるはずがない。同県同期の永田啓二に声をかけられて苦笑いを返した岡崎の顔は、まるで泣き顔のように見えていた。心からの笑顔を浮かべることができない……それはこちらの先入観がそう見えさせているわけではあるまい。

 レースでの敗者の表情も、実に痛々しかった。
2010_0122_0481  10Rで3着だった平本真之はレース後、まるで何かに憤っているかのように、とがった表情で過ごしていた。カポックを脱ぐときも、着替えを終えて整備室に向かうときも、ふだん見せている優しい表情が完全に消えている。こんなにも怖い顔をする男だったのか、とあらためて笑顔の奥の勝負師魂に気づかされたのだった。
 声をかけると、浮かんだのはひきつった苦笑いだ。「行き場所がなかった……」。展開が向かなかった不運を、しかし自分の責任として捉えているようだった。それでも、それから数分の会話ののち、平本は両手の拳をグッと握り締めて、「よし、頑張ろう!」と前を向いた。ひとつひとつの経験を即座に糧とできるのも、若者の特権なのである。
2010_0122_0454  11R3着の古賀繁輝は、本当に泣き出すのではないかと思えるほどの渋面を、一瞬だが見せている。ピットに戻ってきた直後は、スタート遅れの苦笑いを見せながら、仲間とともに溜め息をついていたが、控室に戻ろうとした際、やはり仲間に囲まれながら、眉間にシワを寄せ、唇を尖らせていたのだ。12R時には、整備室で麻生慎介と並んでモニター観戦している姿を見かけている。その表情は、まるで能面のように活力がなく、視線もどこかうつろであった。
_u4w2661  12R、道中で揉まれて3着争いにも敗れてしまった西川真人は、ボート洗浄の輪を真っ先に離れている。ポツンと一人歩きだしたとき、西川はまるで電池が切れたかのように、ガクリとうなだれた。360度どこから見ても、激しい落胆の様子、である。西川は垂れた首を持ち上げることなく、やや速足で控室へと向かっていった。悔恨をいっさい隠そうとしない後ろ姿は、だからこそこの一戦に懸けていた思いの大きさをあらわしていたのだった。

 勝者はただただ笑顔であった。
 6人、一様に笑顔。
2010_0123_0435  そう書いて、稿を締めたって成立するのではないかと思うほど、とにかくみな笑っていた。特に、小坂尚哉の笑顔が印象的だった。ひとときも笑みが消えないほど、笑い続けていたのだ。まるで、笑顔が地顔であるかのように、小坂は長い時間、笑っていた。……そう書いてみて、ちょっと心配になってきたな。超抜モーターで、準完全ペースのピンラッシュ。ある意味、勝って当たり前の状況だというのに、もっとも嬉しそうに笑っているということは、小坂は非常に重いものを心の中に抱えていたのではないか。
「明日はいつも通りの精神を保ってレースに臨みたい。でも、気合を入れていきたい」
 会見で、小坂はそう語っている。たどたどしく。言葉を選びながら。
 改めて言うまでもないかもしれないが、小坂にとってもっとも大きなポイントとなるのは、プレッシャーとどこまでうまく付き合えるか、であろう。
2010_0123_0330  面白かったのは、6人中4人が、「とにかくアシはいい」と力強く断言していることだ。毒島誠、大峯豊、今井貴士、新田雄史だ。小坂が含まれてない? もちろん小坂も相当な手応えを感じているが、強い口調で「出ている」と断言したのは、小坂と馬場以外の4人なのだ。ちなみに新田は「相手が失敗して、自分がミスしなければ、差し切れるアシ」と言った。なんだか意味深である。
2010_0123_0361  馬場ももちろん、好感触ではある。ただ、4日目にやや調整が合わず、今日は「まずまず戻っていた」とパワーを表現している。そして「周りも出してきたので、初日2日目ほどの差はなくなってきた」とも付け加えた。ネガティブとは言わないけれども、言葉の方向性が先の4名とはやや違っているのが、少しばかり気になるのである。
2010_0123_0381 そういえば、毒島、大峯、今井、新田は新鋭王座優出経験者でもある。予選道中を牽引してきたのはまさに小坂と馬場だが、ここに来てのメンタルの仕上げ方には、4名に一日の長があるのかもしれない。
2010_0123_0428  ともあれ、いよいよ優勝戦だ。明日は誰が最高の笑顔を見せ、誰が見るのもツラい落胆を見せるのか。いずれにしても、この若武者たちは明日もきっと、瑞々しい感情をナチュラルに表現してくれるだろう。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩=岡崎、渡辺、松田、西川 TEXT/黒須田)


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浜名湖新鋭王座決定戦・準優勝戦私的回顧

10R 1384走目の……

①松田祐季
②馬場貴也
③毒島誠
④平本真之
⑤岡崎恭裕
⑥渡辺浩司

2010_0123_r10_0575  岡崎恭裕と渡辺浩司が回りこむも、松田祐季はインを譲らない。進入は、松田、岡崎、渡辺の3人が、100mポールに横一線に並ぶ「156/234」に落ち着いた。

 スタートで仕掛けたのは6号艇の渡辺浩司だった。3艇が横一線に並んだ起こし位置にもかかわらず、少しだけ早く渡辺の艇尾から白い水泡が出てくる。
 渡辺は隠れスタート巧者である。平均スタートタイミングはコンマ17と特筆すべきものではないのだが、デビュー以来6年以上にわたって一度もフライングを切っていないのだ。スタートが速い選手というのは、往々にしてフライング本数も多いもの。デビュー以来スタート無事故で平均STがコンマ17というのは、ある意味でスタートが得意な選手であるといるだろう。

2010_0123_r10_0577  内3艇が45m線を過ぎた。この時点でも、まだ渡辺が約半艇身ほどリードしている。渡辺が速いのか、それとも岡崎と松田が遅いのか。どちらにしろ、このままの体勢だと岡崎や松田は渡辺に捲られる。スタートタイミングが速くとも、前を行く渡辺が目に入ると、なかなか引くに引けない。どのみち捲られてしまえば、優勝戦進出の目が薄くなるのだから。

 結局、内3艇は落とし切ることができなかった。松田がコンマ02、岡崎がコンマ01、そして渡辺がコンマ06のフライングである。渡辺は、デビュー以来1380走目(※選手責任外失格を含むと1384走)、はじめて乗ったGⅠ準優勝戦で、はじめての勇み足となってしまった。

2010_0123_r10_0602  勝ったのは毒島誠。スタート展示ではスローを選択するそぶりをみせていたが、本番では5コースに引いた。結果論だがコースを主張せずに引いたのが正解であった。これまで数多くのGⅠを走ってきた経験が生きたのかもしれない。最後の新鋭王座決定戦で、自身三度目のGⅠ優出切符をつかみとった。2着は馬場貴也。こちらはGⅠ初優出となる。

 大波乱の結果に終わった10レース。新鋭王座決定戦準優勝戦は4年連続フライングが発生することとなってしまった。
 もちろん、フライングは出ないにこしたことはない。しかし、新鋭王座決定戦は誰もが勝ちたいと願い、卒業してしまうと二度と獲ることができないタイトルである。入れ込む選手が出てきて、ときに勇み足が出るのも否めないものだと思う。
 惜しくもフライングに散った三人。彼らに与えられた課題はひとつだけだ。その課題とは、この経験を糧にして、強い選手に育つことだ。

11R 勝負のあやは前走のF

①新田雄史
②古賀繁輝
③大峯豊
④坂元浩仁
⑤安達裕樹
⑥長尾章平

2010_0123_r11_0805  10レースのフライングが勝負のあやだった。あのFを見て、各選手がひるんだ。
 連日コンマ15~20のスタートを入れて昨日はコンマ01のスタートを決めた長尾章平がコンマ37に遅れる。坂元浩仁もコンマ32。そして過去に2年連続で新鋭王座準優勝戦でフライングを切っている古賀繁輝も、コンマ32と立ち遅れた。
 11レースから優出を果たしたのは、この状況にも怯まず、スタートを決めた選手たちである。
 1着の新田雄史はコンマ14のトップスタートを入れてきた。上位級のエンジンでインからあのスタートが決まれば、やすやすと逃げ切れるのも当然。ただ、絶対にフライングを切れない状況下のイン戦で、あのスタートを決められるのは、新田の強さである。GⅠウイナーの貫禄といってもいい。
 2着の大峯豊もコンマ19の2番手スタート。スリットでヘコんだ古賀を叩くと、あとは楽に2番手を確保した。

2010_0123_r11_0833  やや淡白に1着・2着が決まったレースだったが、3着争いは面白かった。古賀繁輝、安達裕樹、坂元浩仁、3人が入り乱れる大激戦となったのだ。知らずに見ていると、「ひょっとして優出権利は3着まで?」と勘違いしてしまうような火花散る激突。権利があろうがなかろうが、ひとつでも上の着順を目指す姿は、若々しい。

 

12R リカバリー・ショット

①小坂尚哉
②篠崎元志
③今井貴士
④西川真人
⑤中越博紀
⑥藤岡俊介

2010_0123_r12_0904  中ヘコミのスリット。コンマ08のトップスタートを決めた中越博紀が、スリット通過後すぐに内を絞っていく。中越の艇はほぼ1艇身出ていた。しかしカド受けの今井貴士の舳先がわずかに引っ掛かってしまう。
 それでも、中越は強引に絞った。今井が内へ内へと押し込められていく。今井よりもスタートで後手を踏んでいた西川が行き場をなくし、舳先が今井の艇尾に乗り上げた。あわや転覆かという危ないシーンとなった。

2010_0123_r12_0926  見どころはその後である。あわや転覆という状況ながらも、今井は極めて冷静だった。中越に絞り切られたとほぼ同時に、今井はハンドルを右に切って外へと開いて、差しに構えたのである。
 今井は5艇を行かせた後、三番差しで最内を突く。中越らが外へと膨れるなか、ターンマークぎりぎりの場所を差して2着をキープしてみせたのだ。
 すぐに外へと開いた俊敏な判断には驚かされる。中越に絞られたとほぼ同時に、内に差し場が開く、差しを狙わないと2着はないと判断したのだろう。
 新鋭世代の選手が、あそこまでスパッと戦略を切り替えれるものではない。ピット離れで遅れ、スタートで遅れと、重なったミスを、一発のリカバリーショットですべて帳消しにした。今井の判断力には末恐ろしさを感じた。

2010_0123_r12_0935  1着の小坂尚哉は完勝。もし中越が今井に引っ掛からなくても、逃げ切っていたように思える。エンジンパワーもさることながら、スタートが安定しているのが何よりも強みだ。焦点は、明日もインからあのスタートが切れるか。同じことができれば、優勝できると思うのだが。

(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/姫園淀仁)


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本日の水神祭 3名が達成!

 本日の水神祭は3本でしたね。
_mg_0497  まずは2R。永田啓二が逃げ切り勝ち。大挙参戦の福岡勢と94期は、我がことのように歓喜して、永田を迎えていました。永田がピットに上がると、西山貴浩が忍び寄って、永田の頬をスリスリ。何してんのかな~、と思ったら、永田の顔にはドラえもんヒゲが生えていました。おぉ、イリュージョン!……のワケないか。
_u4w2818  猫顔のまま、水面に放り投げられた永田は、嬉しそうに笑いながら、平泳ぎですーいすい。それを見た仲間の誰か(渡辺浩司だと思うが、確信もてず)が、「おぉ、猫が泳いでる」と大笑いしていました。

_u4w3084  つづいては4Rの竹田辰也。大きい着もありながら、3連単にも絡んできた竹田に、ついに1着が。中四国勢の歓喜の輪に飛び込んだ竹田は、人の良さそうな笑顔を見せていました。
_u4w3097  その竹田、担ぎあげられながら、なぜか頬(耳かも)を押さえている。その格好のまま投げ込まれて、あまり見たことのない姿で空中を回転し、水面に吸い込まれていきました。

_mg_0534  最後は8R。銀髪鯉組の西野翔太が、シルバーヘアー仲間の山口裕太、麻生慎介に続いて、水神祭をあげました! 待ちに待った初1着、さすがに笑顔がはじけてガッツポーズが飛び出る。ま、待機行動違反だったので、次からは気を付けてね。
_u4w3237_2   広島勢の仲間たちも本当に嬉しそうで、銀髪水神祭コンプリートに意気も上がるというもの(古川健は銀髪にしてない)。ワッショイスタイルで担ぎあげられながら、ニッコニコでバンザイをしている姿が、本当に微笑ましくもありました。

 みなさん、本当におめでとう! 残るは9人、最終日はそのうち何人がダイブできるか!?(PHOTO/池上一摩)


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新鋭王座恒例!「勝手に期別対抗戦」5日目

 昨日の昼間、黒須田と姫園がこんな会話をしておりました。

黒須田:「期別対抗戦でプレゼントクイズをやろうと思うんだけど、どんなクイズにしようか?」
姫園:「おおかた大勢は決しているし、7連単でいいんじゃないですか。たぶん、けっこう多くの人が当たると思いますよ」

……すいません。なんだか、大激戦になって参りました。ぽん太さんのおっしゃるとおり、「3連単も当たらないのに、7連単なんて」という状況に。

  初日2日3日 4日 5日 合計
92期 28 66 56  31   69  250
93期 74 68 34  59  38  273
94期 29 58 38  79  63  267
95期 14 14 29   8   38   103
96期 42 32 45  27  25  171
97期 28 7 35   21  19   110
連合 37 7 15   27   0    86

2010_0123_0149  波乱の要因は、98・99期連合軍がまったくポイントをあげられず、下位が大混戦に。さらに92期と94期が大幅にポイントを加算して、92~94期も大接戦になってきたことでしょうか。

2010_0123_0352  現時点での7連単は『93-94-92-96-97-95-連』。大半の方が現状ではハズレているなか、「そのまま!」と叫んでいるであろう人がおります。
Showさんが、現時点ではズバリ当たっているのです。

 はたして、このままの期別順位で最終日も終わるのか。はたまた大逆転があるのか。

 優勝戦進出メンバーも92期が2人、93期1人、94期2人、96期1人と、バランスよく分かれております。応募者全員にまだまだクオカードゲットのチャンスがあるといっても過言ではありません!

(PHOTO/中尾茂幸)


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優勝戦メンバー確定!

波乱の準優が終了し、優勝戦メンバーが決まりました。ポールポジションは準完全優勝を目指す小坂尚哉。大峯豊、今井貴士は3度目の優出です。(今井は3年連続)

①小坂尚哉(兵庫)94期
②新田雄史(三重)96期
③毒島誠(群馬)92期
④馬場貴也(京都)93期
⑤今井貴士(福岡)94期
⑥大峯豊(山口)92期


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THEピット――朝なのに夕方のよう

2010_0122_0695  整備室奥のペラ室から並んで出てきた松田祐季と毒島誠。ニコニコ松田は、毒島の肩をモミモミ。
「毒島さ~ん、今日はマクってこないでね~」
 などと言っているわけはないが、10Rで対戦する二人が陸の上では仲良く笑い合っている。ピットではよくある風景ではあるが、若者同士の笑顔は実に爽快である。
2010_0122_0334  2RでGⅠ初1着の永田啓二を、大挙参戦の福岡勢がズラリ並んで出迎える。篠崎元志も岡崎恭裕も今井貴士もみな笑顔。同期の小坂尚哉もやっぱり笑顔。そして、「顔はフレッシュじゃない(by開会式)」の渡辺浩司も、シブ~く笑顔。そして、なぜかダンシング! えっ? どうしたどうした。両手を握って、ツイスト風味に体をひねる。渡辺浩司、そんなキャラだった? それにしても、準優組がズラリと揃う、豪華なお出迎えでありました。

 そんな和やかな場面が印象に残るほど、今朝のピットはとっても静か。準優組もゆっくりした始動で、ペラ室にも整備室にも装着場にも、準優組の姿は少ない。いや、選手自体があまり見当たらず、まるで夕方近くのピットのようであった。
2010_0122_0671  整備室奥ペラ室には、先述の通り、松田と毒島。中越博紀もこちらで作業をしているようだった。装着場内ペラ室には、平本真之と坂元浩仁。愛知同士の二人は、声を掛け合いながら、ペラを微調整している。青空ペラ場は、珍しく選手皆無の時間が長く続いた。3Rのピットアウト直前になって、大峯豊がここを訪れ、ゲージを手に整備室奥に移動する姿が見かけられた程度だった。今日は風も強くて寒いからな~、暖かい屋内で調整をしようということかもしれない。
2010_0122_0604  装着場で見かけたのは、安達裕樹。さすがのドリーム男、作業を始めるとテレビカメラやスチールカメラがずらりと取り囲む。西川真人が、そのすぐそばで淡々と作業。最初で最後の新鋭王座で、お見事の準優進出。硬くなっているかもなあ、と思って表情を覗き込むと、特別そんな様子もなく、穏やかな顔つきで作業に集中していた。
2010_0121_0189   整備室には、まず馬場貴也。入口付近のテーブルで、ペラをコシコシと磨いていた。4日目に崩れて2号艇となってしまったことに忸怩たる思いはあるだろうが、しかしかえってリラックスしているのか、むしろ昨日よりも透明な存在感があるように思えた。
2010_0122_0798   本体整備をしていたのは、藤岡俊介だ。18位での準優入り、失うものは何もないのだから、本体を割って、大がかりな整備で一発を狙う心づもりだろう。その藤岡の隣に陣取ったのは、岡崎恭裕。劣勢な機力に苦しんできたスーパールーキーも、ここへきて一か八かの本体整備を選択したようだ。正直、やや淀んだ雰囲気を感じさせてもいた今節だが、今日ははじめて前向きな闘志を見たように思った。この男が本気を出せば、とてつもない脅威であるのは当然である。

2010_0122_0301  静かな準優朝のピット。そんななかでひときわ存在感が際立っていたのは、新田雄史である。特に何をしていたというわけでもなさそうだが、金髪を光らせて、ゆったりと歩いている姿を何度か見かけている。そのたたずまいといい、自然体の雰囲気といい、すでに大物の相を見せている。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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5日目! 準優勝戦

おはようございます。新鋭王座決定戦、5日目です。準優勝戦です! それぞれの1号艇は松田祐季、新田雄史、小坂尚哉。卒業期である92期と93期以外からポールポジションが出ています。出場可能期間を残しての卒業者が出るのかどうか……その趨勢を決する、本日の準優勝戦であります。

2010_0122_0016

ペラ室の様子です。あ、小坂尚哉の背中が見えますね。(PHOTO/中尾茂幸)


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今年もありがとうございました!

松井繁、3度目の賞金王制覇、おめでとう! 今年も賞金王決定戦が終了しました。初めて、ナイター照明に照らされる中で行なわれた優勝戦。雨が素敵な演出をしてくれましたね。松井の赤いカポックが鮮やかに輝いておりました。

2009_1223_r12_1202 というわけで、今節もご覧いただき、どうもありがとうございました。また、2009年、今年もご愛読いただきまして、取材班一同、心から感謝しておる次第です。本当にありがとうございました! 2010年も全国のビッグレースに突撃して、アツく競艇をレポートしていく所存でございます。来年もどうぞよろしくお願いします。2010年一発目は、若武者たちの祭典・新鋭王座決定戦。1月19日~24日まで、浜名湖競艇場で開催されます。もちろん前検から馳せ参じますので、未来の賞金王をとも探しましょう。

重ね重ね、今年もありがとうございました。H記者も倒れたように、インフルエンザが猛威をふるっておりますので、みなさま、くれぐれもお気をつけて! それでは我々も住之江を出て……BOATBoyの賞金王記事を大いそぎで制作して(笑)、帰郷いたします。みなさま、メリークリスマス! そして、よいお年を! では来年!


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賞金王決定戦 私的回顧

2009_1223_r12_1166  そのとき、瓜生正義は何を思っただろうか。
 スタートタイミングはコンマ11。インの坪井康晴はコンマ12だから、ほぼ並んだスリットである。そこからの瓜生の行きアシは、明らかに坪井をしのいでいた。ただし、坪井を叩き切るほどの差はない。1M手前で3分の1艇身ほど前に出た程度だろうか。
 マクるか。差すか。
 瓜生の2コースまくり率は7・5%。2コース差し率は20・0%。無難に行くなら、行かせて差しが正解。しかし、これは単なるひとつのレースではない。賞金王決定戦なのだ。
 確率に懸けるのか、それとも勝利をもぎ取りにいくのか。
 瓜生は何を思って1Mに突入したのか。

2009_1223_r12_1161   そのとき、坪井康晴は何を思っただろうか。
 好スタートを切った。2コースの瓜生とはほぼ同体。まず先マイできる態勢である。ところが、瓜生の勢いが自分よりまさっている。スリットの時点では赤いボートがのぞいて見えていたはずだが、その視界をさえぎるように瓜生が自分を交わし去ろうとしていく。
 瓜生はマクるのか。それとも差すのか。そして自分はどう受け止める。
 もちろん、坪井の戦略は先マイしかない。瓜生がどう攻めてこようが、ターンマークを真っ先に回るのみ。瓜生だけではなく、外の4艇が何をどうしようが、坪井としては逃げしかないのだ。ただし、瓜生が主導権を奪い取ろうとしているとなれば、話は変わってくる。
 坪井は何を思って1Mに突入したのか。

2009_1223_r12_1234  瓜生はマクった。坪井は張った。
 大競りとなった二人は、対岸にある護国神社の鳥居をめがけているかのように、ずるずると流れていった。おそらくレバーを落とした坪井を瓜生が交わしたときには、4艇はすでに1Mを超えていた。二人の賞金王決定戦は、ここで終わった。
 これは賞金王決定戦である。ツケマイに出た瓜生を、抵抗した坪井をバカな奴らだと言う者がいたら、僕は真っ向から反論する。
 自力で黄金のヘルメットを奪おうとした二人を、どうして否定できるというのか。
 違う。これが賞金王決定戦なのだ! もしあのとき、瓜生が早々と引いて差していたとしたら、巧い、さすが瓜生だと思ったとしても、尊敬の念は沸かなかっただろう。もしあのとき、坪井が瓜生を行かせて小回りしていたら、冷静だ、さすが坪井だと思ったとしても、敬意を払う気にはならなかっただろう。
 自らの力で栄誉を引き寄せようとした坪井康晴と瓜生正義を、僕は誇りに思う。賞金王決定戦の舞台をこの目で見られてよかった! 競艇が好きでよかった! そんなふうに興奮させてくれた2人は、最高の競艇選手なのである。
 僕の買っていた舟券は、2-1である。瓜生が差して、坪井が残して。
 1M、僕はそんなことも忘れて、坪井と瓜生のスピリットにただただ鳥肌を立てていた。

2009_1223_r12_1242  その競り合いは、松井繁にウィニングロードをもたらした。鮮やかな差し。まさしく競艇の教科書に載るような、大競りの間隙を突いたビッグウィンである。
 坪井と瓜生を称えるなら、展開に乗っただけの松井の勝利には尊敬を送れない?
 そんなわけがない。松井は、自力でこの展開を呼び込んだからだ。
 手元に成績表があるなら見てほしい。トップスタートを切ったのは松井である。コンマ08。スタート展示では瓜生がP離れで後手を踏んだため2コースに入りながら、本番でコースが変わろうとも何の迷いもなく、松井はスタートを踏みこんでいる。
 コメントを聞いていないので、あくまでこちらの憶測と断わっておくが、瓜生はスタートでのぞかれた松井に叩かれるのを嫌ったという部分はなかったのだろうか。抜群の行きアシも手伝って瓜生は、坪井を競り潰し、松井を封じ込めようとした、そんな可能性も見出せるのである。
2009_1223_r12_1358  だとするなら、スリットの瞬間、実は主導権を握っていたのは松井だったことになる。しかもレース後の会見で、松井は「3コースは展開に左右される部分があるから」ということで、このケースもありうる展開のひとつとして想定していたようなのだ。
 もしかしたら、坪井も瓜生も、松井の手のひらで転がされていた?
 まあ、うがちすぎの評価であろう。それでも、松井繁なのだから、勝利をもぎ取るためにはそれくらいの手管は軽く使いこなすだろう……などとも思う。
 決まり手と1Mだけを見れば、競り合いに乗じた差し、となる。だがそれは、松井が自力で手にした展開だ。勝利の女神は、己の力で道を切り開いた者に惚れるのである。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/K)


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賞金王シリーズ優勝戦 私的回顧

1452/36

2009_1223_r10_0933  進入当たった人、拍手っ! パチパチパチ!
 ある意味、2009年の競艇でもっとも戦前の予想が楽しかったレース。井口と大嶋はどこまで深くなるんだ? 今節はダッシュ戦も多用していた西島はどうする? 藤丸も外枠のときは動くケースが多いけど? 辻や湯川は外に出されちゃってもいいの? さあ、どうするどうする?
 ……まあ、終わってみれば、わりと穏やかな進入であった。コースを動くタイプが複数いるような混戦レースでは、えてして本番は折り合いぎみになるもの。スタート展示がなければ……などと思ったりもするが、まあ、それは別の話。いや、しかし実際、井口と大嶋はスタ展のほうが深い起こしになっていたし、そこでの手応えをふまえれば、本番の戦略もまた変わってくる。これほどまでに進入談義が沸騰したことを考えれば、やっぱり……というのは別の話ですね、はい。
2009_1223_r10_0938  で、実際の進入がどうなったかというと、想定通りに大嶋一也が動き、西島義則がこれをマークし(笑)、もちろん井口佳典はインを譲らず、辻栄蔵は「一本筋が通ったお年を召した方」を尊重する。「差します」の藤丸光一は、どうやら行きアシ軽快な湯川浩司のマクリに乗って差そうという戦略か。そして「もうわかりません」の湯川はモーター性質を考えればおあつらえ向きの5コースカドをゲット。井口、大嶋、西島の競り合いは早目に折り合いがついて、井口が一瞬エンストしたこともあって、1~2コースは100mポールより手前からの起こしとなっている。ちなみに、並びこそ同じだが、スタート展示ではオールスローとなっていた。

2009_1223_r10_0970  とまあ、スリット前について書けば、すべてを語ったような気分になってしまったりもするわけだが、スリット後について言えば、とにかく井口佳典が強かった、という一言に尽きる。
「1000%という数字が競艇にあることを証明してやろうと思いました」
 表彰式で、井口はそう言っている。はからずも舌戦模様となった優出者インタビュー。大嶋が来ようと西島が来ようとインを手放さないという決意の表現であった「1000%」という井口の言葉に、大嶋が「勘違いしている選手がいる」と噛みついた。それがまた、井口の負けん気に火をつけた。
 コンマ07のぶち込みトップスタート。2コースの大嶋はもちろん、その外の4艇にも何もさせないパーフェクトな先マイ。旋回した瞬間に後続をぶっちぎる圧勝劇。そりゃあ、やっぱり勝負事には何が起こるかわからないものだけど、そこから先の井口はまさしく1000%勝利を確実なものにしていた。
 これぞ強い逃げ切り勝ち。「圧逃」とでも表現すべきレースは、実はその時点で語る言葉を必要としなくなってしまう。
2009_1223_r10_0984  あえて書くなら2番手争いが熾烈になったことだろうか。1Mを差した大嶋、豪快にマクった西島、マクリ差した辻が、くんずほぐれつの激戦となった。ターン出口では分が悪かった西島が抜群の伸びで先を行く大嶋を追い詰め、その競り合いを尻目に2Mで辻が内から先マイ。今度は大嶋と辻が接戦となり、2周1Mは内から西島が先マイ敢行。これを大嶋が差す……戦況を説明すればそういうことになるが、なかなか見応えのある絡みだったと思う。特に、予想では1-34-全とか書いたくせに舟券は1-34-345と絞って買っていたスケベな“本紙”担当は、にしじまぁ~とかわめいていたものだった。
 だが、ふと前方に目をやれば、1000%の証明を果たさんとした男が、雨の水面をぐいぐいと推進している。その迫力の前には、優勝戦の2番手争いはやはりかすんでしまう。
2009_1223_r10_1005  名だたるイン屋たちを敵に回し、がっちりとインを死守して、トップSから問答無用の逃げを放ってぶっちぎる。
 これぞ、ホンモノの逃げ切り勝ち。そして、ホンモノの名勝負!
 井口は1000%という数字を証明することで、そこにホンモノが宿っているということを見せつけてくれた。
 井口佳典は、1000%強かった!
 そして2009年賞金王シリーズ優勝戦は、1000%面白かった!
 ……ということで、情けない“本紙担当”は、最後に1-4-2を的中させた人に大拍手を送る次第である。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/K)


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THE ピット――賞金王決定戦。王者の涙

_u4w9758  午後の早い時間帯においては、決定戦ファイナルの日であることを思えば、おだやかな空気になっていた気がする。毎年、この日を迎えると感じられる、ピリピリとした痛いような空気は、こちらの肌には突き刺さってはこなかったのだ。
 7レース前、松井繁が鎌田義に対して「雨、降ってきたで」と声を掛けたときには、これから各選手の調整が慌ただしくなっていくのかとも予想されたが、その雨はすぐに一端止んでいる。
 その後も決定戦出場選手のそれぞれが、10レース前までペラ調整を中心にした作業をしていたが、個人的な感想としては、殺気立つような作業をしている選手までは見当たらなかったのだ。
 ただ、7レースのあと、待機ピット沿いの水面上でボートをゆっくりと動かしていた1号艇の坪井康晴の顔を見たときは、やはり今日はファイナルなのだと、あらためて実感された。緊張で顔がこわばっていたわけではないのだが、集中力を高めて、雑音には耳を貸さないようにしているその表情が、1年に一度の聖戦が間近に迫っていることを教えてくれたのだ。
 また、8レース後のスタート特訓で、5号艇の吉川元浩がダッシュスタートのあとスロースタートの練習をしているところも確認されて、本番がどんなレースになるかと、想像もふくらみはじめた。

_u4w9696  スタート展示においても、「動き」は見られた。
 2号艇・瓜生正義のピット離れが良くなかったためではあるが、朝の優出インタビューにおいて、「ひらめきを待っています」と話していた松井繁がコースを獲りに行ったのだ。これが“シリーズ効果”といえるものなのかはわからないが、こうした松井の動きによって、決定戦が「戦い」の意味を強くしたのは間違いない。
 10レース頃からまた雨が降り出して、11レースにはナイターの照明も灯された。それでも、12レースが近づくと、雨もほとんど止んで、ピットに出てくる選手が増えてきた。
 そして迎えた12レース、決定戦ファイナル戦――。
 進入で松井は動かなかったものの、1マークで松井が絶妙の差しハンドルを入れると、「やったあ!」とピットでは歓声がわき上がる。そして、1周2マークで勝利が確信されると、その時点ではもう、大きな拍手が起きていた。
 ピットにおける松井の動きについては、過去のSGなどで何度も「ここまでやるか!?」と驚かされ続けているので、今日の松井に対して、特別な驚嘆はしていなかった。
 だが、ここで改めて振り返ってみれば、やはり今日1日を通して、ほとんど休むことなくピットに姿を見せていたのが松井だったのだ。

_u4w0497  ピットに引き上げてきた松井は、喜びを露わにすることはなく、感極まった顔をしているようにも見えていた。
 その後すぐ、地上波テレビのインタビューを受けていたときも、その印象は変わらなかった。
「ちょっと優勝はできないと思っていたんですけど……」「展開は考えず、チャンスが来たときには逃さない足をと思って、やっていました」と語っていたが、それらの言葉が今日の松井を何より雄弁に物語る。
 最初から、ほぼ仕上がっていた足ではあっても、さらなる上積みを求めて作業を続けた……。そして展示でピット離れに遅れた選手がいればコースを獲りに行き、レースの中で差し場ができれば、そこを逃さずハンドルを入れる……。
 そうして掴み取った優勝だったのだ。

_u4w0513  地上波のインタビューを受けてウィニングランに出ていく直前、松井は、ピットに呼び入れられた娘さんとしっかり抱き合った。
 それと同じような光景は、3年前の住之江でも見ていたが、そこから受ける印象はずいぶん違った。3年前に目にした奥さんとの抱擁は映画のシーンのように美しく見えていた。しかし、今回、娘さんと抱き合っていた松井は、そうしていながらも何の言葉も口にはできずにいるようで、あまりに生々しく見えたのだ。
 表彰式においても松井は、繰り返してファンへの感謝を口にして、目に涙をにじませていたものだった。
「今日の6人のなかではいちばん強い気持ちで臨めて、そのおかげで勝てたんだと思います」と松井は言ったが、決定戦に懸ける松井の気持ちはそれだけ大きなものであるわけだ。
 そんな松井には、これからもしばらくは「王者」として君臨していてもらうしかないだろう。

_u4w0463  ただ、この決定戦に懸ける気持ちの強さという点においては、他の5人もそれほど大きくは負けていなかったのではないかと思う。
 とくにレース後の坪井の表情はあまりにも厳しく、痛々しいほどにわかりやすく、肩を落としていたものだった。
 レースからピットに引き上げてきたときは、高く手を突き上げている松井の傍で、ボートに乗ったまま頭を下げて謝っているようにも見えていたが(うなだれていただけだったのかもしれない)、自分のためにも周囲の人たちのためにも、「勝たなければならない」という気持ちは強かったはずだ。だからこそ、1号艇を掴んでいながら、賞金王になれなかった自分を、簡単には許せなかったに違いない。

_u4w0002  田村隆信にしても、レース後の表情は本当に悔しそうなものだった。
 BOATBOy12月号の中でも、現在の悩める心境を吐露していたが、銀河系軍団の先駆者でありながら、近年、遅れを取り出していた中で、ここに懸ける気持ちは相当に強かったのだろう。
 この決定戦の中で、田村がとびきりのスパイスであり続けていたのも事実のはずだ。
 感無量の男がいれば、口惜しき男たちがいる。
 ここでは名前を挙げなかった瓜生や吉川、池田浩二にしても、この舞台での敗戦を、簡単に受け入れられるはずがない。
 だが、そうした想いが重なり合って、選手たちは強くなり、競艇はよく面白くなっていく。それだけは間違いがないことだ。
 今年の賞金王決定戦は、シリーズ戦とともに、競艇にとっての曲がり角になっていたのかもしれない。
(PHOTO/池上一摩 TEXT/内池久貴)


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THE ピット――賞金王シリーズ、素晴らしき優勝戦

_mg_0422  9レース後、賞金王シリーズのスタート展示が始まると、ピットにおいては異様な光景が見かけられた。
 エンジン吊りのため、ボートリフト付近に集まっていた選手たちが一斉に動きを止めて、水面のほうを凝視し始めたのだ。
 そのいちばん手前には、坪井康晴、瓜生正義、服部幸男と、決定戦ジャンパーを着た男たちが並んでいたが、これだけ注目を集めるスタート展示はそうそうないはずだ。
 145236のオールスローの並びになると、「予想どおりや」との声も聞かれたが、選手たちにしても、こうした進入は面白くてたまらないわけである。

_u4w0190  本番の進入のときにも、ピットでは「おーおー」「すげえなあ」「引け、引け、引け~(外の艇はダッシュに引け)」などと、様々な声が飛んでいた。
 そして、スタートが切られると、一転、ピットは静まりかえったが、インの井口佳典が決めた07全速のスタートは、言葉を失わせるほど最高のものだったと受け取ってもいいだろう。
 ゴールの際、何度も力強いガッツポーズをしてみせた井口は、ピットに戻ってからは、安堵の表情を見せていた。
 優勝を期して今節の住之江に入り、決定戦ジャンパーを着て1週間戦い抜いて、この結果を出せたわけだから、そんな表情を見せていたのも納得される。
 レース後のピットでは、弟子の新田雄史が先頭となって拍手で出迎えて、しばらく経ったあとには、森高一真や鎌田義が「おめでとう!」と井口に握手を求めていった。

_u4w0227_2  「今年1年は自分にあますぎたので、来年は自分に厳しくいきます」
「来年は、決定戦のほうに残ります」
 と、表彰式で井口は言ったが、ここできっちり優勝という結果を残せたことは、井口にとっても大きな意味を持ってくるはずだ。
 今日の井口に関していえば、万全の仕上がりに近づいていたため、バタバタと作業をしている様子を見せてはいなかった。
「昨日、失敗していた」という部分を修正するペラ調整をしたくらいだったのだ。
 そして井口は、この後はすぐに「来年の賞金王を考えて、身を削っていきたい」とも口にしていたが、とりあえずは「お疲れ様でした」との言葉を贈りたい。

_u4w8640  本当に面白かった賞金王シリーズだったが、9レースに組まれた「特別選抜A戦」も、実に興味深いレースとなっていた。
 1号艇の今井貴士が危なげない逃げを決め、4号艇・新田雄史は、3周にわたってびっしり、“ミスター競艇”今村豊と激しい3番手争いを繰り広げ、結果的には3着を切り取った。そして今井と新田の2人は、来年1月には新鋭王座に出場することになるのだから、そちらも楽しみだ。
 レース後、今井に対して「お疲れ様でした」と声を掛けて「1月も頑張ってください」と続けると、今井はすぐさまこう言った。
「はい、優勝します! (ニコッ)」

_u4w9718  優勝戦では、大嶋一也らの進入か競艇の面白さを再認識させてくれ、井口が昨年の賞金王覇者の意地を見せてくれた一方で、この選抜A戦は、こうして次なる時代の主役候補たちを送り出してくれたのだ。
 SGとしては存在意義を問われることもある賞金王シリーズだけれども、今年の賞金王シリーズは、最高のSGだった。
 そう感じたファンは多かったことだろう。
(PHOTO/池上一摩 TEXT/内池久貴)


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THEピット――さあ、戦いの刻

_u4w8670  記者席でもろもろの仕事をこなして、ピットに降りたのは2R終了直後。エンジン吊りをぼーっと眺めていたら、赤岩善生が男っぽい笑顔で声をかけてきた。おそらく一晩、「12分の6」に残れなかった自分と徹底して向き合ったのだろう。表情はかなりスッキリしていて、会話の内容も明るいものだった。赤岩はまた力強い次の一歩を踏み出している。それを感じられただけで、こちらもなんだか嬉しくなった。
_u4w8618  赤岩と別れると、今垣光太郎が早足で歩いている姿を発見。何はともあれ、大きな負傷がなくて何よりだった。今垣はわき目もふらずに整備室に入っていき、のぞいて見ると本体をバラして点検もしくは整備をしていた。転覆したのだから当然の作業、ではあるのだけれど、彼がそれをしていると、また違った意味があるような気がしてくるものである。
_u4w8631  早足といえば、エンジン吊りに向かう原田幸哉も早足。田中信一郎は軽やかな足取りで、菊地孝平は踏み込みが強い。順位決定戦だって、大事な勝負(なんたって1着賞金が賞金王シリーズと同額)。彼らの戦いがまだまだ終わっていないことを実感させられる。
 と、服部幸男が早くも着水準備をしている姿があるではないか。決定戦用カラーリングボートのほとんどが装着場にあったその時間帯、準備をしていたのはひとまず服部だけだった。

_u4w8728  そのとき、すでに着水されていた決定戦ファイナリストのボートは2艇。ひとつは松井繁である。調整用係留所で、厳しい表情を見せつつ、モーターと語り合っている様子。シリーズ組のボートが並んでいるなかに松井の姿がぽつりとあると、そこだけ違った空気に包まれているように見えるから不思議だ。3R発売中の試運転タイムが終わると、松井はゆっくりと艇をボートリフトに進め、いったん陸に上がって、ふたたび作業を始めていた。「ひらめきを待っている状態」と言っていた優出インタビュー。そのひらめきは生まれただろうか。
_mg_0377_2   もう1艇は、田村隆信である。いち早く試運転などもしていた様子で、いったん試運転用係留所でペラをチェックすると、松井のようにゆっくりとボートリフトに向かった。
 その姿に、違和感を覚えた。何かがおかしい。いつもの田村とどこかが違う。
 はっ。オレンジベストを着ているじゃないか!
 オレンジベストとは、体重50kgを切る選手が重量調整用に着用するものである。すなわち、田村の体重は49kg以下になっているわけだ。田村の前検体重は、53kgなのである。住之江に入ってから4kgも減量したのだ。僕は田村のちょうど2倍ほど体重があるから、自分に換算してみれば4日で8kg減らしたようなもの。もしそれをやったらぶっ倒れるだろうし、今節は前検日から体重が増えている私……。もしや、田村はほとんど何も食べていないのではないか。
「いやいやいや、そんなことはないですよ。まあ、2日目くらいはちょっとキツいときもありましたけどね。でも体調はいいし、順調に減ってます。決定戦に照準を絞って減量した? まあまあ、見栄えの問題もあって(笑)」
 たしかにカッコよくなってる……というのは冗談だが(いや、もともとカッコいいっすよ)、今節の田村が一味違って見えたのは、たぶん減量も含めた「決定戦への意気込み」にあったのだろう。メンタル面でもっとも仕上がっているのは、おそらく田村だ。

_u4w8825  そのすぐ後くらいに、瓜生正義が装着したモーターの点検と調整を始めた。それを見て、TVカメラがどどどっと瓜生のもとへ。実に6台のTVカメラが、さまざまな角度から瓜生を狙うこととなった。これ、やりづらいだろうなあ。意識するなっていっても無理な話。そして一方で、自分が年間最大の一戦に出場するということを実感できる一瞬でもあっただろう。この思いを知ることもまた、「来年もこの舞台へ!」の意を強くさせるものだろう。
_u4w8870  その脇をすり抜けるように、坪井康晴が自艇のもとに歩み寄った。ちょうど坪井のボートの近くにいたものだから、当然のように坪井と目が合う。坪井は、ニコニコニコッと笑ってぺこり。うわっ、賞金王決定戦の1号艇に乗る男に、まるでカタいところがないぞ。実際は、緊張感がないわけがない。特別な心境になっていて当たり前だ。しかし、それをほとんど感じさせない坪井の強さには感嘆するほかない。彼をここまでに押し上げた最大の原動力は、その精神力ではないかと思った。
_u4w8902  決定戦1号艇の経験をしている男といえば、吉川元浩である。今回は5号艇、あのときのプレッシャーを思えば、肩に力が入るようなことはあるまい。エンジン吊りでも、中島孝平と並んで歩きながら、笑みすら見える。この男の精神力もまた、すごい。
_u4w8755  6号艇なのだから、本来はさらにリラックスしていてもおかしくない池田浩二だが、僕にはベスト6のなかでもっともカタいのは彼に見えた。チャレカのときも、特に準優で、そんな雰囲気を感じたんだよなあ。もしかして、本当に「サプライズ」を起こすつもり? それって、6号艇からのV? なにしろ、チャレカのときには同じような雰囲気で結果を出しているのだ。緑だからって、甘く見ないほうがいいかもしれない。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)


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THE ピット――シリーズ、朝一番!

2009_1223_0657  今朝は9時30分から優出選手インタビューが行なわれたが、「シリーズ」優出選手のインタビューが終わった直後にピットに行ってみると、真っ先に西島義則がダッシュで戻ってきたのに驚いた。
 1分1秒を争う状況にあるわけではなかろうが、“年男”西島は本当に若い! 笑顔で駆けている姿を見ただけで、こちらが嬉しくなってきた。
 西島はこの後、5分か10分ほど経ったあと、控室から出てきて、ペラ小屋に入った。そして服部幸男の傍に座って、ひと声掛けて笑顔を見せると、作業を開始した。その後にしても、装着場のいちばん端っこにあるボートのもとへ行ったり、ペラ小屋に戻ったりと、気がつくたびに居場所を変えていたのだから、本当によく動いていたものだ。

2009_1223_0618  西島よりもなお、動き出しが早かったのは、同じ広島の辻栄蔵だ。
 インタビューからピットに戻ってきたのは西島より後だったが、まったく休まず、カポックを手にしてボートの元へと移動した。そして、モーターなどをチェックしたあと、駆け足で整備室に行き、「お願いします!」と声を掛けると、再び駆け足でボートのもとへ戻る。その後、モーター点検を受けるとすぐにボートを水面に下ろしていたのだ。
 この時点で1レースの展示航走の時間(10時13分)になっていたので、このときは、待機ピットにボートを映しただけだったが、展示が終わるとすぐに発進! 念入りに何度か周回を重ねたあと、ボートを引き上げると、休まずペラ調整に移行していたのだから、全力投球だ。
 優出インタビューでは井口のことを「若いっていいですねえ~」と話していたが、そう言う辻も、負けずに若い。

2009_1223_0263  大嶋一也も動き出しは早かった。
 ……いや、動きそのものは、さすがダンディー!といった感じで余裕に満ち溢れていた。腕組みをして、頭の中では思考を巡らせているような顔をしながら、ゆっくりした歩調でピットを移動していた。
 その光景を見たのは10時過ぎのことだったが、そうして自分のボートのもとへと行くと、モーターをチェック。リポーターに対して「足だけは万全にしとかんと何が起こるかわからんから」と話していたが、その所作も言葉もまさに貫録だったのだ。

2009_1223_0321_2   このように選手たちの動き出しが早かったのは、シリーズ優勝戦は、10レースに行なわれることとも無関係ではないだろう。以前に艇王・植木通彦氏を取材した際、シリーズの場合は「優勝戦なのに、後ろで展示の準備をしていることには違和感がありました」と言っていたのも思い出される。
 優出インタビューのあと、なかなかファンに開放されなかったのか、西島に比べれば、ずいぶん遅れてピットに戻ってきたのが、井口佳典と湯川浩司の銀河系コンビだ。
 その後、井口は、装着場のボートのもとへと行って、モーターのチェックをしていたが、その作業自体は長くなかった。
 すぐに引き揚げてきて、その途中で田村隆信と話し込み、一緒に笑いながらペラ小屋に入っていった。
 私が見ていた範囲でいえば、自分のペラを叩いていたわけではなく、田村のペラ調整を眺めている感じだったので、調整に関しては急いでやるべきことはないのだろう。

2009_1223_0016  そんな井口以上にゆっくりして見えたのは湯川浩司だ。
 湯川とは、BOATBoyのイベントを通して面識はあるので、ちょっと離れたところから頭を下げると、軽い笑みを浮かべる感じで頭を下げ返してくれた。ピット内で、1人でいるときには厳しい表情をしていることも少なくない湯川だか(仲間といるときはいつも明るい)、そのときの表情を見て、いい感じでリラックスしているな、と思われた。
 1レース前の時間帯にもその姿を見かけたが、その印象としては、どのように時間を過ごそうかと考えているふうだった。
 少しピットを行ったり来たりしたあと、整備室にいた田中信一郎のもとへ行き、短い間だが、のんびりした感じで話をしていた。そして1レース後には鎌田義のエンジン吊りを手伝い、その後は再び姿を消している。

2009_1223_0220  優出インタビューのあと、ほとんど姿が見かけられなかったのは藤丸光一だ。だが、1レースが終わると、ゆっくりとボートリフトのほうへと歩いていって、そのエンジン吊りを手伝った。
 そのまま自分のボートのもとへと行って、チェックを始めていたものの、やはり急いで何かをしようという雰囲気ではなかった。
 藤丸もまた、完全にマイペース状態にあるといえるだろう。

 銀河系vsベテランのイン屋たちvsコース的にも年齢的にも間に挟まれた辻栄蔵――。
 ピットにいても、そんな構図が鮮やかに浮かび上がり、シリーズ優勝戦がますます楽しみになってくる。
(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/内池久貴)


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優出Wインタビュー

 朝9時半より中央ホールで、賞金王決定戦ファイナルと賞金王シリーズ優勝戦の出場メンバーインタビューが行なわれました。
 まずは賞金王決定戦から。

_u4w9597 1号艇 坪井康晴(静岡)
かかり、出足はしっかりしているので、あとは自分との闘いです。静岡3人、同期3人で来ましたけど、僕一人になってしまったので、頑張りたいです。

_u4w9603 2号艇 瓜生正義(福岡)
バランスが取れて納得できるレベルにあります。S勘は怖いくらいに合っています。一生懸命、僕なりに走ります。

_u4w9618 3号艇 松井繁(大阪)
(ファイナル進出は使命?)まあ、いつも通りでしょう、それも。(勝つことも使命?)勝つことは課題ですね。今日の調整は、ひらめきを待っている状態。3号艇というのは考えどころで、これもひらめきを待っているところです。

_u4w9627 4号艇 田村隆信(徳島)
エンジンはいいんですけど、プロペラで引き出せていない。コースは8割4カドです。スタートの目標はコンマ05。四国にヘルメットをもって帰りたいです。

_u4w9634 5号艇 吉川元浩(兵庫)
(昨日は住之江のレコードタイム)タイムを出す走りをしていないのにレコードが出たのは、いい仕上がりということでしょう。ひとつでも内がいいけど、わからないですね。

_u4w9645 6号艇 池田浩二(愛知)
エース機といわれたけど、足りない部分があって、試し試しやってる感じ。普通なら外なんですけど、普通じゃなければ5コース100mくらい? サプライズ、ありますね(笑)。

 池田が含みのある発言をしてますが、果たして……。
 つづいて賞金王シリーズ。昨日から、「決定戦より進入は圧倒的に面白い」という声をたくさん聞いていますが、それもあって、このインタビューもめちゃくちゃ面白くなりました。

_u4w9486 1号艇 井口佳典(三重)
アシは文句なしで三拍子そろっている。Sは速いのを来られたら、僕も速いのを行くだけ。進入は、何も見ないで我先にホームに行くだけです。1000%、インから行きます

_u4w9480 2号艇 辻栄蔵(広島)
(井口の1000%発言に)若いっていいですね~~~。でも、お年を召した方も一本筋の通った方が何人もいるので、僕はどうしようかと思ってます。まあ、空いたところから行きます。

_u4w9488 3号艇 湯川浩司(大阪)
アシはかなりよくなって、優勝を狙える仕上がりです。(コースは?)僕はもうわかりません

_u4w9514 4号艇 大嶋一也(愛知)
一人勘違いしている選手がいるみたいで、勝負事に1000%なんてありえないんで。僕はいつも通りの進入で……たぶん2コースになるんじゃないですか(笑)。1000%は勘違いだけど、(井口くんは)98%くらいインじゃないですかね~(笑)。

_u4w9534 5号艇 西島義則(広島)
井口が98%インって、大嶋さんも小そうなりましたね~(笑)。訓練時代からインの練習ばかりしてたのに。ガッカリしました(笑)。はい、僕は臨機応変に(笑)。誰をマークするかわからない(笑)。(マーク!?のツッコミに)大嶋さんをマークするかもしれないですよ~(笑)。エンジンは伸び型ですね。

_u4w9565 6号艇 藤丸光一(福岡)
大嶋さんと西島さんについていったら、小回りブイでびしゃびしゃに濡らされるか、100mポー0ルにぶち当てられるんで(笑)、そうならないように大きく回ったら……みんなホームに向けちゃいますし、どうしましょう?(笑)…………差します(笑)。

 いやはや、みんな最高! 大嶋の発言には、客席がめちゃくちゃどよめきました。やっぱり進入がアツくなると、ファンもアツくなるのです!(PHOTO/池上一摩)


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最終日! クライマックスです!

おはようございます。とうとうこの日を迎えてしまいました。賞金王決定戦最終日。今年の頂点に立つ選手が決まります! 1年間繰り広げられてきた大河ドラマの最終章。先ほど競艇場入りした際、開門を待つ数百人のファンの方たちを見て、我々もテンションマックスになってまいりました!

2009_1222_0069 そんな今日を、年間最大の悔しさを抱えて迎えた男がいます。赤岩善生。お正月の蒲郡でファンと約束した「12分の6」を実現できずに、今日は順位決定戦に回ることになりました。昨日のレース後、赤岩は「情けない」と開口一番、口にしました。また、「BOATBoyでファンの方たちに謝っておいてほしい」とも。その意味でも、今日は意地を見せるレースをするとも語っておりました。私はすでに、彼の男気をレースで魅せてもらったと思っているのですが……。しかし赤岩はこのことを大きく捉えている。原田幸哉もそうですが、順位決定戦、きっと男気にあふれた走りを見せてくれるはずです。(PHOTO/中尾茂幸)


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賞金王トライアル私見③

秘技、円月殺法差し!

11R          ST 条件と結果
①田村隆信(徳島) 09 ③→2着
②瓜生正義(福岡) 10 ②→1着
③池田浩二(愛知) 11 ③→3着
④原田幸哉(愛知) 18 ――
⑤赤岩善生(愛知) 23 ①→4着
⑥今垣光太郎(石川)18 ④→転覆

進入12345/6

2009_1222_r11_1514   あと1時間ほどで6人のファイナリストが決まる。同時に6人の落伍者も。まず、この11Rに微妙なスパイスを振りかけたのは、昨日のFで最初に脱落した原田だった。スタート展示は単騎ガマシの12356/4。が、いざ本番では同僚ふたりの間に舳先を突っ込み、枠を主張した。赤岩はちょっと戸惑ったかもしれない。スタートで後手を踏んだ。去年のトライアルもそうだったが、赤岩は外コースでほぼ後手を踏み、レースをさせてもらえなかった。今日も1マークで他艇に揉まれ、事実上の赤信号が……悔しい3日間だったに違いない。
2009_1222_r11_1454_2  トップSはインの田村。昨日までと同じ、コースと時計の利を生かした盤石の逃げだ。同体から差した瓜生は届かず、1-2態勢が固まった。2マーク、ふたりの距離がさらに広がった瞬間、3番手の今垣が転覆した。特に接触などもない、選手責任のアクシデント。今垣の2009年がラッキーだったか不幸だったかはわからないが、いろんなことがあった。SG準優を勝って、2度優出できなかった。それでもすぐにSGを制し、また理不尽な不良航法なども取られ、くじ運も悪く、今節は②/⑥/⑥で2度ババを引いた。そして転覆した。本当に、派手な1年だった。きっと今垣本人は地味に地道に自然体で走ったつもりだろうが、ド派手だった。様々な問題も投げかけた。お疲れさま、光太郎。
 2009_1222_r11_1444水面に戻る。逃げる田村と追う瓜生の差は3艇身ほど。事故艇が出たこともあって、この1-2は鉄板に思えた。瓜生が攻められるチャンスは一度。次の2周1マークだけだ。そこで……瓜生は大技を決めた。外に大きく開いて半円を描くようにして相手の内フトコロに切り込む全速差し。艇王・植木通彦氏が時折見せた「円月殺法差し」だ。3秒でふたりの体が入れ替わった。今日の11Rのハイライトシーンはこれに尽きる。三日月が蒼く輝くような、美しいモンキーターンだった。

デジタル、届かず。

12R          ST 条件と結果
①坪井康晴(静岡) 15 ☆→2着
②吉川元浩(兵庫) 11 ①→1着
③田中信一郎(大阪)14 ②→6着
④服部幸男(静岡) 16 ①→3着
⑤松井 繁(大阪) 16 ☆→4着
⑥菊地孝平(静岡) 10 ⑤→5着
進入123/456

2009_1222_r12_1658  あと5分、いや3分ほどですべての明暗に割れる。進入は枠なり3対3。「明日の1号艇を目指して松井が動く」という私の予想はあっさり外れた。松井としては、メイチ1着勝負の服部に連動する作戦だったか。が、4カド服部の行き足が鈍い。菊地に煽られ、窮屈な態勢で差したが、もう1着争いとは無縁の位置だった。「今年1年、煮え切れなかった。全然ダメ、ただ賞金がそこそこあっただけ」と以前、私に言った。今節の成績も④⑤③……今年を象徴する3日間だったかもしれない。傍らで見ていても、パワー負けとスタート負けは明らかだったし。来年こそ、もっと強気の姿勢で「トライアル初勝利」を挙げてくれ、服部!
2009_1222_r12_1623  先頭争いはまたまた内枠2艇に絞られた。坪井は昨日と同じようなイメージで1マークを先制したはずだが、違ったのはスタートだ。坪井がコンマ15で、吉川が11。昨日も書いたが、このレベルに達するとほんのわずかな遅れやターン漏れが命取りになる。吉川の差しが突き刺さった。えぐるような俊敏差しで、メイチ1着勝負をクリアした。相変わらず、勝負強い。賞金王では特に。
 徐々に縦長になってゆく中で、はるか彼方の最後方を走っていたのが菊地だった。5着条件なのに……脱落!? 3周目、5艇身ほど前にいる田中に必死に追いすがる。3度も賞金王Vを成し遂げている「ミスター賞金王」田中は、今年はちょっと勝利の女神にスネられたか。まず、抽選運がひどかった。6/5/3は今垣と同じ劣悪境遇だ。アウトダッシュ戦など果敢な戦法を試みたが、パワーも少し足りなかった気がする。
2009_1222_r12_1663  その田中の背中に、菊地が張り付いたのは最終ターンマークだ。菊地が、5着争いとは思えぬ全身全霊のモンキーを繰り出した。刺さったか。刺さった。これで当面の条件7・00はクリアした。スタンドから拍手が沸いた。多くのファンはこれでファイナルに滑り込んだと思っただろう。
 だが、足りなかった。菊地は1・4・5着で池田は1・3・6着……同点でも、3着のある池田が6番目の座席を得た。ちなみに5位の吉川も1・3・6着だった。菊地、脱落。1年間、デジタルSを連発して平均コンマ11、ほぼ全速、そしてFゼロという記録はとんでもない大記録だ。その総決算をファイナルでも見たがったが、仕方があるまい。今日はわずかな幸運と、あとコンマ02くらいの踏み込みが足りなかった。(Photo/中尾茂幸、Text/H)


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THEピット――運命の戦い、終わる

2009_1222_0112 「めでたくないです」
 しまった、と思った。11R2着でファイナル進出を決めた田村隆信に、僕はつい「おめでとうございます」と声をかけていた。だが……その11R、田村は先頭を走りながら、2周1Mで抜かれている。逆転負けを喫しているのだ。敗れたという事実。もしかしたら、瓜生正義の超抜パワーにとても及ばない自身の機力。田村の頭には、優出したということ以前に、悔恨が占めていたのだろう。トップクラスの選手の心性というのは、そういうもの。これまで何度もピット取材でそうした場面に遭遇してきたのに、それを忘れていた……。というより、今節のひと味違う田村をずっと見続けてきながら、優出を決めた瞬間にそれを失念するとは、まだまだ甘い。田村隆信はやはり、特に今節は、厳しく己と向き合う強烈な勝負師なのだ。
2009_1221_0576  逆に、瓜生正義は本当におめでたいのである。逆転1着でファイナル進出。これほどまでに気分良く、またリズム良く優勝戦に迎えるのだから、それがすでに武器である。そのうえ、「アシは上のレベル。あとは回転を合わせるだけ」というほどに機力も仕上げたのだから、鬼に金棒だろう。
「このところずっと悪かったから、このへんでアピールしておかないと笹川賞に出られないかもしれないから(笑)」
 こんな軽口が飛び出すのは、気力も仕上がっている証拠だろう。ま、彼が笹川賞に選ばれないなんてことはありえませんけどね。というか、瓜生選手、優出した瞬間に笹川賞は優先出場でございます(笑)。

2009_1222_0180  11R終了時点で優出を決めたのは以上の2人。原田幸哉は昨日のFで、また今垣光太郎は2Mまさかの転覆で、優出はかなわないこととなっていた(今垣は明日の順位決定戦に名前があるように、大きなケガはありませんでした。小走りでモーター格納に向かう姿も目撃)。また、4着の赤岩善生はほんのわずかな可能性は残されていたけれども、それは12Rで複数の事故があるときのみであり、事実上「12分の6」は手からこぼれ落ちていた。さすがに顔色をなくしていたレース後だった。
2009_1222_0193  池田浩二は3着に入り、ボーダーと言われる21点に到達したが、これで当確とはならなかった。つまり、その時点では完走当確と言われていた12Rの坪井康晴と松井繁だって、結果次第では優出漏れの危険性があったのだ。
 12R、池田の進路を決めたのは、菊地孝平の5着だった。菊地も21点に達していたが、池田には3着があり、菊地にはない。着位差により、池田はギリギリ、ファイナルに滑り込んだのだった。
 さすがに目を細めて笑顔を作る池田。会見でも、「もちろん優勝はしたいけど」と前置きしながら、優勝戦に進めた幸運を口にしている。だから、いいレースをしたい、とも。開き直ったスーパーハイテクレーサー、むしろ怖い存在のようにも思えたが……。
2009_1222_0449  菊地の姿は、それと対照的だった。昨日の11R後の原田幸哉と同等に、もしかしたらそれ以上に、悲痛な姿を見せていたのだ。下を向き、視線を一点に見据え、真摯な表情で歩いているところは、僕が何度も書いてきた「モードに入っている」状態と変わらない。しかし、緑のカポックを突き抜けて発散されている雰囲気は、ただただ痛々しい……。5着ではファイナルに届かないことをわかっていたのだろう。池田と同じ点数を取りながら、この明暗の差よ……。報道陣などでごった返すピットの中で、菊地の周囲だけ明らかに悲しみのスペースが出来上がっていた。
2009_1222_0550  菊地と同じ立場なのに、田中信一郎はまたさらに対照的であった。ヘルメットを取った顔には、笑みすら浮かんでいたのだ。しかも目線は上に向けられている。やることはやった、という達成感のようにも見える表情に、しかし僕は別の感想を抱かずにはおれなかった。だって、満足などしているはずがない! 達成感などあるはずがない! 田中はむしろツラい思いで天を仰いだのではなかったか。いや、本人は肯定などしないかもしれないな。それでも書かずにはおれない。田中は胸中にうごめく悔恨と戦うために、笑顔を作ったのはなかったのか、と。
2009_1221_0621  またまた対照的に……って、いったいどこに戻っていくのか自分でもわからなくなってきたが、対照的であることが当然なのは、吉川元浩である。1着条件の勝負駆けを成功させたのだ。ヘルメットを取った顔がスッキリしていなければおかしいというものだ。その「スッキリ」という意味では田中とも変わらないが、もちろんこちらは本当に達成感であろう。「アシは完璧に仕上がった」状態で、坪井のイン逃げをきっちり差し捉えたのだから、ファイナルを見据えるという意味でも、最高の気分で明日を迎えることができるだろう。
 2009_1222_0275 一方、坪井康晴は、2着に敗れても前を向いていた。これは田村とは対照的だな……って、もう対照的とか言うのはやめておこう。1Mは無理なターンになってしまったとのことだが、「今日失敗しておいてよかった。明日はこれを活かして、落ち着いて臨みたい」というこの言葉は実にデカい。坪井は明日も1号艇を手にしたのだ! そう、今日の失敗がむしろ大きな大きな教訓データとなって、坪井にとっては武器にすらなるのである。それだけに、坪井の表情には、わずかな悔恨よりも明日への希望のほうが目立っていた。なんだかもう、ほとんど死角がないような気になってしまうのだけれど……。
_u4w7772 「レースは何が起こるかわからない」
 しかしそう言ったのは、松井繁である。この人がそう言うのだから、間違いない。死角の少ない1号艇の坪井が勝つとは限らない。そして松井は明日、全力でそれを現実のものとさせるべく戦いに臨むだろう。共同会見ではやや不機嫌にも見えた松井だったが、これは田村のそれと同種のものだと思う。そりゃあ4着は屈辱的であっただろう。だからこそ、松井は本気で「何が起こるかわからない」と考えていると思う。
_u4w7623  レースが終わった直後、いちばん最後に自艇を離れたのは、この松井と服部幸男だった。偶然だったのか、それともお互いが引き合ったのか、艇界最強の同期の桜は、並ぶようにして控室へと向かった。ともに悔恨を噛み締めながら。ともに己と向き合いながら。まったくもってこじつけにすぎると自覚しつつ言うが、あのとき松井は服部の思いも抱えたのだと思いたい。そしてそれは、「何が起こるかわからない」勝負というものの本質を見せつけることを松井に決心させたと思うのだ。いや、やっぱり僕がそう思いたいだけかもしれないが……。

 さあ、賞金王決定戦ファイナルのメンバーが出揃った。松井の言う通り、この最高峰の舞台だからこそ、何が起こるかわからない優勝戦である。だからこそ、そのわからない先にあるものが、最高の感動であることを心から願います。ファイナルの6戦士よ、スゴい賞金王を見せてくれ!(PHOTO TEXT/黒須田)


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THE ピット――シリーズ準優の結末。それぞれの表情

_u4w8612 「やっとスポットの当たるところに出られてたいへん嬉しく思っています。準優のインタビューがなくて、これってSGだったかな、と思っていましたので」
 とは、辻栄蔵の優出共同会見での最初の言葉だ。
 もちろん、うれしげな表情で口にしたジョークなので、会場は笑い声に包まれた。

 シリーズ準優勝戦第一弾の8レース。1号艇の辻が見事に逃げ切り、2着には4号艇の西島義則が入り、広島ワンツーで優出を決めた。

_u4w8995  ピットに引き揚げてきたあと、取材陣は近づくことができないボートリフトの傍で2人は声を掛け合い、互いに笑みを浮かべていたが、報道陣が待ち構えている場所まで歩いてきたとき、西島の顔つきは一転、厳しいものになっていた。
 どうしてだろう?と不思議に思ったが、カメラマンが並んでいる前で顔を引き締め、無言で、うむと頷いたのは、西島なりのダンディズムだったのかもしれない。
 西島にしても、この後に臨んだ会見においては「(この結果は)上出来ですね」と、喜びの表情を見せていたのだ。決定戦と並行して行なわれるシリーズに出場していることでは微妙な感情が残る部分はあるのだとしても、SG優出という結果を喜ばないわけはないし、優出すれば、その上を目指すのは当然だ。

_u4w9006  レース直後、ボートリフト付近で大嶋一也が西島にひと声掛けて、ニッコリ笑い合っていたのが目を引いた。この2人はやはり「イン仲間」ということで、通じる部分があるのだろう。「ダンディ仲間」とだって呼んでいい。
 また、そこから少し離れた場所では、このレースで6着に敗れた濱野谷憲吾が、ヘルメットを半被りしている状態で屈み込んで、服部幸男に対して今のレースを振り返っていた。その表情は相当に厳しかったのだから、濱野谷としてはやはり“優勝ノルマ”に近い気持ちでここに臨んでいたのだろう。
 大嶋と西島が「イン仲間」であるなら、服部と濱野谷は「ペラ仲間」だ。いつも並んでペラ小屋で作業をしていることが多いためか、この2人が話をしている場面はよく見かけられる。私は以前からひそかに2人を「ペラ友(とも)」と呼んでいたのだ。

_u4w9126  第9レース。こちらは波乱の結果で、1号艇=白井英冶が落水。湯川浩司が1着、藤丸光一2着で優出を決めたが、2周1マークで優先順位の判断を誤った中野次郎が23条関連の「順位変動違反」で即日帰郷となってしまった。
 こうした場合、湯川や藤丸ではなく、つい白井や中野の姿を目で追ってしまう。救助艇での引き揚げとなった白井のレース後の表情は確認できなかったが、レース後、福島勇樹と並んで引き揚げてきた中野が首を傾げている姿は痛々しかった。
 その後、即日帰郷を知らされたあとには、慌ただしく荷物を片づけ、ピット内を動き回っていたが、その顔は、無理をして笑みを張り付けているようなものになっていた。今朝のピットで中野の表情を見て、珍しいほど気持ちの伝わってくる顔つきをしているな、という印象を受けていただけに、この結果は本当に残念だ。

_u4w9153  順位変動の対象でもあった藤丸光一は、明日の意気込みを聞かれると、「事故パンなんで無事故完走できれば」と話していたが、それが100%の本音であるわけないだろう。
 その言葉を口にした直後、優勝戦のコース取りを聞かれると、迷うことなく「じっとはしていないと思います」と答えていたのだ。

_u4w9102  このレース後、1着の湯川は拍手でピットに迎えられている。
 地元選手として優出を決めたのだから、これは当然だ。近畿のムードメイカー・鎌田義は「ひゅーひゅー」と、はやしたて、トライアル最終戦を控えていた田中信一郎や松井繁、吉川元浩は、嬉しそうな笑顔を見せながらエンジン吊りを手伝っていたものだ。
「失礼します!」と元気に会見場に入ってきた湯川は、「(4コースに)引いて正解でした」とレースを回顧。
「全体に良くなりました」と、足にも満足げで、「明日はたぶん何も(大きな調整は)しないと思います」「このエンジンでは100%のパワーを出せていると思います」とまで言っていたのだから楽しみだ。

_u4w8556  10レースは、井口佳典が1着、大嶋一也が2着。
 会見の言葉が最も興味深かったのはこのレースだ。
 大嶋の前付けによるプレッシャーはなかったか、と聞かれた井口は、「プレッシャーはなかった」と即答。さらに、「明日やること」を聞かれると、こう返している。
「深いところから練習しておきたいですね」
 つまり、調整のうえでは湯川同様、満足の仕上がりになっているので、明日は絶対にインを死守して、どの位置からでも最高のスタートをできるようにしておきたいということだ。
「ここまできたら優勝しか狙ってないんで」と言い切った表情も、気負いすぎることのない、いい感じのものになっていた。

_u4w9233  また、大嶋一也は、この会見の中でこんな言葉も漏らしている。
「西島はもう外野なんで」
 おお~! 大嶋はこうして西島を見切っていたのか!?
 だとすれば、8レース後に西島に掛けた言葉も、「いい外野になったな」といった類いのものだったのだと想像される。
 イン仲間という生きものたちは、「共棲」よりも「仲間の転向」を好ましく思うのだということを覚えておきたい。
 大嶋はこうも言った。
「明日も、いつもと同じ進入で、コースを取れれば深さは関係ありません」
「いつもと一緒ですけど、勝てるように全力を尽くします」
「スタート勘は今節いいですね。10くらいでいけるんじゃないですか」
 こんな男がいる優勝戦が、面白くならないわけがない。
 明日は、とても前哨戦とは呼べない、真の男たちの戦いが見られることだろう。
(PHOTO/池上一摩 TEXT/内池久貴)


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速報 賞金王決定戦メンバー確定!

 3日間のトライアルがすべて終了し、明日の賞金王ファイナルの出場メンバーが決まりました! 1号艇は静岡の坪井。王者・松井は3号艇での巻き返しを狙います。

賞金王ファイナル

①坪井康晴(静岡)
②瓜生正義(福岡)
③松井 繁(大阪)
④田村隆信(徳島)
⑤吉川元浩(兵庫)
⑥池田浩二(愛知)


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シリーズ準優速報! 8Rは辻&西島

8R
①辻 栄蔵(広島)

②濱野谷憲吾(東京)
③今井貴士(福岡)
④西島義則(広島)
⑤飯山 泰(神奈川)
⑥新田雄史(三重)
進入123/456

 いよいよ準優だ。初戦の8Rは断然人気の辻が逃げ圧勝。4カド!!に引いた西島がスロー勢のもつれを的確に突いて2着を取りきり広島コンビで嬉しい優出を決めた。東都のエース憲吾はスリットから辻を煽る行き足だったが、3コースの今井の行き足~伸びのほうがさらに抜群でジカのツケマイを喰らってしまった。明日の今井は要注意!


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THEピット――気迫満点!

 空気は相当に慌ただしいのである。なにしろ、決定戦トライアルの最終戦にして、シリーズ戦準優という、超贅沢な一日。60人中30人が熱血勝負に臨むのだから、選手の動きは激しくなるし、溢れ出た闘志がピットの空気をかき回す。
 だが、その多くはシリーズ戦の選手のもので、決定戦組の動き出しは比較的遅いようだった。昨日までは3R発売中に着水し、試運転に出る選手が多かったのに、今日は同じ時間帯でも係留所に決定戦組のボートが見えないのだ。ということはもちろん、装着場にカラフルなカウリングのボートがあるわけであり、そのかたわらやペラ室、整備室にベスト12戦士の姿は散見されるのであった。
2009_1220_0416  試運転の水面を眺めていたら、左側にどえらい圧力を感じたので、ふと顔を向けると、松井繁! ペラを手にし、視線を向けながら、威圧感たっぷりに自艇のもとに向かうところだった。気づけば、僕は松井のボートの至近に立っていたのであり、思わずとびのきながら、松井にぺこぺこと頭を下げるはめになったのだった。松井は、気合満点の視線をこちらに向けて、「おはようっす」。そんなごくごく普通の一言が、まるでありがたいご託宣のように思える。
2009_1221_0903  松井のボートから離れて振り向くと、その隣の隣には菊地孝平のボートがあって、ヘリに腰かけながらペラをじーーーーーーーっと凝視する姿があった。今日もモードに入っている! やがて菊地はペラ室へと歩き出したが、視線は下方一点集中、コンピュータフル回転で、自分の世界に入り込んでいるようだった。
2009_1221_0390  そんな菊地を眺めつつたらたら歩いていると、整備室前でモーターを装着している田村隆信に遭遇。こちらの存在に気づくと、一瞬だけ優しい目つきになって、しかし即座に気合スイッチを入れて、力強い声で挨拶をしてきた。そしてすぐにモーターに視線を戻す。うむ、やはり田村はひと味違う。その後、井口佳典、森高一真らと銀河会議をしていたが、田村も含めて3人の顔には笑顔が見えなかった。
 朝からみな、気迫満点だ!

2009_1221_0921  そうしたなか、早くから水面に飛び出していたのは、服部幸男である。シリーズ組が試運転を繰り返す中にひとり混じって、延々と駆け続ける。今日は気温がやや上がっており、それもあって手応えを再確認しているところなのだろうが、それ以上に駆ける姿からは気合がほとばしって見えた。相手を変えながら足合わせを何本も何本もこなしていく服部。水面にあるただ1艇のカラーリングボートが眩しく見えた。
2009_1221_0820  おっと、忘れちゃいけない今垣光太郎。彼も早々に着水して、係留所での調整に励んでいた。モーターを始動し、ニードルのあたりに触れながら、回転調整。今日は前付けに出る腹積もりだそうだが、そのための準備を早い時間から着々と進めているようだ。試運転タイムが終了する直前に1周だけ水面へ。その後はふたたび係留所に戻り、同じように調整を続けていた。

2009_1221_0017  その他の選手では、瓜生正義が装着場で入念な装着作業でモーターと向き合う姿。とりたてて普段と変わった様子はない。赤岩善生は整備室から出てくるところを見かけているが、厳しく真剣な顔つきはいつものこと。肩に力の入った様子はない。坪井康晴もリラックスしている様子で、1号艇のプレッシャーよりファイナル当確の余裕のほうが大きいのだろう。田中信一郎は整備室に姿が。太田和美や湯川浩司と話している表情はスッキリした印象。少し硬くなっているようにも見えるのは池田浩二で、一人歩きながら、時折なぜか顔をしかめたりしていた。
2009_1221_0942  もう一人、昨日Fに散ってしまった原田幸哉は、4R前に苦笑いを見せながら歩み寄ってきた。
「ファンの方たちに謝っておいてください」
 原田が開口一番言ったのはそれだ。原田は自身の悔恨をぐっと噛み締めながら、ファンに申し訳ないことをしたと気にしている。
 それから、原田とはさまざまなことを話した。ここで書くことがあるとするなら、昨日のレースは悔いのない戦いをしようとした結果であり、実際に悔いはないが、結果に対しては本当に悔しい、ということ。B級に落ちること、しばらくSGに登場できないことなどについても語ってはいたが、それについては一言、原田はすでにその事実を真っ向から受け止めている。それらに対して、僕も自身の思いを告げた。今思い出してみれば、僕も原田も、何度も同じことを繰り返し話していたような気がする。
 それでも、だ。原田はすでに前を向いている。今日、そして明日も、絶対に緩めることはない。「しばらく表舞台から消えるから、忘れられないように、いいレースを見せたいですよね」。外枠が動く可能性があるので6コースになるかもしれないが、しかしハナから6コース回り、スタート慎重、旋回穏やか、などとレースを降りるつもりはないようだ。
 たしかに黄金のヘルメットをかぶる権利は失った。だが、むしろ注目すべきは、原田の意地の走りなのかもしれない。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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THE ピット――シリーズの準優間近!

_mg_0360  1レース前のペラ小屋はスゴイことになっていた。カメラマンのチャーリー池上も「これだけ人が多いのは見たことないです」と漏らしていたが、私も同感。
 これまで取材してきた暮れの住之江や、他のSG5日目にしては考えられないほどの選手が集まり、ペラを叩いていたのだ。
 私=Uは、今日が今節の初ピットとなったが(昨日までは東京で居残り特訓というか、月末恒例BOATBoyの編集作業をしてました)、昨日までの極寒を考えれば、今朝はずいぶん暖かくなっているそうである。そうして気候が変化してきた影響もあったのだろう。
「この状況をちょっと写真に撮っておいてくれる?」とチャーリーに頼んでみると……。ガラス戸越しの撮影となるので映り込みをなくすため、「ジャンパーを左右に開いて横に立ってください」と、露出狂の変態のような格好をさせられてしまった。私個人がそんな辱めを受けるのはいいとしても、それで選手の集中力を乱さないかと心配になったが、選手は誰も、そんな変態が立っていることにさえ気がつかない集中ぶりだった。
 う~ん、スゴイ!

_u4w8568  今日は、「賞金王シリーズ」のピットを担当させてもらうが、ペラ小屋にいる選手たちにとっては、シリーズも決定戦も関係ないようだった。
 満員御礼の小屋の中で、隣り合った者同士が声を掛け合う。
 ざっと目についた組み合わせとしては、田中信一郎×湯川浩司の兄弟弟子コンビのほか、池田浩二×濱野谷憲吾、菊地孝平×中島孝平(ダブル孝平's)などが挙げられる。
 それぞれに「決定戦メンバー×シリーズ準優メンバー」になっていたのも面白い。

2009_1221_0127  もちろん、選手にとってみれば、“シリーズも決定戦も関係ない”などというわけがない。人間関係のなかでは関係がないのは当然としても、それぞれの選手としては、そのどちらに出ているかでまったく意味が違う。
 今朝のピットに入ってまず目についたのは、待機ピット付近で作業をしている濱野谷と白井英冶の姿だったが、2人とも、その集中力は高かった。シリーズ準優勝戦は8レースから始まる時間的な問題もあるのだろうが、朝イチからゆるめず全力投球の姿勢を見せていた。

2009_1221_1253  井口佳典に関しては、東京でNIFTYの記事を見ながら気になってはいたが、前検日の記事に書かれている「キッと結ばれた口元と鋭い目つきに何らかの意味を見出したくなる」というダーマンリポートにも納得!
 今日の井口にしても、ペラ小屋では周りに多くの選手がいても、他の選手は目に入らないような集中力で自分のペラとだけ向き合っていた。その後、装着場を歩いているようなときでも、その表情は、早くもゾーンに入っているようなものになっていたのだ。
 優勝ノルマ!
 井口の顔つきを見ていて、そんな言葉が浮かんだが、あと一歩というところで決定戦行きの切符を逃した濱野谷や白井にしても、気持ちとしてはそれと変わらないのではなかろうか。

2009_1221_0185  今年のシリーズ準優勝戦は、「決定戦経験者の維持」と「フレッシュな顔ぶれ」がぶつかり合う、実に興味深い顔合わせになったといえよう。
 BOATBoyで取材をしていたことがある今井貴士や新田雄史は、SG初白星から一気に予選突破までを果たしているのだから、その勢いは軽視しできない。
 4月に取材をしていた今井は、「夏場に勝率を落とさないようにするのが課題」「早くSGに出たい」と語っていたので、このピットで再会できたのは個人的にも本当に嬉しかった。
――夏を乗り越えられましたね?
「はい、なんとか(ニコッ)」
――準優出できたことはどうですか?
「めっちゃ嬉しいです(ニコッニコッ)
――もうひとつ上を狙いたいですね?
「はい、今日は気合い入れていきます!(……ニコッ)」
 って感じなのである。

_u4w8581  で、シリーズ組でもう一人、気になるのが大嶋一也だ!
 今朝の大嶋は、装着場のなかではわずかなスペースしか見つからない“陽のあたる場所”で点検作業をしていた。暗くて長いトンネルを抜けてきた大嶋には陽のあたる場所がよく似あう。
  いま、誰よりも輝いている競艇選手の一人なのだから。
 廣町恵三さんに声を掛けられた大嶋は、ニコニコと回答!
 その笑顔は、今井にも負けないほど若々しいものだった!!
(PHOTO/中尾茂幸+池上一摩=1枚目、2枚目、6枚目 TEXT/内池久貴)


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H記者の『穴・極選』5日目

 しょ、しょ~ぶ駆けです! 5日目にして帰りの新幹線代に手を付けてしまいました>< いつもピンチになると駆けつけてくけるAV監督もインフルエンザで斡旋辞退だし……ガチで自力のピン勝負。服部幸男と同じ境遇なのであります。違うか。
 さあ、今日の極選はもちろん6R。「2号艇の丸ちゃんは万太郎の宝庫」という自説を今日こそ証明してみせましょう!

6R
 ①佐々木康幸
★②丸岡正典
 ③石田政吾
 ④吉田弘文
◎⑤福島勇樹
★⑥石橋道友

進入123/456

 3日目の丸岡は2コースで差し選択。「2コースの丸ちゃんは90%握って攻める」という鉄則は見事に裏切られました。今日はどうか。F持ちだし、行き足もボチボチ程度だし、インはS勘のいい佐々木だし……今日もまた差しかもしれません。握る可能性は今節に限って30%くらいでしょうか。でも、ひとたびその30%が選択されたら、水面は大変なことになるのですよ。イン2艇が競りになって、アウト水域から思わぬ伏兵が。チルト跳ねて伸びがきた福島です。このメンバーで外から突き抜ける足があるのは福島だけでしょうね。握って粘る丸岡と福島マークで最内を差す道友へ。

3連単★5-26-全

 シリーズ準優はあまりアツくならず、ワクワク進入を観て楽しむつもりです。ただ
9R★1-2-4
 の1点だけは勝負してみましょう(←『本命・極選』扱い)。トライアル予想は8R頃にアップします。
 お、本紙のヒールKが1R40倍台を本線で的中っすか。ま、まさか、今日もまたこの男の天下になってしまうのか~!? 


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5日目! 決定戦ファイナルメンバーが決まります

おはようございます。賞金王決定戦5日目、昨日もめちゃくちゃ贅沢な一日でしたが、今日は輪をかけて贅沢! まずは賞金王シリーズの準優勝戦3個レース。そして、賞金王決定戦トライアル第3戦! いよいよ賞金王ファイナリストが決まります! なにしろ、8Rから賞典レースですからねえ。一日、おおいに楽しみましょう!

2009_1221_0129 白井英治がシリーズ戦準優1号艇。今度こそ、SG初制覇を!(PHOTO・中尾茂幸)


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THEピット――空気の違い

2009_1221_0964 「わぁっ」
 スリットを6艇が超えた瞬間、小さな悲鳴があがる。11Rを観戦していた選手の誰か、あるいは何人かが声の主だ。
「誰やっ」
 そう言ったのは、たぶん鎌田義。次の瞬間、スタート判定中の表示がともる。選手たちは、スタートの一瞬を見ただけで、早いスタートがあったことを察知したというのか。さらに次の瞬間、対岸のビジョンに「1号艇返還欠場」の文字が浮かび上がる。ピットの空気はスリットオーバーのコンマ02秒よりも短い時間で、一気に沈痛なものに変わった。
_u4w8324   原田幸哉、フライング……。
 レースを離脱して真っ先にピットに戻って来た原田は、さすがに前を向くことができないようだった。これは単なる賞典除外ではない。ずっとこの舞台に立つことを願って努力を続け、たくさんの試練を乗り越えた末に出場をかなえた賞金王決定戦なのだ。原田の胸の内を思えば、そこに渦巻くものをとても正視できそうにない。
 いちおう書いておけば、賞金王トライアルのS事故はSG準優と同様のものである。つまり、向こう4つのSGに原田は出場することができない(来年の総理杯~オーシャンカップまで)。また、原田はこれでF2であり、さらに休み未消化の前期Fも残っている。都合120日。1月14日から5月13日まで、原田は戦列を離れる……。
2009_1221_1181  あまりに悲痛な状況で、さすがに1着の菊地孝平も素直に喜ぶことはできないようだった。レース後も真剣な表情をまるで崩さなかった菊地だったが、それがモードに入ったままなのか、原田の心中を思いやってものなのかは、判断できなかった。会見後に原田と顔を合わせて、つらそうに顔をしかめた菊地の姿も見かけているが……。
2009_1221_0113  接戦を制して2着に入った瓜生正義は、もっと喜べない。同期の身に起こった悲しい事態を、もっとも重く受け止めたのはおそらく瓜生ではなかったか。会見では、「昨日ヘタ打った分……今日も1Mはヘタ打ったけど(笑)、その分も明日取り戻したい」と少しの笑顔を交えながら話していたが、「取り戻したい」には実は「同期の分」も含まれたのではないかと、邪推したくなった。

2009_1221_1210  そんな憂鬱の中で迎えた12Rだったが、1号艇の坪井康晴がインからコンマ08のスタートを決めたことは、ひたすら称賛したい! ほぼ全速で、ほぼカン通りだったというから、その集中力も素晴らしかった。
 そう言えば、11R後の会見で、菊地孝平は「無理なスタートをするつもりはないけど、安全なスタートをするつもりもない」と言ってのけている。坪井にしても、菊地にしても、これぞ賞金王戦士魂! 心から拍手を送りたいし、彼らが明日も明後日も最高の戦いで我々を興奮させてくれるものと確信する。
2009_1221_0382  その12Rでは、田村隆信の表情がとにかく気になった。2着だから、望むべき最高の結果とはいかないわけだが、しかし第3戦につながる大きな大きな2着だったはずだ。安堵があるのが普通だろうし、そうでなくともこれまで見てきた田村なら、もっと柔らかな表情を見せていたはずなのだ。
 だが、田村は終始一貫して厳しい表情を崩さなかった。そして、口調も淡々としていた。BOATBoy12月号でインタビューした際には、苦悩でさえあっけらかんと、目元に笑みを浮かべつつ話した田村である。明らかに、会見場には違う田村がいた。第3戦は1号艇を引き当てた。2戦連続して6号艇を引いてしまった今垣光太郎が前付け宣言しているとも伝えられる。それを投げかけられて田村は、質問を遮るくらいのタイミングで、「どこまででも(付き合う)」と言った。それも淡々と。これまでの田村なら、笑顔を返してもおかしくない質問に、今日はただただ決意のほどを述べた。しかも、厳しい表情で。どう考えても、そこにいたのはいつもの田村ではなかった。

 さて、本日も12R後にはトライアル第3戦の枠番抽選が行なわれている。今日も今日とて小屋の周囲は大混雑。抽選順はA組(結果的に12R)坪井→菊地→松井→吉川→服部→田中。B組(結果的に11R)瓜生→田村→今垣→赤岩→池田→原田。
_u4w8487  昨日はB組一発目で原田が1号艇を引いたが、今日はA組で一発目に1号艇が出た。白いタマを見た瞬間に、両手をパチンとはじいて喜びをあらわにする坪井。次に引いた菊地は、やはりタマを見た瞬間に「よっしゃっ!」。しかし次の瞬間、一斉にツッコミ入った。「滑ったなあ」。出てきたタマは緑色だったのであった。松井は5号艇を引いて、昨日に続いての苦笑。今日も今日とて一緒に観戦した笠原亮が好枠を願った服部は4号艇。笠原はそこそこ納得してうなずいたあと、「坪井さん、賞金王になれるかも!」と静岡勢の大健闘に嬉しそうな笑顔を見せて去っていった。
_u4w8504  B組。トップバッターの瓜生がまず2号艇を引く。それなりに満足そうだ。続いて引いた田村は……1号艇! この様子を見ていた井口佳典が、田村に向かって親指を立ててニッコリ笑った。しかし、である。白いタマが出た瞬間は、田村は眉ひとつ動かしていないのだ! 表情もまったく変わらず、少しも歓喜の様子を見せなかった。やっぱり、田村は何かが違う。原田がFに散った今、住之江の水面に何かを巻き起こすとするなら、この男のように思えるのだが……。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩=抽選 TEXT/黒須田)


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賞金王トライアル私見②

0・02秒…

11R
①原田幸哉 +02
②服部幸男 10
③瓜生正義 03
④吉川元浩 04
⑤菊地孝平 05
⑥今垣光太郎11

進入123/456

2009_1221_0849  原田にとって、人生の天地を分かつスリットだったかも知れない。鋭いスタートから豪快に逃げきって19点獲得。ファイナル当確の第一号になったかと思った瞬間、フライング失格のコールがなされた。痛い。痛すぎる。ファイナル当確=1億円&レーサー最高の名誉を同時に手にするチャンス、そして来年のSGの優先出走権獲得へ……明るい未来が一気に拓けるはずだった。チャレカ制覇で滑り込み参戦~賞金王Vというシンデレラ伝説の夢とともに。
 が、わずかコンマ02の勇み足が生み出したものは、来年1月14日から5月13日までのF休み=出走数不足でB2級降格……おそらく、今日の世界でいちばん残酷な0・02秒を、私はスタンドで観ていた。失格の判定が下ったとき「アホォォォッ!!」という絶叫が聞こえた。そして、スタンドはそれっきり、ちょっと間抜けたように静まり返った。眼前では他の5艇による激戦がはじまっているのに、ほとんどの人がぼんやり見ている。そりゃそうか。原田絡みの舟券を持っている人がどれだけいて、それ以外の舟券を持っている人はどれだけいるか。9割以上の人たちは、瓜生や吉川や今垣のデッドヒートをただ目で追いかけるだけの存在になってしまったのだ。トライアルにアクシデントは付き物だが、フライングで熱狂する人はいない。痛感した。
2009_1221_0119  私はといえば、原田以外の舟券をしこたま買っていたのに、やはり沈黙を守ったひとりだった。連軸の服部がはるか離れた最後方を走っていたのだ。私がゴールまでにやるここといえば、パワー比較くらいしかなかったな。2~4艇が常にもつれ合う展開は、パワー比較にもってこいだった。瓜生と吉川、瓜生がかなり強い。今垣よりもさらに強い。そしておそらく、先頭の菊地よりも。誰の目にも明らかだが、瓜生の追い上げだけが異様に目立つレースだった。服部は……Sで後手を踏み、何もできずに終わった。最近のインタビューで「トライアルは冷静になったもん勝ち」とコメントしてくれたが、昨日から冷静になりすぎているような気がした。
 まあ、とにもかくにもこのレースは原田幸哉の、

 いや、もう、この後に続けるべき言葉がちょっと見当たらない。

みんな、強い。

12R
①坪井康晴 08
②赤岩善生 13
③田村隆信 17
④池田浩二 24
⑤田中信一郎26
⑥松井 繁 12

進入1263/45

2009_1221_1175  松井が動いた。昨日、松井を深インへと誘導した田村の前、ぐいぐい割り込んで行く。スタート展示では動かなかったところに、松井の本気度、決意のほどが見てとれる前付けだった。坪井と赤岩がこれに付き合ってスロー水域は深めに。私は、このレースも荒れると直感した。坪井の起こしはジャスト90m。苦しいイン戦だ。荒れる。思ったが、坪井はコンマ08のトップSから楽々と逃げきった。イン選手のFの直後なのに、90起こしなのに、ゼロ台圧勝。
 みんな、巧くて強いな。
2009_1221_0100  1マークを鮮やかに先取りする坪井を見ながら、そう思った。恥ずかしいほど間の抜けた感想だが、そんな言葉しか思い浮かばなかった。昨日から、原田を除くイン3選手はすべてゼロ台。そして、完璧なターン。モンキーターンの成熟度はもはやマックスに達し、スタートさえヘグらなければ、まくらせない、差させない。そんな12人が集まれば、こんなレースになるのだ。「モンスター野中和夫は松井の何十倍も強かった。なんたって、インに固執せず、勝てる位置からガンガンまくれる男だったから」と語るベテラン舟券師は多いが、今このトライアルに往年のモンスターがいたとして、どれだけイン選手をまくりきることができるだろうか……。そんなことをぼんやり考えていた。競艇が劇的に進化したのだよ。成熟したのだよ。その進化と成熟がどれだけ競艇を面白くしているかは、まったく別問題だけど。
 レース後の抽選で、再び坪井は白い玉を引き当てた。明日も巧く強く逃げ切れば、ファイナルの1号艇も手にする。それも巧く強く逃げれば……結果的に、去年と同じような賞金王に帰結する。去年よりルールも進入も辛く激しくなったというのに、だ。それが50年間で進化し成熟した近代競艇の姿なのだろう。私には、その先、未来競艇の姿がいまはまったく見えない。(Photo/中尾茂幸、Text/H)


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賞金王シリーズ、今日のベスパフォ賞4日目

イン屋からカマシ屋へ!?
怒涛の3カド攻め

3R/西島義則

2009_1221_0517  大嶋一也が徹底イン戦を狙っているのに対し、同じ「イン屋」の看板を背負ってきた西島義則が別人のようなレースを見せている。2日目は1号艇ながら3コース!を選択してひとまくり。そして今日の3Rでは、枠なり3コースから颯爽と艇を引いてあっと驚く3カドの奇襲を繰り出した。
「お~い西島ァ、イン屋の名が泣くぞ~~!」
 とその変貌ぶりを嘆く方もいるだろうが、西島には西島なりの理由があるのだと思う。出足型のペラがどうにも仕上がらない、とか。それに、イン屋というのは基本的にまくり屋と同じタイプの気質なのだ。「インが奪えなかったらまくる」「インをもらったら、まくり艇を張る」というスタイルで、コースを奪い取った人たちへの義理を果たす。差しよりまくり、それがイン屋の真骨頂なのである。
2009_1221_0544  3カドを選択した西島は、気合満々に攻めて2着死守。「2走で14点」の勝負駆け第一関門を突破し、続く8Rも2着で準優のチケットを手にした。明日の8Rはなんとも微妙な4号艇。イン獲りに動くのか、引いてカドから攻めるのか……今節を見る限り、それが読めないからこそ展開推理も楽しい。百戦錬磨、変幻自在、神出鬼没。安芸の闘将はどんな秘策をもって8度目のSG制覇に挑むのだろうか。(Photo/中尾茂幸、Text/H)


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THEピット――新兵たちの夕暮れ

2009_1221_0504_2  昨日のこと。12Rの1~2着選手共同記者会見を終えて、記者席に戻ろうとしたところで、今井貴士と顔を合わせた。新兵として、すでに薄暗くなっているピット内を駆け回っているところで、お互い「お疲れ様でした」と声を掛け合っている。そのとき、ふと気づいた。ピンピンと絶好の発進を決めながら、昨日の大敗で勝負駆けは厳しい条件を強いられることになりそうだった今井。その激励をせねば、と思ったのだ。
 今井は少しだけ顔をしかめた。気持ちはわかる。その後の戦いに胸を躍らせていたはずの初日、しかし3日目には一転、不安が襲ってもいただろう。でも、その試練を乗り越えれば、必ず自信になるはず! そう言うと今井は人懐こい笑顔を見せて、「そうですよね。頑張ります!」と若者らしく前を向いたものだった。
 7R、1着で予選突破! おめでとう! 準優進出だ!
 やはり今日も雑用に飛び回る今井は、12R前にぼけーっとレースを待っているこちらに「やりました! ありがとうございます!」と最高の笑顔を見せてくれた。
 う~ん、若いって、いいっすね!
 今日の戦いがすでに彼の糧となったかのように、昨日とは正反対の活き活きとした表情を見せた今井。彼らはこうして、日一日と強くなっていくのだろう。準優の敵は、相当に強いが、結果など関係のない、思い切った戦いを見せてほしい。

2009_1221_0425 もう一人の新兵は、新田雄史である。やはり12R前、新田はマグネットのついた棒状の道具を2本もって、ピット内の鉄屑を拾い集めていた。ペラをつけたり外したりするときに、小さな鉄屑が出やすいので、夕方になると若手がこの作業をする姿は、よく見かけるものである。
 そのとき、試運転ピットにはまだ1艇のボートが係留されていた。言うまでもなく、木村光宏である。木村の隣の係留所までやって来た新田に、木村は優しく声をかけた。しばらく、二人の会話が続き、そして途切れる。そのとき、新田は木村の姿勢に感心する旨を伝えている。
「いやいやいや、友達がおらんから、試運転するしかないんや」
2009_1217_0579  木村は照れたようにそう言った。いやいやいや、たしかに異端児と言われる木村だけど、香川勢はいつもあなたのそばにいるし、今日は田村隆信だって一緒に作業をしていたではないか。そういや、11R前には田中信一郎とも足合わせをしていたぞ。田中にとって、まだ試運転をしていた木村は心強い存在だったに違いない。
 そうした木村の言葉や態度を、新田はどのように受け止めただろうか。SGという舞台に来れば、こうした先輩と間近でふれあうことができる。そして新田は、さらに強くなっていくのだろう。そうそう、準優進出おめでとう。今井と同レースですね。二人揃って、先輩に一泡吹かせてしまえ!
(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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本日の水神祭! コンプリート!

 本日は水神祭が2発です!
2009_1221_0033  まずはオープニングの1R。山本修一が2コースから差して、SG初1着をもぎ取りました。
 1回乗りだったため、もう一人の岡山支部、柏野幸二が「さあ、水神祭やろう」。慌ててJLCのスタッフが「インタビューを先にお願いしま~す」と呼びに来る、なんて一幕もありつつ、そのインタビュー後に敢行されています。岡山は柏野と山本の二人だけ、ということで、大先輩の山本泰照さんが駆けつけて、いちばん嬉しそうにはしゃいでいた、なんて場面もありましたな。
2009_1221_0048  山下和彦(中国地区ですね)、萩原秀人と森永淳(同期)、さらに森高一真(いちおう中四国)が参加して行なわれた水神祭。控え目なワッショイスタイルで持ち上げられた山本は、1、2の3でドッボーーーーーンと、水面にムーンサルトプレスを決めておりました。

2009_1221_0727  2発目は続く2R! 福島勇樹が逃げ切って、こちらもSG初1着です。
 福島は2回乗りで、6R終了後の開催。集まったのはもちろん、濱野谷憲吾、中野次郎、飯山泰のトーキョー・ベイ・パイレーツ! さらに、「俺も俺も~」と関東地区の平石和男、さらに秋山直之もやって来て、さあ行こう、水神祭。
2009_1221_0736  福島がゆりかごスタイルで持ち上げられ、さあ投げようとしたその瞬間、選手控室の窓から顔を出したのはミスター競艇! 今村豊がにこにこしながら、「おーい、そこは危ないぞ~。もっとこっちのほうに投げろ~」とアドバイス(?)。でも、ミスターは何度もそう叫んでいたのに、関東勢はまるで聞いちゃいませんでした(笑)。
 というわけで、今村さんの言葉も耳に届かず、1、2の3でドボボボーーーーン。今村さんもニコニコ、ベイパもニコニコ。福島も寒そうに震えながらニコニコと笑っておりました。

2009_1221_0055  ヤマシュウ、福島、ともにおめでとう! 準優には届かなかったけど、明日からも頑張れ! SGでの1着がどんどこと増えていくことを期待していますぞ。
2009_1221_0743  この2人が1着をあげたことで、今節の水神祭はコンプリート! 権利をもっていた4名全員が、水神祭をあげたことになります。今まであまりなかった完全水神祭、おめでたい一節でありましたね。次はSG初Vの水神祭を見せてくれ!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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速報 明日のトライアル枠番&勝負駆け!

 枠番抽選により明日のトライアルの出走メンバーが決まりました。昨日に続いて1号艇をゲットした坪井と、抜群の安定感を見せる王者・松井が完走当確。これとFに散った原田を除く9選手で残りの4ピットを奪い合うことになりそうです!

明日のトライアル枠順と勝負駆け状況

11R
①田村隆信(徳島) ③
②瓜生正義(福岡) ②
③池田浩二(愛知) ③
④原田幸哉(愛知) ―
⑤赤岩善生(愛知) ①
⑥今垣光太郎(石川)④

12R
①坪井康晴(静岡) ☆
②吉川元浩(兵庫) ①
③田中信一郎(大阪)②
④服部幸男(静岡) ①
⑤松井 繁(大阪) ☆
⑥菊地孝平(静岡) ⑤

(ボーダー想定21点、☆は完走当確)


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THEピット――決定戦もシリーズもピリピリ

 なんだか、ずいぶんとピリピリ感が増したなあ……。朝のピットに入って思ったのは、まずそのことだった。
 理由は、といえば、決定戦組はトライアルを1走し、手応えをつかみ、そして短期決戦の早くも2戦目を迎える。たった一度の失敗が命取りになるだけに、今日は是が非でもポイントを積み重ねたい一戦となる。一方、シリーズ組は準優への勝負駆けだ。もっとも気合走りが見られる一日。
 そうした2つの思いが絶妙に交錯して、この空気を作り出しているのか。
 昨日までに比べてずっと暖かいピットだというのに、選手たちの凛々しい顔つきを見ると、震えがくる。

_mg_0284  決定戦組では、何と言っても今垣光太郎である。3R発売中に本格的に動き出す選手が多かったなか、今垣は1R前から着水し、懸命な調整を続けていた。整備室で見るような執拗な調整ぶりは、まさしく整備の鬼の姿。それが今日は、係留所あたりで見られたわけである。陸に上がると、今垣はすぐに走りだす。移動はすべて、ダッシュなのだ。コンマ10秒も無駄にはしたくない、とばかりに、今垣は走る。今朝、今垣が歩いている姿はいっさい見ることがなかった。
_u4w7331  顔つきが厳しかったのは、坪井康晴、池田浩二、田中信一郎といったあたりか。このうち坪井と田中は、昨日はむしろ穏やかだった気がするだけに、一夜明けて雰囲気がすっかり変ったようにも思える。明らかな点は、坪井が昨日よりもずっと速足だったことだ。あ、菊地孝平も変わらずモードに入っていて、今日はちょっと怖いほど。顔つきの力強さがタダゴトではなくなってきている。
_u4w7353 赤岩善生は、むしろスッキリした顔つきに見えた。怖いくらいの鋭い表情なのはいつも通りだが、しかし視線の圧力はそれほどでもない。もちろん、気が抜けたとか闘志が失せたということではなく、むしろ明鏡止水の境地にいるようにすら思える。ようするに、非常にいい雰囲気なのである。
_u4w7393  チャーリー池上カメラマンが「瓜生さん、怖くないっすか?」と言っていたが、僕の目に映る瓜生正義は、むしろ逆。まったくいつも通りの、スマイリーな瓜生である。挨拶をしても、朗らかに返してくれるし。瓜生の心をほぐしているのは、どうも鳥飼眞のようだが、とにかく瓜生は瓜生、なのである。ただ、チャーリーの意見を少し採用するなら、真剣な表情のときにはたしかに目つきが何割増しか鋭いように思う。平常心で過ごしていても、レースや作業に思いを馳せれば自然と闘志が高まる。それは、非常にいい過ごし方をしている、と言っていいのだと思う。

_u4w7469  さて、昨日の記事で書いた、原田幸哉の調整。今朝、話を聞いてみたところ、ビンゴだった。やはりスローの利き具合の調整だったそうだ。しかし、昨日は結局ダッシュ戦。4号艇だったし、カマす公算が高かったのではないだろうか。
「そうなんですけど、もし6号艇も回り込んできたら抵抗していたかもしれないし、どこからでも行けるように調整したんですよ。トライアルは1走たりとも失敗できないし、やれることは全部やっておこうと思って」
 そう語る原田のなかには、実はチャレカ優勝戦の進入の失敗が大きな反省材料としてあるようだ。どんな状況になっても、しっかり対応すること。そもそも、あのような失敗をしないこと。たった3戦しかないトライアルだから、あの優勝戦をふまえて、原田はすべての準備をしているのだ。
「昨日は怖々の調整だったけど、今日は絶対にスローだから(笑)、もう一度昨日の調整をしてみます」
 今日は絶対にスロー、というより、今日は絶対にイン。(笑)はもちろん、あのチャレカについての自虐的ギャグなのだろう。そんなふうに笑える原田には、間違いなく波が来ている。

2009_1218_0697  シリーズ組でもっとも緊迫感が伝わって来たのは、白井英治である。無事故完走で準優当確ということはわかっているはずなのだが、どうやらまるで緩めるつもりはないらしい。このクラスには当たり前のことだが、爽やかな男っぽさが昨日以上に強くなっているのを見て、「今度こそSG初制覇か?」と思わずにはいられなかった。重成一人と並んで歩いている姿を見たときも、重成は爽快に笑っているのに、白井はほとんど顔をほころばせるところがなかった。何かの決意が心を満たしているのは間違いないと思う。
2009_1217_0624  三角哲男の鋭い表情も印象的だった。予選突破はかなり苦しい状況になっているが、気合みなぎる表情は、めちゃくちゃカッコいい! 決定戦組も含め、今朝の雰囲気は超抜に見えたぞ。

 そんな雰囲気のなかで、笑顔も2度。山本修一と福島勇樹がSG初1着だ! 水神祭の模様は後ほど!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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H記者の『穴・ブラック極選~天罰編~』

 昨夜、居酒屋で暴漢(のような人)に襲われ、左手の指三本をへし折られたHです。実際は重度の突き指という程度だと思いますが、「罰ゲームの代わりの天罰」ってことで一連の失態を許してくださいまし(あ、うりちゃんの優しいコメントのおかげで水神祭=ホテル内の水風呂撮影wを特赦されました、どもです)。とにかく、キーボードを触るだけでも痛みが走るため、今日の夕刻のH担当記事は総じて短めになると思います。悪しからずっ><
 今日の極選は予選突破にほぼ赤ランプが点っているジュニア君を追っかけてみます。

5R
 ①大嶋一也 ④
★②中島孝平 ③④
◎③重成一人 1・1でも……
 ④笠原 亮 ×
★⑤藤丸光一 ⑤
 ⑥芝田浩治 ×
進入152/346

 重成を狙う理由は、今朝の特訓で気配が良かったこと。そして、試運転を終えてヘルメットを脱いだ時の顔がゴキゲンに明るかったこと。あるいは、①①でも届かないという開き直りの笑顔だったかもしれませんが、私は「戦える足が来た!」という喜びの顔だと信じます!元々7点の減点がなければ、ガチの勝負駆けでもあったし。大嶋と藤丸が深くなったところをセンターから地力攻めか、中島のマーク差し。藤丸&ダンディにも予選を突破してもらいたいのですが、2~4着あたりで準優行きってことでw

3連単★3-25-全

10R
 ①辻 栄蔵 ☆
 ②森永 淳 ④⑤
 ③井口佳典 ☆
◎④重成一人 1・1でも……
★⑤秋山直之 ①①
 ⑥濱野谷憲吾 ☆
進入123/456

 ここも美味しい展開がプンプンしております。超抜・井口が握ったところを無心のマーク差し。ズッポリ音をたてそうな気がしてなりません。1号艇の辻さま、ワースト級どころか上位であることは痛いほどわかりました。すみませんでした。で、今日は上位だからこそ明日の1号艇狙いで、井口のまくりに飛びついてみてくださいまし! 不気味な気配ある秋山の2、3着付けで勝負!! 憲吾郎どの、斬り捨て御免><

3連単★4-5-全、4-全-5

 トライアル予想は9R頃にアップします。


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4日目! シリーズは勝負駆け!

おはようございます。賞金王決定戦4日目、シリーズ戦は勝負駆けの日であります。1~10Rは、準優に向けての激烈バトル。11~12Rはトライアル2戦目。贅沢ですなあ。

2009_1220_0011 SG2節目の今井貴士が今日、準優勝負駆けに臨みます。ピンピン発進も、昨日は大敗を喫してしまい、本日が剣が峰。この試練を乗り越えて、ビッグになってください!(PHOTO/中尾茂幸)


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THEピット――やっぱり賞金王の空気!

 やはり賞金王決定戦は特別な舞台だ。時間を追うごとに、ピットがどんどんとそれらしい空気になっていく。シリーズ組は10Rが終わればほぼ動きがなくなるから(例によって木村光宏は試運転をしていたけれども)、ピットは次第に閑散としていく。そして、刻一刻と神聖さを増していく。
_u4w6898  それをもっとも体現していたのは、菊地孝平だったと思う。朝からモードに入っている、ということは前半の記事に書いたが、その様子はレースが近づいていっても変わることはなかった。調整用係留所につけたボートに乗り込んで、微細な調整を執拗なまでに行なう姿は、紛れもなく決定戦出場者の特別感を醸し出していた。とにかく、その集中力は超ド級。菊地の瞳は、1秒ごとに鋭さをたたえていっているように見えた。
 その特別な心がもたらしたのだろう。12R、コンマ03! 笠原亮が教えてくれたところによると、なんと「カン通り」だったというのだから、凄すぎる。コンマ03が見えるスタート力って! 準備の時間も、戦いに臨んでも、菊地は完全に自分の世界に没入しているのだ。
2009_1220_0517  田中信一郎も、近いものを感じさせてくれた一人だ。12R出走の田中は、11R発売中に展示ピットにボートをつけなければならない。10Rが行なわれている間は調整用ピットにあった田中のボートは、しかしすんなり展示ピットには入らなかった。松井繁が真っ先に入り、続いて4艇までが収まった展示ピット、その後エンジンを始動した田中は、そのまま水面へと飛び出していったのだ。このギリギリのタイミングで試運転! スロー水域のあたりと、6コースあたりの走路をおそらく意識的に走って手応えを確かめた田中は、やっと展示ピットにボートを進めている。
 しかし、それでも田中の最後の調整は終わらない! 入念な点検をしばし展示ピットに収まったボート上で行なった田中は、陸の上では全力疾走で移動。少しの時間のロスもなくしたいとばかりに、残された時間を懸命に費やしていたのだ。
_u4w6856  12R出走組で、最後に展示ピットにボートを入れたのは、原田幸哉だった。田中よりも後なのだ。というより、田中がようやく控室に消えた頃、原田は調整用係留所のボートにやってきて、最後の調整を始めている。モーターを始動し、レバーは握らず低速回転のままにして、モーターを見つめながら何かの調整を念入りに行なっている。「何か」と書いたのは、原田のやっていたような調整を見た記憶がないからだ。今日の時点では確認できなかったので、明日聞いてみようと思っているが、時にモーターを下に押して(つまり舳先を浮かせて)いたりもしたところを見ると、スローの利き具合を確認しているのではないか、と見えた(見当違いだったらすみません。実際レースではダッシュだったし)。これを原田は、延々と、本当に延々と続けて、11Rの発走時刻にかなり近づいたあたりで、ようやく展示ピットにつけている。

_u4w7677  レース後の様子で印象的だったのは、むしろ11R組だったかもしれない。3着の坪井康晴、5着の赤岩善生が、レース後すぐにギアケースの調整を始めたのだ。残された時間は12R発売中のみだから、もはやタイムリミットは間近。しかし、坪井も赤岩も、迷うことなく整備室にこもり、懸命の調整に突入したのである。時間がないから、坪井の表情にはやや焦りさえ浮かんでおり、赤岩は工具か何かを取りに行ったのだろう、何度か整備室から控室方向に猛ダッシュ。文字通りの全力疾走を見せていた。
_u4w7110_2  今垣光太郎も、レース後はモーターと向き合う時間を作っていた。具体的にどこをいじっているというようには見えなかったが、点検にしてもかなり長い時間を費やしていた今垣。これはいつも通りという気もしないではないが、普段よりも今垣の顔つきは厳しかったように思う。
 その今垣は、2着に入っての共同会見で、珍しく饒舌であった。いや、普段の光ちゃんは実は饒舌なのだが、人前に出るというか、インタビューの類いのものでは、言葉を慎重に選んで話すため、あまり多くを語らない場合が多いように思う。だというのに、会見では流れるように言葉が溢れ出したのだ。その発言の基本ラインは「モーターに力強さがない」ということ。このままでは優勝を狙えないとも語ったほど、パワーに納得していないようだった。それに関して、今垣はたくさんの言葉で表現をした。ここですべてを書き切ることはできないが、「決定戦の中では8位か9位くらいのモーターです。6位くらいでいいので、もうちょっとアップしたい」と言って笑ったりもしていたのだから、いつもの会見での今垣光太郎ではなかったのだ。

_u4w6840  トライアル初戦を1着で飾った池田浩二と松井繁にしても、もちろん特別感は発散していたように思う。シンガリ負けという結果に苦笑するしかなかった吉川元浩と瓜生正義も、醸し出す落胆ぶりは、普段のSG以上のものがあった。服部幸男も、レース後、坪井との3着争いに競り負けたシーンをリプレイで見ながら、言葉少なにその場を去ったあたり、悔恨をより深めているという印象だった。そして、田村隆信は進入で、最高の特別感をプレゼントしてくれた!
 たしかに、午後のピットには賞金王決定戦の空気があったのである。

 さて、12R後に行なわれたトライアル第2戦の枠番抽選。念のために書いておくと、A組が各レースの1、3、5着。B組が2、4、6着。A組→B組の順番で抽選が行なわれ、着順が上の選手からガラポンを回す。同着順同士は、じゃんけんぽんで後先を決め、抽選開始前にはベスト12戦士たちの「最初はグーッ!」の声が響き渡ることになる。ちなみに、抽選順はA組=池田、松井、田中、坪井、田村、赤岩。B組=原田、今垣、服部、菊地、瓜生、吉川。
_mg_0293  いざ抽選という段階になって、その場にいなかったのは池田浩二。1着組なのだから、真っ先に抽選をしなきゃいけないのに、なぜか姿が見えなかったのだ。原田幸哉が「コージーッ!」と大声で探しに行って、池田はバツが悪そうにあらわれた。そして松井とじゃんけんぽん……あら、勝っちゃった! というわけで、最後に登場した池田がトップバッターになったのでありました。引いたのは4号艇。
_mg_0298  続いて引いた松井は、「6号艇」のコールに思わず苦笑。優勝した2006年がこのパターンだったなあ。次の田中は「5号艇」に顔をしかめる。2戦連続で外枠ですからね……。で、次に引いた坪井が1号艇を引き当てて、両手をパチンと叩いて喜びをあらわす。赤岩はモーター抽選も最後、2戦目の抽選も最後。しかし残り物にはまあまあの福があって、2号艇であった。
_mg_0309_2  B組は、いきなり「よっしゃぁぁぁぁぁ!」の声が響き渡っている。一番目に引いた原田が1号艇を引き当てたのだ。その後の原田はとにかくニコニコ。一緒に見ていた笠原亮が「原田さんは流れが来ているなあ」と、チャレカの活躍にも思いをはせつつ、感心していた。次に引いた今垣は、6号艇。しかし、特に表情も変えずにその場を離れている。続く選手たちも、もう白いカポックが残っていないから、わりと淡々とガラポンを回し、最後の吉川が4号艇を引いて、抽選が終了した。
 組み合わせについては、別項をご参照いただきたい。悲喜こもごもの抽選は、見ているこちらとしては、上質のエンターテインメントである。JLCのカメラも来ていたけど、中継はしたのかな? もし映像が見られるのなら、ぜひチェック!(PHOTO/中尾茂幸=田中 それ以外はチャーリー TEXT/黒須田)


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賞金王トライアル私見①

外内、一閃斬り

11R
①池田浩二 08
②今垣光太郎05
③吉川元浩 04
④坪井康晴 10
⑤服部幸男 13
⑥赤岩善生 24

進入1234/56

_u4w7527  枠なり4対2、とはいえ服部がそれなりに牽制したため、池田にとって楽なイン戦ではなかった。起こしはジャスト100m。やや深めからコンマ08をマークした集中力は高く評価できる。さらに早い05スタートの今垣は、やや右に斜行してたっぷりとマイシロを取ってからの差しハンドル。その上を04トップSの吉川が握って攻める。
 1マーク、池田はこの吉川の攻めに対してお尻(艇尾)をプリンと振るようにして完全ブロック、これで当面の敵を封じると、すぐに左にハンドルを切って今垣を締め潰してしまった。この間、わずか3秒ほどか。パワー云々というより池田の反射神経、アスリートとしての身体能力がキラリ光る1マークだった。張り飛ばされたとはいえ、吉川のキップのいい攻めも天晴れ。
_u4w7564  2マークから熾烈を極めたのが坪井と服部の3着争いだ。抜きつ抜かれつのデッドヒートで服部が2艇身ほど優位に立ったが、坪井の十八番「2周1マーク全速鋭角差し」が炸裂して逆転。この男の2周1マークは実に辛く巧く速い。2周ビッシリ競っての感想は、サイドの掛かりと回ってすぐのレース足は坪井が上。セカンド~サードの伸びは服部に分があるように見えたが、ちょっと後伸びすぎるかもしれない。赤岩はS遅れがすべてでパワーは不明だし、吉川もパワー的に悲観する必要はないだろう。明日もセンター枠の4号艇で、不気味な存在だ。

王の舞い

12R
①松井 繁 06
②菊地孝平 03
③瓜生正義 05
④原田幸哉 11
⑤田村隆信 10
⑥田中信一郎08

進入152/346

_u4w7729   松井、恐るべし! それがレースを終わっての実感だ。進入で動いたのは田村。インまで奪えそうな勢いでグイグイ攻め、松井に窮屈なインを強要した。松井はどんどん深くなって、起こしは90m。それで06発進なのだから「さすが王者」と唸るしかないが、圧巻はそれからだ。田村がやや凹んで、たっぷり助走を取った菊地がコンマ03!しかも全速!! イン選手にとってこの核弾頭は脅威だし、絶体絶命の隊形でもあったはずだ。菊地は攻めた。2コースがやや凹んでいるのだから、攻めにも拍車がかかる。松井にもその姿が見えた。見えた、とレース後に言っている。だがしかし、松井の1マークのターンはどうだ!? 握りすぎず落としすぎず、ブイを舐めるようにして旋回した。この完璧すぎるターンで菊地は置き去りにされた。「張り飛ばした」というより「何もさせなかった」が正しい表現だろう。王者に1ミリの焦りもなかった。ターンに1ミリの狂いもなかった。だから、勝てた。
 今年もまたトライアルは「逃げ」「逃げ」で幕を開けたが、内容としては去年よりはるかに濃厚な逃走劇だった。「逃がし」決着ではなかった。100を切る深めの起こし、コンマゼロ台が鈴なりの早いスリット、センター勢の猛攻……それらのピンチを池田は抜群の身体能力で、松井はとてつもない精神力で一瞬にして跳ね除けた。池田だから、松井だから逃げ切れた。わずかな失着でもあれば、大敗さえありえるギリギリの状況下で……こんな「逃げ」なら、何の不満もないのだよ。

_u4w7692  で、特筆すべきは、松井の逃げをよりスリリングに演出した田村の進入だ。この田村の“英断”によって、明日以降のトライアルも進入から活性化する(明日の12Rの枠番を見たまえ!松井が、田中がそのまま黙って田村の3コースを許すだろうか?)。最終日までの全レースが有機的に連動しはじめる。12人全員が勝つためのコースを模索し行動に移す。だから、明日のトライアルはスタート展示を鵜呑みにしてはいけない。きっと、本番で他の選手を(=ファンの目を)出し抜く選手も出てくるはずだ。他を欺き、本番のみ真剣を振りかざす一発勝負。そんな賞金王トライアルは、もちろん私の理想でもある。(Photo/チャーリー池上、Text/H)


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今日のベスパフォ賞 シリーズ3日目

ゆきゆきて、80m神軍!

大嶋一也…2R2着、8R2着

2009_1220_0530  100m、90m、そして80m……いったい、どこまで行くつもりなんだ、ダンディ!!
 今日もとことん行ってくれました。2Rは動きにくい2号艇から委細構わずイン強奪。スタ展では抵抗してみせた①安田政彦だったが、本番さらにガジガジ来た大嶋を見て嫌気が差したようにインを譲った。「ウッシャー!!」と喜んだかどうか、とにかく大嶋だけがどんどんどんどん深くなる。80m起こしだ。昨日、「スタートが全然わからん」と泣きのコメントを残しているダンディ。毎度90mを切るんだから難しいのは当然ですがな。

2009_1220_0531  が、今日はさらに深~~い80mから、コンマ08の快発進だ。この51歳のひたむきさにジ~ンと来るのは私だけ? なわけないでしょう。辻の一撃まくり差しを喰らって2着ではあったが、私はただただダンディの姿を追いかけていた。
 8Rも6号艇からガジガジ攻めて2コース奪取。①飯山泰が「うわ、ダメ、僕がイン!」という感じで慌てて抵抗したもので、これまた2艇して深くなったなぁ。結果はこのふたりの行った行った1-6決着。またまた2着のダンディではあったが、ここでもコンマ13の踏み込みは見事の一語だ。明日は1号艇の1回走りで4着条件。SGでの連続予選突破&優出も完全に視野に入った51歳なのである。う~ん、ダンディのおかけでシリーズがやたらと楽しいぞ。ただ、やっぱ明日の11Rとか12Rとかで……そのオヒゲの雄姿を拝んでみたかったなぁ。(Photo/中尾茂幸、Text/H)


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THEピット――決定戦の仲間が気になる

 時間が経つにつれて、自分のレースを終えたシリーズ組は、決定戦に出る仲間が気になっていくようであった。
_mg_0269  9Rを終えたばかりの井口佳典が、モーター格納を終えると水際まで出てきて、水面を見つめる。決定戦組のスタート特訓が行なわれていたそのとき、もちろん黄色いカポックを着た同期生が、視線の先にはいた。腕を組み、じっと動かない井口は、そのとき何を思っていたのだろう。特訓を終えて、田村が係留所に入る。井口の立っていた場所は、田村が今日一日、調整をするために係留していた場所の前だった。モーターを止めて、ふたたび調整に入ろうとする田村に、井口は笑顔で声をかける。話したのはほんの二言三言だったけれども、井口は満足そうにうなずき、控室へと戻っていったのだった。

2009_1217_0620  スタート特訓を終えて調整用の係留所に入った田中信一郎のもとには、芝田浩治が歩み寄っている。芝田は、田中に回転数について尋ねたようで、田中は数字を芝田に伝えている。芝田は人の良さそうな笑顔を田中に向けて、三度ほどうなずいてみせた。
「ええ音してるでしょ?」
 田中が芝田に問いかける。芝田は、肯定することで田中を勇気づけようとするかのように、今度は大きくうなずいてみせた。それは明らかに、激励の意味をもつうなずきだった。頑張れみたいな直接的な声援は飛ばしてはいなかったけれども、芝田は満足そうに笑って、控室へと戻っていったのだった。
2009_1218_0311  その田中には、角谷健吾も視線を送っていた。10R後に出発する帰宿バスの第一便に乗るため、角谷は通勤着に着替えて、バスのほうへ向かっているところだった。田中は10R後、すなわち11R発売中に2周ほど試運転を行なっていて、それに気づいた角谷は足を止めて、水面を見つめた。田中はそのまま展示用ピットにボートを入れたから、角谷は田中のそばに歩み寄ったりはしていない。だが、きっと田中も気づいたと思う。角谷が祈るような目で田中の動きを追っていたことを。そこに激励が含まれていたことを。展示ピットに田中が入ったのを見届けた角谷は、表情を変えずにバスへと向かっていったのだった。

「おい! 湯川!」
 12R前のことだ。鎌田義が、湯川浩司を大声で呼んだ。鎌田はボートリフトのほうに向かっており、数10m離れて湯川も同じ方向に向かっていた。その湯川を、鎌田は呼びつけたのだ。
「湯川! お前は決定戦の楽しみ方を知らん! 俺が教えてやる。来い!」
2009_1218_0610  鎌田は決定戦のレースをいつもボートリフトのあたりから観戦していて、すなわちそこが特等席。たしかに、2Mと対岸のビジョンがよく見える場所だ。鎌田は、艇運係の方に話しかける。
「湯川は最近、決定戦に出てばっかりだから、楽しみ方を知らんのですよ~」
 たまにはシリーズ組として観戦するのもええやろ、という慰めなのか、だから来年はまた観戦される側に回れや、という激励なのか、とにかく鎌田は湯川を特等席にいざなった。湯川はバツの悪そうな顔をして、ボートリフトのほうへと歩いていったのだった。

2009_1220_0242 「おぉ、静岡、来てますねえ~」
 決定戦の枠番抽選会は、装着場内の小屋のような場所で行なわれる。ここは朝、体重測定を行なう場所でもあるようで、2階建て。1階は選手や関係者の喫煙所にもなっており、ガラス窓が2方向に設置されている。ここから、報道陣やTVカメラは抽選を覗き込むわけで、当然僕もその輪に加わっていた。
 坪井康晴がA組(結果的に12R)の1号艇を引き当てたとき、耳元で声がした。最初はどこかの誰かが別の人に話しかけていると思って気に留めていなかったのだが、どこかで聞いた声だな~と思って振り向くと、笠原亮が報道陣の頭越しに抽選の様子を見ていたのだった。
 B組(結果的に11R)の抽選に移り、笠原の師匠である服部幸男がガラポンを回す。
「2号艇の予感がする」
 ガラガラポン……お見事! ほんとに2号艇! もしかして、予知能力? 笠原が悪戯っぽく笑いながら、今度は菊地孝平の抽選を眺めて言った。
「菊地さんは3の気配がする」
 ガラガラポン……あらら、5号艇。
「あぁ……ま、そんなにうまくはいかないっすよね」
 静岡勢3人が好枠になりますように、と願いつつ、そして楽しみつつ、抽選の模様を観戦した笠原。来年はあっちの部屋に、と言いたかったが、それは明日以降にとっておこう。ともかく、笠原はにっこりと笑って、帰宿バスのほうに歩き出したのだった。
(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩=井口 TEXT/黒須田)


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速報 明日のトライアル!

 レース後の抽選会によって、明日11&12Rの枠番が決まりました! V候補の王者・松井はなんとなんと6号艇に。一方、松井とともに10点をゲットした池田は4号艇。この賞金1、2位の激突が今から待ち遠しい!!

11R
①原田幸哉
②服部幸男
③瓜生正義
④吉川元浩
⑤菊地孝平
⑥今垣光太郎

12R
①坪井康晴
②赤岩善生
③田村隆信
④池田浩二
⑤田中信一郎
⑥松井 繁


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速報 賞金王シリーズ明日の勝負駆け!

 トライアルがはじまりましたが、シリーズの方は明日がひと足早い勝負駆けです! 完走当確は井口、濱野谷、白井、湯川、辻の5人。残りの13ピットを巡り、朝から激しい攻防戦が繰り広げられますよ~!

賞金王シリーズ勝負駆け条件

井口佳典  ☆
濱野谷憲吾 ☆
白井英冶  ☆
湯川浩司  ☆
森永 淳  ④⑤
辻 栄蔵  ☆
今村 豊  ③⑥
藤丸光一  ⑤
今坂勝広  ②⑥
平石和男  ④
新田雄史  ④
中島孝平  ③④
森高一真  ④
柏野幸二  ③④
石川真二  ④
大嶋一也  ④
飯山 泰  ③
中野次郎  ③
今井貴士  ②
西島義則  ②③
徳増秀樹  ②
太田和美  ①
丸岡正典  1待ち
鎌田 義  1待ち
佐々木康幸 1待ち
萩原秀人  ―
木村光宏  ―
吉田弘文  ①②
芝田浩治  ―
松本勝也  ―
秋山直之  ①①
鳥飼 眞  ―
福島勇樹  ①①

(☆は完走当確、ボーダー6・00想定)


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THEピット――決定戦の空気?

2009_1219_0743 「やはり賞金王決定戦は違う。それは出た者でなければ、絶対にわからない」
 赤岩善生がそう言っていた。たしかに、それは毎年の賞金王ピット取材で実感してきたことではある。シリーズ組と決定戦組には、同じピットにいながら、確実に違う空気がある。賞金王決定戦の空気というものが、間違いなくある。
 だが、今朝はそれをそこまで強くは感じなかった。まだ一戦もしていないし、勝負の時までに時間があるからだろうか。赤岩にしても、動き自体はいつもと同じ。じっくりと自分の調整をして、それからモーターを装着する。顔つきがキリリとしているのも、いつものことだ。声をかけると、口元をぎゅっと締めたまま、力強い目つきで会釈を返す。それもまた、普段の赤岩とどこも変わりはない。
2009_1220_0253  瓜生正義の顔が朗らかであることも、どのSGのときとも変わらない。緊張感がないとは言わないが、しかし平常心を保てている様子であるのは、まさしく瓜生らしさというものだろう。慌てた様子で走り回ることもなく、マイペースで調整しているあたりは、機力に手応えがあるときの瓜生そのもの。彼が乗るボートのカウリングが赤く染められている以外は、ここが賞金王決定戦のピットであることを感じさせないものだ。
2009_1220_0184  坪井康晴も、肩の力が抜けた感じで、いつもの坪井康晴。今垣光太郎が眉間にシワを寄せつつモーターと向き合っているのも、いつもの今垣光太郎。田中信一郎が湯川浩司と笑顔で言葉を交わし合っているのも、いつもの田中信一郎。吉川元浩が男っぽい顔つきで水面を見つめているのも、いつもの吉川元浩。哲人の面差しを見せる服部幸男も、いつもの服部幸男だ。
2009_1220_0199  そんななか、菊地孝平が早くもモードに入っているのが印象に残った。視線を下に向けつつ、怖いくらいの厳しい顔つきで、じっと思念をめぐらせながら、まっすぐ歩いていく姿。まさしく集中力を極限まで高め、頭脳をフル回転しているときの菊地孝平で、すなわち勝負態勢に入った姿なのだ。気になるのは、機力万全のときほど、こうした姿は見られないということ。どこかに調整の余地を残しているときに、菊地はこうしたモードに入りやすい気がする。もちろん、レースの直前にはいつだってモードに入るのだけれど。
 原田幸哉も、少しばかりの緊張感を覚えているように見えた。チャレカの優勝戦のときのほうが、よっぽどリラックスしてたんじゃないかなあ……と思えるようなキツい目つきで、水面を眺めていたりするのである。久しぶりの賞金王、心地よい緊張を味わっているのだろうか。

2009_1220_0057_2  調整が目に入ったのは、田村隆信。整備室の前までボートを運んで、ギアケースを外しにかかった。手際よく工具を操ると、そのまま整備室の中へ。いったん装着したモーターから部品などを外して整備にとりかかっていたのは、田村だけだった。
2009_1220_0209  池田浩二は、装着自体がいちばん最後になったようで、検査員さんのチェックを受けると、その後はペラを外してペラ室へ。3R発走の直前にペラ室をのぞいたら、こちらがわに背中を向けるかたちで、集中してペラを叩いていた。
 松井繁は何か気になることがあったのだろうか、ボートリフト近くに置いてあったボートから、整備士さんを呼びに整備室に向かっているのを見かけた。呼ばれた整備士さんとボートに戻り、モーターを見ながら長い時間、話をしている。アドバイスを受けているというより、松井がいろいろと質問をしている様子に見えたのだが、果たして。2009_1220_0466 エンジン吊りに出てきた服部が、そんな松井に歩み寄る。松井は身振り手振りで服部に説明。服部はポケットに手を突っこんだまま、ふんふんと冷静に耳を傾けていた。服部が一言返すと、松井は納得したようにうなずいて、調整に戻った。明らかに、服部の一言が松井の背中を押す気つけ薬になっていたようだった。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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THEピット――トライアルがなんぼのもんじゃい

 予選3日目、なのである。人々が「トライアル開幕!」などと浮かれていようと、こちらは準優への大きなポイントとなる一日なのだ。
2009_1218_0668  朝のピットに入ると、回転調整のモーター音が響き、選手たちが激しく装着場を往来する。もちろん、ざわめきを作っているのはシリーズ組だ。1Rを走った山下和彦が、レースを終えるとすぐさま次のレースの用意に走る。中3レースで5Rに登場するから、時間は限られている。ガッシリ体型の山下が力強い踏み込みで早歩きをしている姿は重戦車のごとし。次なる戦いのために背筋をピンと伸ばして準備に向かう山下には、もちろんトライアルうんぬんなんてことは関係ない。
2009_1219_0792  3R前のこと、笠原亮がすれ違いざまに顔をしかめる。「回らない~~(泣)」。うわっ、泣きが入った。その数分後、整備室前に笠原の姿が。ギアケースを外して、整備室の中に駆け込む。笠原の調整パターンといえば、8~9割方はプロペラを合わせていくもの。つまりおおむね、ペラ室で姿を見かける。ギアケースとはいえ、モーター整備に走る姿なんて、見たことあっただろうか……。いや、ちょっと待て。笠原の出走は5Rではないか。もう時間がないぞ~~~。それほどまでに、笠原は苦しんでいる。そして、自身の戦いをまったく諦めていない。やはりトライアルうんぬんなんてことは関係ないのだ。

2009_1219_0933  それにしても、大嶋一也は素晴らしい。2Rでは、チャレンジカップ優勝戦を彷彿とさせる2号艇からのイン取りで、2着に敗れはしたものの、果敢な先マイを見せている。ほんとにもう、大嶋の出るレースが待ち遠しいくらいだ。
 レース後の大嶋は、粛々。ひたすら粛々。敗れた悔いも、インを奪った充実感も、すべて腹の底に飲み込んで、きっと前を見据えるのみであった。くぅ~、ダンディ! カッコいい! 
2009_1218_0573   インを獲られてしまった安田政彦も、粛々。というか、この人の飄々とした風情は、本当に味があるのだ。1コースを譲ったことも、大敗を喫してしまったことも、悔しくないはずがないのに、表情は変わらない。3Rが終わった直後だったか、朝の挨拶をすると、やはり飄々として頭を深々と下げてくれた。こんなときでも、表情は変わらない。大嶋と同様、こうしたタイプがいてくれることも、なんだか嬉しいことなのである。

 今日も今日とて風が冷たい朝のピット。少なくともこの時点では、決定戦組よりシリーズ組のほうが熱い!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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H記者の『朝からズッポリ!穴SM極選』

なんかヒワイなタイトルですが、単にサービスモーニングの略でありますw

R、待ってました、2号艇の丸岡。昨日の湯川よろしく2コースから強引にまくると信じちゃいましょう! ならば、今節ソコソコSいけてる秋山が朝からズッポリSMまくり差しで突き抜けます。連動する寺ショーとまくり残しの丸ちゃんへ。

3連単★4-25-全

※H記者が新幹線に乗り遅れたため、Kが代筆(代アップ?)しております。前検遅参でペナルティを与えようかと思いましたが……罰ゲームのアイデア募集します。携帯メールで送ってきたので、本文が短いのはご了承のほどを。


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3日目! トライアルスタート!

おはようございます。賞金王決定戦、3日目です。本日より決定戦トライアルがスタートです! いよいよ始まるベスト12戦士による究極バトル。スゴい賞金王を見せてほしい! そんな願いをこめて、水面をギュリギュリギュリと見つめていきましょう!

2009_1219_0851 もちろん賞金王シリーズも佳境です。3戦2勝の平石和男には、ベテランの意地を見せてほしいものです。(PHOTO/中尾茂幸)


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THEピット――決定戦とシリーズのコラボレーション

2009_1219_0464  3R発売中には、12戦士のほとんどのボートが係留所にあった。決定戦組はみな素早く装着し、着水した。そして、いち早く水面に飛び出して、手応えを確認しようとした。
 何気なく、決定戦組の、艇番カラーのカウリングがついたボートを数える。1、2、……11。1艇足りない。もう一度数える。やはり11。まだ着水していない選手が一人いる。誰だ?
 すぐにピンと来た。整備室に走る。やはり。
 今垣光太郎が、執拗にモーターの点検をしているのだった。今垣は、普段のSGでもこうなのだ。モーターを受け取ると、納得いくまで点検する。だから、装着はいつもいちばん最後。水面に試運転艇のモーター音がバリバリ響くなか、整備室にポツンと残る。
 賞金王決定戦でも、その姿勢は変わらないのだ。いつ、どんなときでも、自分のスタイルを貫く。最近「平常心」という言葉を連発する今垣だが、たぶん彼はいつだって平常心。自分を貫くこの姿が、彼の平常心なのだ。
2009_1219_0728  その今垣に、今日一日を通して寄り添っていたのは、中島孝平である。中島もまた、どんな場面でも表情を変えずに、己を貫き通すタイプ。そんな二人が一緒にいる場面を、今日は本当によく見かけた。同支部なのだから、エンジン吊りなどで行動をともにするのは当たり前。それでも、たとえば石田政吾や萩原秀人以上に、今垣がよく会話を交わしていたのは中島なのである。二人には、きっと通じ合うものがある。

2009_1219_0622    やっぱり東海勢は今ノッてるなあ。つくづく痛感させられるのは、東海勢が出走しているレースのエンジン吊りである。ボートを囲んでいる選手が「賞金王ジャンパー」ばかりなのだ。服部幸男、菊地孝平、坪井康晴の静岡勢に、原田幸哉、池田浩二、赤岩善生の愛知勢。総勢6名! 12ピットの半分を東海の選手が占めているのである。
 だから、たとえば新田雄史のエンジン吊りは大変な騒ぎだ。SG初出場の若武者を、強者の証をまとった者たちが取り囲んでいるのである。どえらい光景だなあ、と思う。そして、新田は幸せだなあ、とも思う。この空気が、期待の若武者をきっと成長させる。
2009_1219_0588_2  そういえば、服部、菊地、坪井の静岡軍団は、前検の航走(スタート練習3本とタイム測定)が終わったあとも、モーターを格納しなかった。さらに試運転を続けるつもりだったのだ。菊地など、ボートを陸に上げさえもしなかった。彼らは徹底的に、水面ではレースが繰り広げられているのに自分のレースはないという特別な一日を、使う心づもりらしかった。
2009_1217_0255  そんな菊地のすぐそばを、佐々木康幸が通り過ぎていく。前半の記事で、菊地と徳増秀樹の絡みを書いているが、そういえば佐々木と菊地の絡みはほとんど見ていないような気がした。これが坪井と佐々木でも同じこと。服部は佐々木の師匠なのに、その絡みも目撃していない。笠原亮が先輩の決定戦組と絡んでいるのは見ているのに。
 佐々木は機力に苦しんでいる様子だ。今日は2走とも舟券に絡めなかった。レース後の佐々木は、ヘルメットの奥でツラそうな表情をし、そして首をかしげた。その横に、ハツラツと決定戦への準備をする菊地がいる。何かを象徴している明暗に見えて、賞金王決定戦のピットとは何かということを、改めて考えたりもした。

2009_1219_1137  試運転をとことん続けたもう一人は、吉川元浩である。いちばん最後まで着水したままだったのは、静岡勢ではなくこちらだ。会見では、モーターに手応えがあることを表明していたが、それでも吉川はさらなる上昇を目指し、静寂に包まれかけている係留所に残った。
2009_1219_1171  そのパートナーとなっていたのが、鎌田義である。もちろん、自身の調整という意味もあるだろう。というより、そちらの意味のほうが大きいかもしれない。しかし、とことん試運転を続けたい吉川に寄り添うように、自身も水面に飛び出す姿は、麗しい先輩後輩の姿を体現していたように思う。2年前の福岡賞金王、吉川の優勝の原動力のひとつとなっていたのが、直前に食事をした際の鎌田の涙ながらの説教だったそうだ。
 友情で結ばれた2人が、暮れなずむ住之江の水面を並んで疾走する。ともに結果を出してほしい……そう願わずにはいられない光景だった。

2009_1219_0548  この2人の関係性にも、深く唸らされる。田中信一郎と湯川浩司だ。兄弟子と弟弟子。すなわち同じ師匠をもつ同門。2人は、どのSGのピットでも、声を掛け合い、励まし合い、笑顔を交わし合っている。
 昨年は立場が逆だった。弟弟子が決定戦、兄弟子はシリーズ戦だった。機力劣勢に苦しむ弟弟子に、兄弟子はかいがいしく付き添い、アドバイスを送っていた。それが、弟弟子のファイナル進出の原動力にもなっていたはずだ。そして兄弟子は、シリーズを優勝した。今年、弟弟子は同じ結果で兄弟子にエールを送ろうと考えている。
 というわけで、今日も田中&湯川のコンビは、本当に何回も見かけたものだ。「自分で押さえなアカンと思うくらい、興奮している」と会見で語った田中は、きっと湯川の笑顔のなかにそのためのヒントをつかむだろう。大飛ばしの見解であることを断わっておく。今日、もっともピットでの雰囲気がよく見えたのは、決定戦組では田中信一郎だった。そして、シリーズ戦組では湯川浩司だった。

2009_1219_0241  最後に、やっぱりか、と言われても、この2人だ。田村隆信と井口佳典。銀河系軍団は、この舞台でもやはり絆の強さを見せつけている。井口にしてみれば、今節は弟子のほうを気遣う時間も多いだろう。シリーズ戦には自分も含めて4名が出場している。また、機力は抜群で、決定戦に駒を進められなかったウップンを晴らす環境が整っている。つまり、決定戦単身参戦の田村まで気が回らなくたっておかしくない。また田村も、同期を頼り切っているとか、依存しているとか、そんな気分は毛頭ない。今日も一人でモーターと徹底的に向き合う姿も何度も見かけているのだ。
2009_1217_0729 それでも、やはりこの2人が並んで歩いているのを見ると、何らかの意味を見出したくなるのである。いったい何を語り合っているのか……淡々とした田村の横で、井口はにこにこと笑っていた。弟子といるときにはあまり見られない、心やすい笑顔だった。その笑顔に触発されたのだろうか。やがて、田村の目尻は少しずつ下がっていくのだった。
(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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トライアル前検チェック……

2009_1219_0140  正直、ようわかりませんでした!
 大事な大事な賞金王決定戦トライアル前検。だというのに、ほとんど機力差を確認できないまま、終わってしまった……。言い訳しちゃうと、記者席は2Mの後方(ピット側)にあって、しかし今日は客席のほうに行く時間もなく、足合わせチェックも実に心もとない環境。今日は一人取材態勢だったので、許して! 明日からはH記者がきっちりチェックするはずですから。
 ……と、厚顔無恥のエクスキューズをしつつ、それでも雰囲気がよく見えたのは、吉川元浩、赤岩善生、菊地孝平といったあたり。エース機・池田浩二は、決定戦組との足合わせではそれほどインパクトを感じなかった。また、服部幸男、田村隆信がやや苦戦気味に見えた。黄色いカウリングのボートが常に弱めに見えていたんだよなあ……。

 と書いたところでいきなりお茶を濁すような感じになってしまうが、共同会見での各選手のコメントがまた、「決定戦組はほとんど差がなかった」というものが多かった。会見登場順に記していく。

「今のところ、ペラが合っていない感じ。伸びるペラをつけたら伸びたが……」(今垣光太郎)
2009_1219_0362 「特別いいわけでもないけど、悪いわけでもない。焦る必要はないですね」(坪井康晴)
「力強さはありましたね。スタート練習では重かった」(吉川元浩)
「はっきりしたことはわからないが、回転が上がっていなかった。重たさはないですね。決定戦組はみな一緒じゃないですかね」(池田浩二)
「そんなに悪い感じではなく、下がることはなかった」(赤岩善生)
「悲観することはないアシ。出足系統がよかった」(田中信一郎)
「2連対率の数字は最低ランクだけど、そんなアシではない。悪くはなかったですね」(松井繁)
2009_1219_0452 「ペラは合ってなかったですけど、アシはみな一緒ですね」(瓜生正義)
「決定戦組はほとんど似たような感じでしたね。戦える手応えはある」(服部幸男)
「力強さがあって、期待できるアシですね」(菊地孝平)
「まあまあいい手応え。直線はいい部類でした」(原田幸哉)
「ペラに反応してくれるエンジンですけど、いい感じはなかった」(田村隆信)

 ご覧いただければお分かりの通り、特別ポジティブな発言もなければ、特別ネガティブな発言もない。まだペラなどが合い切っていない前検段階でのコメントを鵜呑みにするわけにはいかないが、実際に選手たちは差を感じていないようなのだ。これを実戦仕様に仕上げていく段階でどう変わっていくか……。やはり明日からのH記者のチェックが重要になってきそうなのである。

 ちなみに、スタート練習3本の進入は以下のとおり。

2009_1219_1106 11R
1本目 1234/56
2本目 12563/4
3本目 36452/1

12R
1本目 123/456
2本目 1652/34
3本目 1235/46

 11Rで気になるのは1本目。4号艇は坪井だが、会見で「4コースを取るなら、たぶんカドを獲らせてもらえないだろう」と言っているのだ。なぜ?とも思うが、5号艇の服部、6号艇の赤岩の前付けを警戒しているのだろう(それが2本目の6コース練習の意味だろう)。もちろん、基本的に譲る気はないようだが。
 12Rでは、松井がすべてインコース。何があろうと絶対に譲らないつもりである。2戦目以降のことを考えて、他のコースを試す手だってあったはずなのに、まずは1戦目のイン逃げに全力投球なのだ。王者は早くも、他にプレッシャーを与えている。

2009_1219_0678  というところで、前検タイムだ。タイム順に並べる。
1 松井繁 6・52
2 池田浩二 6・56
  菊地孝平
4 赤岩善生 6・57
5 今垣光太郎 6・59
  吉川元浩
  瓜生正義
8 原田幸哉 6・60
9 田村隆信 6・62
10 坪井康晴 6・63
11 田中信一郎 6・64
12 服部幸男 6・66

 BOATBoy1月号によれば、「初日展示タイムが重要!」とある。ここ3年、初日展示タイム1番時計が2優勝、2番時計が1優勝なのだ。つまり、前検タイム上位は、初日1~2番時計候補となるかも!? 明日の展示タイムも見逃すな!
 というわけで、締まらぬ前検チェックですみませんでした。H記者、頼みますよ!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/K)


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賞金王シリーズダイジェスト 機力診断つき「2日目」

●1号艇の西島義則が1着。決まり手は……?
「逃げ」だろ?
 もし今日のレースを見ていなければ、見出しを見てそう言うでしょう。あるいは、そんなこと言うからには違うのか?と訝しく思うはず。
 正解は、まくり、であります。
2009_1218_0500  1号艇の西島義則が1着で、決まり手まくりってどういうことや! 住之江の審判長が間違えたんかい! いえいえ、もちろん審判長さんは間違っておりません。まごうことなき、白いカポックの西島のまくり。9Rの出来事でありました。
 スタート展示では、6号艇の藤丸光一が動くも、西島はイン主張。まあ、これは予想通りであります。ところが本番で、スタ展では6コースだった5号艇の木村光宏が藤丸を入れなかった。藤丸の動きに合わせて木村が舳先をスリット方向に向けたとき、西島はなんと、まだバック水面。そう、木村が1コースに入ってしまったのです。藤丸も舳先を向けているから、2コース確定。西島は、まさかまさかの3コース! 思い出すのは12年前の賞金王決定戦ファイナル、6号艇の今村豊が前付けして、1号艇の西島がインを奪われたシーン。あのときは「うぉぉぉぉっ」という感じでしたが、今日のは「え? え? え? ま、マジ?」てな感じでしたね。なんだか狐に化かされた気分でありました。
 ここからが凄かった。2コース藤丸が後手を踏んで中ヘコミになったスリット隊形。ここから西島はマクリに出ます。木村はもちろん抵抗するのですが、これを振り切った西島はバック先頭。俺のインを奪うなら奪え。そのかわり、思い切りマクってやるからな! そんな声が聞こえてきそうな意地のマクリ。イン屋というのは真っ先にターンマークを回りたい、と言い換えることもできるわけで、インを獲れなければマクっちゃう、というタイプも数多く散見されます。西島もまさしくそうした「徹底自力部族」。白いカポックというのがあまりに不思議なのは確かですが、西島らしい勝ち方ではあるのですね。……などと書いてみて、やっぱり1号艇の西島が3コースマクリの不自然さばかりがつのるではありますが。
 機力的に言えば、今日のような3コースマクリが決まるのだから、悪かろうはずがなく。行きアシが良さそうなので、インに入ればさらに西島らしいレースができそうですね。

2009_1219_1384 ●井口佳典、3連勝!
 2日目は12R1号艇1回乗り。4コースから攻めた濱野谷憲吾のマクリをがっちり受け止めて快勝! 節イチ指名の井口佳典、3連勝であります!
 マクリに抵抗し、決して前に出さずに、差させもしない。これはもう、めちゃくちゃ出ている証であります。もちろん井口のテクが可能にしている部分もありますが、やはり節イチで文句なし!でありましょう。 少なくともこの寒さ、気候が変わらなければ、ほぼ負ける要素がないのでは?とまで思えるほど。明日は9R、6号艇の1回乗り。1号艇が湯川浩司で、銀河競りが気にはなりますが、6コースからでも勝負になるアシだと思います。

●機力上位と思われる者たち
 その他、上位級と思われる選手たちをあげておきましょう。
2009_1219_1400  スリットからの行きアシが目立つのは、濱野谷憲吾、湯川浩司、辻栄蔵。濱野谷は井口に止められていますが、相手が悪かった。他の選手だったら、マクり切っていた可能性も充分です。湯川は1着は出たものの、いまひとつ結果には結びついていませんが、スリット近辺はいい感じ。辻は、H記者の見立て違い? 私には悪くないように見えます。
 新田雄史、今井貴士の水神祭組も上々。また、森高一真も最近ではかなりいいほうではないかと。今日は大敗でしたが、鎌田義も悪くない。このあたりは出足からターン足系ですかね。
 徳増秀樹は、前検時のインパクトが消えました。悪くはないんだろうけど、強調するほどでもない。評価を下げておきます。ただし、再爆発の可能性は頭の片隅に入れておきましょう。
 といったあたりで、私の担当は終了。明日からは現地にやってくるH記者にバトンタッチです。私よりも目利きのH記者ですので、明日からも乞うご期待。ではでは。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/K)


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モンスター、地元ラストラン!

 来る者あれば、去る者あり。今井貴士や新田雄史らの新星が活躍している今節、本日は艇界の宝が最後の走りを披露するという、せつない別れもありました。
 モンスター野中和夫、ラストラン!
2009_1219_1315  朝の引退セレモニー、8R発売中のトークショーと、今日は1日を通して野中さんとの別れを惜しむイベントが開催されたわけですが、そのメインエベントとして12R発売中に行なわれたのがラストラン。フロントには似顔絵がプリントされ、前部には「MONSTER」と記された黄金のボートに乗って、SG17Vの偉人がファンの皆様に別れを告げたのです。福岡競艇場での引退表明の際にも同様のイベントは行なわれていますが、ここはモンスターの地元にして、たくさんの記録と記憶と思い出を刻みつけた住之江。しかも賞金王決定戦中に、最後の雄姿を披露したことは、実に意義深いことであります。出走を待つ間には、盟友・長嶺豊さんや松井繁、田中信一郎、吉川元浩、鎌田義らがボートのカウリングに腰掛ける野中さんを取り囲み、笑顔でカポック姿を見つめていたのでありました。
2009_1219_1415  出走の合図がかかって、ピットを飛び出したモンスターは、小回りブイを回って1コースに進入。ピットでは「コンマ20くらいのスタート行ってくるわ」と笑っていたモンスター、実際はおそらくフライングという韋駄天Sを決めておりました。Fも多かったモンスターらしいというか(笑)。そのままコースを2周した野中さんは、大時計前でファンに最後の挨拶。救助艇でピットに戻ってくると、長嶺豊さんが大きな拍手で戦友を出迎えたのでありました。
2009_1219_1350 「スッキリした顔になったわ。朝は怖い顔しとったけどな。最後が賞金王決定戦なんて、お前らしいわ」
 長嶺さんの言葉は野中さんにどう届いていたか。たしかに野中さんの顔には、住之江を最後に走れた充実感があふれているように見えました。
 ありがとう、野中和夫。さようなら、野中和夫。この住之江でもう一度モンスターを見ることができたのは、実に幸せでありました!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)

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本日の水神祭! 新田雄史!

 本日も水神祭、出ましたぞ~!
 10R、新田雄史がイン逃げで1着。SG3戦目にして、初1着をあげました! 今日もとっても寒い住之江ですが、もちろん水神祭は敢行! 師匠の井口佳典が大張り切りで音頭をとり、静岡勢が参加して、勝利者インタビュー直後に行なわれました。

2009_1219_1260  待ち構える先輩たちの輪に、笑顔で飛び込んでいった新田はゆりかごスタイルでぶ~らぶら。時折、恐怖の表情を見せる新田ですが、ウルトラマンスタイルで投げられた今井貴士に比べれば、それほど怖くないんじゃないの? いや、新田が恐れたのは、めちゃくちゃ冷たい水温か。そりゃそうだよな~。日も陰った住之江ピット、立っているだけで寒いのに、水の中に投げ込まれるんだもんな~。冷たいよなあ。寒いよなあ。……などと見ているだけなのに震えていたら、1、2の3でドボボボボーーーーンと水中に沈んでいった新田なのでした。ふがぁ、見ているだけで寒い!

2009_1219_1272  ともあれ新田選手、水神祭おめでとう。今後SG常連となっていくであろう新田選手にとって、これはただの通過点ですよ! 昨日、今井選手のときにも書いたけど、一節2回の水神祭で一躍スターダムに駆け上がったらサイコーです!(PHOTO/中尾茂幸)


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THEピット――12人がいようとも

 わかっちゃいるんだけど、わかっちゃいるんだけど……申し訳ない。やはり今日という日は、気づけば12人を追いかけている自分がいる。決定戦はあくまで前検、少なくとも水面ではシリーズ戦の勇士たちが主役である。それはわかっちゃいるんだけど、わかっちゃいるんだけど……ふと気づくと賞金のジャンパーを見ちゃってるんだよなぁ……。
2009_1218_0878  とてめえの頭をポカポカ叩いていたら、あることに気づいていた。濱野谷憲吾の服装がヘンなのだ。トンチキな格好をしているわけではない。濱野谷が普通のSGジャンパーを着ているのである。
 濱野谷といえば、ベイパイレーツのユニフォーム、そうでなければ賞金王ジャンパーを着ているのが普通の姿だ。そう、賞金王ジャンパー。その濱野谷が、普通のSGジャンパーを着ている。ものすごい違和感、なのである。とんでもない違和感、なのだ。
 ハッキリ言って、似合ってませんよ、憲吾さん! やはりあなたは賞金王ジャンパーが似合う!
 そのへんの話を聞いてみようと思って、濱野谷に挨拶をしにいったのだが、ペラに集中し切っていた濱野谷は、挨拶は返してきたものの、それ以上を拒否するかのように早足でペラ室に飛び込んで行ってしまった。何かの決意、あるのかもしれない。

2009_1217_0048  もちろん、シリーズ戦の選手たちは12人がいようがいまいが、水面で一喜一憂する。3R、中島孝平はスリットから軽快に伸びてマクっていったが、松本勝也に差されてしまった。マクリの宿命とはいえ、悔しさはつのる。
 選手控室の前には、リプレイ用モニターが天井からぶら下がっている。レース後、ひとり見上げる中島がいた。柱によりかかり、腕を組んで、黙々とモニターを見つめる。石のように固まったまま。表情を変えることなく。
 やはり、そこに12人がいることなんて関係ない。自分の戦いは自分の戦い、なのだ。
2009_1217_0346  実は、そのレースを別のモニターで見て、「おぉ、中島孝平!?」と声をあげていた男がいた。鳥飼眞である。「中島孝平!」ではなく、「中島孝平!?」。鳥飼は出走表を持っておらず、「ちょっと見せてもらえますか」と我々の出走表を覗き込んでいる。そこには、本当に中島孝平の名前があった。鳥飼は、レースぶりだけで中島が走っていることがわかったのだろうか。だとするなら凄い。それがまた、敬意がこもっている口調だったのだから、中島も凄い。決定戦とシリーズ戦を走る選手には、どうにもならないほどの大差があるわけではない。シリーズ戦を走る選手たちだって、凄い。改めて言うことではないかもしれないけど。

2009_1218_0323  12人がやって来たことを、歓迎……は言い過ぎだけど、自身の利にしようとする選手たちだっているだろう。3R前には、すでに11艇が係留所に着水されていたのだが、そのうちの1艇、菊地孝平のもとに駆け寄ったのは徳増秀樹である。足合わせをして、その手応えを確認しに走ったのだ。上位モーターが使用される決定戦、そのメンバーとの足合わせは参考材料としてデカい。自分の機力がどの程度かの確認にはなるし、もし自分のほうが強ければ、それは超抜級の可能性をもっていることになる。だから、菊地ではなく徳増のほうが、手応えについてより知りたかったのだろう。もしかしたら、大きな手応えに心湧き立たせて、後輩のもとに駆けていったのかもしれない。
2009_1218_0455  そんな姿を眺めつつ、水面にも目をやると、吉川元浩と鎌田義が足合わせをしていた。たしか、去年もこの組み合わせを見たはずだ。鎌田が吉川のスパーリングパートナーであるかのように、水面を並んで走っていたシーンを。巨大な信頼感のなかで、かたや決定戦、かたやシリーズ戦での活躍を誓って併走する。そんな足合わせを見ながら、吉川は大きな栄誉を得た、今年は鎌田の番だと思わずにはいられない。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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賞金王決定戦、モーター抽選だ!

2009_1219_0002_2  運命のモーター抽選! 本日、午前9:20より、賞金王決定戦の公開モーター抽選が行なわれました。聖戦を戦い抜く相棒が決まる、厳かな瞬間。中央ホールに集まったファンの方々も、固唾を飲んで抽選の様子を見守っておりました。
 抽選順は、獲得賞金順。トップバッターは賞金ランク1位の池田浩二であります。まずは赤い封筒に入ったボート番号を引き、続いて青い封筒に入ったモーター番号を引くと……青封筒から出てきた数字は、「27」。
 いきなりエースが出たぁぁぁぁぁぁぁぁっ!
2009_1219_0045  これがエース機と知っているお客さんからはどよめきが起こり、池田浩二はガッツポーズ! SG2冠男にエース機、鬼に金棒じゃないっすか! 自分の席に戻ってからも池田は笑いが止まらない様子で、にこにこと隣の今垣光太郎に話しかけておりました。今垣は心ここにあらずって感じだったけど。
 その後も粛々と抽選が進み、最後の赤岩善生が引いたのが、決定戦モーターの中では2連対率2位の60号機。うわっ、最初と最後に高連対率モーターが出たのかぁぁぁ。初っ端にエース機を引いた池田、残りものに福があった赤岩、この二人の幸運ぶりが怖いですね。

 というわけで、気になる12戦士の引いたモーターとボートです。

池田浩二(愛知)
モーター 27 46・7%

ボート 11
※先述の通り、エースモーターを引き当てました。優出回数が断然の9回。B級選手乗艇でも好成績を残してきたモーターなのですから、池田が乗って出ないわけがない!?

2009_1219_0054 松井繁(大阪)
モーター 18 35・4%

ボート 83
※2連対率では全モーターの中でも23位。これが決定戦モーターに選ばれたのには、何か意味があるはずです。1着より2着3着が多いヒモ型なのが気になりますが……。

菊地孝平(静岡)
モーター 79 38・5%

ボート 16
※2連対率は高くないが、近況の動きが上場。高松宮記念で出畑孝典が準優に駒を進めている。A1級乗艇が少ない中でのこの数字は上々では?

2009_1219_0068 今垣光太郎(石川)
モーター 52 40・4%

ボート 26
※伸び型、だそうです。最近は行きアシから伸び仕様で活躍するケースが多い今垣には合っているかも? 

吉川元浩(兵庫)
モーター73 43・6%

ボート 66
※吉川が引いた瞬間、ちょっとだけどよめきも。若手の西村拓也がデビュー初優勝したモーターで、あのときは出てたなあ、という記憶があります。

瓜生正義(福岡)
モーター 10 33・8%

ボート 78
※池田浩二が「10番が欲しい」と言っていたモーターで、近況上昇機。この2連対率で選ばれたわけですからね。女子リーグで細川裕子が強烈な伸びを見せていましたね。

2009_1219_0085 原田幸哉(愛知)
モーター 62 41・1%

ボート 10
※松井繁が高松宮記念で準優出。また、古場輝義が乗ったときには、全レースで展示タイム1位だった。

坪井康晴(静岡)
モーター 23 42・5%

ボート 18
※なんと、3月の太閤賞で自分が乗ったモーターを引いた! その太閤賞は準Vですからね。9カ月前を思い出せば、早々に仕上がり万全になりそうですぞ。

服部幸男(静岡)
モーター 31 39・8%

ボート 38
※前節では日高逸子がオール2連対。とはいっても2着のほうが多いんですね。全体的にヒモ型モーターっぽいです。

2009_1219_0121 田村隆信(徳島)
モーター 9 43・1%

ボート 28
※優出回数がエース27号機に次いで多い。GWに湯川浩司が、高松宮記念で井口佳典が乗った、銀河系御用達モーター。仕上げについてアドバイスを聞けそうですね。

田中信一郎(大阪)
モーター 6 40・2%

ボート 59
※3連対率が第1位。ということは、ヒモ型モーターなのです。ただ、B級選手の乗艇が多かったモーターで、田中が乗ればまったく別の顔を見せるかも?

赤岩善生(愛知)
モーター 60 45・3%

ボート 72
※2連対率第2位。高松宮記念の辻栄蔵(準V)は出てましたね。その後、少し成績が落ちているモーターですが、1着率第1位のアタマ型モーターのようです。

2009_1219_0005  賞金王決定戦、ゴングが鳴りましたよ!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/K)


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H記者の『穴・極選』2日目

 昨日、自宅に引きこもり、パソコンに穴が開くほどレースVTRを観まくったHです。初日に連勝した3人が噴いているのは間違いありませんが、穴党にとってはもはや1円たりとも買うべき値打ちのないシリーズスター。こっそり狙い撃ちたい極選レーサーが3人ほどいましたですよ。たとえば、
4R★「丸岡の外」…これはもう穴狙いの定石。行き足上々の②藤丸もまくり屋なので2コースから①森高を叩きに行くかも。そのとき③丸ちゃんは……おそらくさらに藤丸の上を叩きに行きます。常識破りの丸々コンビ2段ツケマイ! もし藤丸が差しを選択したら丸岡は大喜びでぶん回すし。どっちにしても、「丸岡の外」④柏野に美味しい差し場ができるはず。初日のリズムもよく要注意!
7R★「Fの翌日狙い」…これまた定石中の定石。昨日、1マークを回ってもっとも凄まじいレース足&行き足を見せたのが出畑。逃げ圧倒の迫力でバック独走し、そのまま2マークを回ることなくピットに帰還しました。あまりに惜しいF……F分のアドバンテージを差し引いても、あの足は凄かった。今日の7RはさすがにSを控えそうですが、くるくる回っているうちに2、3着に潜り込みそうな気がします。①松本を信頼するなら1-5-全、1-全-5が狙い目。うまくはまれば万太郎になるかも?
 そして、今日の極選指定は隠れ超抜のいる8R。

8R
 ①三角哲男
 ②辻 栄蔵
○③今村 豊
○④佐々木康幸
 ⑤平田忠則
★⑥鎌田 義
進入123/456か213/456

 昨日ワースト級に見えたのが辻。ただピット離れだけは素晴らしいので三角とやり合って内水域が深くなるかも。枠なりで差しを選択したら、おそらく辻は引き波に沈みます。握って攻めるのは今村か佐々木ですが、ここで怖いのが鎌ギーなんです。昨日は道中で不利があっての3、4着。さらに今日は6号艇とくれば完全に人気の盲点でしょう。しかし、昨日の粘っこい追い上げを見る限り、鎌ギーの足は間違いなく上位。超抜と決め付けてしまえば、この枠でも十分に狙いがたちます。枠と展開を考えると、2着付けが絶好の狙い目。今村&佐々木のWヘッドに鎌ギーの食い込みを期待しましょう。

3連単★34-6-全

 さてさて、前回何人かの読者(つか、showさんだけ?)に支持された本命極選。今日も一発だけ書いておきましょう。狙いは9Rの①西島。しっかりバランスのとれた足で、なんとか逃げきるはず。②福島のピット離れが悪く、③白井が2コースを取って行った行ったの1-3-全!
 さあ、我が最強の敵(とも)しげ爺さん、いざ勝負勝負!!


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2日目! 決定戦は前検です

おはようございます。賞金王決定戦2日目。シリーズ戦は予選2日目、そして決定戦は前検でございます! まもなく決定戦のモーター抽選も行なわれ、いよいよ聖戦は本格モード。いよいよ今年の総決算が近づいてまいりました!

2009_1218_0838 今井貴士の水神祭で大喜びの鳥飼眞。男っぽさとお茶目が同居している人なのですねえ。(PHOTO/中尾茂幸)


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THEピット――仲間とともにいる幸せ

2009_1217_0531  SG初陣2着。6号艇なのだから、上々だろう。新田雄史は、申し分のない走りで夢の舞台の第一歩を踏みしめた。
 レース後、嬉しそうに微笑んでいたのは、むしろ井口佳典のほうだったように思えた。新田がなかなかヘルメットをとらず、表情が確認しにくかったのもたしかだが、井口は弟子の走りに満足そうに目尻を下げていたのだ。破顔一笑というほどに歯を見せたりはせず、穏やかな笑みを目元にたたえてエンジン吊りを訥々とこなしていく井口。そんな表情に気づいていたかどうか、新田は若者らしくきびきびと動いていた。
2009_1217_0265  新田のモーターを架台に乗せて整備室へと転がしていったのは、井口である。新田は井口のもとに駆け寄って、ヘルメットをかぶったまま声をかけた。振り向いた井口の顔は、やっぱり柔らかな微笑が残っている。新田の言葉に、「おうおうおう、うんうんうん」と優しくうなずきながら、いくつかの返答を投げ返していた。細かい内容までは聞こえてこなかったけれども、おそらくレース内容について、弟子は師匠に感想を求めたのだろう。そりゃあ細かい部分についてはたくさんのアドバイスがあるだろうし、それはきっと控室で、あるいは宿舎で、リプレイを見ながら授けられることになるだろう。そのときの井口はともかく、弟子の健闘をたたえ、喜びを分かち合っているように思えた。
 ヘルメットの奥で、たしかに新田の顔は安堵の色に染まっていたように見えた。

2009_1217_0193  満員御礼のペラ室で、目を引くコンビがあった。山本修一と森永淳である。86期の同期生。森永は今年の総理杯でSG優出を経験するなど、一足お先にこの舞台を何度も走ってきたが、山本のほうは初出場。こうしてSGのピットで行動を共にし、情報を交わし合うことができる幸福を感じているはずだ。
 外から覗いているだけなので、当然会話の内容はまったく聞こえてこないのだが、しばらく見ていると、森永が山本に言葉を投げかけ、山本がそれに応えていくという構図になっているのに気づく。もしそこで交わされている会話が、アドバイスや情報の類いのものであるとするなら、明らかに山本が森永に何かを教えているように見えるのだ。あるいは、森永が山本を頼っているというか。
2009_1217_0433  今回がSG初出場となったのは、たまたまなのだろう。山本には同期も一目置くスキルがあったということなのだ。初陣の場だとは思えないほど堂々としたふるまいをしていた山本は、震えて力を発揮できないというような失態は演じないはずだ。まして同期があと2人もそこにいるのだから、明日からも力を合わせる場面を何回も目撃することになるだろう。

2009_1217_0326  このコンビ、もちろん目にしたことがないはずがないのだが、しかしあまり記憶にも残っていないなあ……というのが、今村豊と寺田祥である。山口同士の2人だから、一緒にいて当たり前、たぶん見てもいるはずなんだけど、妙に新鮮な気がしたのはなぜなんだろう? 今村&白井の師弟コンビや、白井&寺田の同世代コンビは頻繁に見かけるし、記憶にもしっかり刻みつけられているのだが……。 
2009_1217_0496  調整用の係留所で回転数などのチェックをしていた今村に、寺田がニコニコと近づいていった。寺田の切れ長の目が、さらに細くなっていく。今村は、相当に大きい声で寺田に言葉を返しているのだが、モーター音にかき消されて、なかなか届いていかない。他にもモーターを始動して調整している選手はいたが、まずは今村さん自身がモーター止めたら?(笑)寺田の目がさらにさらに細くなっていったのは、今村が渾身のギャグを飛ばしていたのか、それとも。
 ともあれ、そこにはたしかな信頼感が横たわっていたのはたしかなことだった。ミスター競艇が先輩である幸せ、とともに。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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賞金王シリーズダイジェスト 機力診断つき「初日」

●ピンピン発進が3名!
 初日2回乗りを連勝した選手が3人、ということは、その3人で今日1日の白星の半分を独占したということであります。
2009_1218_0796  まずは、これがSG2節目となる新星・今井貴士! 水神祭の様子は別項をご覧いただくとして、レースぶりもなかなか見事なものでありました。4Rは2コースからの差し一閃。そして9Rは、6コースからのまくり差し! もちろん、6コースからの勝利は本日これ1本。それだけに、際立つ走りっぷりを披露したのでありました。チャレカでは大苦戦の今井が、賞金王シリーズではいきなりの大活躍。この差は何かといえば、やはり機力ということになるでしょう。すなわち、モーターパワーさえあれば、今井は大仕事ができるだけの実力があるということ。快調に連勝発進した今節は、台風の目となることは間違いありません。
 機力診断は、A。まだ上昇の余地があるように思えます。
2009_1218_0652  つづいて井口佳典。前検で節イチに指名した井口がやってくれました。7Rは、決まり手としては恵まれですが、3コースから果敢に攻めていった結果が先頭浮上。11Rはコンマ02の超絶Sから5コースまくり差し。実に鮮やかな航跡でしたね。2レースともに、一撃で決着をつけたという感じではありませんでした。たとえば11Rは4コースの寺田祥に抵抗されたこともあり、ターン出口では角谷健吾のほうが前にいたように見えています。しかし、寺田を一気に振り切り、バックではぐいぐい伸びて角谷をとらえたアシ色は、やはり文句なしの超抜級。このパワーがあれば、コース不問で大暴れしてくれることは確実でしょう。
 機力診断は、S。やはり節イチは井口にしておきましょう。
2009_1218_0866  もう一人の連勝は、今坂勝広。正直、前検ではむしろ苦戦気味に見えており、やや軽視しておりましたですね、はい。しかし、2Rは3コースからの強ツケマイを決めて、6Rではマクリ差し一閃。センターからの鮮やかな攻撃は、今坂らしい軽快さにあふれておりました。今年は1着大量産で現在3位、優勝回数9回は第1位という、絶好調男の今坂。勢いに乗れば一気に突っ走ってきた2009年だったわけですが、その象徴のような走りで初日ピンピン。これは、明日からも怖くなってきたぞ。
 機力診断は、とりあえずのA。正直まだつかみ切れていないのですが、連勝で悪かろうはずがありませんね。

●ドリーム戦は濱野谷憲吾!
2009_1218_r12_0955  ドリーム戦はファンタジスタがイン逃げで制しました。コンマ07のトップタイSから、外に何もさせない強い勝ち方。まあ、アシ色的には判断が難しいわけですが、1着タイムがダントツの1分44秒9ですから、これも悪かろうはずがありません。AかA’くらいでしょうか。
 気になったのは、前検では高い評価だった湯川浩司が、どうにも冴えなかった点。スタートが届いていなかったので、攻め筋が限られていたのは確かですが、スリットからの行きアシも前検より鈍いように見えた。調整がうまくいっていなかった可能性があるので、明日からの巻き返しには注意が必要ですが、今日のところは若干評価を下げて、2日目以降に再確認したいところです。
 おそらくドリームでもっとも出ているのは魚谷智之。スリットから覗いていく感じがありましたし、1Mは展開がなかっただけで決してアシ負けではないと思われます。また、白井英治、今村豊も悪くなさそう。重成一人は判断保留。

●シリーズ戦もアツいバトルだぞ!
2009_1218_0294_2  5R、3番手を走っていた太田和美に、吉田弘文が突進! これで太田はシンガリまで下がってしまい、吉田が逆転の3着を獲り切っています。
 8R、3周2Mを回った鎌田義が、森高一真と接触! 二人はとっても仲がいいのに、水面では真っ向からやり合う。鎌田の逆転はなりませんでしたが、諦めることのない追い上げは見事でありました。
 トライアルは極端に言えば殺し合いのようなもの――以前、服部幸男がそう語っていたことがあります。きっと明後日からの賞金王決定戦では、激しい戦いが見られるはずです。しかし、シリーズ戦もアツい! 負けじ魂に違いはない! 明日からも決定戦に負けないハードレースを見たいものですね。
 あ、機力的には、鎌田義はけっこう良さそうですね。森高も悪くなく、太田と吉田は上位とまではいかないか。あと、昨日も名前をあげてる徳増秀樹も相変わらず良さそうです。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/K)


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本日の水神祭! 今井貴士おめでとう

2009_1218_0816 「今井!…………GO!」
 ペラ室の中から、水面を力強く指さした鳥飼眞。え? え? じ、自分で飛び込め、ってこと?
 取り囲んだ報道陣を大爆笑させた、非情の指令。そんな、自分で飛び込む水神祭なんて、聞いたことありませんがな~~~~。
 というわけで、本日4RでSG初1着をあげた今井貴士の水神祭が、9R終了後に敢行! あ、もちろん本当に自分で飛び込んだわけではありません(笑)。
2009_1218_0827  その9Rも1着で、初日連勝という最高の水神祭を迎えることとなった今井。当然、勝利者インタビューに呼ばれたわけですが、これを待っていた先輩たちは、あまりの寒さにペラ室に避難。こんなに寒いと外に出たくないなあ、濡れた今井を引き上げるのもなお寒そうだなあ……と考えたのかどうなのか、インタビューが終わってあらわれた今井に、鳥飼は“自分で飛び込め”とジョークを飛ばしたのであります。そりゃあ本気じゃないのはわかるけど、今井にしてみれば先輩からの指令がどこまでギャグなのか、判断が難しい。え? え? 本当に? と戸惑いながら、自分で飛び込む素振りも見せたりして。さすがに鳥飼も「ウソウソ(笑)」と歩み寄りましたが、自分で飛び込んだら水神祭というより罰ゲームですよね。

2009_1218_0830  参加したのは、その鳥飼と、藤丸光一、出畑孝典、森永淳。担ぎ上げられたスタイルは、ウルトラマンスタイル。そういや、今井はウルトラマンの乗艇着を着ていたりもしますね。ということで、さあ行こう、水神祭。1、2の3でドッボーーーーーーンと超冷たい水の中に、今井は先輩たちの手で放り投げられたのでありました。気温は7℃。この寒さだからこそ、なお思い出に残る水神祭となったでありましょう。
 おめでとう、今井貴士。このまま一気にSG優勝して、一節2回の水神祭なんていかがでしょう?(PHOTO/中尾茂幸)


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THEピット――寒いんです!

2009_1217_0320  寒いと思うから寒いんや! とカマギーは言った。
 寒いと思わなくても寒いっす~! と私はカマギーに言いたい。
 いやはや、ほんとに寒いんだってば! こんなに寒い賞金王、久しぶりではないだろうか。ピットがもろ水際になっている住之江だから、さらに寒さはつのる。時折吹き抜ける風は、身を震え上がらせるに十分な冷たさ。つい、さみぃさみぃと呟いてしまう、摂氏6℃の住之江ピット。そんななか、元気一杯に動き回っている鎌田義には、本当に頭が下がります。やっぱり寒いと思うから寒い、んやろうなあ……。

2009_1217_0368  そんな気候の中、本日、水の中に突き落とされるのが決定しました、今井貴士! SG初勝利おめでとう! 元気者のめでたい1勝に、福岡支部の先輩たちは沸き返っていた。大将・藤丸光一をはじめ、皆が笑顔。にっこにこ。鳥飼眞は「今井! 泣くなよ!」などといってからかいつつも、笑いが止まらない様子だ。もちろん、今井自身も笑顔笑顔。水神祭は9R後に行なわれるようだが、こんな寒さの中でも歓喜の瞬間となることだろう。でも今井選手、風邪ひかないでね!
「ほんとっすよね~。今日の寒さはヤバいっすもんねえ~~」
 はい、ヤバいっす。水神祭後はすぐお風呂へ!

2009_1217_0564  こんな寒さだからか、ピット内には走っている選手を多く見かける。いや、住之江のピットは広いから、走って移動したくなるということなのか。ボートリフトがいちばん端っこ(150mの表示板の真横)、選手控室はやっぱり端っこ(展示ピットの裏あたり)。エンジン吊りに行く場合、走らないと間に合わない! リフト付近に艇を置いている選手は、ペラ室からも距離があるから(ペラ室は角っこにあります)、やっぱり走りたくなるというものだろう。
 今朝、もっとも走っている姿を多く見かけたのは、安田政彦。飄々とした表情で、手足は豪快に動いて、まさしく全力疾走。そんな安田を、少なくとも4回は目撃した。

2009_1217_0139  反対に、妙にゆっくり歩いていたのは、2R後の守田俊介だ。一歩一歩に力がなく、そろりそろりといった感じで歩いていたのだ。そんな守田に、辻栄蔵が歩み寄った。一声かけた辻は、タハハハと笑顔。だから、異常事態が起こったとは思えなかったのだが、やけに長い密談に、辻の顔が少しずつ曇っていく。
 3Rが終わって、選手たちはエンジン吊りへ。カマギーと並んで歩く守田は、やっぱりゆっくりゆっくり歩いている。カマギーもリフトへと駆けだしながら、「ゆっくりでええですよ」と声をかけた。
 無念。守田俊介、腰痛で管理解除。この舞台をたった1日で後にしなくてはならなくなった。H記者も残念でしょうが、2010年にはこのリベンジともなる大活躍を期待します。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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競艇温暖化を目指す開会式!

2009_1218_0085  地元の若手選手が開会式の締めとして務める、選手宣誓。湯川浩司が一味違う宣誓をしてくれました。
「昨今、地球温暖化といわれていますが、競艇界は寒冷化のほうに向いております。熱いレースで競艇温暖化となるよう、選手一同頑張ります」
 そうだ! 脱・競艇寒冷化! この賞金王決定戦が温暖化への足掛かりとなることを期待し、信じます! あ、湯川の宣誓には続きがあった。
「ファンの皆様におかれましては、財布の温暖化となりますよう」
 はい、まず我々は財布の経済危機から脱するよう頑張りましょうね!

 というわけで、まずはシリーズ戦の選手たち。この人がSGの開会式にいると、やっぱり楽しい!
2009_1218_0005 鎌田義
「寒いと思うから寒いんや! だから、鎌田のターンもうまいと思って見たら、うまく見えるかもしれませんね~」
 たしかに住之江は寒い! 昨日あたりから急に寒くなったそうですが、寒いと思わなくても寒いっす。でも、舟券は当たると思って買ったら、当たるかもね~。
鳥飼眞
「めちゃくちゃ寒いです。エンジンも寒いです。でも、心だけは熱く、最後まで走りたいです」
 そうです、心が熱ければ、エンジンも競艇も温暖化となるのです!
2009_1218_0013 福島勇樹
「やっとスタートラインに立てました」
新田雄史
「夢だったSGの舞台にやっと立てました」
今井貴士
「めっちゃ寒いけど、水神祭ができるよう頑張りたいです」
 若人たちの熱い気持ちが、水面をも熱くするのですぞ! あ、でも水神祭では風邪ひかないよう気をつけてください。
 最後は、この人の決めゼリフ!
2009_1218_0047 山下和彦
「明るく楽しく元気よく!」
 その気持ちで寒い一節間を乗り切りましょう!

 シリーズ戦48名が登場した後は、いよいよ決定戦の12名が登場。昨日の前検で見ていないスターたちが続々と登場する様子は、スペシャル感満載でゾクゾクしましたな。やはりベスト12戦士は特別な男たちなのです。登場順に、キーワードとなる一言をご紹介。
2009_1218_0098 赤岩善生
「約束通り12分の6に残るよう、男・赤岩、全力で走ります」
 賞金王でも、男・赤岩全開!
2009_1218_0111 田中信一郎
「5年ぶりにこの舞台に戻って来ました」
 そうか、住之江の賞金王決定戦は5年ぶりなんですね。賞金王男が、本来あるべき場所に戻ってきたのです!
田村隆信
「今年1年いろいろありましたが……」
 人知れず苦悩にさいなまれた時期もあった田村。そこから脱け出た天才は強いぞ!
2009_1218_0138 服部幸男
「ベストを尽くして、賞金王を獲りにいきます」
 あの伝説の賞金王Vから暦が一回りしました。どんな舞台でもベストを尽くす!
坪井康晴
「昨年のリベンジに来ました」
 さくねんは6着3本でしたね。今年はピンラッシュだ!
原田幸哉
「76期のみんなの思いを胸に頑張ります」
 同期の絆が幸哉を強くする! でも、同期生のライバルもおりますなあ。
瓜生正義
「出せる力を全部出したい」
 76期ワンツーこそ、同期の友が心から見たがっているものでありましょう。
吉川元浩
「本気で優勝狙っていきます」
 うむ~、この男が本気出したら強いよなあ。よほど手応えを感じているのでしょうね。
2009_1218_0177 今垣光太郎
「平常心+気合」
 気合パンパンの状態こそが、光ちゃんの平常心のようにも思えますね。
菊地孝平
「自分のもてる力をすべて出し切って、てっぺん目指します」
 ゼロ台連発宣言と見ましたぞ。
2009_1218_0216 松井繁
「本当に最高の準備ができました」
 なんか顔がキラキラ輝いていましたね。すでに王者モードに入っている!
池田浩二
「ナンバーワン目指して頑張ります」
 SG2V、賞金ランク現在1位、2009年のナンバーワンにふさわしい男です!

 ふぅ。いやぁ、今年も本当に賞金王が始まるのですねえ……。ともあれ、この寒い寒い住之江で、スゴい賞金王を見せてくれ! その熱気が必ずや、競艇温暖化への第一歩となるのであります。(PHOTO/中尾茂幸)


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初日! 聖戦が始まる!

おはようございます。賞金王決定戦初日、本日より賞金王シリーズが開幕します。今年もいよいよ黄金の6日間が始まる……2009年を聖戦で締めくくりましょう!

2009_1217_0173 選手班長は太田和美。賞金王シリーズは2Vと相性がいいレースです。班長の仕事は大変ですが、昨年のシリーズVはやはり班長を務めた田中信一郎でしたぞ……。(PHOTO/中尾茂幸)


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THEピット――怨念渦巻くシリーズ戦

 もし自分だったら、と考える。
 賞金王決定戦の常連もしくは連続出場の経験があり、優出や優勝もしている。昨年も決定戦に出ていて、今年も当然出場が目標。いや、どこかで出場することを信じて疑わなかった。しかし、今年は出場がかなわなかった……。
 ハッキリ言って、今日、この場にいることが許せないだろうと思う。本当だったら今日はのんびり大阪までやって来て、夜は前夜祭のステージに立ち、明日は開会式が終われば管理が解かれて自由の身だったのに……。いや、そんな今日の行動がウンヌンではなくて、ここが“決定戦のピット”ではないことに屈辱を覚えるであろう。来年こそは……と意を新たにするのはおそらく12戦士がピットにあらわれる明後日以降であって、今日はひたすら12位に残れなかった今年を悔いることになると思うのだ。

2009_1217_0259  JLC専属解説者の青山登さんが言う。
「井口選手、いつもの彼じゃないよ。雰囲気がぜんぜん違う」
 たしかに、井口佳典はムードが普段のSGとは異なっている。一言で言うと、ピリピリしている。エンジン吊りひとつとっても、顔に何らかの意思をたたえて動いている。不機嫌というと言い過ぎかもしれないが……しかし、そんな言葉を乗せてしまいたいような顔つきである。身にまとっているのは、賞金王ジャンパー。本来であれば12人のみに着ることの許されたコスチュームを、井口はおそらく決意をもって着ている。その決意とは……きっと誰もが想像できるはずだろう。
2009_1217_0663  白井英治も、やはり雰囲気が違う、と思う。彼は昨年が初出場、今年は連続出場をかなえられなかったのであるが、しかし顔の“おっかなさ”は井口に匹敵していた。もともと男っぽい顔つきを見せる白井ではあるが、実際は心優しきホワイトシャーク。しかし今日は、声をかけてみようという気にさせないような、“眉間にシワ”ぶりだったのだ。喫煙室でタバコを吹かす姿も、相当に迫力があった。
2009_1217_0308  魚谷智之については、その様子を見る限り、リラックスしていると思う。魚ちゃんスマイルも何発も見せてくれていて、はっきりと肩の力が抜けているように見える。ただ、共同会見で、今年は決定戦に出られなかったことで生まれた決意、というような質問が飛んだとき、魚谷の言葉がとたんに機械的になったのが印象的だった。「賞金王シリーズをしっかり走る、それだけです」。笑みが消えないまま放たれたからなおさら、硬い殻の中に身を引っ込めてしまった印象を受けた。
2009_1217_0826  一方で、湯川浩司はゴキゲンだったように思う。江戸川GⅠを超抜パワーで圧勝し、今日の前検でもある程度の手応えを得た様子だから、それが気持ちを軽くしているところはあるだろう。今年は機力に苦しむことも多く、それが賞金ランクをもうひとつ伸ばし切れなかった要因なのだろうから、トンネルを脱け出たことによる朗らかさが先に立つのは自然なことだとも思う。そして何より、湯川浩司には笑顔が似合う! 明るくシリーズ戦を戦い、納得できる結果を残すことが、湯川流の癒し方なのかもしれない。
 で、青山さんも驚いていた濱野谷憲吾のリラックスぶりは、彼らしさなのか、それとも。久しぶりのシリーズ戦をエンジョイしている、なんていったら、さすがに怒られるのかなあ……。

2009_1217_0238  そうしたある種の“怨念”が渦巻く一方で、見ているこちらもウキウキしてしまうのが、SG初出場組の「ピカピカのSGジャンパー」だ。山本修一、福島勇樹、新田雄史らの真新しいコスチュームが、実にまばゆいのですな。2009_1217_0502これを着る日を夢見て努力を積み重ねてきた若人たちが、誇らしげに袖を通しているのを見るのは、オッサンとしては本当に微笑ましいもの。3人ともなかなか似合ってますよ~~~……と思いきや、新田くん、背中からTシャツがはみ出してますがな(笑)。2009_1217_0533 そんな着こなし(?)も初々しく、彼らのフレッシュな戦いがますます楽しみになった。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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賞金王シリーズ前検チェック!

2009_1217_0155  節イチは井口佳典で決まり!
 おぉ、いきなり断言してしまった。大丈夫か? まあ、前検の段階だしぃ、レースが始まれば相場も変わるのが当然だしぃ……と思い切りエクスキューズをつけてしまうわけだが、それでも今日の気配は井口が断然であった。足合わせでは楽々と合わせた相手をちぎってしまい、ターン回りも悪くない。弟子である新田雄史との足合わせでは、まるで子供扱いであった。試運転の本数はそれほど多くはなかったが、出てくるたびに迫力ある走りを見せるのだから、文句なし! モーター2連対率は28・5%と決して良機とは言えないのに、この好気配。パワーを引き出したのか、それとも気合が背中を押すのか、ともかく前検でもっとも目立ったのは井口であったと、ハッキリ申し上げておきたい。
2009_1217_0158  湯川浩司も良さそうだった。足合わせは三角哲男、鎌田義の2人のものを見たが、ちぎるとかぶち抜くとか、そういう目立った足合わせというわけではなかった。スタート練習でも、目を見張るほどの行きアシや伸びがあったわけでもない。ただ、それぞれ分がいいのだ。大幅にではないが、半艇身ほどは湯川のほうがいい。これでペラが合えば、もっともっとパワーを引き出せそうな雰囲気、というか。三角との足合わせでは、むしろ出足がいいようにも見えていたので、湯川らしい仕上がりとは反対になる可能性も否定できないが、いずれにしても節イチクラスに達するポテンシャルはあるように思えた。
 というわけで、「2年連続で決定戦に出たけど今年は無念の銀河系コンビ」がシリーズ戦の主役になりそうな予感。ウップン晴らしの気合も含めて、初日から狙ってみたい2人だ。

 好気配に見えた選手をざっとあげていく。
2009_1217_0140  徳増秀樹。笠原亮とは内外入れ替わりながら2本連続足合わせ。ともにぶっちぎり。笠原が相当に苦しい可能性もあるが、徳増の軽快さが目立っていたのもまた確か。今年SG2優出はダテではありませんな。
 松本勝也。スタート練習での行きアシが軽快。また足合わせでは重成一人を軽々やっつけていた。ただ、重成はどの足合わせも苦戦気味ではあったが……。
2009_1217_0144  鎌田義。湯川と足合わせした選手の中では、もっとも差がないように見えたのがカマギーであった。そして、松本とも互角のアシ色。計算上はカマギーも上位ということになるのだが。
 今井貴士。そのカマギーより足合わせで強めだった。ほかに新田雄史とも足合わせをしていて、こちらも強め。チャレカに比べれば、かなりいい部類だと思うのだがどうか。

2009_1217_0116  不思議だったのが、今村豊と石川真二である。試運転開始早々の足合わせでは、非常に鋭いアシ色に見えていたのだ。特に石川は、大嶋を3艇身くらいぶっちぎっていて、やっぱりエース機か!?と思わせたものだった。ところが、2人ともいったんピットに戻り、それから数分経って再度水面に登場すると、今度は足合わせでほぼ劣勢なのである。さっきの気配はどこいった!? おそらくプロペラを換えて臨んだものだとは思うが、気がかりは気がかり。明日の試運転、またレースでの気配を確認してみたい。
2009_1217_0132  で、気配悪化後の石川をちぎっていたのが大神康司。スタート練習でも好気配だったので、これも上位級に加えておきたい。大神は9月の高松宮記念でめちゃくちゃ噴いてたなあ……。

 名前をあげるのは以上。あとはレースが始まってからしっかり検証していきたい。
 といったところで前検タイムが届きましたよ~。

1 福島勇樹 6・51
2 徳増秀樹 6・52
3 魚谷智之 6・53
  中野次郎 
5 吉田弘文 6・55
6 藤丸光一 6・66
  大神康司
  井口佳典

 見立てとしてはボチボチでしょうか。ちなみにワーストは石田政吾の6・73、西島義則と守田俊介と石橋道友の6・71でした。
(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/K)


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石川真二がエース機候補?

2009_1217_0115  上位モーターは決定戦で使用、すなわちエース機は回ってこない……というのが賞金王シリーズ戦の悲しき宿命。こうなると必然的に、モーター抽選の様子も普段のSGとは違ったものとなる。
 選手たちはたいてい、評判になっているモーターが何号機なのか、情報を仕入れて抽選に臨むものだが、その評判機の数字がガラポンの中には入っていないのだから、「あのモーターが欲しい!」という思いが希薄になるわけだ。
 だから、普段のSGだと、評判機の数字が読み上げられると「うぉぉぉぉっ!」とどよめきが起こるのに、今日は皆無。実に粛々と、実に淡々と、抽選が進んでいくわけである。
 途中からは、前方テーブルに置かれた1枚の機歴表らしきものを、10名ほどの選手が覗き込む光景も。つまりはそれくらい、選手たちも情報を仕入れられていない。一喜一憂があまり見られないモーター抽選、まあそれはそれで穏やかなあたりが悪くないのだが……。

2009_1217_0125  そんななか、中尾カメラマンと仲良しの石川真二が、抽選途中で中尾CにVサインをしてみせたという。記者席に戻って来て調べてみると、石川の引いた54号機は……おぉ、これは好機だぞ。2連対率こそ35・9%だが、優勝回数は決定戦に回るものも含めて、第1位! 3月には松井繁がGⅠ太閤賞を制しているモーターなのだ。ある意味、シリーズ戦のエース機! ちなみに、最高タイムも第1位である。
 その他、2連対率の高いモーターを引いたのは、出畑孝典(20号機)、重成一人(68号機)、笠原亮(32号機)といったあたり。トップクラスのモーターがない中での比較になるので、数字を鵜呑みにするわけにはいかないが、気分はまあ悪くないだろう。

2009_1217_0133  気になる濱野谷憲吾は、正座してガラポンを回し、14号機を引いた。畳敷きの抽選会場、多くの選手は腰を曲げて低い位置のガラポンを回していたが、濱野谷は正座。しかし14号機はあぁ、26・0%の凡機……。白井英治はクールにさくっと引いて、1号機。縁起のいい数字かと思いきや、31・5%。同期の平田忠則に肩をモミモミされながら引いたのだが……。えらくニコニコしてガラポン回した魚谷智之は70号機。32・9%だ。うーん、数字だけ見るとドリーム戦1~3号艇はあまりよろしくないなあ……。ドリームでは湯川浩司も36号機=26・4%。今村豊の75号機=35・5%はまだマシなほうか。
 ……うむ、これは数字よりもしっかり気配を確認せねば。

2009_1217_0120  ちなみに、モーター抽選順は、登番の古いほうから。つまり今村豊→(46名)→新田雄史という流れだった。抽選前に今村と新田がじゃんけんをし、今村が勝ったことで古いほうからとなったわけだが、ミスター競艇とじゃんけんしている新田は実に初々しかったぞ。そして、今村が勝つと大歓声をあげたのが、西島義則。よっしゃよっしゃ、こりゃいい、などと言いつつ大笑いでありました。ま、3番目に引いたモーター51号機は32・7%ですけどね……。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/K)


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寒風の中の選手入り

「吉川元浩がマイカーで来ましたよ」
 10時過ぎに通用門に向かうと、先に撮影を始めていたチャーリー池上カメラマンがそう報告してきた。兵庫と大阪は近いですからね、早い時間にも余裕で来れちゃうよね……って、よ、吉川!? マジかよ。なんで今日来るんだ!? 日にちを間違えた、とか? そんなバカな。
「あ、カマギー選手を降ろしたら、さっそうと帰っていきましたけどね」
 それを早く言わんかい。賞金王シリーズに出場する鎌田義を吉川が送ってきた、ということらしいのだが……ベスト12戦士に送ってもらっての競艇場入り、カマギーの活躍は約束されたようなもんだな、これは。

2009_1217_0058  というわけで、本日は賞金王シリーズの前検日であります。住之江入りする選手たちの思いはいかばかりか……と、たとえば井口佳典の姿を見ると、胸の奥を推し量ってしまう。昨年の覇者は、まさか今日の住之江入りとなるとは想像していなかったはずであります。それだけに、キッと結ばれた口元と鋭い目つきに何らかの意味を見出したくなるというもの。実際、今日その姿がここにあることには、違和感を覚えるというのが正直なところでしょう。
2009_1217_0057  一方、井口と一緒に競艇場入りした新田雄史は、むしろ感激を胸にたたえているはずであります。そう、新田はSG初出場! 通用門を抜けるとカメラの放列、というSGならではの光景に頬を緩める様子は、実に初々しく、またハツラツとしている。同じ舞台に立つ師弟ではありますが、その心中は180度違うのかもしれないなあ……と感じた次第。
2009_1217_0026  SG初出場といえば、福島勇樹も早々に登場しましたが、こちらも実にニコヤカに目尻を下げておりました。

2009_1217_0066  普通のタクシーではなく、どでかいワゴンタクシーで登場したのは、東京支部軍団。三角哲男、角谷健吾、飯山泰、中野次郎、そして濱野谷憲吾であります。そう、我らがファンタジスタも今年はシリーズ回りとなってしまった。次点ということは、おそらくもっとも悔しい思いで今日を迎えた男でしょう。とはいうものの、そうした様子を表情にはあまり表わさないのも濱野谷憲吾。ひとまずこの時点では、普段のSGの競艇場入りと変わらないように見えた。本音がどこにあるのかはともかく……。
2009_1217_0109  それにしても、さすが濱野谷憲吾、大人気である。本日、入り待ちのファンの方たちの一番人気は文句なしにファンタジスタでありましたね。サイン&写真撮影は延々と続き、通用門をすっかりふさいでしまって、後続のタクシーが立ち往生寸前、などというシーンもあった。やはりシリーズの最大の目玉選手なのであります。
 10数分もファンとふれあい、ようやく荷物検査へ……と歩きだした濱野谷の顔は、引きつったまま固まっている。そりゃそうだ。この寒風のなか、1カ所にとどまっていたら、表情が凍えるって。
 そうなのです。今日の住之江はめちゃくちゃ寒い! ここ何年か、ここまで寒い賞金王は記憶にないほど、冷え込みキツい前検日、なのであります。入り待ちのファンの方たちも本当に寒そうで、そんななか選手に激励を飛ばそうと待ち続ける姿には頭が下がる。もちろん、それに応える選手たちにも、であります。明日から住之江にご来場される方、いや、場間場外やボートピアなどにお出かけの方、いやいや、お仕事でお出かけの方、いやいやいや、ともかく外出される方は皆さん! 防寒対策をしっかりして、風邪などひかないようご注意くださいね!
2009_1217_0082  などと私もぶるぶる震えていたら、魚谷智之が鼻のあたりを真っ赤にしながら、「さっみ~~~~」と苦笑いしながら目の前を通り過ぎた。ほんと寒いっす~~~と頭を下げつつよく考えてみたら、この人も今日の競艇場入りは本当に複雑な思いだろうなあ……。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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優勝戦 極私的回顧

やんちゃ幸哉のゴボー抜き

優勝戦 進入コース順とSタイミング
②大嶋一也(愛知)17
①原田幸哉(愛知)14
③徳増秀樹(静岡)15
④池田浩二(愛知)13
⑤石橋道友(長崎)07
⑥田村隆信(徳島)18

2009_1129_r12_0581 艇界の風雲児・原田幸哉が12枚目、賞金王決定戦のプレミアムチケットを手に入れた。1号艇でインから楽逃げ、などという展開ではない。チケットの重さが如実に反映される、ギリギリの勝利だった。
 ファンファーレから20秒後、早くもスタンドが騒然となった。ピット離れのよかった大嶋がぐいぐい幸哉を威圧して置き去りにし、まっしぐらにターンマークを目指す。焦ったのは幸哉だ。「ちょ、ちょっと待ってよ、大嶋さ~~ん!!」ってな感じで猛ダッシュ。すでにイン屋の大嶋はブイをこするようにして舳先を返そうとしている。私は2艇が接触したかと思った。それほどの猛ダッシュで幸哉が突撃したから。
 が、幸哉がもろにぶつかったのはターンマークだったのだ(後でわかったことだが)。大嶋の厳しい締め付けに、入るスペースが1ミリもなくてターンマークにゴツン。慌てて艇をくるりんと回転させる幸哉。やはりこの男、大一番では必ず何かをやらかしてくれる。1マーク付近にいた周辺のファンは何が起こったかわからず、ギャーとかウワァァとか叫んでいる。
「あれって大丈夫なん!? あんなことしてていいんかっ!???」
 後ろの男たちが騒ぐ。確かに、実に不思議な光景だった。大嶋はすでにどっかとインに居座りどんどん流されているのに、一度突進したはずの幸哉はターンマーク手前でのんびり艇を流しているのだ。何がなんだか私にもよくわからなかったが、たとえ優勝戦で待機行動違反になってもタイトルや賞金に支障はない(実際、レース後に待機行動違反の裁定。これが準優だったら賞典除外の“大罪”だったのだが)。幸哉にとってはターンマークに追突したことが、むしろラッキーだったと思う。あのまま大嶋の内をすくっていたら、ふたりして80m起こしになったことだろう。
2009_1129_r12_0601 進入はインだけが深い2・13/456。誰が有利かは一目瞭然だ。深インの大嶋を尻目に、幸哉のダッシュが乗る。スリットからすぐに半艇身ほど覗く。が、幸哉はすぐには動かない。怖い怖いエース機の徳増をたっぷり焦らしてから、鋭角に差しハンドルを入れた。この焦らし作戦が功を奏して、エース徳増とトップS石橋の握りマイは空を切った。
 なんだかんだで幸哉、楽勝か?
 思った瞬間、内から不気味な影が忍び寄る。2番差しの池田だ。さすがの切れ味、シャープな航跡を描いた4号艇は内からぐんぐん伸びて幸哉を捕えたかに見えた。このとき、私の脳裏に浮かんだのは濱野谷憲吾の顔。このまま池田が今年3度目のSG戴冠となると、最後のチケットは憲吾の手に渡る。やはり、最後に笑うのは憲吾だったのか?
2009_1129_r12_0618  が、その最終切符が憲吾の手元まで近づいたのは、バック直線の数秒間だけだった。2マークを先取りした池田の艇がやや流れ、幸哉の豪快なまくり差しが突き刺さっていた。今度はブイに接触したりはしない、完璧な逆転差し。この一撃で、住之江チケットはすっぽりと幸哉の手中に収まった。原田幸哉、約2分間で24人ゴボー抜きの賞金王入り。
 一大イベントの大勢が決し、観衆は3着争いに声援を送りはじめた。私も。ここから先はダメ親父の独り言だと思って聞いてほしい。私は1-4-5で勝負していた。オビにはほど遠いけど、当たれば財布が数秒ほど立つくらいは買っていた。1-4態勢が固まって、3番手は⑥田村と⑤石橋の争いに。2周1マーク、石橋が豪快な強ツケマイを田村に浴びせ、ついに3連単の大勢も決した。

1-4-5だ!!!

2009_1129_r12_0681  1-4-6を1円も買っていない私は、ミチトモに感謝した。生涯の心の友にしようと思うくらい感謝した。かつて、アタマで買えば2着、2着で買えば3着、3着で買えば2着か4着という犬猿の関係だったりもしたが、ついにお互いにわかりあえた。財布が立つくらいわかりあえた。ありがとう、ミチトモ。今日のゴキゲンな強ツケマイは一生忘れないぞ。来年の大村グラチャンでも応援しまくるぞ!
 とか思っている間に、ちょっとずつ2艇の距離が縮まっているような気がした。田村の追い上げは見事だった。完走で賞金入り確定なのに、3着争いなのに、まったく諦めることなく石橋の尻を追いかけ続け、ややリスキーな鋭角差しハンドルを連発する。私は、眼前でとても素晴らしいものを見ていた。完走当確でも緩めることなく、闘争本能の赴くままに攻め続ける田村。その田村の前を何度も内に遮って、絞って絞って3着を死守しようとした石橋。こちらも完走で地元グラチャンの参戦権が得られるのに……私は確かに素晴らしいものを見ていた。が、最終ターンマーク、私は心の中でこう叫んでいたのだった。
「頼む、諦めてくれ田村、今回だけ、諦めてくれっ!!」
 そして………………。もちろん田村は、諦めるような男ではなかった。だから、賞金王12人に名を連ねられるのだよ。
2009_1129_r12_0716  ウイニングラン。幸哉が黄金のボートの上で立ち上がり、高々と両手をかざした。そのとき、私の禿げ頭にポツとひと粒の雫が落ちた。ポツ、ポツ。それは三粒ほどですぐに止んだ。この雨は、俺の涙雨か。などと思ったのだが、すぐに否定する。財布が立たないくらいで、俺は何を哀しんでいるんだ。思った。もしこれが涙雨だとしたら……私の脳裏に、今度はふたりの男の顔が浮かんだ。(Photo/中尾茂幸、Text/H)


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THEピット――ツワモノたちのチャレンジカップ

 まずは特別選抜B戦だ。
2009_1129_0186  赤岩善生の差しが決まった瞬間、ピットの温度が1~2℃上がったように感じた。
 最高の結果を手にして帰還した赤岩を、誰もが笑顔で出迎えたし、誰もが感動の思いで見つめていた。出迎えた大嶋一也が、感慨深そうに目を細めていた表情が忘れられない。赤岩の勝負駆けは、大先輩の名人をも感動させたようだった。
 ピットに上がった直後は、達成感こそ感じさせたものの、深い笑顔を見せたわけではなかった。いや、その後も赤岩は笑みを見せるよりも、充実した力強い表情を見せていた。原田幸哉が、菊地孝平が、坪井康晴が嬉しそうに抱きついても、赤岩は口元で笑うのみ。予選4日目も含めて、崖っぷちからの生還は笑顔よりも鳥肌が立つような充実感を与えるものだろう。
 それでも、原田がグータッチをしようと手を差し出すと、赤岩はその握りこぶしをつかんで、上下に激しく振った。その振幅の激しさが、赤岩の快哉を100%表現していたと言えるだろう。個人的な話で恐縮だが、その後ピットの裏で赤岩と握手をさせてもらった。その握力は、空手家だからなのか、歓喜が思い切りこもっていたのか定かではないが、ひたすら力強かった。
2009_1129_0326  あ、そうそう。大嶋が赤岩を出迎えたあと、同期の西島義則のエンジン吊りに加わって、感謝を表明していたことも印象的であった。3号艇だった赤岩は、ピット離れで遅れた2号艇の西島を絞るかたちで2コースを奪っている。ピット離れが遅れたのは西島の責任だが、強引に赤岩を押し出すことをしなかった。後輩のためにあくまでクリーンに戦った同期を、大嶋は改めて尊敬したことだろう。

 優勝戦だ。
 レース内容については回顧記事に譲るが、とにかく激しい優勝戦であった。
2009_1129_0272  展示が終わり、ピットが閑散とし始めた頃、驚くべき出来事がおこった。ピットの隅でチャーリー池上カメラマンと雑談していたら、工具を置きにいったん装着場に来ていた原田幸哉が話しかけてきたのだ。何に驚いたって、SG優勝戦の1号艇で、しかも舞台は地元だというのに、まるでプレッシャーを感じているところがなかったことである。ファイナルの白いカポックが、こんなにもリラックスしているところなんて、見たことがない。
「今まではレース前には集中していたけど、それはただ集中しているだけだった。でもここ何ヶ月か、“無”になれるようになった。いいときの僕は、レース前は無心だったことに気づいたんですよね」
 そんなふうに言っていたが、それが今節、形になったというのは簡単なことで、実際はもっともっと堂々めぐりのような苦悩もあったのだろう。そのうえで、プレッシャーよりもワクワク感が大きい精神状態に持っていくことができているのだから、そのメンタリティは怪物級である。
2009_1129_0047  原田が待機室へと向かったあと、チャーリー池上と僕はただただ唸っていた。結果はともかく、こんなふうに優勝戦を戦える原田幸哉は、間違いなく強者なのだ、と。
 進入であれだけ大失敗しながら、想定外の2コースにも動じることなく、1Mでは巧みに差し、2Mでは豪快にマクリ差しを放てたのは、もちろん超絶なるテクニックの証であるのは確かだが、“無”になることができる原田の心の強さがあったからだと思う。
 それでも、レース後の原田は、さすがにバツが悪そうだった。進入の失敗を「優勝はめちゃくちゃ嬉しいけど、それ以上に反省しなきゃいけない」と自覚していたのだ。祝福するために出迎えた菊地孝平も、抱きつきながら「何ぁ~にやってんだよぉ~」とからかっていた。優勝会見でも、歯切れの悪い言葉が並び、満面の笑みはほぼ見られていない。
 ということは、今日の強い原田は、まだまだ完成形ではない、ということになる。さらに完成度を高めていったとき、原田は本当にモンスターになるのではないか……会見を終えて去っていく背中を見ながら、そんなことを思った。

2009_1129_0113  敗れた選手たちは、おおむね淡々としていたように思う。2着に敗れてもっとも悔しい思いをしたはずの池田浩二も、渋い表情を見せながら、それでも粛々とモーター返納作業をしていた。原田にも、祝福のスマイルを送っている。田村隆信も、やることはすべてやった、という思いがあったのだろう。悔いよりは充実感のほうが強く顔つきにあらわれているように見えた。もちろん、賞金王出場を決めた安堵も、優勝戦後にようやく強くなったかもしれない。徳増秀樹も、顔をゆがめたりという姿は見られなかった。端正なマスクを崩すこともなく、優勝戦後の余韻を感じているようであった。2009_1129_0041 何かを見出すとするなら、やはり大嶋一也だろう。ピットに上がってヘルメットを脱いだ際、ほんの少し、唇をかみしめているような表情にも見えたものだった。だが、誰もがわかっている。大嶋が優勝戦を盛り上げたのだ、と。大嶋自身は敗れた悔恨しか胸にないかもしれないが、きっとピットにいた全員が大嶋を称え、敬意を表していたはずである。
 そんななか、石橋道友について、少し記しておきたい。実際にどれだけの重圧を感じていたかは、たぶん今日の時点では本人も本音を言わないだろうし、よくわからないということにしておく。だが、ピットでその姿を見る限り、石橋からSG初出場の緊張を感じることはいっさいなかった。展示が終わればさすがに表情が硬くなるかとも思われたが、石橋はまるで涼しい顔で待機室に向かっている。足取りも確かで、プレッシャーを楽しんでいるのではないかと訝しく思ったものである。
2009_1129_0084  レース後、モーター返納をしている整備室で、石橋が満面の笑みを見せていて、驚いてしまった。悔恨は絶対に胸の内にあったはずだが、しかし先輩らと笑ってレースを振り返られる、その強靭さ。人は悔しい時にも笑える、という真理もあるから、本当はそれが石橋の悔しさの表現なのかもしれないが、苦笑がいっさい混じっていないSG優勝戦敗戦後、というのは、誰にでもできることではない。
 この男、実は相当なツワモノなのではないか……。ただひとつ言えるなら、次の機会には歯を食いしばるところも見てみたい。そうして素直に悔恨をあらわにするのも、さらに上のレベルでの強者の姿だと思うからだ。
 ともかく、石橋道友、ナイスファイト!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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速報② 赤岩が賞金王決定戦へ!!!!

 東海のブルファイター赤岩善生が賞金王決定戦への確定ランプを点しました。10Rの選抜B戦でなんとなんと西島からコースを奪い取り、2コースから渾身の差し抜け。パワーをはるかに超越するスピリッツで11番目の住之江チケットを自力でもぎ取りました。
 一方、暫定12位になってしまった濱野谷憲吾は、ただただ祈りながら優勝戦を見守る、のみ……。


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THEピット――午後イチ

_u4w2384  午後イチにのぞいてみたピットは、静けさが少しずつ広がりつつあった。すでに管理解除となった選手もおり、ちょうど競技棟入口でタクシーを待っている福岡軍団と出会っている(大神康司が「お先に帰らせていただきます」と丁寧に挨拶してくれた)。人の数が減った分だけ、静寂度が増していくのは当然。これが優勝戦の日の空気である。

 石橋道友がまだ笑っていた。意外と図太いのか? 緊張感をまるで見せないあたりは大物なのか、それとも。何にせよ、この状態を優勝戦までつなぐことができれば、少なくとも力は出し切ることができるだろう。
_u4w2236  石橋と正反対の表情だったのは田村隆信。試運転から帰って来て、整備室へと向かう表情が険しかったのだ。ちょうどすれ違ったので挨拶をしたが、眉間に寄ったシワは残ったまま。本番直前まで、苦闘が続きそうだ。
_u4w2402  朝はややカタいかと思われた大嶋一也だが、さすがの名人である。風格が戻り、落ち着いた表情で作業をしていた。優勝戦に震えるわけがないな、この人は。7R前に着水し、係留所へと向かっている。ここから調整が本格化しそうだ。
 陸の上で慌ただしく動いていたのは池田浩二だ。ボートリフト近くに置かれたボートから整備室に走っている姿を見かけている。ボートの場所は朝から変わっておらず、着水しての手応え確認はこれからだろう。今は陸の上で全力疾走、という感じだった。
 徳増秀樹は、もしかしたら6人の中でもっとも試運転をしている選手ではないだろうか。真っ先に着水したのは朝記事に記したとおり。その後も、頻繁に水面を駆け回って、エース機のパワーをチェックしている。気温が下がったことで、感触も変わっているのか!?
_u4w2409  最後に、やっぱり余裕の原田幸哉。7R締切7分前くらいに、係留所でカポックを着込んでいる姿を発見。これがまた悠々とした動きで、ヘタすりゃモタモタしてるとまで見えなくもない。で、カポックを着込んでヘルメットをかぶり、いざ試運転へとボートに乗り込もうとしたとき、試運転タイム終了を告げる赤ランプが。あらら~、というわけで、ボートから降りた原田であった。やっぱり不気味なのである、原田幸哉が。(PHOTO/池上一摩 TEXT/黒須田)


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速報 10Rの赤岩は②着条件に!!

4Rの濱野谷憲吾、5Rの赤岩善生が無事に完走し、濱野谷が2着入線したことで、10R特別選抜B戦での赤岩の賞金王当確条件は
2着
になりました!
 赤岩が1、2着なら赤岩当確、濱野谷は暫定12位で優勝戦の結果待ち(池田、田村が優勝なら当確、他の4選手のVなら落選)
 赤岩が3着~6着なら濱野谷当確で赤岩が暫定12位(同上)となります!ある意味、赤岩にとっては優勝戦と同等の勝負駆けといえるでしょう。


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THEピット――緊張感は薄い……

 ♪カンカンカンカンカン
 ワッショイッ!
 というわけで、優勝戦の朝である。

_u4w1586  えっと、2R終了後のモーター返納の際、鳥飼眞が今井貴士のモーターをドライバーでカンカンと調子をとって叩くと、今井が客席にも聞こえようかという大声で「ワッショイッ!」と叫んだのですね。なんだなんだ、何が起こったんだ(笑)。鳥飼が大笑いしているところを見ると、後輩に罰ゲームっぽくやらせたようでありました。鳥飼はもういちどやらせようと、ふたたびモーターを叩き始めたのだが、今度は今井は腕でガード。よほど恥ずかしかったんでしょうなあ。
 そんな今井がモーターを整備室に運ぼうとすると……。
 ワッショイッ!
 またか!? いや、よく見ると菊地孝平がすれ違いざまに、今井をからかったのでありました。何やってんでしょうか、キクちゃんは。

 てなわけで、繰り返すが、優勝戦の朝である。そんな様子が示すとおり、特別な緊張感というのは何も感じられない。報道陣が一気に増えたことで相当に賑やかなピットとなっているのではあるが、別にそのざわめきが緊張感を覆い隠しているわけでもなさそうだった。
2009_1127_0441  なにしろ、メンバーの中でもっとも硬くなってもおかしくはない石橋道友が、ニコニコ笑っているのである。チャーリー池上カメラマンによると、今日になってカメラに追いかけまわされ、TVインタビューが連続し、そんな状況に照れ笑いをしていた、というのである。これがSG優勝戦……という時間を楽しんでいるようですらあるわけである。ピットアウトが迫れば、また変わってくるのだろうが、ひとまずは初めて体験する特別な時間を存分に味わっているのなら、それはそれでヨシだろう。
2009_1127_0095  徳増秀樹も、まったくプレッシャーを感じている様子はない。それどころか、あくまで私見と断わっておくが、醸し出している雰囲気は6名のなかではナンバーワンのように思えた。オーシャンカップの優勝戦の日は、正直カタくなっていたと思う。だが、今日はあの日とまるで違う。もちろん、好もしいほうに違う、のである。ちなみに、2R終了後に着水をしていて、これが6名の中でもっとも早い始動だった。
_u4w1766  徳増がボートリフトに向かったその頃、原田幸哉はまだ何もしていなかった。整備室にポツンと置かれているモーターがあって、番号を確認すると、これが原田の9号機。つまり装着すらしていないのである。整備でもするのだろうか……としばらく観察していたのだが、原田は整備室に向かう様子がまるでない。まあ、そのうち何か始めるのかもしれないが……。ともかく、今朝の原田は優勝戦の白いカポックを着る男とは思えない余裕なのである。1R後の安達裕樹のモーター返納に立ち会っているときには、両手を広げて鳥のようにバタバタ上下させるという、謎のアクションをしていたし……。
 一方、田村隆信は2R後に今村豊のモーター返納を手伝うと、その後にボートごと整備室へと運びこんで、モーターを外し始めた。どうやら今日も整備をするつもりらしい。優勝戦完走で賞金王確定、だからレースでは優勝よりも無事故を心掛けて攻めが鈍る……などという邪推は忘れたほうがいい。田村は早い時間から、「優勝戦を戦う」ための準備を始めているのだ。
2009_1127_0508  池田浩二もわりと早めの動き出しで、装着場での調整に時間を費やしていた。ネックウォーマーを目の下まで覆っているので、表情はなんとも察しづらいが、ただ先ほどの原田の鳥のはばたきの隣で池田が笑っている姿は確認している。やや肩に力が入っている感がないわけではないが、かといってカタくなりすぎているということもなさそうである。
 いちばん緊張感が伝わってきたのは、意外にも大嶋一也だった。昨日までとは何かが違う……漠然とした言い方で申し訳ないが、原田の柔らかさとは反対方向に、雰囲気が変化しているように思えるのだ。もっともそれは戦闘態勢を早くからとっているのだと考えることもできて、決して悪い意味のカタさではないようにも思う。百戦錬磨の名人が、このあとどんな表情を見せるのか、ちょっと気になってきたのであった。

2009_1127_0559 最後に、特選Bで勝負駆けに臨む赤岩善生。早い時間から調整を始めていて、チャーリー池上によると、朝からもっとも作業をしている、そして気迫を感じる選手が赤岩だそうである。最終日は優勝戦6名以外には、どこか最終日らしい空気というものを感じたりもするものだが、赤岩だけは予選道中と何ら変わらない。感動的な勝負駆けを決めた4日目とも、何も違いはないのである。(PHOTO/中尾茂幸=石橋、徳増、池田、赤岩 池上一摩=今井、原田 TEXT/黒須田)


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常滑チャレカ 準優ダイジェスト

逆転、また逆転

2009_1127_r10_0643 10R 進入順とSタイミング
①池田浩二(愛知) 01
②田中信一郎(大阪)06
③徳増秀樹(静岡) 03
⑥赤岩善生(愛知) 07
④菊地孝平(静岡) 06
⑤森高一真(香川) 05

 全員がゼロ台の超電撃スリット!! 私の◎菊地も例によってコンマ06発進しているのだが、これでは届かない。タッチSの池田が先マイ。その内にエース19号機を駈る徳増の鋭角まくり差しが突き刺さった。凄まじいパワーだ。バック中間で焦点は2着争いに。2マーク、池田が徳増を付けて回ったところ、今度は森高の渾身の差しが突き刺さる。ターン巧者の池田が二度に渡って差された。賞金王へ優勝条件のふたりの気合が、天才のターンを上回ったということか。
2009_1127_r10_0678  森高が必死に逃げる。追いすがる池田。2周2マーク、森高が徳増の引き波に乗ってキャビッてしまい、池田との差が1艇身まで接近した。森高の血マナコの顔が目に浮かぶ。が、追う者の強み、池田が俊敏に3周1マークを制して再逆転の2着となった。2着獲りの死闘。準優らしい、いいレースだった。それにしても森高、惜しかったなぁ。悔しいだろうけど、全国のファンにそのやんちゃな顔を売ったと思うぞ。
 徳増と池田が優勝戦へ。森高は特選A行きで賞金王への望みを絶たれた。そして賞金12位の赤岩は痛恨の5着で特選Bへ。当面の敵である田村隆信が12Rで優出を決めると両者の体は入れ替わり、絶体絶命のピンチに立たされることになる。

3カド奇襲、実らず

2009_1127_r11_0806 11R 進入順とSタイミング
①大嶋一也(愛知)12
⑤西島義則(広島)15
②吉田弘文(福岡)19
③石橋道友(長崎)19
④笠原 亮(静岡)19
⑥魚谷智之(兵庫)15

 今節の進入はおもしろい。西島が2コースを獲った瞬間、スタンドはちょっとだけ沸いた。これはまあ、想定内である。スタンドがどっと沸いたのは、その30秒後だった。3コースに甘んじた吉田が、颯爽と艇を引いたのだ。まさかまさかの3カド攻撃!
 が、この奇襲戦法をイン屋の同期ラインががっちりと受け止めた。西島が吉田の猛攻をブロックしている間に、大嶋が一気に逃走する。私の◎笠原も十八番の全速割り差しで突き抜けるかに見えたが、西島に接触してジエンド。代わって最アウトから魚谷がするすると差し伸びた。早々に1-6態勢かと思った1周2マーク、やはり今日の準優は2着争いが凄まじい。魚谷の2艇身ほど後方にいた石橋道友が、えぐるような差しを決めたのだ。
2009_1127_r11_0835 「好プレー、出た!」
 思わず実況アナが叫ぶ、一世一代の全速差し。この逆転は、石橋にとってあまりに大きい。賞金王決定戦への夢が膨らんだのはもちろん、来年、大村で開催されるグラチャンの権利をほぼ手中にしたのだ(優勝戦での完走条件)。石橋は魚谷の猛追を振り切って、SG初優出のゴールを通過した。おめでとう、ミチトモ!!
 一方、魚谷にとっても、あまりに大きな逆転負けだった。優出から選抜A戦へ……それは、そのまま賞金王の終戦を意味する。また、田中は6着に敗れたが、赤岩と魚谷の結果を受けて賞金王への当確ランプが点った。12人が、どんどん絞られてゆく。

残酷なまでの銀河競り

2009_1127_r12_093912R 進入順とSタイミング
①原田幸哉(愛知)02
②石田政吾(石川)06
⑤田村隆信(徳島)04
③湯川浩司(大阪)12
④丸岡正典(奈良)22
⑥坪井康晴(静岡)19

 田村の前付けを湯川、丸岡が容認して銀河3戦士の布陣が整った。それぞれのパワー性能を考えれば最強の布陣だったと思う。が、原田にコンマ02のタッチSを決められては3本の矢も届かない。逃げ圧倒でファイナル1号艇が決まる。焦点はまたしても2着争い。凄まじいパワーの湯川がバック直線で後続を退けた。1-3-2態勢。湯川のパワーを考えれば、このまま押し切る公算が高かったはずだが……。
2009_1127_r12_0981 2周2マーク、湯川がわずかにターンマークを外す。そこに、4番手だった田村が石田を外に跳ね除けながら、一世一代の鋭角差しを決めた。「一世一代という言葉の安売りをするな!」と叱られそうだが、優出すれば賞金王12人入りが決まるのだから許していただきたい。
 必死に追いすがる湯川。湯川とて2着なら3年連続の賞金王決定戦へ大きく近づく。3着なら終戦。残酷なまでの同期対決を制したのは、田村だった。湯川は最終1マークで突進した坪井に前を塞がれ4着。激闘だった。1-3-2、1-3-5、1-5-3、1-5-6、ターンマークごとに順位が入れ替わった。
2009_1127_r12_1005  レース後のスタンドから、しばらくどよめきが消えることはなかった。ほとんどの顔が笑っている。興奮し上気して赤らんでいる。口々に「凄かったな」「いや~まいった」などとその興奮を露出させている。この顔という顔が、今節の準優を雄弁に物語っていた。前付けありタッチSあり3カドあり逆転また逆転あり突進あり……これがSGの準優であり、これが競艇である。こんな準優を見せてくれたら、ファンの足が競艇場から遠のくことなど考えられない。そう断言できる、素晴らしい準優だった。拍手、拍手。(Photo/中尾茂幸、Text/H)


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速報 常滑チャレカの優勝戦メンバー確定!

 常滑チャレカの優勝戦メンバーが決定しました! 原田幸哉、大嶋一也、池田浩二の強固な地元ラインに遠征勢が立ち向かうという構図。賞金王ベスト12入りも含めて、興味の尽きないファイナル6ピットであります。

優勝戦
①原田幸哉(愛知)
②大嶋一也(愛知)
③徳増秀樹(静岡)